約束をした。君のために" 7回死ぬ" と。
あらすじ
遠い昔、少年は少女に≪毒≫(まじゅつ)をかけられた。ずっと一緒にいると約束して、彼の物語は始まるはずだった。
平凡な高校生・鉄大兎は交通事故をきっかけに自分が死なないことを知り、忘れていた過去を思い出す。幼い頃にとある少女とした約束から自分が十五分以内に七回殺されない限り死なないこと、そして九年前にさらわれた大好きだった少女――サイトヒメアのことを思い出し、九年越しに助けに行くことを決意する。
そして再会の約束の場で見たのは、生徒会長・紅月光の剣によっては貫かれたサイトヒメアの姿だった。
わー、またまた上手くまとめられない。
今回のあらすじは大兎に関する話でまとめてみましたが、ここに至るまでにヒメアの話や月光の過去や月光とミライの馴れ初めがあったりするのだが、その辺を含めると私の能力ではまとめきれませんでした。申し訳ない。
感想
気を取り直しまくって感想ですが、今回上の太字である帯の文言に惹かれて買ったのですが、ちょっとストレートに取ると解釈が違う。
いやいや、七回死ぬ約束はしてないですよねこれ。まあ、七回死にますが。
あまりに膨大な力を持ちすぎたが故に利用されることしかなかった≪最古の魔術師≫(ヴァンパイア)サイトヒメアは何一つ要求せず、ただ「一緒にいると楽しい」と言ってくれた少年・大兎に不死の力を与え犠者にし、自分の全ての力を隠した。それはもう他の誰かに利用されないためだったが、月光の弟・日向によって囚われた暗闇の中でヒメアは大兎が自分を思い出してくれるのを待ち続ける。
もうね、こういうね、素直な想いってのには弱い。あとちょっと我儘なとことかも。
他にもヒメアの大兎にベタ惚れ感と犠者の契約には心惹かれましたが、やっぱり一番は月光とミライの関係かな。
同じ天才として唯一の理解者であったはずの双子の弟・日向から月光に送りこまれた悪魔・アンドゥのミライ。彼女は生贄として差し出されたはずの月光に、日向に生贄にすると宣告された日から待ちくたびれていた月光に返り討ちにあい、日向とではなく月光と契約を結ぶことになる。
ウザいと言われ、有用な奴隷とか言われ、力を封印したまま戦わされたりしつつも超俺様な月光がたまに言う甘い言葉にころっとやられるミライが愛しい。子どもは扱いやすいにかぎるのだよ。
以下がその一例。日向が蜘蛛を連れて現れた時のやりとり。
「美雷……あの蜘蛛をなんとかできるか?」
すると美雷は、童顔な顔には似合わない、鋭い笑みを浮かべて言った。
「あたしを誰だと思ってんの?」
それに月光は笑う。楽しげに笑う。そして、
「……俺の……心強い相棒だ」
「え?」
「じゃあやるぞ。俺は日向を殺す。お前は蜘蛛を殺れ」
「え、えと、わわわ、わかった」
そして終わったら扱いがペットに格下げになっているという悲劇。
やや、顔の良い奴は簡単に信じちゃいけねぇ。ヒメアみたいに子どものころから目をつけて呪いを仕掛けておく方がいい。嘘か本当か、大兎はヒメア以外にモテない呪いがかけられているらしい。女は誰もが策士であるというのは間違いではないということだ。
……まあ、単に私がそういう子が好きなだけですが。
続編ありきで書かれているため、伏線いっぱいで問題山積み。
次に手を伸ばしたいところではありますが、私としてはこの一巻で十分楽しめたので次を手に取るかは保留。
というか、今積んであるミステリ本が多すぎる。

いつか天魔の黒ウサギ1 900秒の放課後 (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 鏡 貴也
- 出版社/メーカー: 富士見書房
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