2025年06月08日

Myuk Live Tour 2025 Message from “Marie”



 朗読劇と音楽が響き合う。


 noteのアカウントに自己紹介的なものを書いてみたぜ!
 ――が、ヤバい。早くもこれ面倒だわ。私的にビュー稼ぎとか目的じゃなくあくまで自分の感情の記録なのだが、アップした瞬間明らかに初心者狩りな方からの接触がガンガンくる。そして、僕はそっと通知を切った。
 ここでは自分のことを細切れにしか書いてなかったので纏めみたいに書いて、投稿のしやすさには感動したが既に辟易としたので戻ってきた。もし興味がある方がいたらどうぞ→SuZuharaのnote
 まぁ、少し離れて自分の様子を見ますが、今回は大切な記録なのでこちらに書きます。


■感想
DSC_26155.JPG
 Myukさんのライブに行ってきたぜー!
 ワンマンとしてはちょうど1年ぶり、そんでもってMyukさんに会いにいくのは去年のミナホぶりですね。実は10月ワンマンもチケットは購入済みでしたが、体調不良すぎて行けなかった。そんで2月辺りにもあったのかな? ここは仕事関連で無理でした。

 今回のライブも一般発売時に知ったので慌ててゲットし、鎮痛剤持参と腹痛でないようにメシ食わないで行く。大丈夫、直前に水分だけはめちゃくちゃ取ったよ。あとしょうがw これはまたの機会に話します。

 今回のShibuya WWW Xには初めて行った、いや場所自体は知っていた。渋谷Parcoの近くだろ。ほぼ日関連であそこにはよく行ったので。
 しかし、入ったことはなかったんですよね。入口は隣の店舗の横、階段を4階分上がる、だと……?

 なんつー高所恐怖症殺しか。私はですね、高いところが苦手でしかも鉄筋むき出しが本当にだめなんだよ。死ぬかと思った。
 中に入ると今度は下りの階段を降りていく。上った分下がるのかな? あれ、これって帰り道も死ぬんじゃねと。心が、心が死んじゃう。しかも、会場で発表されたチラシのQR読み込みしながら降りるからみんな速度が遅い。頼む、一刻も早く俺を地上に戻してくれええ!と内心で叫んだのは内緒だ。

 さて、今回は一般チケット参戦なので真ん中くらいに陣取る。
 場所は悪くなかった。いや、オルスタで背の高い人に囲まれた時点で良くなかったのでしょう。俺だって日本人の平均は超えてるのにっ!

 セトリ。たぶん、あってると思われる。
M1 Black Sheep
M2 Gift
M3 夜の舞踏会
M4 魔法
M5 愛の唄
M6 encore bremen 
M7 Arcana
M8 フェイクファーワルツ
M9 Sakura
M10 シオン
M11 ひとりじゃないよ
M12 Pancake
M13 わたしね、、
M14 あふれる
M15 マリー
M16 花はかぐや

 今回の私は「花はかぐやが聴けたら僕はハッピーだ!」で臨んだので大勝利でした。あと毎回聴きたいPancake。でも、今思うとアイセタも聴きたかったなー。あの曲が好きだ。

 私的に久々になってしまったMyukさんのライブ、ユニオバオーケストラを除くと今年最初のライブだったのですが、めっちゃくちゃ良かった。Myukさんの歌がこう……言葉が正しいかは分からないけれども、とても進化していると思った。

 なんと言えば伝わるかな。Myukさんっていろんな意味で“強い”と思うんだ。歌唱力の高さからバンドの音に負けない声の強さはもちろん、歌自体のメッセージ性、ライブと朗読劇で進行することで物語性と世界観の構築の強さ。
 特に今回は、僕的前回のライブ2024年6月『Arcana 〜Acoustic Night〜』では朗読部分のストーリー展開を把握しようとすると曲に集中できないということが分かったので朗読の旅をする世界観を把握するのを諦めたんだ。曲が入ると旅人のいる場所の把握が難しかったのと、初ライブの時にメンバーとツアーの話とか作曲秘話とかしてくれる方が楽しかったというイメージがあったからだ。

 でも、今回のライブは朗読劇部分が誰かに宛てた手紙であり、その関係がどうであれその誰かを想うという気持ちが強いものだった。
 そこにMyukさんがメッセージ性の強い曲、あの歌い方は民謡なのかな? 外連味があると言えばいいのか、言葉の伸ばし方とか是非とも生で聴いてほしい。音源じゃほとんど伝わらねぇのよこの凄さは。自分の語彙の貧困さを痛感するよ……。

 しかも曲自体が難しいんだ。特に『花はかぐや』はよく歌えるなと思う。けど私はあの畳みかけるような言葉遊びが好きで好きでたまらず、一刻も早く聴きたくて大阪に行った去年ですよ。また聴けて良かった本当に。

 あと、最後にライブタイトルの「Message from “Marie”」の意味が分かった時の繋がった感はとても良かったなー。

 反対に良くなかったのは、俺の場所取りだ。
 前方の人が背を伸ばした途端にMyukさんは見えなくなる。あ、やっちまった。そんでもって直前のお兄さん揺れながらなぜか下がってくる。私は少しでも手を下げると、お兄さんの尻に手が触れるw
 ……もうね、満員電車のサラリーマンスタイルで観たよww
 スタンドマイクで歌っている時のMyukさんは見えないから、バンドメンバー、そしてギターを弾くMyukさんの手ばかり見ていた。お前は手フェチかw
 あとね、ここじゃないところで書いたのですが、私にはアコギを弾く女性に対してものすごく感じ入るものがあるらしくね。新しい扉が開いたねこれw

