2025年05月12日

珈琲怪談



 深煎りネルドリップ、男子ホラーはいかが?


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 一応、FGO初期勢にも関わらず初めて手札揃いを引けた気がする。狂ランスは唯一スカディの絆が埋まっていないのでよく組ませるのですが、鎧姿が最高だよな。剣ランスと揃って僕の初期脆弱カルデアを引っ張ってくれてました。
 今度来るグランドシステム? え、聖杯捧げたセイバーって剣ランスしかいないんだが。バーサーカーばっかりにしか聖杯捧げてないんだが。


■あらすじ
 働き盛りの男4人が集まり、遠出してまで喫茶店をハシゴして怪談を披露し合う珈琲怪談。時間的に全員揃うことができなくても男たちはできるだけ集まり、そこでした何気ない会話が行き詰まった仕事の糸口になったりして続いていく。


■感想
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 半額セール中だったドラゴンボールの一番くじで欲しかったH賞、しかもZが残っていた。最高か。鳥山明先生の乗り物も好きなのでまたH賞狙いたいが、他の賞は欲しくないというジレンマよ。

 さて、本題だ。以前に書いたイベント『珈琲参道』に行くと決めた時に本屋で出会って購入。コーヒーを飲みながら読みたかったが、俺の胃は(以下略
 作者の恩田陸さんの作品を手に取ったのは初めてだった。ていうか『蜜蜂と遠雷』の作者であることも知らなかった。そんでもって同作の映像作品も観ていない。僕というのはそういう人間である。

 さてさて、本作は男たちが喫茶店に集まって怪談を話すという連作短編である。面白そうだなと軽く手に取りましたが、帯に書かれた『17年ぶりの塚崎多聞シリーズ』の文字を見逃していた。うっかりしていたんだ。
 登場人物紹介以上の人物紹介はないまま男たちの怪談のような、怪談でないような、けれどもうっすら怖い話が始まる。以前に集まった話とやらが作中で語られるのを待っていましたが、それは前シリーズでのことだったので一見には正直関係がよく分からん。なので変な勘違いしているかもしれんのでそこは大目に見てほしい。

 シリーズを知らない身としては、誰が話しているのかというのが結構見失いがちになる。漫画のようにそれぞれ個性的な話し方をするなんてことはないから分からなくなる。全員男だしね。唯一、突拍子もなさのある多聞だけはちょこちょこと分かるけれども、尾上の作曲家と多聞の音楽プロデューサーの違いも混乱してなかなか入り込めなかった。無念だ。

 全部で6編あるんだが、どれもオチというか本当に仲間内で話す怖い話って感じで印象的なものはない。個人的には証拠が多く残っているのに犯人が捕まっていない一家惨殺事件という話題が分かりやすい。僕の友達の弟の友達だったらしい。友達の友達という都市伝説並みの関係だ。いや、もう一段階遠いね。
 僕も人並みに体験があるけれども、それを語っても面白くないというかやはり語り部次第だと思うので、登場人物のことがちゃんと分からないままで進んでしまうと脳内がちぐはぐな感情に占められてしまったんだ。黒田の犬の話は面白かったがね。

 うーん、やはりシリーズものに途中から手を出すべきじゃないな。機会があれば前も読んでみたいですが、そんなに多聞にも興味を持てていないのでどうかな。
 ただ、喫茶店の描写はすごく良くて子細に想像ができる。珈琲怪談なのにほとんど珈琲以外を飲んだり食ったりしているが、仲間内の集まりなんてそんなものという楽しさと仲の良さはめっちゃ伝わってくるのでハマれば面白いと思う。怪談に重きを置くと違うという感覚が強くなるので、ちょっとした怪異話くらいの気持ちで望んだ方がいいと思う。


 では、ここで今回のお気に入りへ。
 怪談話をしている最中になぜ怪談は人気があるのかという話題になる。幽霊の正体見たり枯れ尾花ではないが、十分に科学が発展した世の中でもなぜ人気なのか。


