2025年01月21日

劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師



「あれは私たちでどうにかできる相手じゃない」


 無事に祖父の葬儀が終了した。
 いやー、疲れた。久方ぶりすぎる親戚に社交力振り絞って接した後、寝込む人嫌いさよ。みんな良い人なので、問題は全て僕にあるんですがね。
 多くの人といると耐えられないのでそのまま映画に行くよ。今は難しいのより気軽に観れる系がいいよ、ということで話題の忍たま映画に行ってきました。


■あらすじ
 タソガレドキ忍者・諸泉尊奈門との決闘に向かった後、消息を絶ってしまった土井先生を探して山田先生や六年生たちが動いている時、不在となった一年は組の担任はタソガレドキ忍者の組頭雑渡昆奈門と尊奈門が行なうことに。
 一年は組は土井先生出張との言葉を信じていつもと違う授業に耐えていたが、きり丸が偶然にも土井先生が生死不明であることを知ってしまう。
 そんな中、ドクタケ忍者の軍師・天鬼に接敵した六年生たちはその顔が土井と瓜二つであること自分たちでは歯が立たない強さを知り、命からがら逃げ出すのだった。
 軍師・天鬼の存在、ドクタケ忍者の暗躍を知り、タソガレドキ忍者も動き出す中、忍術学園と一年は組は土井先生を取り戻すために行動する。


■感想
 上映前から面白そうには思っていたのですが、12月って僕的に相性が悪い。僕ほぼ休みないねん。
 だから観に行けないかなぁって思っていたんだが、忌引きを利用していく罰当たりである。すまんじいちゃん、知ってるだろうけど自分のペースを取り戻せんと俺は生きられないんや。……でも、うちの親族みんな遊びに行ってるがね。

 さて、僕の忍たま理解度。
 子どものころにアニメを観ていた。以上。

 そんな触りしか覚えていないレベルでも十分楽しめた。うん、行って良かった。

 始まりは果たし合いという場に向かうにもいつものように普通に出掛ける土井先生と出会う乱きりしんの3人。ここでのやりとりで僕のような今までご無沙汰だった人間に忍たまのノリを思い出させると同時に終盤の伏線なのは恐れ入った。やられたと思ったね。

 土井先生に果たし状を送った尊奈門を知らなかったのだが、まともな忍具を用いずにあしらうところから圧倒的に土井優勢。鳥の巣を守って崖から落ちることになるが、さすがは忍者と見事に対応してくれる。
 最後、自ら川へと飛び込んで終了……のはずだった。なんかよう分からん玉みたいのが流れてくるまでは。

 残されたのは、行方不明の土井と気を失っていた尊奈門。雑渡さんが状況を説明して忍術学園と共同して土井捜索に向かうというシリアスが展開される中、表の一年は組では雑渡さんと尊奈門コンビによる授業がギャグ的に展開される。
 僕はもう大人なので土井捜索関係をもっと展開して欲しかったが、振り返るとこの案配は素晴らしい。土井を貶す尊奈門に一年は組が団結するところからも土井が慕われていること、画面上下二分割で六年生陣の聞き込み模様とか、無駄なシーンがないから飽きない。じっくり観れる。
 この後の尊奈門先生と生徒の雑渡くんはどうしても一年は組視線に立ちがちな我々の気分をスカッとさせてくれるしね。

 僕は金にがめついと言われる子どもだったのできり丸が好きだった覚えがあるのだが、ちゃんとアルバイトこなしているからきり丸は勤勉だよなぁ。そんなアルバイト中、偶然に六年生の動きを知ってしまったきり丸は先生にして家族同然の土井の行方不明――しかも生死不明を知ってしまう。

 六年生陣も土井を信頼しつつも一切情報がないことから死亡も考慮して捜索を始める。この、死の可能性を口にしただけで揉めちゃうの良い。感情と現実は分けねばならぬ。
 だが、ドクタケ忍者が土井らしき存在を運んでいたという情報を経て、六年生陣はドクタケ領へと潜入する。ここの武器を現地調達しつつ乗り込むとこ、めっちゃワクワクしたな! 六年生陣って記憶上では滅多に出ないけど好きだったんだよな!って。

 潜入を敵の軍師・天鬼に察知されて交戦。
 6対1にも関わらずあしらわれてしまう六年生陣だが、その顔を隠す布を剥ぎ取り土井であると分かった途端、気が抜けた。先生、俺たちですよ。きり丸も待ってるよ、忍術学園に帰ろう。
 その言葉で天鬼は本気になる。忍術学園は敵だ。
 手加減がなくなった天鬼に煙幕を爆弾(すまんこの名称覚えてない)だと偽ることで距離を取り、なんとか逃げ出す。追いかけてきていたきり丸も確保して忍術学園へと戻る。

 ここからドクタケの動きについて。
 ちょっと領地の名前を完全に覚えていないのだが、ドクタケが他の領地に攻め込むけから手出ししないでね的な約束をチャミダレアミタケと結び、チャミダレアミタケはタソガレドキを攻める。けど、ドクタケのそれは嘘でタソガレドキとチャミダレアミタケを争わせてどっちも奪って領地拡大を目指すという策を練っていた。え、あのドクタケがこんな賢い策を? これが軍師の力なのか!?