「最後に3つだけお知らせがります!」で、3つ“だけ”?と突っ込みながら、『マリー』がアニメのED化、ファンクラブ開設、来年デビュー5周年ツアー決定のお祝いを。
 ファンクラブはちょっと初めてのタイプでした。機能を見るに金を出せばファンレターが遅れて返信来るかも的なのかな? 月額式は得意ではないですが、ライブチケット情報が分かるのはありがたい。でもなー、来年の3月だとたぶん関東にいない気ががが。

DSC_2640.JPG
 ツアーグッズはタオルを購入した。タオルは薄目で軽く柔らかいのか好みなのでドンピシャだった。

DSC_2643.JPG
 で、イッヌに取られるというね。今もずっと包まって寝てる。取ると怒る。なんでや、それは俺のだぞw

 以上、すっげー楽しかったです!
 是非ともまた行きたいね。俺の体調が良くなるかは分かりませんが、絶賛状況は悪化しているので動けるうちに会いに行こう。そんでもってその前後でまたアルバムを出してくれたらうれしいな。




Arcana (完全生産限定盤) - Myuk
Arcana (完全生産限定盤) - Myuk
2024/01/22
ソニー・ミュージックレーベルズ




posted by SuZuhara at 11:23| Comment(0) | ライブ・コンサート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年06月03日

ビーキーパー


「何のために働くか、自分で決めろ。司法か、それとも正義か」


 もう依存症レベルで胃薬がないと生きていけない。薬が切れると死ぬ、痛みで。
 でも、痛みで仕事にならないから自宅で映画とか観れる。楽しい嬉しい、現状でもいいんじゃなかろうか。どうせ大して動けないんだ、遊べばいいんだよ! 俺はもう、仕事しねぇ!!


■あらすじ
 アダム・クレイは養蜂家として隣人に蜂蜜を届ける日々を大切に思っていたが、その隣人がフィッシング詐欺にあい、全財産と事業資金まで失ったことを苦にして自殺してしまう。彼女にはFBIの娘がいたのだが、犯人は手がかりすら掴めない。
 しかし、群れを攻撃されたとして養蜂家であるクレイは詐欺を行った組織を壊滅させるが、それは末端でしかなく、報復としてクレイに刺客を送るが返り討ちにされる。クレイは「ビーキーパー」という秘密組織に属していた人間であり、警察上層部がビーキーパーにクレイを止めさせようとするが働き始めた養蜂家はもう誰にも止めることはできなかった。


■感想
 クッソ面白かった! 私はここ最近アクション映画を見ていなかったんだけど、やっぱ楽しいよな! ステイサムの無敵アクションとシリアスになりすぎない復讐劇として最高の娯楽映画だった。くそぅ、正月に映画館に行っとけば良かったなぁ! ムビチケ買ってステイサムアクスタもゲットしておくべきだったな!!

 ざっくり説明すると、自分に優しくしてくれた隣人がフィッシング詐欺にあって自殺するとこは開始5分とか10分で来る。超展開。この辺りは番宣で知っていたが、これって養蜂家じゃなくてもステイサムならなんでも良くない?と思っていた自分が浅はかだった。これは養蜂家であることに意味がある。

 一度犯人かと疑われたステイサムだが、もちろん無実。相手が警官の娘でも手が出せない犯罪組織であることに歯噛みしていたが、ステイサムには関係ない。昔の仲間に電話一本で特定させて乗り込む。
「3つ数えるぞ」「ワン、ツー、スリー。俺が数えた」のシーンからわっくわくしっぱなしのステイサム無双で支店が壊滅されますが、この後で詐欺組織が深追いしちゃうからいけない。ボコられるですんだ三下が強い仲間揃えて乗り込むが、一人ひとりアサシンkillされる。消えていく仲間に恐怖して半狂乱で銃連射するもステイサムは頭を屈めもしない。こんなものは当たらないという強者感よ。

 この犯罪組織は主にフィッシング詐欺を行っているのだが、トップが怖いもの知らずの若造である。彼の尻拭いをしている男が養蜂家が相手だと知っていてどうにか止めようとし、現役ビーキーパーを引っ張り出すことに成功するがあっさり返り討ち。
 秘密組織ビーキーパーとは単純に言えば法で裁けない者を処理してきた暗殺者だ。なんでビーキーパーかというと蜂の生態と人間社会になぞらえていて、これはちょっと唸ってしまった。僕も大学で蜂の生態を少し囓ったしね。

 そして狙われたトップな若造は大統領の息子であることが判明。蜂の生態から女王蜂をすげ替えようと大統領まで狙われる。いや、ステイサムは無関係な人間は逃がしているからそこまではないのでは?とハラハラしたな。
 対する息子の方は、マッマには手を出せまいここは安全。傭兵も警察もたくさん用意したぞと万全の体勢で臨むが、それすら越えてあっさり侵入するステイサムに惚れ惚れする。

 この傭兵のボスがちょっと頭おかしいのではないかと思うくらいの真っ黄色な格好をしているのだが、こいつとステイサムとの戦闘がめっちゃ格好よかった! 善戦するだけでなく足を切られても最後まで抵抗するし、ステイサムのナイフ裁きが引き出せるだけで俺は喝采をおくりたいよ。

 そしてこの話は終始、法を守る娘と法を破ってでもやるステイサムの対比が行われるわけだが、分かりやすいそしてステイサムアクションで極上のエンタメ映画と言える。復讐劇ならジョン・ウィックだと思うが、あれはちと重すぎる。軽い気持ちでは観れないが、ステイサムなら安心して観れる。くそぅ、本当に映画館で観たかったなあああ!!


