彼らにとっては「自分たちの世界の問題」で、片山の口を出すことではないのだ。
ちょっと印象的だったところを最初に。
世界は繋がってるようできちんと区切られているのです。
・あらすじ
片山義太郎と晴美の兄妹は道を尋ねたアパートで、ホームズによりガスが漏れていることに気づくが、爆発した部屋の中には首を絞められた痕のある女子高校生の死体を発見する。その死んだ女子高生が飼っていた黒猫を預かることになった後、片山を好きだと言う背中を刺された女子高校生に抱きつかれることになる。二人の共通点にある高校が浮かんだことから片山は捜査を始める。
その頃、問題の高校では女人禁制の「怪奇クラブ」に美少女編入生・竹葉あかりが入ることに。彼女の存在に怪奇クラブの男性陣は惹かれていくのだが、ミステリアスな少女には片山たちも気づけなかった本当の目的があった。
・感想
うむ、正直ちょっとこれには驚いたり。
いやいや、意外なトリックとか犯人ではなく、後味の歯切れの悪さと申しますか……むう、これも勧善懲悪なのかな?
さて、内容としては、片山についにモテ期到来?
ラブレターは貰うわ女子高生婚約者はできるわで、何このリア充展開。
しかし、推理の方はそう上手くいかない。
今回は善悪両方沢山の人が死んでしまう。ホームズも意図的に封じられてしまうからな、まあ彼女は分かっていたようですが。
何と言うか、今回は高校の中で起こった発端の事件を機に様々な問題が明らかになり、制裁が下されるとでも言いましょうか。
つまり、終始高校の中なんです。世界の外にいる片山たちは初めからお呼びでなく、振り回されてしまう。最後の最後だって結局犯人やトリックは分かっても手が出せてませんからな。
では、そろそろ石津さんに癒されよう!
晴美の手料理を食べるため家にお呼ばれされた時の幸せな石津さんと真相を知る片山。
「晴美さんが、わざわざ新しい料理を覚えたからって僕を招んでくれるなんて」
本当のところは、果たして人間の食べるものができるかどうか分からない、というので、
「じゃあ、石津の奴にでも、まず喰わしてみるか」
と片山の方から冗談を言い出したのだが、その辺を、もちろん石津は知る由もないのである。
ちょっと内容がすっきり終わらないので、石津さんの癒し度があがってたりするんだせ!
![三毛猫ホームズの恐怖館 (角川文庫) [文庫] / 赤川 次郎 (著); 角川書店 (刊) 三毛猫ホームズの恐怖館 (角川文庫) [文庫] / 赤川 次郎 (著); 角川書店 (刊)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51lnhZvyGRL._SL160_.jpg)
三毛猫ホームズの恐怖館