深煎りネルドリップ、男子ホラーはいかが?

一応、FGO初期勢にも関わらず初めて手札揃いを引けた気がする。狂ランスは唯一スカディの絆が埋まっていないのでよく組ませるのですが、鎧姿が最高だよな。剣ランスと揃って僕の初期脆弱カルデアを引っ張ってくれてました。
今度来るグランドシステム? え、聖杯捧げたセイバーって剣ランスしかいないんだが。バーサーカーばっかりにしか聖杯捧げてないんだが。
■あらすじ
働き盛りの男4人が集まり、遠出してまで喫茶店をハシゴして怪談を披露し合う珈琲怪談。時間的に全員揃うことができなくても男たちはできるだけ集まり、そこでした何気ない会話が行き詰まった仕事の糸口になったりして続いていく。
■感想

半額セール中だったドラゴンボールの一番くじで欲しかったH賞、しかもZが残っていた。最高か。鳥山明先生の乗り物も好きなのでまたH賞狙いたいが、他の賞は欲しくないというジレンマよ。
さて、本題だ。以前に書いたイベント『珈琲参道』に行くと決めた時に本屋で出会って購入。コーヒーを飲みながら読みたかったが、俺の胃は(以下略
作者の恩田陸さんの作品を手に取ったのは初めてだった。ていうか『蜜蜂と遠雷』の作者であることも知らなかった。そんでもって同作の映像作品も観ていない。僕というのはそういう人間である。
さてさて、本作は男たちが喫茶店に集まって怪談を話すという連作短編である。面白そうだなと軽く手に取りましたが、帯に書かれた『17年ぶりの塚崎多聞シリーズ』の文字を見逃していた。うっかりしていたんだ。
登場人物紹介以上の人物紹介はないまま男たちの怪談のような、怪談でないような、けれどもうっすら怖い話が始まる。以前に集まった話とやらが作中で語られるのを待っていましたが、それは前シリーズでのことだったので一見には正直関係がよく分からん。なので変な勘違いしているかもしれんのでそこは大目に見てほしい。
シリーズを知らない身としては、誰が話しているのかというのが結構見失いがちになる。漫画のようにそれぞれ個性的な話し方をするなんてことはないから分からなくなる。全員男だしね。唯一、突拍子もなさのある多聞だけはちょこちょこと分かるけれども、尾上の作曲家と多聞の音楽プロデューサーの違いも混乱してなかなか入り込めなかった。無念だ。
全部で6編あるんだが、どれもオチというか本当に仲間内で話す怖い話って感じで印象的なものはない。個人的には証拠が多く残っているのに犯人が捕まっていない一家惨殺事件という話題が分かりやすい。僕の友達の弟の友達だったらしい。友達の友達という都市伝説並みの関係だ。いや、もう一段階遠いね。
僕も人並みに体験があるけれども、それを語っても面白くないというかやはり語り部次第だと思うので、登場人物のことがちゃんと分からないままで進んでしまうと脳内がちぐはぐな感情に占められてしまったんだ。黒田の犬の話は面白かったがね。
うーん、やはりシリーズものに途中から手を出すべきじゃないな。機会があれば前も読んでみたいですが、そんなに多聞にも興味を持てていないのでどうかな。
ただ、喫茶店の描写はすごく良くて子細に想像ができる。珈琲怪談なのにほとんど珈琲以外を飲んだり食ったりしているが、仲間内の集まりなんてそんなものという楽しさと仲の良さはめっちゃ伝わってくるのでハマれば面白いと思う。怪談に重きを置くと違うという感覚が強くなるので、ちょっとした怪異話くらいの気持ちで望んだ方がいいと思う。
では、ここで今回のお気に入りへ。
怪談話をしている最中になぜ怪談は人気があるのかという話題になる。幽霊の正体見たり枯れ尾花ではないが、十分に科学が発展した世の中でもなぜ人気なのか。
「あるかもしれない、だからいいんだよ。信じる信じないじゃなくて、分からない、でいいと思うし、そういうもんだから必要とされるんだと思うが」
それなー、である。
嘘か本当かなんて二の次。でも、全くの嘘じゃなくありえるかも、と思えてしまうのが一番恐怖を感じるんだよな。
ちなみに、謳い文句の『深煎りネルドリップ』なる描写が一切ないのも俺的にはホラーなんだが。どこから来たんだコレw

珈琲怪談 - 恩田陸
2025/04/16
幻冬舎