 では、最後に今回のお気に入り。
 俺は拷問して殺すのシーンか最後まで悩んだが、せっかくなので大統領のいるパーティ会場に乗り込んだことがバレて、手を頭の後ろにして座らせるシーン。大人しく座るステイサムだが、その手にはなにかのスイッチ。そんでこの前になにか仕込んでるシーンあり。
 例の傭兵が娘に「こいつは生きているだけで危険だ」と殺そうとするシーンで養蜂家はいう。


「蜂が死んだ、働く」


 ここから怒濤のステイサム無双劇に彼が去った後は台風が通過したと言われるのも納得だった。
 実に気軽に手が出せるのに、作業したいから吹替で観たのに鮮やかすぎるステイサム無双に目を離すなんて暇なんかなかったのさ。





ビーキーパー - デヴィッド・エアー, カート・ウィマー, ジェイソン・ステイサム, ジョシュ・ハッチャーソン, ジェレミー・アイアンズ, エミー・レイヴァー=ランプマン, ボビー・ナデリ, ミニー・ドライヴァー, テイラー・ジェームズ, ジェマ・レッドグレーヴ
ビーキーパー - デヴィッド・エアー, カート・ウィマー, ジェイソン・ステイサム, ジョシュ・ハッチャーソン, ジェレミー・アイアンズ, エミー・レイヴァー=ランプマン, ボビー・ナデリ, ミニー・ドライヴァー, テイラー・ジェームズ, ジェマ・レッドグレーヴ
公開日 2025/1/3
配給 クロックワークス

posted by SuZuhara at 21:26| Comment(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年05月31日

とにもかくにもごはん



「今はごはんだけで精一杯ですよ。とにもかくにもごはん。そこが万全になったら考えます。まずは万全にするのが先。わたしは人に何かを教えられる人でもないですし」


DSC_2585.JPG
 ちょいと前のことだがチェキを買った。そうチェキ。らしくない? 自分でもそう思うが、私がカメラに求めるものが物理的な軽さと撮るという行為への手軽さ。あとファインダーを覗く行為が面倒になることがあるのでこのINSTAX Palはすごくいい。それでも持って歩かないことも多いがね。

 e89e8da7-2e88-4522-87d5-3876303cd5cd.png
 イッヌの低めアングルもお手の物なので散歩には持っていきたい……いきたい、と思ってはいる。

DSC_2587.JPG
 レンズ保護用のケースを外せば昨日やったUNDERTALEガチャのサンズとくりそつだったw あれ、テミーも当たったのにどこにいったのか。

 ま、なんでこんな話をするかというと、せっかくだからこのブログの写真はこいつで撮った写真を使ってみようかなっていう試みのための前振りだよ。


■あらすじ
 亡くなった夫と最後にきちんと話した出来事をきっかけに松井波子はこども食堂を開く。
 ボランティアで運営される『クロード子ども食堂』では子どもだけでなく大人も利用できるのだが、運営側のボランティア大学生やひとり親のホステスなどみんな様々な事情を抱えている。けれどもあたたかいご飯を食べて、近いようで近すぎない距離で行われる会話に気持ちがちょっとだけ前向きになる。


■感想
b61d5180-d1e4-4b5b-9563-025a1d38341a.png
 どーん、光が入っている許してくれ。
 サンズ近い近い、となんか楽しくなったのは内緒。

 さて、今回は講談社文庫で行われているちいかわとよむーくコラボフェア対象作品なので買った。ちいかわ大好きな先輩が「てめぇが本当に本読むんなら栞くれよおお!」と乗り込んで来てフェアを知る。結構長い付き合いだが、未だに私が本を読むことを信じてくれていないw
 だが、このフェア少し難点があってな。私の利用する書店ではビニールがけした本の裏表紙に栞が挟んであって、でかいそれのせいであらすじが読めない。好きな作家さんの本は既に読破済み。食事系ってことで手に取ってみた。

 作者の小野寺史宜さんを私は存じていなかったのですが、子ども食堂話と聞いてちょっと怯んだ。私の個人的な事情は作品には関係ないので後述にしますが、思った以上に読みやすくそれに気づきの多い作品だった。シンプルに面白い、そして綺麗にまとまっている。私は起承転結をそこまで重視しませんが、結の部分が綺麗な作品はなかなか出会えないので素晴らしいと思う。

 では、ざっくり説明。
 松井波子が夫を事故で失ってからその後子ども食堂を始めるまでの話が波子視点で語られるのだが、これ話の流れが現実の時間軸も経過しながら過去のことも語られる。
 章タイトルを見れば分かるんだが、『午後四時 こんにちは 松井波子』のように登場人物で視点が変わりながら子ども食堂の一日も語られる。面白いなぁ、そんでもって無駄がない。

 波子は夫を失う前に関係が冷え切ったものだったのだが、以前に公園の街灯の下でひとりご飯を食べるエイシンくんを見守っていた夫と話すことで少しだけ関係は回復に向かっていた。
 けれどもその矢先での事故だ。だからエイシンくんをきっかけに子ども食堂をやろうと思った。子ども食堂が始まるまでに過去の出来事から疎遠になっていたご近所さんで閉店したカフェ・クロードを持つ黒沼さん宅に突撃したりとパワフルすぎる行動力を発揮してくれますが、波子さんの話はこれで一端お終い。