「あるかもしれない、だからいいんだよ。信じる信じないじゃなくて、分からない、でいいと思うし、そういうもんだから必要とされるんだと思うが」


 それなー、である。
 嘘か本当かなんて二の次。でも、全くの嘘じゃなくありえるかも、と思えてしまうのが一番恐怖を感じるんだよな。
 ちなみに、謳い文句の『深煎りネルドリップ』なる描写が一切ないのも俺的にはホラーなんだが。どこから来たんだコレw





珈琲怪談 (幻冬舎単行本) - 恩田陸
珈琲怪談 - 恩田陸
2025/04/16
幻冬舎



posted by SuZuhara at 17:04| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年05月10日

あとはおいしいご飯があれば



「一人でいようが、誰かといようが、楽しければいい」


 また胃が壊れたぜー! いえーい、何度目だこれ!
 食えない飲めない脱水症状でぶっ倒れる寸前に会社を早退し、帰り際におそらく心配して来るであろう家族の夕食を準備し、犬の散歩に行った後に案の定倒れる。大丈夫、ベッドの上だ。以前の玄関で倒れて後頭部強打で意識を失うなんてヘマはもうしないさ。
 が、予想通りに来た家族がわざわざ起こしてくれる。用意しておいた夕食を食べる間の話し相手をさせられる。後片付けも当然俺。意識が朦朧としている。水を飲めと起こされる。含むようにして飲まないと吐く――しゃらくせぇ飲めと押し込まれる。
 そんなこんなで目が醒めたのでゲームするかとなるいつものパターン。今回は起きてられなかったのでPSvitaでジャスティス学園やってた。vitaはいいよね、一番好きなハードだよ。


■あらすじ
 子どもの時のように花丸なんてもらえない母親の内緒のクレープ。高校時代にほとんど接点のない同級生が分けてくれた出汁。孫のために祖母がよく作ってくれただし巻き玉子。
 日常に寄り添う食に関するショートストーリー集。


■感想
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 自分がちゃんと食えないせいか食べ物系をよく手に取る。今回興味を持ったのはショートストーリー集だったからかな。以前に感想を書いた『彼女のこんだて帖』みたいなかんじだったらいいな、と思っていましたが、連作短編のようにうっすら繋がったストーリーでとても良かった。高校時代の変わった子はよく出てきて笑ったw
 あと、どうでもいい話だが、本屋でよくおかれている栞の世界遺産シリーズが好きでついついもらってしまう。大学時代にアメリカの図書館でもらった栞とかライブチケットの半券とか、いろいろ好き勝手に使うんだけどもね。

 さて、全部で13編もあるショートストーリーを全部語るのは野暮なので好きなモノを3つほど。
 
・秘密の昼ご飯
 高校で女子の仲良しグループに入れずに一人で昼ご飯を食べるところを見られたくない一心で体育館に来ると同級生の少女がいた。名前だけ知っていた彼女と同じ場所で食べることになるが、彼女が美味しそうに飲む水筒の中身が気になってわけてもらうことにした。

 実は特別好きでもなかったりするのだが、この少女・大船ココアがちょくちょく出てくる子。知っているかもしれないが、僕は特に名前の有無を重視しないので名前は出てこない方が好ましかったりする。
 一人で隠れるように、ココアからすれば良い場所に陣取っているだけなのだが、弁当と一緒に自分で取ったという出汁を飲んでいる同級生なんていたらびっくりだな。高校の時は昼ご飯なんていかに安く済ませるかくらいしか考えていなかった。
 けれども、自分が隠くしたいと思っているぼっちであっても自然に好きなことをやっている同級生の存在は大きかったんじゃないかな。学生時代のぼっちって慣れるまではキツいもんだよ。


・二人の草と草
 一緒にいるけど恋愛関係ではない博人に告白されて千晶は幻滅したが、博人が求めているのは恋愛関係ではなく入院して気が弱っている母親の前で恋人のふりをすることだった。
 それくらいならと引き受けて会いに行くと母から博人が好きだったチーズ入りハンバーグのレシピを教わり、千晶がその場でスケッチブックにイラスト入りで記すととても喜んでくれる。

