2011年07月31日

機巧少女は傷つかない6 Facing Crimson Red



「夜々はずっと、貴方を護ります。この命の続く限り」


 豪雨と雷に知人が震え上がる中、雷とかゲームできなから寝るわ、と20時睡眠を選んだ昨日。そのせいで、深夜にハイな私がいるぜw
 ちょいと昔に雷が落ちてテレビがぶっ壊れたのが記憶に新しくて、雷が鳴っている最中は電化製品を使わないと決めているのだ。まあ、その時のオチとしては何故か私の部屋のテレビだけは軽傷で、家族に一時的に強奪された後、地デジ未対応として返却されて今に至る。
 トルネがあるので使い続けてますが、アリスの字幕が醜くて辛いぜ。

    
・あらすじ
 夏休みに突入し、何とかその間に<紅翼陣>を体得しようと夜々に隠れながら修業に励む雷真。そんな中、硝子より前回の夜会の勝者にして魔王(ワイズマン)、<迷宮>の魔王(ラビリンス)・グリゼルダ・ウェストンの内偵を命じられる。
 雷真は学院から出ることが出来ない夜々の代わりに小紫を連れてグリゼルダがいる町に向かい、訪れたホテルでいきなり黒服の男たちに襲われる。夜々の時とは違い、小紫とでは格闘戦に持ち込むことができ
ず、四苦八苦する雷真を助けたのは<紅翼陣>に似た糸を使うグリゼルダだった。彼女に<紅翼陣>の鍵を見出だした雷真はグリゼルダに弟子入りし、体の良い執事としていびられながらも彼女の糸に触れ、現在の相棒である小紫との修行に励んでいく。
 しかし、グリゼルダとの師弟関係は<焼却>の魔王(ザ・クリムゾン)・ライコネンの訪れとともに一方的に終わりを告げられて、納得のいかない雷真はそこでグリゼルダと町、そして彼女の持つアリアドネの糸について知ることになる。


・感想
 何気にラノベで新作が一番待ち遠しい今作の新刊は、夜々のいないところで魔王を落とす雷真と見せかけて、終わってみればいろんな人が雷真に惚れ直すという、何というリア充めこの野郎w
 いや、雷真毎回ボロボロだけどさ、それに十分見合うモテモテっぷりだよこれは。

 物語は夏休みの半ば、傷を癒しつつも紅翼陣の体得のために修行する雷真を夜々が鬼の形相で探すという見慣れたシーンから。
 前々回辺りからお気に入りのいろりさんは家出した小紫を探して雷真の元に来られるのだが、もうこの姉妹はwと言わんばかりのいつもの雷真大好きっぷりにうはうはするが、前回危惧した通りに小紫の様子がおかしい模様。家出云々自体は内偵を命じに来た硝子と一緒にいたので何でもなかったようだが、雷真と二人でお出かけすることに関してあらぬ妄想で嫉妬する夜々に対しての切り返しに歯切れがない。うーむ、不安な旅行スタートである。

 町についてすぐに黒服の男たちに襲われることになる雷真を助けたのは、<迷宮>の魔王(ラビリンス)・グリゼルダ・ウェストン。なんと彼女、自動人形(オートマトン)なしで剣技のみで戦うという強者だった! 何この人格好良いw
 しかし、剣技のみと言えども、指より出した魔力の糸によって自動人形の支配権(コントロール)を妨害していたことを見破った雷真は、そこに紅翼陣の鍵を見出だして内偵の方法は問わないことをいいことに弟子入りを志願する。

 ちょっと早いがここで、途中途中に挟まれる雷真と夜々の馴れ初めについて書いておこう。
 初めの夜々は今ではびっくりなことに、人間嫌いで硝子に近づく雷真を殺そうとしていた。ま、そのおかげで雷真は今まで身につかなかった殺気とか読めるようになったのだから、逆境に強い子だ。
 夜々が雷真を認めるようになる一件はなかなかに面白かったのだが、これを終えても「体は許しても心は許しません」と言っているので、いつかオープンになった時の話は読めるように楽しみにしてよう。

 では、話を戻してグリゼルダに。この人はですな、恋愛慣れしていない年上さんでちょっと今小さい子の需要の高さと反比例して辟易としている私にはまさかのストライクゾーンでしたw
 雷真が百位だからと言って馬鹿にすることなく、男に耐性がないから変なところ無防備で雷真に女らしい格好を求めたら怒りながらも着ちゃうとか……来たか俺に新天地! ま、何よりも好きなところは手が早いところなのですが、ちょっとでも逆鱗に触れてしまうと剣が跳んでくるからなw だが、スリリングな女性ほど素晴らしい者はないと思うので丁度いいがねww