 あ、ちなみに記憶を失っている土井先生こと天鬼は八方斎の漫画と音楽で忍術学園は敵でドクタケ正義と洗脳されている。踊り出した時はドクタケのお気楽さをらしく感じたが、ちょっとこの八方斎はなんか変だ。俺の知っている八方斎じゃない。
 ここは終盤で分かったんだが、土井先生が川でぶつかった玉こと八方斎ヘッドで2人とも頭を打っている。土井は記憶を失い、八方斎も頭が切れるように――らしくない忍者的思考をするようになっている。いつもよりまつげが長くなってるとか、終盤の描写なしに気づいた人すごくない?

 山田先生と天鬼を探っていた息子の利吉と卒業生2人。六年生、五年生を動員して土井奪還作戦が始まる。その極秘作戦を一人知ってしまったをきり丸は1人で向かおうとするが、一年は組連中がきり丸の異変に気づいてみんなで行くことに。
 大人組が欺瞞だと切り捨てた城には組が行っちゃうのいいよね。そこで大黄奈栗野木下と会えたのめっちゃ嬉しかったね! この人が好きでな! 「お〜きなくりの〜きのしたさ〜ん」と謳うと「穴太だ〜わたし〜」と答えながら大事なこと全部話してくれるから間違いに気づくは組だけど、逃げ切るのは難しく捕まってしまう。

 大人組は3つの拠点のどれに土井がいるか探っていたところ、は組がある拠点に運ばれる。木下さんはそれでバレるとか考えない人やでw 六年中心に潜入、は組救出と攪乱が行なわれ、戦闘は私がするな山田先生は格好良すぎる。あれ、山田先生今回女装してないやん! そんなこともあるんか。

 一方、タソガレドキ忍者としては天鬼が邪魔なので排除へ。
 土井の元へ向かう雑渡の前に立ち塞がる利吉と卒業生2人だが、雑渡さん強すぎぃ……。しかも手加減までしてるよこれ。

 捕まったは組は乱きりしんの3人だけ逃げ出して土井探しだが、しんべヱの腹ぺこと嗅覚でまっすぐ八方斎の元へ行き、悪人ムーブ八方斎は天鬼に3人を斬らせることに。だって、そうしたら記憶が戻っても忍術学園には戻れないだろう? ……そういう考え、嫌いじゃないぜ。

 ドクタケは六年生にいいように攪乱されていたが軍師・天鬼の一言で形勢が変わっていた。しんべヱのよだれを辿って土井の元へ来る山田先生、武器使い切りながらも辿り着く六年生。

 天鬼は目の前に連れてこられた乱きりしんを斬れと言われ戸惑う。いつもの調子で抜けた会話をすると反射的にツッコんでしまう天鬼。そう映画冒頭のやりとりだ。戻れ戻れ、思い出せ。
 きり丸だけは自分の境遇や土井との日々を思い出し、いつも金一番の自分を怒る土井を刺激しつつ言うんだ。先生、帰ろうって。

 雑渡さんが明らか毒塗り手裏剣を投げようとして利吉が泊めようとする中、天鬼は斬った。乱きりしんを縛る縄を。
 ついでにいつもの八方斎をひっくり返すのだが、頭を支える部下は全員捕まっていたために頭を打って八方斎も元に戻ってくれる。

 いやぁ、良かった。
 記憶が戻って大団円。天鬼として戦物資は貧民に配ることになり、あの時代の無残さも描きながら忍術学園の絆に相応しい物語でした。雑渡さんもちゃっかり領地奪ってるしね。原作だともっと領地関係とか詳しく描かれていると聞くから読んでみようかな。
 90分足らない上映時間も本当に無駄がない。欲を言えば、忍術学園陣はもうちょっと観たかった。女性の先生とか学園長も出張って欲しかった。けど六年生陣の戦いが見れたのは良かった。僕は山田先生と土井の関係をほとんど覚えていないのだが、天鬼の正体を知ろうと揺さぶりをかけてくる利吉に山田先生が「知っていたらお前は平然としてない」みたいなことを行っていたり、最後に利吉は土井を「お兄ちゃん」みたいに呼んでいたから家族同然なんだろうな。困るなぁ、知りたくなってしまう。パンフ買おうかと思ったら案の定売り切れだったよ。

 では、この辺で今回のお気に入りへ。
 天鬼に斬られそうになっている中、きり丸は土井に注意された自分の悪癖である金に対する執着について高らかに言う。手裏剣は勿体なくて投げられませんとか。その最後に言った言葉はあまりにらしくて笑っちまうが、土井としては心配でたまらなくなっしまうのだろうな。