 僕はあまりアレンジはしないというかハンバーグならハンバーグとしか作らないので、チーズってただ入れるだけじゃないんだなと素直に感心してしまった。胃が治ったら作ってみたいね。
 千晶の恋愛観はほんそれと言いたくなるもので、気持ちはよく分かる。告白された瞬間に即さよならとか、お前は俺かと思ったわ。
 だが、二十年来の友人である博人の頼みだと母親に会い、レシピを教わってその日に作ってみたりしてまた母親に会いに行った時、母親には博人と付き合っていないことを知っていた。

 だからと言って修羅場になるわけでなく、お互いに結婚とかしないけれどこれから先もずっと仲良くやっていく関係であることを説明して母親ともちょくちょく連絡を取り合う仲に。
 ああ、良かったな。結婚とかしても離婚する可能性だってあるわけでずっと一緒なんていられない。だから、わざわざ形にしなくていい関係だってあっていいと思うんですよ。
 まぁ、いずれ年金とかそういう問題が出てきたら籍だけ入れときゃいいんじゃないですかね。


・父の遺した○
 母と離婚して以降疎遠だった父が死んだと知らせが来た。遺品整理を業者に任せたが、父はどうやら野良猫を飼っていたようで処分することは出来ずに一時的に引き取ることに。
 獣医に診せて飼い主を探すはずが、キャットフードを食べずにどんどん痩せていく猫。どうすることもできないと自分のご飯を作るために出汁パックを取り出すと途端に猫が反応し、出汁の匂いをキャットフードにつけてやると食べ始める。生前の父もこうしていたのかとほんの少し思いを馳せる。

 ここで猫のことを相談する友人はおそらくココア。ココアはこれ以外にも雨の日に車でリモートワーク女子としても登場している。たぶん。
 ちょっとだけ、好きじゃない人であってもその暮らしが見える瞬間っていうのはなんだか愛しい。動物が関わってくると特に。
 この物語には毎回出てくるレシピがイラスト入りで掲載されているが、これだけ猫入ってるのずるいよ。


 ご飯はだし巻き玉子と舞茸の炊き込みご飯が美味そうでしたが、肉豆腐もレシピ簡単で良いな。元気になったら作ってみたい。
 だが、如何せん、出汁レシピ多過ぎだろ。出汁好きだけど胸焼けするわ、とか思っているとレシピ監修がにんべんだしアンバザダーとなっているので出汁は必須なんか。ちとくどい。
 あと僕のようにほとんど料理本を読まない人間にはレシピが分からないことがある。だし巻き玉子にアオサを入れるとあるが、アオサって言っても乾燥とか粉とかいろいろあるじゃんかどれだ?となるわけですよ。初心者は遠憲さん並の勘違いとかよくするんだよ。

 そんなこんなで僕が作る再現レシピは愉快な結果になりそうですが、物語としては軽くとても読みやすい。ちょっとした時間で読めるのでおすすめだが、装丁がしっかりしているせいか定価は高め。この値段なら倍のページは欲しい。もう何編かあっても絶対に好きな話なんだがなー。

 では、ここで今回のお気に入りへ。「二人の草と草」から千晶が聞いたレシピをイラスト入りで描いたのを母親に見せたシーン。


 できました、と言って絵を見せると、当時を思い出したのか。お母さんは笑って泣いて、また笑って大騒ぎだった。自分は絵を描くくらいしか能が無いと思っていたけれど、それでじゅうぶんだなと思った。


 いや、それすごいことですって。
 まったくの門外漢からするとすっげーっ!としか言えないことも、それが当たり前になっちゃうと大したことなく思えちゃうんだ。でも、それはすげーっすわ。そんなことをさらっとやっちゃうあなたは格好いいんですよ。