 午後四時半はボランティア大学生で就活アピール用にボランティア経験欲しさで参加した凪穂の話へと移る。
 彼女ことは嫌いじゃない、というか当然そういう下心はあって然りだと思う。自分も高校時代に生徒会――はめんどいので選挙管理委員会に所属したのは受験対策だ。あれは生徒会選挙の時だけ忙しいだけだったから後は楽だった。
 ボランティアだからと手を抜くということはなかったが、100%善意の塊のような同じく大学生ボランティア鈴彦と衝突した時は痛かった。やめて、その善意は俺と凪穂に効く……。

 午後五時から子ども食堂は始まり、そこからはお客さんがやってくる。子どもだけで来る子もいるが、牧斗は母親と一緒にやってきた。この母親がいちいち文句をつけてくる上に牧斗を置いてデートに行ってしまうような人だから当然のように嫌な気持ちを抱く。この人嫌いである。
 けれども、そんな大人でも牧斗には母親。「お母さんはぼくを守ってくれる」は洗脳というか、それしか知らないが故に思い込んでいるようなものかなと。

 話が少し脱線するが、去年辺りから所謂毒親についていろいろ考えていたりする。近所の公園で大谷選手に憧れて夜遅くまでバットを振る野球少年がいるんだが、その父親は大変参考になったくらいだ。
 だから、この母親でホステスの森下貴紗にも興味があった。

 でも、この人は毒親なんかじゃない。行動の理由が分からないと気づけなかった。ありがたい。
 貴紗が牧斗を置いてデートに行ったのは結婚相手が欲しかったからだ。男が欲しいのではなく、牧斗とこのまま暮らしていくために安定したかった。過去にもいいなという人はいて牧斗が原因で破談となった時に恨みかけたとはいえ、決して牧斗を邪険にはしない。彼女の幸せは牧斗ありきだ。
 牧斗の話で牧斗が同級生にはたかれた事件があるのだが、そこでの貴紗の反応ははっきり言って過剰に思えた。 ……過剰? というか、そんな完全武装せんでも、という感じ。
 けど、これにはちゃんと理由があってさ、牧斗が舐められないように牧人を守るためのものだったんだ。アレルギー云々を個人情報だから言う必要はないって断るのも彼女にはそれ。
 牧斗と相席していた小学生・千亜と話す時はその武装が取れてていいお母さんになるんだから不思議だ。

 こんな感じで全部を語りはしませんが、この一日だけでだいぶ世界は優しく回る。過去に犯した過ちの謝罪が出来たり、離婚の危機がちょっとだけ遠のいたり、理解者が増えてボランティアの当てが出来たりとね。
 最後に引っ越してきたばかりで自分の家の場所も分からない賢翔くんのお兄さんが向けに来るのだが、その展開は予測できなかった。

 この辺りで前述した僕と子ども食堂の話。
 もうだいぶ前になるけど、同期だけどかなり年上の先輩に押しつけられたお客さんがいた。上の方針的に利益が見込めないから切れと言われたような人だったが、のらりくらり躱していた。その人が突然子ども食堂をやるという。その資金繰り頼む、と。
 大変だった。単純に言うと賭けられる金が低いとリターンも低い、そんなんではどうにもできない。でもどうにかこうにか開催出来て何度か見に来いと言われていた。さすがにそれは断ったがね。僕は自分の仕事をしただけだ。呼ばれるのは筋違いだ。
 その人はその後も何度もやってきては経過を話して言ったよ。おかげで僕は仕事をサボれる――もといお客様対応で席を外すことになったのだが、去年来た時に病気をして声が出せないと筆談で話した。それを機にリスク案件は一つを残してやめさせた。その一つだけは絶対にやめないと言い張る。だってやめたらもう会えないだろ、ってね。
 こうやって話すのも仕事のうちだからいつでも時間は作るよ、と話したのが最後でその人は亡くなった。娘さんが引き取りに来て教えてくれたよ。子ども食堂は他人に任せたとのことでどうなったかは分からない。

 その直後で読めねぇよというのが正直な気持ちだった。
 けど、読んでよかった。なんもかんもと上手くいってはいないだろうが、こんな感じだったのかなって想像ができた。
 うん、よかった。この一件とは関係なくこども食堂を取り巻く現状とかが分かったし、物語としてもとても読みやすかった。今度、ぜひとも作者買いをしてみよう。

 では、最後に今回のお気に入りへ。
 今回はお気に入りというか気づきの多い話だったので、かなり気づかされたところを。調理を担当する久恵は退職して家にいることが多くなった夫との関係に悩んでいたこともあり、食後になにも言わずに去って行った子どもを見て「せめてありがとうと言ってくれれば」と愚痴をこぼす。それを波子に伝えると「私はありがとうを望まないと決めている」と言われる。


「それは、言われたくない?」
「言われたらうれしいです。でも期待はしないです。言われたいっていう気持ちは、いつの間にか言わせたいに変わっちゃいそうだから」


 これは、すごく身に染みた。
 情けは人の為ならず、優しくするのはあなたのためじゃなくて自分のためなんだから精神でいたつもりだが、言われたい、これをやったのだから礼くらいは言われて当然だと驕ったりしていないかと肝が冷えた。この機に自分の行動を見直していこう。






とにもかくにもごはん (講談社文庫) - 小野寺史宜

とにもかくにもごはん 
小野寺史宜
講談社 2023/9/15

https://amzn.to/3Sq04db

posted by SuZuhara at 10:14| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年05月28日