 下僕、もとい執事として家に置かれることになった雷真は、この家の唯一の自動人形・イプシロンに罵られながらも掃除などに精を出す。
 その一方で小紫は戦闘向きの姉たちに劣る自分の能力にコンプレックスを持っていて、雷真に小太刀の扱い方を習って友達になったイプシロンに稽古をつけてもらうことに。その姿を見た雷真も、小紫の扱い方を本格的に学び始めるのだが、この成果には期待する通りにいい戦いを見せてもらえる。
 私は基本的に前衛型な思考をしているのだが、だからこそこういう頭を使って活かすタイプには憧れてしまうなー。

 そんなグリゼルダのサド的いびりを浴びる毎日は、<焼却>の魔王(ザ・クリムゾン)・ライコネンの訪れによって終わりを告げられることになる。
 ここで、ショッキングなことにある人物が退場するのだが、馬鹿な子ほど可愛いとはよく言ったもので辛かった……ぜ。

 何でも、グリセルダが魔王になったのは家のためであり、町の為だった。
 領主であるウェストン家の財宝・アリアドネの糸に関する禁書を狙って襲われる町。それを排するために名声を欲し、彼女は夜会を勝ち抜き魔王となった。
 魔王のお膝元として町は襲われることはなくなったが、それ以降は軍に入れという申し出がくるようになってしまう。拒むと謀反の可能性があるとして自動人形や家の装備である砲門などの撤去・没収されていった。彼女が使っていた剣・ストラトキャスターも宝剣などではなく、とっくに没収されてしまったので安物の剣を使っているとか……何それ格好良いっ、格好良すぎるぜこの魔王!

 アリアドネの糸と町を守るために一人耐えるグリゼルダを知った雷真が黙っているはずがなく、キンバリー教授の手を借りて小紫とともに夏休みの自由研究に乗り出す。
 雷真の自由研究、それは「魔王をぶちのめすこと」w
 本来の小紫の性能を駆使した戦いは派手ではないが心躍った。何より、相手は魔王だからな。向こうの強すぎる能力に引き分けに持ち込むとは、雷真もすごいが小紫も強いよな。

 この一件から本格的にグリゼルダに弟子入りした雷真は、夜会再開後の初戦、十九人との乱戦に右腕をシーツのようなものでぐるぐる巻きにした姿で現れる。紅翼陣の代償らしいが今巻では明かされず、夜々の金剛力を雷真自身にも適応させるという、夜々の本来の使い方を駆使して乗り切る。他にもロキはアップグレードケルビムを携え、フレイのガルムは精密射撃。もう、序盤で水着アピールしかしなかったシャルは何なの的なパワーアップだよw

 そんな雷真たちの試合を見守る恋する乙女たちは良かったなー。
 雷真の隣は夜々が一番だと悲しそうに言う小紫を慰めるいろりだが、その言葉裏に自分にもチャンスがあるという下心を見破らるとこが特にw 
 そしてもう一人、学園の教授になることにしたグリゼルダ。学園長エドワード・ラザフォードもアリアドネの糸を狙っているが、魔術師教会(ネクタル)もいるここが一番安全だと戻って来たと言うが、本心は雷真がいるからw
 「護る」という言葉を鵜呑みにして来てみれば、相棒の夜々だけでなくシャルやフレイにかこまれているところを見てしまって……はい、ブッチンですよーww

 夜々の出番が少なくて物足りなくはありますが、今回も見せてもらいましたな。本当に次が楽しみで仕方ない。しかも、最後にはアリスとシンも出たしね。夜会は折り返し地点で、俄然盛り上がってきているので次も早めに読もうと思ってます。

 では、今回のお気に入りへ。
 ライコネンと戦う雷真を諌めようとしたグリゼルダに対して言った雷真の殺し文句をw


「私はやめろと言ってたのだ! 師匠の言うことが聞けないのか!」
「あんたは俺の師匠だが、師匠である前にひとりの女だ」
「はあ? 貴様、何を言って――」
 雷真はいささかの迷いも感じさせない、澄み切った声で言った。
「泣いている女を守ってやって、何が悪い?」


 これは免疫なかったら惚れるわw しかも、雷真の相手は魔王だしな。
 ……しっかし、今回の感想書くのに二時間もかかっているのはよろしくない傾向だな。次からは簡潔を心がけます。


機巧少女は傷つかない6 Facing Crimson Red (MF文庫J) [文庫] / 海冬レイジ (著); るろお (イラスト); メディアファクトリー (刊)
機巧少女は傷つかない6 Facing Crimson Red
海冬レイジ
メディアファクトリー (2011/7/22)
posted by SuZuhara at 05:45| Comment(0) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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