「地獄の沙汰も銭次第。だけど、払ってたまるか六文銭!」


 祖父の葬儀でも懐に六文銭を入れてな、この重要性を知っているにも関わらず僕は「これしかないのに使いたくない」とか思っていたのでタイムリーすぎたのだったw






小説 落第忍者乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師 - 阪口和久, 尼子騒兵衛
小説 落第忍者乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師
尼子騒兵衛 阪口和久
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2025年01月15日

ペッパーズゴースト



「先行上映だ。本人が翌日リアルに体験することを俺は、俺たちは先行上映で少し観させてもらう」


 今年の私はなんと――FGOの福袋を我慢することに成功しました!
 いや、だってファンタズムーンの時に課金しちゃったし……ちょっと様子を見たかったのだ。あとはくのんLv.120の道が長くてな。あとちょっとコインがあれば状態なのでさっさと絆をあげねばな。


■あらすじ
 中学教師の壇は飛沫感染によってその人が未来に見る光景を先行して見ることができる。父も持っていたこの先行上映の力でささやかな手助けをしていた壇だが、生徒の親をきっかけにある事件の被害者家族が集まるサークルと関係を持つことになる。そして、事件へと巻き込まれていくのだが、そこで生徒の書いた小説の中のキャラクター・ネコジゴハンター、「猫を地獄に送る会」として猫の虐待動画を煽り楽しんだ者たちを制裁する二人組と実際の世界で出会うことになる。


■感想
 今年はちょこちょこ小説も読んでいきたい、と手に取ったのは伊坂幸太郎さんのペッパーズゴースト。たしか発売日近辺では買っていたけど、本を持って動くことができない時期だったので年明けから読み始めた、はず。
 さすが伊坂さんと言うべきか、読み始めると早いスラスラ読める。独特の視点切り替えが相変わらず良き案配で、基本的に読書は移動中に行なうのですがちらほら読み進めていましたな。

 さて、ざっくり概要。
 今回の起点となるのは3人。中学教師・壇先生、ネコジゴハンター・ロシアンブル、被害者サークルの一人・成瀬彪子。
 基本は壇先生がメインだが、特殊なネコジゴハンターについてを簡単に。

 過去に「猫を地獄に送る会」として虐待動画がアップされていた。動画をアップした者だけでなくその残虐性を煽った無責任な者たちにやり返すのが猫を地獄に送る会ハンター、略してネコジゴハンター。ロシアンブルとアメショーと猫の種類を名乗る2人組の男たちなのだが、この2人は本当に良いキャラでね。核実験などを心配する超絶心配性のロシアンブルとなんに対しても楽観主義のアメショー。
 猫を愛してネコジゴには容赦しない2人は生徒が書いた小説のキャラクターだ。猫虐待云々で壇は少し辟易としているが、『魔女魔少魔法魔』でも猫殺し趣味の子がいたようにいたぶりやすいんだろうか猫。あんなに強いのにな。

 生徒の小説を読みながら、他の生徒・里見大地が未来に見る光景――先行上映を見て彼が事故に巻き込まれることを知ってしまう。未来を知ったところで事故を未然に防ぐことなどできないと知っている壇先生はせめて生徒が巻き込まれないように占い師の予言を語って忠告する。そして、それを聞き入れた大地は事故を回避するのだが、それを疑問に思ったのが大地の父親だった。
 内閣情報調査室に勤める大地の父・里見八賢は壇が事故を起こしたのではないかと疑うが、先行上映を駆使してその誤解を解こうと秘密を教える。
 それを検証するために再び会うはずが、やって来たのはカフェ・タイヤモンド事件の被害者遺族である野口と成川の2人。なんと里見は壇のことを言い残して姿を消してしまったとのことだが、様子がおかしい。名前が壇ではなく段田だったり、ちょっとおかしい。里見が壇の素性を隠している?と探り探り付き合うことに。

 さて、カフェ・タイヤモンド事件とは簡単に行ってしまうとレストランに猟銃を持った男どもが立てこもり、客や従業員を巻き込んで死んだ事件。被害者遺族曰く、突入しようとしていた警察をテレビのコメンテーター・マイク育馬がおっかけ報道をさせ中継したことから犯人に動きが知られて自爆となったというもの。
 彼らはマイク育馬を恨んでいる。さてどうなるのか。

 壇は先行上映で里見が監禁されていることを知る。
 先生が大変な時でも小説の中ではネコジゴハンターが猫の復讐をしている。
 ひょんなことから本名がバレてしまった壇はあっさり拉致られて監禁される。あいては野口だった。

 拉致監禁で精神的に追い詰められた壇を助けることになったのは、ロシアンブルとアメショーだった。
 うん、2人は小説のキャラクターではなく実在の人物。生徒の父親がネコジゴハンターに懲らしめられているところを目撃した生徒が小説にかいただけ。本物だった。