あとはおいしいご飯があれば - 柊サナカ
あとはおいしいご飯があれば - 柊サナカ
双葉社
2025/02/19




posted by SuZuhara at 21:43| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年05月08日

本なら売るほど 2



「ここにあるすべての本は
 歴戦のサバイバーなんだから」



 幸か不幸か、3万もする限定ゲームセットをもらった。布教兼ショップ特典目当てで買ったモノらしいが、10シリーズも入ってるらしいすげー。でも確実に始めたら終わるよね、時間的な意味で。
 よし、まずはこの500円で買ったゲームをサクッと楽しんでから――20時間かけて1週目が終わった。1週目の時点で楽しいのに2週目から解放特典クソ楽しい! めっちゃルート変わるんだが!と彼此れ60時間を突破した。3週目に俺の本命が嫁にできるはずなのにフラグの回収ができず2週目が終わらないんや。
 いやはや、どんなゲームだって始めちまえば時間泥棒なのだよ。ブログ書く暇があるなら戻りてぇのよ。


■あらすじ
 古本屋・十月堂には様々な客が訪れる。
 本との出会いを求めてやって来る人々だが、知り合いと偶然に出会ったり本がきっかけでの出会いもあり、一人ひとりその人にとっての特別な1冊がそこにはある。


■感想
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 これまた発売日を分かってなく、やらかし飯3巻と一緒に買ってた。今回は特典ペーパーがありましたが、『十月堂通信第二号』ってあるから1巻にもあったのかな? 惜しいことをしたぜ。

 僕の好きな連作短編なので古本屋と客、そして本の話。
 今回は特に登場人物たちが繋がっていて、あの話の人じゃないかと出て来る度に楽しくなりましたね。

 まずは中野さん。
 町に古本屋が出来たことを喜びながら通っていた中野は今日もと十月堂に向かうがお休み。仕方なく大手チェーン店の古本屋に行くと、そこで十月堂の店主と出会った。

「敵情視察ですか?」には笑ったw
 相手にされないじゃなく、僕は同じだと思ってなかったんですよ。あそこは綺麗な本を少しでも安く手に入れたいという需要かと思っていたら、同じようなことを書かれていてすごく納得した。
 でも掘り出し物あるんだよなー! 誰かにとっては価値がなくても俺には超ある。『童夢』があったとはすごいとしか言えん。
 この話は本好きならきっと中野さんと同じ気持ちになれる。

 次は読み終わるまで絶対死ねない本として『ガダラの豚』全3巻を買い、最終刊だけ置いていった女性の話。
 若くして大腸ガンとなった雨宮は買った本を読みながら、お腹に人工肛門などこれから生活が一変することに備えながら当日を迎える。執刀する医師・菊川は医療機械の訓練で折り鶴を素早く折ったりして日々腕を磨くが、雨宮が読んでいた本が気になり十月堂で聞いてみると非売品だが3巻だけある、と。

 そして、取りに来た雨宮に出会うわけですが――分かる。いろんな不安があって家に引きこもりたくなっちゃうこともあってもさ、続きが読みたいという欲求だけはどうにも抑えられんのよ。

 辞書の話はですね、僕は小学館の『日本国語大辞典』が好きでしてね。あれは欲しかった。絶対に家にあっても読まないけれども、自分のモノだったらどんなにいいかと思ったことは一度や二度じゃない。賢しいって言葉を引いてみろ。俺にとっては最上級の褒め言葉さ。
 だから気持ちは分かるんですが、この話のメインはそこじゃない。たくさん出版される本とパンクする本屋。発行から1年以上の本が本屋に並ぶことは難しく、古本屋にすら流れないものもある。
 SNSやらで知る機会は増えたけれども、本屋で出会うという喜びはなかなか捨てられない。でも、電子書籍だとセールがでかいんだよなー。

 次回作が書けない漫画家・人見がふと目に止まったホテルに泊まる話。江戸川乱歩のエログロ摂取しすぎて許容量を超えたは分かる。摂取しすぎると入らなくなるんだよ。
 昔乱歩が好きだったということで古本屋で買った乱歩の本を手にホテルで現実逃避気分をしながら満喫しょうとするのですが――このホテル、本を読み終わった後で観た『私にふさわしいホテル』で舞台になったところかな? 螺旋階段とか天ぷらとかめちゃくちゃ見覚えがあった。残念ながら該当映画は途中でギブアップしましたが、人見はそこに泊まりに来ていた中野と出会う。
 奥さんがわいわい話しかけてくるんだが、漫画家であることを伝えると漫画大好き中野さんが食いついてきて奥さん置き去りになるというぷち修羅場へw

 この話は好きだなー。スランプという言葉を自分に使うには烏滸がましすぎて殺したくなるけれども、どうにもできないという時はある。書くまで行けない日もある。ブログの更新がないのはそういうことさー。これは冗談だとしても自分を責めてもどうしようもなく、他人は自分が思うほど関係なかったりする。この記事を書くのも2時間くらいは余裕でかかっているとか思うまいて。
 今作の作者さんも、詳しくは調べてませんが作品を書くまで大変だったらしいと耳にした。けれども、これまでの生む苦労とか全部引っくるめての評価なんか絶対に欲しくないだろうし、どんなに頑張っても同じ気持ちが理解できるはずがない。
 でも、だからこそ、それでも形にしてくれた物語を全力で楽しみたいと思うのである。

 最後は質屋に束見本を持ってくるおじいさんの話。
 束見本というのは初めて知った。内容が印刷されていない本の見本なわけだけど、なかなか理解できなくて。つまり、前川さんの本はなかったということでいいのかな?
 毎回珍品・束見本を質に入れて必ず迎えに来る前川さんだが、次は自分の本を持ってくると行ったりもう現われなかった。年齢的に亡くなった可能性もあり、けれども住所地なんかに行ってしまえば家族に知られてしまうから質は流すしかない。
 長年のよしみで束見本を質にしていたが、ここでは売れないので十月堂に行くと大切にしてくれる人に連絡を取ってくれる。

 1巻で本はほとんど読めないけれど、装丁好きなジョージさんたちが登場。源氏物語は大学時代に研究していましたが、僕はそこで使われる言葉にしか注目していなかったので雲隠とか知らんかったなー。教授にバレたらブチ殺されそうだw
 巻名だけが伝わり本文がない『雲隠』。なら前川さんの本もないんじゃないか。ジョージさんが言うように、内容のない束見本に自分の作品を思い馳せていた……ということだったらいいのだが、あまり自分の解釈に自信がない。

 今回もとても面白かった。
 本というかその作品だけでなく出版業界の話なんかもあって興味を惹かれるのに本好きたちはマニアックだったりw
 次巻も期待しています。

 では、ここで今回のお気に入りへ。やっぱり中野さんかな。
 十月堂店主を誘っていったラーメン屋でポロリと古本屋のこと、自分の楽しみについて話したところを。


「古本屋に寄った帰り道
 鞄の中に買った本がある
 帰ったらこれを読もう
 飲み物は何にしようか
 本棚のどこに置こうか
 そんなことを考える
 ただそれだけで
 世界は少し輝いて見える」


 ……こんな人と結婚できた奥さんが羨ましいな。
 本棚の整理をする瞬間の幸せは何物に代えがたいが、新しい本をどこに置くかを考えるのもめちゃくちゃ楽しいんだよな。






本なら売るほど 2 (HARTA COMIX) - 児島 青
本なら売るほど 2 (HARTA COMIX) - 児島 青
2025/4/15




posted by SuZuhara at 03:00| Comment(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年05月07日

駒田蒸留所へようこそ




「お前までKOMAを諦めなきゃいけないのか」


 以前にこの時期が好きだと書いたが、前言を撤回する。俺は春が嫌いだと断言する。
 長期間、僕の部屋を暗闇にしていた森が伐採されて部屋はとんでもなく明るくなった。そんでもって風通りよくなった。夏が怖いが概ねいいことばかりだと思う。
 が、長年俺を苦しめる蜘蛛の襲撃が始まった。部屋に入ってくる。窓にクモの巣を作る。付きまとってきやがる。俺は虫が嫌いなんですよ! 脚が多いの怖いんですよ!!
 今年も戦いの日々が始まったんだ。