9人の翻訳家 囚われたベストセラー



 あなたはこの結末を「誤訳」する。


Screenshot_202505.jpg
 これが俺のグランドセイバーだああっ!!
 ――そう、選択肢などなかった。我がカルデアが弱小だった時代に支えてくれたランスロットにしか聖杯を捧げてなかった。ついでに金フォウも捧げてた。しかし、宝具は2だ。
 途中までガンガン回っていたのだが、やはり宝具の火力不足が否めない。セイバーだけだと補助も難しい。
 次のグランド戦はちょっと考えて用意した方がいいかもしれん。


■あらすじ
 世界的ベストセラー『デダリュス』三部作の完結編「死にたくなかった男」の出版権を手に入れたエリック・アングストロームは多言語翻訳を行い全世界で一斉販売することを発表する。そのために集めた翻訳者9人を携帯などの通信機器の一切ない地下室で厳重な監視下において作業させることで小説の流出を防ぐ環境を作っていた。
 集められた翻訳者たちは困惑しながらも、お金のためやいち早く物語を読みたいがためとそれぞれの思惑を抱えつつも作業は続き親睦を深めていく。
 しかし、とある日に「冒頭10ページを流出させた」という脅迫メールがアングストロームに送られてくる。それも、メールの最後には翻訳家たちで合唱した歌のフレーズが使われており翻訳者たちの犯行と確信したアングストロームは翻訳作業を停止して犯人探しを行うが、その暴力的な警備員の行動に翻訳者たちの間でも犯人探しが始まってしまう。


■感想
 観たい観たいと思いながら字幕版でじっくり観たかったのでやっと観れた。
 絶対に本編を観ないでネタバレを読むなと言われる作品の代名詞と言えば本作だと思う。
 さあ、見せてもらおうか極上と絶賛のミステリー作品の力を!

 正直なところ、話題になるのは納得の出来でした。こいつはすげぇや。
 ネタバレなしの感想や詳しい考察はもう出尽くしているでしょうからいつもどおりに好き勝手に書きますが、ネタバレは気にしないのでご注意を。自分のようなネタバレされても楽しめるタイプでもなるべく前情報なしで観た方がいい。最後の繋がった感がすごく綺麗だから。

 私はこの作品の元となった出来事、『ダ・ヴィンチ・コード』の4冊目で実際に翻訳家を閉じ込めて缶詰状態で翻訳させたなんてことがあったことを知らなかったのですが、昨今は海賊行為や違法流出と戦う相手がいっぱいだ。一ファンとしては普通に買うからと思うが、いち早く読めるという立場というと優越感はすごいものだ。それが得られるのであれば大金だって払う人は当然いる。
 集められた翻訳者たちは厳重な管理体制に辟易としたものを感じつつも、基本的には仕事を楽しむタイプが多い。地下に軟禁というと聞こえが悪いが、運動ルームやプールはあるし毎日シェフが目の前で作る豪勢な料理だ。作業時間もきちんと区切られてて日曜は完全休業。1日10ページという少ないと思われるかもしれないが資料は膨大にある図書室つき。ないのはネット環境くらいだよ。やだ、ここにひきこもりたい。

 翻訳家の中で印象的なのはアニシノバ。デダリュスのヒロイン「レベッカ」に入れ込みすぎて彼女の服装から髪型までなりきっていて初めはちょいと浮く。そして、初っ端から寝入って作業を送らせる若者アレックスで序盤は進行する。
 アングストロームのアタッシュケースに原稿が入っていてそれを持ち歩いているんだけども、アニシノバが独自の推理で番号を解読しようするとかヒヤヒヤする。彼女がレベッカになりきってプールに沈んでいたのを溺れたと勘違いしてアレックスが飛び込んだことで二人が作品をものすごーく理解していることが分かる。そんでもって解釈の違いもね。これが正しいと作者が持っていない答えでも解釈次第では本物になり得ると思うんだけど、こういう話をできる仲っていうのはめちゃくめちゃ楽しいよな。

 ここまでにちょこちょこと挟まれるアングストロームが誰かと刑務所で面会するシーンがある。ペルソナ5で言うと「どうなの?」と新島冴さんがジョーカーに迫るのを想像してくれればそれ。
 時間軸的に翻訳家たちと地下室は過去で、刑務所にいるのが現在というわけだ。当然、まだ相手は誰か分からない。確か、この辺のボーリングピンでの場面転換がめちゃくちゃ格好いいんだよなぁ。

 クリスマスだったのかな、どんちゃん騒ぎで楽しんだ翻訳家たちだがアングストロームに脅迫メールが来て実際に冒頭10ページが公開されてしまう。これ以上を公開されたくなければ金を払えですが、アングストロームは激怒して犯人探しにはいる。

 ここで物語の焦点は「誰が流出させたのか」「どうやって流出させたのか」へ。
 デンマーク語担当のエレーヌがなにやら書き連ねた文章を持っていて尋問となるが、それは自分の小説。周りを気にせずできる環境は書きやすかったというものだが、ここでアングストロームははっきりと「才能がない」と言いきって彼女の作品を燃やす。

 ……これは、だめだ。
 価値がないとか才能がないとか、そんなのは自分が一番よく分かっているんだよ。見ないふりの何が悪い。それでも書きたいと思えたら、最後まで書くことができればというのが底辺だろうが物書きの心情だろう。他人に奪われるなんてあってたまるか。筆を折っていいのはいつだって自分だけだ。
 だから、彼女の結末は――そして彼女の夢への足枷となった家族に対しての吐露はあまりにつらすぎる。

 翻訳家の中でも疑心暗鬼になってギスギスしていきますが、アングストロームは次の指定時間に翻訳家たちをほぼ裸にひんむいて迎えますが、そんなんで止まるはずがない。遠隔操作に決まっておろう。
 犯人探しを続けていくうちに「なんために流出させたのか」という疑問が湧いてくるが、中盤で刑務所でアングストロームが面会している相手がアレックスであることが分かる。犯人はアレックスかと思うのは焦躁であり、ここで刑務所に入っているのはアングストロームであり面会者がアレックスと分かる。
 正直、これは想定内。アングストロームならやりかねない。

 困惑の中で流出が地下室以前に行われていたことが明かされる。アレックスには翻訳者内に3人の協力者がいて、アングストロームから奪って気づかれないうちに返すミッションは壮大且つ大胆で楽しい。
 けれども、違和感がバリバリだ。あからさまなミスがバレていない。

 だが、問題なく成功したのでアレックス含めた4人はみんなで音読することで待望の最終巻を一緒に楽しむ。ここは最後を知ってから見ると、彼にとってこの瞬間は本当に幸せだったんだろうなと感じてしまう。

 100ページも公開されて怒ったアングストロームは地下のライフラインを切ってしまう。水も電気も切ってもう殺しに来ているが、そんな中でエレーヌが自殺してしまう。いや、それだけことをアングストロームはやったんだよ。暗闇はいけないよ。

 最後の全文公開を前に共犯者のハビエルが耐えきれなくなって暴露しかけるが、ここは地獄なのに翻訳者たちの機転がすごい。
 ハビエルを疑うことで共犯者たちは乗り切ろうとするがアングストロームが戻ってきてしまうのでアレックスが名乗り出る。元々、アレックスはデダリュスの1巻2巻の翻訳が不評だからと自己流のものをネットに流すとかしてしてた前科があるから疑っていた。部下をアレックスの家に向かわせていたのだが、それはダミー。ダミーと気づくローズマリーは優秀。

 ここまででアレックスがアングストロームの利益に重視のやり方を嫌っていることは明らかにされていましたが、彼の要求は一貫して「著者のオスカル・ブッラクに会いたい」というもの。翻訳家たちはアングストロームがスペイン語を解さないと気づき、咄嗟にアニシノバが通訳しながらアングストロームにバレないように作戦を話すの好き。
 けれど中国語で数を数えた時にバレてアニシノバが撃たれる。
 アニシノバを助けるためにアレックスは家の場所をいうが、ローズマリーに対しての対策もしていたのでここでローズマリーも裏切ってくれる。俺もいつか上司に言いたいよ、くたばれクソ野郎。

 刑務所で最後のネタバレ。
 初めからアレックスはアングストロームから何も奪ってはいなかった。鞄のすり替えも振りだけ。アレックスこそがオスカル・ブラックなのだから元々すり替える必要がなかった。
 共犯者を引き入れたのもただのブラフ。ローズマリーの写真も、あの壮大な入れ換え計画の人選もすべてはアレックスの入念な計画の下にあった。

 え、でもなんかオスカル・ブラックなじいちゃんいたよね? ね? という困惑はすぐに解消する。
 本屋のおじいちゃんと子どもの頃からの付き合いだったアレックスは彼を喜ばせるためにデダリュスを書き、それを読んだじいちゃんから出版を勧められる。けれど、乗り気じゃないアレックスはじいちゃんが書いたことにするならと了承し、じいちゃんはせめてとペンネームで出すことに。折衷案ですね。これで知り合いの出版社であるアングストロームのところに話が行ったと。
 しかし、アングストロームの売り上げ重視のやり方と翻訳家の尊厳無視にアレックスは怒り狂う。これが、じいちゃんオスカル・ブラックのアングストロームとはもう仕事しない発言に繋がっていた。じいちゃんはアレックスの気持ちを尊重したのだ。

 なるほど、つまりアレックスは自分の作品をアングストロームから取り戻そうとしたわけか。
 いや、まだだ。今作の核心はそこじゃない。

 アレックスが本当の目的は「誰がオスカル・ブラックを殺したのか」
 オスカル・ブラックことじいちゃんがアングストロームに絶縁状を突きつけた後のこと、アングストロームはじいちゃんを階段から落として殺していた。冒頭の燃える書籍は証拠隠滅に本屋ごと燃やしたから。そして原稿を奪った。アレックスはアングストロームから殺したとの発言を得るためにここまでやったのだった。

 うわぁ、これはすごい。
 アニシノバとの会話とかもね、アレックスがオスカル・ブラックであることを知ってから見ると彼が純粋に自分の物語の書いたの感想を聞くのが嬉しそうなんですよ。意識が戻らないアニシノバの病室で続きが一番気になっていた彼女のために音読してあげたり、共犯者たちとも作戦成功時は楽しそうに作品の話を聞いてるんだよ。
 だからこそ、売り上げ重視のアングストロームのやり方は気に食わなかったんだろうな。翻訳がつまらないというのも耐えがたいのだろう。そしてそれ以上に、幼い頃から大好きだった友達ようなおじいさんを奪ったことが本当に許せなかったんだと思う。

 ここで気になるのが、キャッチコピーの『誤訳』とはなにか。
 翻訳家たちとかけてアレックスの真意を読み間違えるってことなのかな? ミステリと思っていたら復讐譚だったみたいな。
 私はどうにも物語の展開から先読みをしてしまうタイプなんですが、情報が後から次々と明かされていくので目移りして想像できませんでしたね。最後までやりきったアレックスの復讐は爽快なのだろうが、アニシノバのこともあって大団円とまではいかない。
 というか、他の翻訳家たちのその後がないのがかなり残念だ。そもそも9人もいるせいで背景がほとんど語られないなんて人もいる。この辺りは難しいよな。

 あとこのミステリの形式上これまた難しいのだが、主人公という主軸となるキャラクターが途中まではっきりしないから感情移入がしにくいのが、自分的にちょっと観にくかった。

 では、最後に今回のお気に入りへ。
 アニシノバとアレックスはお互いファンということで分かり合っていたのだが、アレックスの嘘に気づいたアニノシバは信じられなくなっていた。ひたすらに「オスカル・ブラック」本人に固執するアレックスのことをアニシノバは否定する。


「オスカル・ブラックが誰か知りたいだろ?」
「彼の意思を尊重したい」


 ここからの流れでアニシノバが再びアレックスを信頼するまでの流れも好き。
 ちょっとメモってないのだが、会ってどうするのかって問うたら「ただ話を聞きたい」と答えたところもいいんだ。
 私は作者や好きなアーティストの素性とかプライベートには興味がないのですが――いやこの言い方だと語弊があるか。どこの誰で何をしていようと、その作品が好きであることには影響しないし、多くを知ってしまうことで先入観が生まれてしまうことが嫌だ。むしろ、相手が知られたくないことに知らぬ間に触れてしまうことが怖い。だから表に出ないという意思を尊重したいというアニシノバの意見は嬉しい。
 もちろん、恐れ多くも話せる機会なんか得られたとしたらずっと話を聞いていたい。作者が作品のことを語ってくれるとか最高だよな。作成秘話とかずっと聞いていたいよ。けっして緊張しまくって上手く話せないとかじゃないんだよきっと。






9人の翻訳家 囚われたベストセラー(字幕版) - レジス・ロワンサル, レジス・ロワンサル, ダニエル・プレスリー, ロマン・コンパン, ランベール・ウィルソン, オルガ・キュリレンコ, リッカルド・スカマルチョ, シセ・バベット・クヌッセン, エドゥアルド・ノリエガ, アレックス・ロウザー, アンナ・マリア・シュトルム, フレデリック・チョー, マリア・レイテ, マノリス・マフロマタキス
9人の翻訳家 囚われたベストセラー(字幕版) - レジス・ロワンサル, レジス・ロワンサル, ダニエル・プレスリー, ロマン・コンパン, ランベール・ウィルソン, オルガ・キュリレンコ, リッカルド・スカマルチョ, シセ・バベット・クヌッセン, エドゥアルド・ノリエガ, アレックス・ロウザー, アンナ・マリア・シュトルム, フレデリック・チョー, マリア・レイテ, マノリス・マフロマタキス
公開日2020/1/24
配給 ギャガ
posted by SuZuhara at 21:11| Comment(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年05月25日

ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング



「世界の終末を防ぐには――この男が必要だ」


 うーむ、やはりこのブログがどうにもうまく更新反映しないな。やはり場所を移すべきか。アカウント持ってるだけのnoteはあるんだけど、できれば自分用メモみたいなもんだからこのままでいきたいんだが……もうちょい考えます。


■あらすじ
 前作『ミッション:インポッシブル/デッド・レコニング』より、イーサン・ハントはそれ、自我を持ちサイバー空間により世界中のAIに侵入する最強AI・エンティティの鍵を手に入れたイーサン・ハント。だが、その鍵をどう使うかは分からないまま、エンティティは核保有国を乗っ取り、情報操作をして人類を操作して滅亡へと追い込もうとしていた。
 大統領からの協力要請を受けてイーサンは仲間たちとともに動き始めるが、エンティティを手中に収めようとするガブリエルが、エンティティも南アメリカの完全オフラインサーバー・終末の保管庫に入るためにイーサンに接触する。


■感想
DSC_2582.JPG
 シリーズ一作も観てないのに、行ってきたよミッションインポッシブル最新作ー! IN IMAX!!

 はい、前々からIMAXで映画を観てみたかったんだけど、私の行ける映画館は対応してなくてな。でも、今回は所用で行った場所にあるじゃんIMAX。4DXもやってんじゃん。んでもって、俺ここの映画館の無料鑑賞券持ってるから追加料金だけでみれんじゃーん!!
 と、えっちゃら行ってきた。次の予定に微妙に食い込んでいたんだけど、謝り倒して行ってきた。

 私のミッションインポッシブル履歴は、たぶんなにも観たことがない。せめてと思って金曜ロードショーでやっていたのを観ようと思ったのだが、まさかのタイミングで来客があって後半見逃した。
 まぁ、なんとかなるだろう。こういうのは連作ものであって知っていればベストだが、ストーリーは一つ一つで完結してるもんさー。

 ――はい、まさかの前作の続き物でした。せめて簡単にくらいは調べていくのが賢い選択だぞw

 なので、ここからはシリーズを通しての考察ができる玄人感想ではなく、ぽっと出で観に行った者のふわっとした感想とIMAXすげーなおのぼりさん感想である。

 まず、IMAXのスクリーンはでかいですね。
 私は基本的にD列、前から4番目に陣取ります。この辺りだと人があんまり来ないのと視界に他人が入ると気が散るという人嫌いさで。今回に限ってはこの選択は正解であり、失敗だった。
 前の方だとどうかと思ったが視界いっぱいがスクリーンと音のクリアが心地良くてめちゃくちゃ楽しい。ミッションインポッシブルを選んだのも正解でアクションシーン迫力はすごく良かったですね。特にグレースと一緒にガブリエルに捕えらえた時の拷問具使ってボコるシーンは音声のみなのですがわっくわくした。肉を殴る音がするぅ!!
 トム・クルーズがノースタントでやっていることが有名すぎて、イーサンが大変よりもトムが死ぬんじゃないかと違った意味で目が離せない。音響めっちゃいいいいいっ!!
 あと、番宣時に絶対に観たいと思っているブラッド・ピットの『F1』はIMAXで観たいなぁ。いや、これこそ4DXで観るべきなのかとわくわくしていた。上質を求めるならば金を払えばいいのだよ。

 と、思っていた私の思考は上映後には一変していた。
 いや、これはダメだ。この映画館がスクリーン前方から入るタイプなんですが、人が立ちまくるから視界が映像から切れて集中できない。え、いくらトイレとは言えこんな立つのか? 終盤のフライトバトルでもめちゃくちゃ通る。
 これならもう二度と来ない。やはり後方から入るタイプのスクリーンで前方陣取って観るのが僕の最適解。うん、いい勉強になりましたわ。

 さて、本編。
 前作を観ていない自分からするとそれ(エンティティ)ってなんぞ?状態で始まりますが、観ていれば分かるし前作からの人物たちも丁寧に紹介してくれるので初見でも問題はない。反対に、前作を観ているとくどく感じるかもしれん。

 仲間のベンジーとルーサーと合流し、ルーサーが作ったエンティティにとっての毒薬データで倒すというのは分かっていたのだが、どうやって?という部分が謎。
 前作からの因縁相手らしいガブリエルのこともよく分からないままスリの達人・グレースも合流して、あっとう言う間に捕まる。ここからのイーサン服毒自殺は楽しすぎたw

 ここまでの僕のふわっと認識では、なんか最強AIが核保有国の制御ぶん捕って核をぶっ放す気だよという世界の危機を認識していますが、ポトコヴァっていう鍵を使って手に入るエンティティの大事ななんかを沈没した潜水艦に取りに行く。
 この潜水シーンがさ、宇宙兄弟の月でのシーンみたいで、日々人はこんな孤独で戦っていたのかと。なのにさイーサンってば、宇宙服は味方――じゃなくて潜水服脱いで脱出するとかするから悲惨すぎた。
 なんとか助かる。え、後遺症解かないんか。俺の大好きな鮫映画に『海底47m』ってのがあるんだけど、最後のシーンは心理的に残酷で最高なので観てほしい。イーサン強すぎないか。

 ダンローは第一作で出てたのかな? 元CIAのプログラマー・ダンローが沈没船の座標を打つまでの攻防戦は面白かった。ま裏って字幕が正当なのかは分かりませんが、その言い方は小説で言うとアクセントで点が打たれているようなもんよ。
 ダンローはお嫁さんが痺れますね。言葉もきちんと通じずともグレースと敵を襲撃し、しかも犬ぞりをグレースに教えて「私がやれ? 無理無理! あなたがやって」身振り手振り(たぶん私は寝る)「……そうね。教えて」には笑った。長距離だもん、どっちか寝ていかんとな。

 終末の保管庫という人類の全てのデータ、それもオフラインで保管しているところに入りたいエンティティを捕まえるため、ガブリエルにポトコヴァと毒薬を組み合わせるように仕向け、エンティティが光学ドライブに入ったところでドライブ引っこ抜く作戦が決行される。ここのグレースのスリの達人設定好きだわー。
 ガブリエルを唆そうと思っていたところにCIAのキトリッジ参戦といういらんことのせいでガブリエルが逃げ出してしまうのですが、それで上記の特典ポストカードのような状態に。トムがトムが、とハラハラするが飛行中にしがみついてくる男がいたらこんなん見ちゃった方が死ぬわ。いや、実際結果的に殺されるけども。

 エンティティ対策に完全アナログ飛行機を用意していたガブリエルとの戦闘は、周到さが規格外を上回れなかった。彼の最後は僕が観に行った映画館にいた女性が「ガブリエルの最後呆気なさすぎ」と評価していたのですが、私的にはめちゃくちゃ自然だったので唸るほど感心した。一種の綺麗さすらあったと思う。完敗です。

 ルーサーの俺を怒らせたな、ともう少し伏線かと思ったのだがその辺は分からなかったな。あとあの爆弾の濫用はいただけない。んで、ダンローとお嫁さんがあれから生き残れるってなんでさ。ドガがめっちゃ頑張ったんだろうなw

 そんなこんなで初のミッションインポッシブルは面白かったです。シリーズをちゃんと観てみようかな。てか、この音響で観ちゃうとトップガンのシネオケ申し込まなかったのが大変悔やまれた。空中戦が大好きなんですよ。ゲームで自分でするなら苦手なんだけどね。

 では、ここで今回のお気に入りへ。
 ガブリエルを追うイーサンと爆弾の処理に残るダンロー&嫁とドガ、傷を負ったルーサーを担いでグレースとパリスは終末の保管庫へ向かう。ここでエンティティが逃げ込むドライブをセットできるルーサーが怪我から肺気胸を起こしてしまう。
 字幕を覚えている感じで書くので細部が違っていたら申し訳ない。


「君たち医療の経験は?」
「いいえ」
「殺しだけ」


 女子が戦闘極振りすぎたw
 パリス好きですねー。というか、グレースとパリスの俳優さんが知りたいので後日パンフ買ってくる。
 今回行った映画館はスクリーンはでかいが、それ以外がものすごく狭かったんだよなー。




前作ミッション:インポッシブル/デッドレコニング [Blu-ray]
https://amzn.to/4jg9rqR

原題または英題:Mission: Impossible - The Final Reckoning
配給:東和ピクチャーズ
劇場公開日:2025年5月23日


posted by SuZuhara at 09:17| Comment(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする