傷ついた魂が罪の涙と出会う時 物語はここからはじまる。
最近やたらとPS5を買えと言われるのですが、モンハンにハマっていない僕にはあまり魅力的じゃない。真・三國無双ORIGINSの方が興味を惹かれる。自キャラ主人公もの好きだからね。戦国無双chronicleがすっごい好きだったからなー。
でも、俺の部屋に新たなゲーム機を置く場所はない。そもそももうセッティングする気力がない。配線を増やしたくないんだ。
それでもいろんな人が誘って来られるとグラグラ揺らいじゃう意志薄弱なんだよなー。
■あらすじ
旅客機の墜落事故で唯一の生存者である少女、マチヤ・マティアは巨漢の精霊・マナガに助けられた。医師・ティグレアの奮闘もあり一命を取り留めたマティアだが、事故以前に両親を失っており身寄りがおらず本人も心を閉ざしてしまっていた。
一方、自由精霊だったマナガはマティアのために住所や職を見つけて人間と関わっていくことになるのだが、ティグレアからリハビリとして病院にいられる期間のリミットが180日であること、そしてマティアがマナガにしか自分から話しかけないことを知ってある決意をする。
■感想

さてはて、BUNBUNさんの個展の時に話した黒ポリを読み返そうと思ったのだが、せっかくだからこのキネティックノベルから読もうと思う。二人の出会いだ、時系列的には最初だしね。
パケ裏曰く、キネティックノベルとはパソコンでなければできない技法で『読ませる』『魅せる』『楽しませる』物語のこと。全キャラボイスつきで2,800円となかなかリーズナブルである。他のキネティックノベルはやったことはないけれども、表情差分もたくさんあるので僕は好きでした。今もあるのかな?
二人の出会いの物語自体は『プロミスト・ブラック』で書籍化している。書籍の方が小説らしく詳細な描写があるが、こっちは声優さんの力と音とスチルの演出があるからいつか比べてみたいもんだ。
こちらのキネティックノベルは2話の話が入っているが、今回は1話目だけの感想で。だってこの話めっちゃ好きなんだもん語らせろよぅ。

始まりは飛行中の旅客機での異常。
なんか変なの隣に飛んでると思ったら襲われて墜落、な流れだが、ここは非常に重要なので赤ペンを持つんだ。マティアは阿鼻叫喚な飛行機の中、ひとりだけ神に感謝していた。父も母も既に亡くなっている彼女にとって、死は父と母に会えることを意味していたからだ。
けど、自称・通りかかった巨漢の精霊と女医が唯一の生存者であるマティアを助けた。スチルのたくさん浮いてるボウライとか単身楽団とか、このシーンは精霊楽士のいる世界観を理解するのに分かりやすかったのがよく記憶に残っている。
加えて言えば、単身楽団は黒ポリというかマティアには必要なモノじゃないのでビジュアルとして理解しにくい。なんかの拍子にアニメかなんかで見て、そのロボットアームっぷりがちょっと僕は好きになれなかった……。カッコヨクナイ。
サダメキ・ティグレア医師――イデの方が馴染みがあるが、ここに来た医師がティグレアだったというのが二人にとって最大の幸運だろう。めっちゃいい人でいい女である。何度も言うけど、僕のいい女の基準は賢いことなので、機転も冗談も解す彼女はすごーく魅力的だと思うんだがなー。ちょっと元夫の神経を疑うね。
そんな彼女でも強敵な患者になるのがマティアだ。
現時点で11歳の少女は既に両親を失っており、しかも母親の葬儀後すぐさま飛行機に乗せられていた。死んで両親の元に行きたいと思っていたところを助けられてしまった。
助けた精霊、マナガは人間と関わってこなかったことでちぐはぐな交流になるが、マティアは彼にだけは感心を示す。意味はあるけど、現時点では伏線なんて必要ない。
マティアとマナガの交流はね、ティグレアが言うように本当に玉砕覚悟で誘った高校生男子みたいな亀の歩みで進むが、それでも精神的に死んでいたマティアを動かすものがあった。夜空のスチルは今でも何度も思い出すから本当に自分この話好きだなって感じるよ。

自由精霊――人間社会と関わりを持っていなかったマナガはマティアのために連絡が取れるよう住所、そして仕事を得るのだが、天涯孤独となってしまった少女が唯一自分にだけ反応すると知って市民権を得るためにお見舞いに来なくなる。
マティアも自分で動けるようにリハビリを頑張る。マナガに心を、ティグレアに身体を支えられてながらも180日過ぎてしまうんだ。
結局動けないマティアは強制退院で施設行き。
マティアがティグレアの引き取りを拒否したのはマナガを待っているから、という、ああああ、となる展開であるがそこはあれ。
ギリギリで巨漢の精霊は間に合う。
法の定める特殊職に就くことで市民権を得られるのだが、精霊警官となったマナガが迎えに来たのだ。
しかし、問題はまだある。マティアに歩けないという障害がある。マナガでは扶養という面での環境がない。
ここでマティアがリハビリの成果を見せたところを奇跡だと喜ぶティグレアの言葉を否定するマナガの台詞を今回のお気に入りとして紹介しよう。
「先生も、勉強が足りておられんようですな」
「な……なによ」
「もっと小説でもお読みになった方がいい。こいつは、奇跡なんかじゃありません」
そしてマティアと視線を合わせてから、彼は言った。
「こいつはね、お約束、ってぇんですよ」
そんでもって二人は二人の家となるアパートに帰るわけだが、カリナさんとかさぁ、本当に一度知ってから読むと優しく見守られているのが分かって感慨深い。
その後は今日がマティアの誕生日であること、マティアのブルース・ハープが返却されてマナガとの契約となる。僕はふわっとしか理解していないのだが、この世界の精霊は楽士が奏でる新曲を独占するために契約を行なうらしい。

原理はこれ。ただ単身楽団抜きに自力で演奏できる者がもういないとされていたのに弾けちゃうマティアは天才だとここでは思っていてくれればいい。
契約でキスシーンがあるわけだが、このシーンをロリと巨漢かと思ってしまった時点で自分は汚れちまったな……。
最後は今後のこと。
マナガが警官であることから楽士警官を目指すというマティアは帰り道でめちゃくちゃ考えていた。カリナのお手伝いして参考書を買う約束も交わしていてマナガも口を出せない。
だって、いつもいっしょだと約束したから。
一緒にいるためのことに異論など挟めるはずがない。
そんなこんなで三年後、精霊警官となったマティアとマナガで1話はお終い。2話はマティアの親友となるシェリカとの出会いだが、また次の機会にプレイしよう。
なんつーかね、本当に思い知らされた。
自分の書く文章がめちゃくちゃ影響を受けていることがよく分かった。自覚あるだけでも「備えあったら嬉しいな」はシェリカの言葉でよく使うが、改行の仕方はもろ影響受けてますね。まぁ、僕にとっては教科書みたいなものですからね。
こちらのキネティックノベルは初回版にCDがついていまして、主題歌「hurting heart」はfripSideさんが歌っている。マジマティアの曲なので是非一聴を。猫耳マティアはあざとすぎるぜこんちくしょうありがとうございますっ!

神曲奏界ポリフォニカ THE BLACK 〜EPISODE 1&2 BOX EDITION〜
2007/8/10
ocelot/KuroCo