 ここでもロシアンブルとアメショーは相変わらずで、そこに壇先生が入っていく。被害者サークルが起こす事件に焦点が移っていくわけですが、別々だった視点が最後には一つのパーティになるのがすごく良かった。野口を止めるという目的のために壇、ロシアンブルとアメショー、成川が組んで動くことになるのだが、壇先生だけちょっと損な役回り。相手に舐めてもらった切手を舐める間接キスで先行上映ってw

 このサークル、いや野口たちが起こしたテロはなんとも言えないよな。結局現在は無責任な発言が発端となる時代だ。それがテレビでもネットでも、炎上したらもうどうにも手につけられない。それを上等と狙う炎上商法なんかもあるわけで倫理観が欠けてしまっているのかもしれない。作中で、生真面目に生きてきても奪われるだけみたいな発言があるが、それならいっそと思っちまうことだってあるよなぁ。家族や恋人を失ったなら尚更だ。
 そうやって誰もが一生懸命にテロ、大惨事を防ごうとする中でロシアンブル、もしくはアメショーの行動には笑ってしまった。

 だって、初めから彼らにとってはテロより猫の復讐だ。そんでもって贔屓の球団には勝って欲しい。相手がノリにノった新記録達成間際のバッターならば尚更だ。
 全くもって彼ららしい。そう思えるほどには読後に愛着持ってしまう物語でした。

 え、ニーチェのこと? 僕も学生時代に入門書を囓った程度だから触れられないんだぜ。

 では、この辺で今回のお気に入りへ。
 壇がかつて救えなかった生徒に負い目を抱いていることを知ったロシアンブルの言葉。起こりもしないようなことをなんでもかんでも心配しているロシアンブルが壇に「生徒は死んでいるのか?」と問い、生きていることを知った後に言う。


「だったら、会いに行くなり、何なり方法はあるだろうが」そんなつまらないことで悩んでいること自体、ロシアンブルには羨ましかった。隣国が開発する生物化学兵器が、突如襲ってくる精巣捻転症などの恐怖に比べたら、大した悩みでもないだろうに、と。まだやれることがいくらでもある。


「もうおしまいだ」が口癖のロシアンブルだが、彼は基準がちょっと違うだけで、普通は難しいと思われることをさも簡単のように言ってくれる。
 そういや、僕が小雨であろうとも傘を差す主義なのは幼少期に読んだ酸性雨の怖さからだったと思う。いや、だってハゲるって書いてあったもんw






ペッパーズ・ゴースト (朝日文庫) - 伊坂 幸太郎
ペッパーズ・ゴースト (朝日文庫)
伊坂 幸太郎



posted by SuZuhara at 14:59| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月12日

生活のたのしみ展2025 2日目



 おもしろいことっていっくらでもある!!


 私事になりますが、先日祖父が亡くなった。
 まだ実感はない。コロナ禍もありなかなか会うことはできなくなっていたし、正月明けで火葬場が混み合っていてまだお葬式もできていない。
 ただ、昨年夢に祖父が出てきた時は怖くなって仕事無理矢理休んで会いに行った。記憶の中よりも細く小さくなった祖父と握手した。たぶんこれが最後になるんだろうって漠然と思いながら、大学時代に囓った芭蕉の死についての話を思い出した。
 誰がどう思ったかまでは覚えていないけど、弟子たちは芭蕉の死を前に思う。それは自分たちの今後の不安、芭蕉の後継者は自分だという過信、純粋に死や老いに対する恐怖――。
 さて、私はなにを思うのが正解なのだろうか。

 少なくとも、なにが正解かとか考えている時点でやっぱりネジは外れている。


■感想
 さて、湿っぽくなってしまう始まりだが、俺はたぶん大丈夫。多少疲れやすくなっているからダメージは受けているけど、当日まではいつもどおり過すと決めたのでな。

 ではでは、今年も行ってきたよほぼ日による生活のたのしみ展。なんだかんだで六本木開催から行っていますが、今回も行けて良かった。いやー、めちゃくちゃ気分転換になった。元々気分屋だからな。テンションは上げていかないとなんもしなくなってしまう。

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 ざっくりと概要を説明しよう。
 旧・ほぼ日刊イトイ新聞――タイプミスってほぼ肉塊って打った俺は最低だが、現・ほぼ日による年に1回のお祭り。ほぼ日で販売や紹介している商品が一堂に集うと思ってくれればいい。僕らからするとMOTHERグッズ先行販売が魅力かな?
 ま、ほぼ日見てる人なら行きたいフェスだと思っていただければ。

 俺も以前ほど熱心ではないが、やっぱりほぼ日は楽しいのでちょこちょこ参加している。あ、年末ジャンケン大会もいたよ!

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 そんな俺の今回の目的はこれ。
『斉吉のちゃわん食堂』1,2日目限定海鮮丼。うん、意外に思われるかな? 俺もそう思う。けど、去年食べた牛丼がめっちゃ美味かったので海鮮丼の予約をしておいたのだ!!
 ギ、ギリギリ、仕事場直帰で間に……合う、と走ったがな!

 噂に違わず美味しかったですが、元々海鮮より肉派なせいか牛丼ほどの感動はなかったかな? ただ、あまり得意でないいくらも食べれたからすごく美味しいのだろう。どうして俺に甘利田先生並みの反応ができないのか。

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 お腹を満たしたら次はコーヒー豆を買いに行く。
 ここで最近専ら調べない気質の俺はブース的に隣の、イートインのできるデリシャスストリートで「コーヒー(豆)はこちらですか?」「はい、コーヒー(飲む)はこちらです」と案内されていた。BADコミュニケーションである。全部英語にすると歌いたくなるからいけない。

 イートインのレジに来ちゃったからなんか頼むか、でもコーヒーは飲みたくない。あとはジェラート以外売り切れ。よし、普段は食わない(犬が食べたがるので)けど、行っちゃうかでそんなに値段も変わらなかったしダブルを注文した。
 しかし、問題が発生したのはこの後だ。
 フレーバーチョイス時、まず定番であるリッチミルクは当然としてあと一つ……ふむ、紅ほっぺってあれか。ジェラートには珍しいが――芋だ。

 ――そう、いちご食べないから紅はるかと間違えたw
 ほら、薄いピンクだったしあり得なくないと思ったんだ。そんで一口食べて思ったね。このつぶつぶした食感――面白い芋だなって。
 気づかなかったw 半分くらい食べないとこういう味の芋だってずっと思ってたんだ。やっぱちょっとおかしかったのかもしれんな。いろんな人に話して笑ってもらってやっと調子を取り戻したからさ。

 こんな間違いをして説得力もなにもないのだが、すごく美味しかったよ。僕は苺の酸味があまり得意じゃないんだけど美味しく食べれたからね。そんでリッチミルクは文句なしに美味い。

 ジェラートを食べながらもらったパンフで確認しつつ、やっとこさ中に入るよー。

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 生活のたのしみ展恒例のポテチを買いつつ、コーヒー豆を目指す。
 ここで少し僕の話。
 僕はコーヒーが好きだが、それは香りの話であって飲み物として好んでいるわけじゃない。もっと言えば、コーヒーを淹れる行為は好きだが、飲みたいわけじゃないのだ。なんという邪道。家族が深煎り好きなため、僕の好みとしては濃いコーヒー3:牛乳7くらいで飲みたい。ブラックよりもミルク入れたい派。つまり邪道。

 だから、完全にチョイス方法は匂い。
 コーヒー豆も高くなったので厳選して2種類、あとお菓子を少し買う。

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 当然MOTHERブースにも行くよ。
 靴はもう紐靴を履かなくなっていたので買えませんでしたがシューズケースはあっても良かったかな? でも、持ち歩かんからなー。

 そのままぐるっと回っていると流れ始める蛍の光。
 そう、もうお終いの時間だよ!! 終了時間分かってなかった&初めの方でのんびり食ってる場合じゃなかったw

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 本当にらしくない無計画性を発揮してしまいましたが、バタバタしつつも楽しかった。買った物がこれ。

・NEW ERA ポーチキーホルダー(SMAAAASH!!)
 これ値段見ずに買ったからあとでビビった。僕のイヤホンケースでかいのでこれに仕舞う予定。
・点珈琲店「円味」深煎り100g
 一番匂いが好みだった。さっそく淹れてみたけど、今まで飲んだ深煎りの中でもしっかりした苦み。コーヒーってどれも味が違うのが面白いよなー。
・点珈琲店「珈琲クッキー」
 コーヒー味って言われるといろいろ買いたくなるけど、素朴な見た目と食べやすいサイズが気に入った。まだ食べてない。
・KAFE工船「季節限定冬ブレンド」100g
 豆の色と匂い、あとパッケージのわんこで。こういう個性好き。次に飲む予定。ここはネルドリップっぽいが、僕はフィルターで。
・宗像堂「カトルカール(プレーン・黒糖)」
 これは『本好きの下克上』って作品で何度も出てくるカトルカールに初めて出会ったので全種類買った。食べるの楽しみだ。ちなみに僕はこの作品を本でも読んだが、Audibleで聞くのが好き。
・MOUNT COFFEE「COFFEE YOKAN」
 羊羹のうまさハンパないって、それがコーヒーとか最高か!とテンション高く買った。コーヒー関係はもっと買えば良かった。
・湖池屋「できたてあげたてほぼ日直送便 金のコンソメ」
 あとがけフレーバーが鰹節とかめっちゃ気になるやん……。
・湖池屋「5年保存缶フライドポテト 神のり塩」
 保存食でポテチって最高じゃないか! 俺はこれを何事もなく、賞味期限切れ前に食うのを目標に生きるんだ。
・石田ゆり子さんコラボ「ほぼ日ペーパー(ズ)」
 元々ペーパーズのように切り離せるメモ帳欲しかったのだが、せっかくなのでイッヌで購入。このブースは奥様方が全然動かなくてびっくりだったw
・ワッペン「アヒル」
 3pほどの小さいワッペン。引き出しのポケット無地を使っているのですが、ワンポイントにいいかなと思って購入。レジのお姉さんとどこにつけるの?ここー、な会話をすると「すっごいいいと思う!」ってめっちゃ反応してくれたので、いつか、つける。アイロン、出す、きっと。

 こんなところかな? これを書いている間も変なタイプミスを繰り返すな。やっぱちょっと調子悪いのか、ゲームに戻るかな。
 コーヒー関係は正直もっと買いたかったのでまた行きたいが、僕の基本は一期一会なのでまた来年の開催を楽しみにしています。




posted by SuZuhara at 10:30| Comment(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月05日

書くなる我ら 1



「物語ってね 生きる目印になるんだよ」


 正月休みが終わるって信じられないよ。
 もうなんもできてねぇ、ほとんど寝てた。でもまぁ、そんな感じでいいか。ちょっと去年は精神的にくることもあったし、今日はもう寝ようぜ、である。
 とりま、十三機兵防衛圏をクリアしたい。てか、戦闘のカスタマイズしまくっちゃうから全然進められてないの……っ!


■あらすじ
 文芸誌『群青』の編集者・天城勇芽は若いながらも見込まれて新文芸誌創刊のデスク候補に選ばれる。新文芸誌に載せる作品を作家に依頼し企画を考える働きを見て決めると伝えられ、勇芽は学生時代に過した岩手県に戻り、当時夢中になった作品を話して聞かせてくれた瞬と再会する。酪農家になりつつも今も書いていた瞬の物語に触れ、勇芽は感動のままに小説家になることを誘うがすげなく断わられてしまうのだった。
 ミュージシャンや前科者、さまざまな作家に触れて寄り添いながら物語を編んで読者に届ける編集者の物語。


■感想
 10月くらい、かな? タイトルに惹かれて手に取ったんだと思う。作家の作品は読めても完成に至るまでの話って後書きにでも載っていない限り聞けない、しかも編集者がなにをやってるかとか表に出てこないお仕事話が好きだってのもある。

 初めの感想は独特のセンスだなぁ、だった。
 編集長から新文芸誌のデスク候補に選ばれたことを告げられてからの「鯉たちよ 今こそ熱狂してくれ」には参った。初めの鯉池ってまだ繋がってるんかw
 そんでこの話がおまけ漫画まで繋がっているとか誰が思おうか。

 勇芽は熱血というか、物語に対して真っ直ぐすぎるほど真摯で疑うことを知らないんだと思う。だから、家の都合で酪農家を継いだ瞬に小説を書こうと言えてしまうし、新人作家を自分の最前で導いてしまう。
 瞬からしてみれば子どもの時の知り合いが小説書けとか言うけど、こっちの都合とか考えていないしからかわれているようにしか思えない。書けなくなった新人作家からすると導かれて書いた物語は自分のものではないと感じてしまう。これは失敗的なところだけれでも、勇芽はすぐに間違いを受け入れるし相手の気持ちを聞いて、そのままの気持ちを書いてくれなんていうたぶん作家たらしである。憎めないよなこんな人。

 この巻でピックアップされる作家は4人。
 酪農家の瞬は再び書いてみることに、有名ミュージシャンである才原蓮ことサイレンは圧倒的に低い自己肯定感の無さと世間からの自分のイメージとのギャップに苦しんでいたが見方を変えることができるように、新人作家の卯月宵は自分の気持ちが上手く書けなかった時にその気持ちと向き合って物語にすることに。
 唯一、前科者で芥川賞を取った六波羅睦はちょっと違って、お世話になった弁護士が亡くなって、そこに残っていたメモを頼りに探し物をする。これめっちゃ泣いてしまった。

 共通して勇芽はフットワークが軽く、いつでも呼び出してくれって言うんだよね。六波羅が勇芽を選んだのも感想メールが面白かったっていう全くの初対面でも来る。そんで全部に全力だから暑苦しいけど嫌いになれんw
 むしろ、彼女が良いという物語を是非読んでみたい。

 今回は編集者としての勇芽と作家の話で新文芸誌の話は進まない。けど、進みが遅いとか感じることなく続きを楽しみに待っています。

 では、今回のお気に入りへ。
 一番のお気に入りはちょっと諸事情があって明かしたくないので、芥川賞に選ばれず格好が悪いことになってしまったサイレンとのシーンを。一時的に休業することになった彼に呼び出された勇芽は才原蓮が嫌がって隠している内面について触れ、それを「最強にやっかいでチャーミングですよ」と伝えた上で言う。


「数千人を熱狂させてるその底で 後悔や恥を引きずって あがく
 あなたの物語は この世界の誰かの ひとりの物語になる」


 最近は専ら電子書籍で買ってしまうのですが、この物語は本で買ってよかった。あとカバー裏漫画がみんならしすぎて好きw



書くなる我ら(1) (モーニングコミックス) - 北駒生
書くなる我ら(1) (モーニングコミックス) - 北駒生



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2025年01月02日

グランメゾン・パリ



 世界に、挑め――。


 謹賀新年。
 僕のお正月は家族と過す――いや、家を空ける家族の代わりにお留守番要員なのですが、ちょいと映画が観たかったので半日だけお出かけしてきた。
 正月の映画館っていいね。ちょうど初売りだったりして駅弁フェアとか家族が食べたいと言ってた鯛焼きとか買ってたらびっくりするくらい金を使ったらしい。普段ケチな俺が。
 ケチというかだな、自分の物欲は際限ないのでセーブするけど家族が喜ぶことに金を惜しむ必要はないだろ、と兄に伝えると胡散臭そうな顔をされたさ。

 でもな、この話には続きがある。
 兄の高校時代の元彼女をなんやかんやあって僕は家族認定しているので、定期的に兄の情報流してたりするんだなー。姉貴のためだ、いくらでも骨折るぜw



■あらすじ
 グランメゾン東京で早見倫子に三つ星を獲得させた尾花夏樹は、今度は自分がシェフとして倫子をスーシェフにしてフランスでグランメゾンパリをオープンさせる。
 だが、本場フランスでの三つ星は簡単なものではなく、尾花は再び二つ星を超える評価を得られないまま、料理だけでなく仕入れの問題などがあり上手くいかず、辞めると言う倫子を引き止めもせずに別れてしまう。またテナントを貸してくれているレストラン「ブランカン」のルイから立ち退きを求められ、次のミシュランの発表までという猶予をなんとか得る。
 一方、尾花と厨房で何度も衝突していたパティシエのユアンも問題を抱えており、その問題に店が巻き込まれてしまうのだった。


■感想
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 本来は公開日の仕事帰りに行くはずだったのですが、ちょっといろいろあって行けなかった。まあ、朝イチの映画館の方が好きだ。そんでもって僕は座席は結構前に取ります。満員じゃない限りは視界に他人が入るの嫌っていう人嫌いっぷりよ……。

 さてはて、実は公開をすごく楽しみにしていた映画です。
 何度か書いたけれども、母が木村拓哉さんのファンであり僕はわりと作品は観ている方だと思う。木村さんのドラマだからどうこうというよりも、キャストがベテラン多いから観ていて楽しいんだよね。

■グランメゾン東京
 だが、この映画の前、ドラマ『グランメゾン東京』はちょいとスタンスが違う。あらすじからして『二ツ星の料理人』に似ている。
 シェフとしては最高だが人間性は最悪の料理人アダムとフランスで日本人ながら二つ星を取れるほどの腕前を持つが、厨房では傲慢でありアレルギー物質混入に暴力事件まで犯した尾花夏樹。うむ、似てる。

 僕はこの『二ツ星の料理人』が大好きでな。
 僕らのシェフは自分の腕前に絶対の自信を持つけれども傲慢で独りよがり。いつまでも三つ星が取れないアダムが仲間に裏切られたかと思えば、やっぱり仲間に支えられて少しずつ心を開いていくんだ。人生の全てを料理に捧げろと強要するところもアダムと尾花は共通していると思う。

 こんな風にドラマ時代は似てるなーと思いながら観てたんだ。
 けれども、ドラマの方は店を作っていくのがメインだったから関係者に映画好きな人が居るんだろうなくらいの感覚であり、これはこれで面白かった。早回しで料理を作る過程を演出するのは観ていて気持ちいいしね。
 ま、最後の三つ星獲得はできすぎていて多少鼻白んだが。

 ここまでが連続ドラマ版『グランメゾン東京』。
グランメゾン東京 DVD-BOX - 木村拓哉, 鈴木京香, 玉森裕太, 寛一郎, 朝倉あき, 吉谷彩子, 尾上菊之助, 中村アン, 手塚とおる, 及川光博
グランメゾン東京 DVD-BOX
木村拓哉, 鈴木京香, 玉森裕太, 寛一郎, 朝倉あき,
吉谷彩子, 尾上菊之助, 中村アン, 手塚とおる, 及川光博



■スペシャルドラマ『グランメゾン東京』
 次は映画上映前日に放映されたスペシャルドラマ版。
 簡単に説明すると、コロナ禍で飲食業界全体が大打撃を受ける中で倫子は大手企業と資本契約を行い、冷凍食品やレシピサイト、タレント業などなどを行ってなんとか店を守っていたが、ついにグランメゾン東京は星を全て失ってしまう。そんな中で消えていた尾花がグランメゾン東京を潰すためにライバル店のスーシェフをしていて回帰を目指す。

 てな感じな話なのだが、これを観た僕の感想は勿体ないなだった。新キャラ湯浅の真意がよく分からん。最終的に尾花とグルでしたーなのだが、湯浅がシェフなのにスーシェフの尾花ばかりが評価されることに対して悔しげなところはあったが、彼がなにをしたかったのか分からんままグランメゾン東京入りへ。
 代わりに自由になった倫子さんが尾花のスーシェフとして、京野と相澤と共にパリで姉妹店を開くことに。あ、今回の一件でシェフになった祥平などのドラマの仲間たちは東京の店を守っていく。

 注目したいのは料理には本気、そして仲間を信じるからこそ突き放して発破をかける尾花というドラマからの成長があるのが良かった。尾花は年長者であり祥平の巣立ちを見守りながらも、自分の諦めきれない夢を追いかける姿は良かったと思っている。


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■グランメゾン・パリ
 さて、やっと映画の感想だ。

 正直に言って、序盤はかなり説明不足だと思う。
 尾花がまた二つ星止まりだったこと、仕入れ業者に舐められていて満足のいく食材が手に入らないこと、大切なガラディナーで失敗する、という展開が一気に進む。
 ここな、初めのワンマンシェフに逆戻りして回りの意見を一切聞かない尾花に戻っていた。何故であるか。
 そもそもガラディナーってなんや?状態だった自分は倫子さんが病み上がりという情報を大して気に留めていなかった。俳優の鈴木京香さんが休業してたことか?と繋げて流してしまっていた。ここ超重要だぞ。

 その後、倫子さんが辞め、落ちていくグランメゾン・パリにテナント契約の終了宣言。どんどん追い詰められていく尾花だが、パティシエ・ユアンがヤバいヤツらから借金をしていることを知る。それも料理の研究のためという料理バカっぷりが尾花並みの人物だったからこそお互いに衝突していたことが分かるのだが、借金取りの店襲撃後、借金取りたちはユアンを家で縛り上げて放火してしまう。間一髪助け出せた尾花だが、問題は近くのチーズ工房が被害を受けたこと。それら全てをグランメゾン・パリが買い取ることを決めたことから流れが変わっていく。

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 母が買ってこいと言ったパンフにて、料理監修の小林圭シェフが「パリで店を出すには営業権を買う」「仕入れは市場の人たちとの関係性を築き信用を得る」と発言があったが、ここが今作の一番面白いとこ。

 肉はなぜか――裏で倫子さんが頑張っていた――いいものを降ろしてもらえるようになったが、魚と野菜がダメ。けれども、ユアンの一件でチーズを全部買い取ったことが市場の人たちに知られて関係性が築けていく。
 店のメンツとの和解――一緒に飯を食おうは二つ星の料理人を思い出させるが、クロックムッシュ美味そう。ビーガンに配慮したハムなしも作るところはさすがでした。

 そこから新メニューの開発、ホールスタッフとの連携という我々客には見えない努力の様でわくわくしてくる。
 その結果が、リンダとブランカ親子を招いた食事へ。特別扱いをしない全力で向かっていく様子は是非本編で。

 パンフの話に戻ると、このコースでリンダが語った内容が食事と共に載っている。これ、もうちょっと本編で語った以外があったら最高だった。『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』のパンフみたいにクロックムッシュのレシピとか載っていたら神だったね俺的に。

 結果はドラマ版と同じような印象を受けましたが、概ねいい物語でした。欲を言えばもっと東京組との絡みが欲しかった。尾花のお願いも祥平じゃなく湯浅がキャッチしてしまうとドラマで積み上げてきた関係性が勿体ない。尾花さん尾花さんだった祥平はシェフになったら協力的じゃなくなるとか悲しすぎる。
 あと倫子さんを巡る人間関係についてはパンフ参照。まぁ、倫子さんを好きだった京野云々とかは物語には必要なかったので切られたのだろう。これは大人になっても本気で夢を追いかける人たちの物語なのだから。

 最後に、絶対味覚のようだった倫子さんを襲った病はコロナだった。コロナによる味覚障害。
 これにはガツンと殴られた。幸いにも私はコロナを患う事がなかったのだが、味覚障害が長く続くとは聞いていた。飲食業界を襲ったのは外出禁止だけでなく、料理人自身に対しても深刻だったなんて気づいてもいなかった。だって俺、コロナ禍でも休み一切なかったからね!

 いやー、新年一発目からいい映画を観られました。
 今年こそ、月イチ映画館の目標を達成したいですね。

 では、ここいらで今回のお気に入り。
 耳で聞いただけの抜粋ですが、ルイより尾花にパリでの三つ星を諦めさせろと言われた倫子が説得する時の会話から。倫子は尾花に星を獲らせたい。けれども、これ以上苦しませたくもなかった。


「パリに行く前、俺に言ったよな? 終るわけねぇだろ、こんな面白ぇことって」


 スペシャルドラマ版の終わりで倫子が尾花に言った言葉ですね。上手く繋がっているので履修はきちんとしていった方がいい。






グランメゾン・パリ
公開日2024/12/30

posted by SuZuhara at 22:27| Comment(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする