嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 幸せの背景は不幸

　まーちゃん、世界で一番キミを××してる。嘘だけど。


　題名が気になっていたのですが、今まで手を出せずにいたみーまー。
　え、手を出さなかった理由？　はは、そんなの万年金欠のために決まってんじゃないですかｗ
　

・あらすじ
　連続殺人と兄妹の失踪事件が町を騒がせる中、美人だが他人を寄せ付けず孤立しているクラスメイト御園マユの後を追って、“僕”はマユのマンションまで辿り着く。不意を打つように部屋に上がり込み、花瓶とスタンガンという手荒い歓迎を受ける中、和室の前で構える彼女に僕は種明かしをするように「まーちゃん」と呼ぶと、マユは僕が彼女がずっと探していた「みーくん」だと気づき、泣き崩れて学校にいる時とは別人としか思えない幼稚な部分を見せるようになる。
　そんなマユの許可を得てみーくんが和室の襖を開けたところ、そこには失踪したとされている兄弟がいた。

「君、あの子たちを拉致っちゃった？」
「うん！」


・感想
　あらすじが下手なのを台詞でごまかした？　チガウヨー、ソンナコトナイヨー。　
　「拉致っちゃった？」のセリフの辺りでもう私は陥落。マユがめっさ可愛い。自分にしか懐かない病み猫、プライスレス！　……む、テンションがおかしいな今日も。

　八年前の誘拐事件の記憶を共有するみーくんとまーちゃん。
　感動の再会にイチャイチャするのも束の間、和室に監禁された兄弟の存在に頭を悩まされることに。
　だが、まーちゃんの方はみーくんに会えたことに兄弟のことなどどうでもよくなり、みーくんとの同棲、そしていろいろすっ飛ばして結婚へと思考を飛ばしていた。いいな、こんな素敵な彼女なら閉鎖的な生活だっていいじゃないｗ　私は喜んでひきこもり兼ヒモを受け入れるぜ。

　その後、みーくんは同棲を受け入れて、彼女と監禁した兄妹という奇妙な関係の生活が始まる。
　だがその前に、外では無表情なまーちゃんと登校し、誘拐事件の後遺症で平衡感覚のないまーちゃんのために怪談では手を繋ぎ、そして寝起きのまーちゃんを起こすとクラスメイトの前でディープなキスを受け……くそぅ、羨ましすぎるだろ。

　しかし、まーちゃんは「壊れたまーちゃん」なので普通じゃない。
　子どもを拉致ってしまうし、PTSDから暗闇の中で目を覚ますと発狂してしまう。そして、みーくんに対して強すぎる想いから浮気は許さないどころかとことんボコる。みーくんが自殺するぐらい。
　みーくんはまーちゃんを守るために一人で警察のお姉さん・奈月に会いに行ったんだが、それが仇に。

　うーむ、支離滅裂になっているので軌道修正を。
　つまり、みーくんの行動は全てまーちゃんのためなのだ。沢山のついた嘘も。
　まーちゃんを眠らせて兄妹たちを逃がすと、彼らは町を騒がす殺人鬼に遭遇する。そこでみーくんの最大の嘘が明らかになるのだが、何てことだマユが可愛いとしか考えてなかったからこの人の登場は予想外だったぜ。

　私的には精神科医の恋日先生よりも、奈月さんの方が好きです。あの喰えない感じと微笑のままひくひくさせている姿は想像するだけでも楽しい……って、やっぱり私は変な趣味なんだろうな。

　全体的に読み易く、キャラを受け入れられるならハマることは間違いなしでしょう。
　私なんかとりあえず近くの劇場でみーまー映画やっているところがあったので、劇場限定本を買いに走ったからなｗ　だって、みーくんとまーちゃんの日記だぜ。もうネットで読めないなら走るっきゃないじゃないか。
　だが、映画は見てない。いや、時間が会わなかったので。しっかし、あの映画館に行ったのは兄貴に強制させられてワンピースの漫画を貰いに行った時以来で、軽いトラウマが刺激されたなあ。

　さて、今回のお気に入りのシーンは、おそらくみーくんのために作った焼きそばが兄妹に食べられご立腹なまーちゃん。あとでみーくん専用の食事を作ると言うので、「まーちゃんを食べるからいらない」と応えたみーくんに対するまーちゃんの反応。


「ほんと？」
「何がかね？」
　何故か紳士口調で対応してしまった。
「ねえねえ、まーちゃんを食べるの？　今日ですか夜ですかやほー！」


　この辺で久々にボディーブローを食らった気分だったぜｗ　積もり積もってキミしか見えない状態。これで食べないとかみーくんはどうかしてるだろうよー。



嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 幸せの背景は不幸
入間 人間 (著) 左 (イラスト)