■あらすじ
 やる気のない新米記者・高橋光太郎は興味のないウイスキーの取材をすることになったが、家族のために実家の「駒田蒸留所」を継ぎ製造できなくなった幻のウイスキー「KOMA」復活を目指す駒田琉生と衝突する。
 だが、彼女が経営難の蒸留所の立て直しだけでなく、バラバラになってしまった家族の絆のために奮闘していることを知り、光太郎の取材にも少しずつ熱がこもっていく。


■感想
 上映時に行きたかった映画がサブスクに来ていたので観てみた。
 P.A. WORKSのお仕事シリーズ作品とのことだが、あまり僕は他作品を観ていない。いや、最初の1、2話は観ても物語が混雑していくと興味なくなってしまうんだ。完走できない申し訳ない。
 でも、ウイスキーには興味があってですね。いや、酒は全く嗜まないんですが、お酒は好きなんですね。ちょこちょこ飲み方とか教わってるんだ。うん、まったく披露する機会は訪れない無用の長物だけどねw

 さて、感想に行こう。
 けれどもはっきり言って僕には合わなかったから批判的な意見になってしまうと思われるので注意してください。

 正直なところ、映画はあまり感じ入るところはなかったな。
 絵がだいぶのっぺりしているなとは思ったが、それ以上に物語がご都合主義に進むなと
思ってしまった時点で物語に入れなかった。光太郎は本当にやる気ないから序盤は好感なんて持てないし、琉生のテイスティグノートがBLという斬新なものもあまり衝撃なく終わる。他人の趣味趣向というデリケートな部分をおっぴろげておいて逆ギレする光太郎に琉生がブチギレると、蒸留所のスタッフが琉生と蒸留所の過去をべらべら話してくれる。映画特有の時間のなさを感じるテンポの速さは仕方ないけれど、この辺りが気になってしまってキャラクターに思い入れが持てなかったんだ。
 悪い意味に捉られたくないのだが、はっきり言って駒田蒸留所に起きた悲劇は物語としてはありきたりだ。家族の不和もね。そうすると、スタッフ一丸になってウイスキー復活&敵対していた兄帰還で家族修復というのは想像できてしまうんだ。残念ながら、僕にとっては予定調和としか思えなかったんだ。

 けれども、ウイスキーの原酒とか作り方を学べるのは面白かった。あんな科学のように繊細に作るのかと興味津々だったさ。途中の火災でまた原酒を失うのはこれもまたご都合主義に思えてしまったがね。

 無事にKOMA復活の原酒ができたけれども、ウイスキーはここから完成までにまだ年単位でかかる。そして、光太郎が3年後に以前の自分のようなやる気のない新人をつれてきてまた記事にしよう。ようこそ、駒田蒸留所へである。
 うん、キャラクターに愛着が持てればすごく楽しめるんじゃないかと思う。けれども、俺はどうにも捻くれていて入り込めなかった。お仕事面にもう少し特化してほしかったかな。でも、知らない世界のお仕事映画は楽しいので是非ともシリーズは続けてほしい。

 お気に入りってほどじゃないんだけど、おそらく感動シーンだったのであげておこう。
 従業員のためにも駒田蒸留所の買収を受け入れようとした琉生にスタッフが言った言葉。


「俺たちのことを思ってくれるならKOMAを復活させるまで駒田蒸留所としてやらせてください」


 家族愛極振りだったけど、もうちょっとスタッフのこととかも知りたかったなー。
 長編映画よりも1クールとかでじっくりやった方が楽しかったかもしれん。


 



駒田蒸留所へようこそ - 吉原正行, 木澤行人, 中本宗応, 早見沙織, 小野賢章, 内田真礼, 細谷佳正
駒田蒸留所へようこそ - 吉原正行, 木澤行人, 中本宗応, 早見沙織, 小野賢章, 内田真礼, 細谷佳正
2023年11月10日公開




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2025年05月06日

珈琲参道2025 5/4



 コーヒーと音楽が結ぶ、狛江ならではの特別な3日間。


 今更ながら実写『推しの子』を観た。
 ドラマの方はアクアたちの人間関係に焦点を、映画でアイを巡る復讐をメインにという感じだったけど、これは些か失敗だったのではなかろうか。
 なんというか、漫画を読んでいる身としてはアクアたちの関係がおもろかった。ゴロサリ派はアクルビが分かり合ったあとの兄妹でのイチャつきとか好きだったろうが、その辺はさらっと。有馬や黒川は添えるだけはちょっと寂しいが、ツクヨミカットは英断だ。
 原作とは違うラストというのに期待したんだが、完成披露会見辺りで寝てた。戻って観たけどうーむ。
 MEMちょ結婚がなによりの衝撃だったww


■感想
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 今回は初めて行ったイベントの感想。
 珈琲参道という狛江市のお寺・雲松山泉龍寺にて行なわれる珈琲のイベント。コロナ禍辺りで知ったのだが、やっと行けた。

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 お寺内に有名なコーヒー屋さんが何店舗か来て楽しめる。そして、ライブも行なわれるから音楽も聴けるという楽しさなのですが、さすがに一人では行けないので家族と行くよ。家族を誘っておけば、やっぱめんどうと俺が思っても無理矢理連れて行かれるよw

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 案の定、あまり写真を撮っていなかったのですが、まずアイスコーヒーを買って俺的お目当てのキューバサンドイッチを買う。映画chefを観て以来、出会えるなら絶対買う。

 以前に書いたと思うが、僕はそこまでコーヒーの味が分からない。けれども、こんだけ違うと本当に面白いな。奥が深いよコーヒー。

 僕たちは10時ちょうどくらいに行きましたが、当日券待ちとかすごくてな。前売り券は必須。それでもオーバーフロー状態だったわ。
 家族が「iri coffee roastery」さんのコーヒーがめっちゃ美味いと豆買っていこうぜとテンション高いが、もうそこは長蛇の列。僕はひょこひょこ見て回っていたが、家族はそこ1店舗以外見れていない。

 いいよ、並んでおくから行ってきな。並ぶのはというか待つのは嫌いですが、携帯で読みかけの小説を読みながら始まったライブの曲も聴きながら待つのはなかなかいい時間だった。
 アナウンスであったんだけど、確か「狛江市には堀口珈琲さんがあって、そこで焙煎したコーヒーのいい匂いがお寺まで漂っていた。それでこのイベントは始まった」という話は聞けて良かったな。
 実は俺、3年ほど近くに住んでて職場が狛江だったんだ。
 あまりに久々すぎて街並みは変わりまくっていたけど、そんなノスタルジーもあって風も気持ちよくいい時間だった。

 けど、コーヒーのハンドドリップとかって時間が掛かる。やっぱり提供まで時間が掛かってな、前に並んでいた人がやっと自分の番という時に具合が悪くなっちゃって可哀想だったな……。
 家族を待っている間に何点かコーヒー豆を買ったので、僕は早々に退散。帰るときも長蛇の列だったけれども、あれは中止になったっていう午後の当日券だったのかな?

 イベントとしては非常に楽しいものでしたが、人がごった返してくるとやはりキツいものがある。前売り券で完全に売り切っちゃうか、時間入場制を導入した方が良さそうな感じです。せっかくいいイベントなのだからずっと続いてほしいものだ。







狛江 珈琲参道2025
2025年5月4日(日)・5日(月•祝)・6日(火•祝)
10:00〜17:00(最終入場16:00) ※雨天中止
雲松山 泉龍寺

posted by SuZuhara at 05:00| Comment(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする