霧切響子、「探偵オークション」に挑む――!
今年は正月がお休みを貰えるという。しかし、その代わりに年末毎日残業ってなんぞそれ――っ!
先輩のクリスマスの婚約者と過ごした模様を聞きながら仕事をしていると、上司に大丈夫かと聞かれる。あんなノロケをよく普通に聞けるな、と。え、そっち? 仕事の量じゃなくてそっちかよw
正直に言うと、私には関係のないことなので実に興味深かったりするんだが。リア充死ねと叫ばなかったことがお気に召さないらしい。生きるって大変だなぁと思った今日この頃であるw
■あらすじ
犯罪被害者救済委員会の黒の挑戦(デュエル・ノワール)で指定されたダブルゼロクラスの探偵・七村についていき、五月雨結と霧切響子は舞台となる以前に殺人となった廃ホテル「ノーマンズ・ホテル」に訪れる。
そこには探偵三人のほかに七人がいて、計十人となった時にオークションが開かれることになる。それぞれ一億円が配られて競り落とすのは、その日の「探偵権」という探偵オークションだった。
疑心暗鬼で協力することすらできず繰り返されるオークションと殺人。探偵七村の手は借りずに霧切は五月雨とともに事件解決のために探偵オークションに挑む。
■感想
あー、やっと読み終わった。読むのが苦痛とかではなく、ただ私に読む時間がなかった。読書タイムの移動時間は寝てて、ちょいと二、三ヵ月前からpixivで遊んでまして、相変わらずの誤字脱字ばかりだけど楽しいのだ。読むのも書くのも好きなんだな、自己満足でしかないけれど――今のこの残業ラッシュを耐えられているのは心が死んでないからでしょうな。趣味人は遊ばないと死んじゃうんだぞぅ!
ま、私のことはどうでもいいので感想に行きましょうか。
物語は前回の続きで結と霧切さんが七村と食事をするところから始まる。内容は黒の挑戦についてだけどもこの男には嫌な予感がする。速さが大事だとかの兄貴のようなことをいいながら、自分が連れて来たレストランで金を払わないという悪魔。
金に関することを他人に押し付ける奴は悪だぞ!
そんなこんなで黒の挑戦に同行することになった二人は、以前に殺人があったというノーマンズ・ホテルへ。
そこに行くと既に七人が集まっており、十人集まった屋敷は鍵が閉められて逃げ出すことは不可能に。
オークション開始には十人必要で、その中に一人探偵が必要になる。詐欺を追ってやって来ていた魚住という探偵もいたのだが探偵とは七村を差しているらしい。
七村が来て十人が揃ったのでオークションが始まる。
ここで簡単に探偵オークションについて説明。
・一人1億円の元手が配られる。
・その金で競り落とすのはその日の「探偵権」。
・門限である夜十時には自室にいなければならない。
・その時点で部屋はロックされる。出入りが出来るのはマスターキーを持つ探偵と犯人だけ。
・犯人は一日に一人殺せる。ただし、探偵の前では殺人は起こせない。
・門限を破るとオークション参加権を失う。
とまあ、こんなところかな?
要するに殺されたくなければ探偵権を取ること、というわけである。
結が一所懸命協力して乗り切ることを促すが、疑心暗鬼は止まらず、その一日目をなんとかしたのは七村だった。
オークションは五日、全部で五回行われるというのに初回で全てを投入したのだ。
それを見て一日目は七村に譲る流れで迎えるのだが、むー、部屋の説明がむっかしいな。部屋はL字型になっていてそこの一番端に探偵が入って片っ端から開けていくことで助けるという方法をとるのだが、呆気なく一人死ぬ。
その人は結にとあることを言い残していて、その言葉が最後に繋がるのが怖いっすなー。
この辺りで霧切さんが七村捨てて笑うw
あの人使えない、じゃなく、本当に捨てている。七村にいち早く扉を開けて貰い、殺人現場に至るまで行動を共にしていた結の言葉を聞き霧切さんは推理していく。
しかし、二度目のオークションは無情にも行われる。
探偵権を落としたのは水無瀬という男。彼は二日目で多額を消費し、勝ち続ける方法が分かったと言って誰も助けないと一人で部屋にこもってしまう。
霧切さんと結は廊下に水を撒くことで犯人を牽制するという罠を張ることに。
それでも殺人は起きてしまう。
廊下の水による足跡はなく、残っていた足跡は探偵の水無瀬が殺人現場に入ったものだけ……。
これを受けて霧切響子は推理する。
相変わらず七村を頼る気はなく、それなのに結のことは全面的に信頼していて。腕力担当とばかりに運動神経にものを言わせた結の行動にはしゃいだりもする。
中学生の、ロリ切が。なんだここは天国か。
トリック云々はネタバレがすぎるので書きませんが、北村さんらしい事件じゃないかなっと。犯人って大変だよな、頭使わなければやり遂げられない。
今回のオークション参加者にはある共通点があり、それは誰も彼もが詐欺師であること。そして犯人の標的は三人。
三日目は死者から金を奪った水無瀬だったが、霧切の罠にハマったために結が探偵権を取り事なきを得る。
四日目は水無瀬を仲間に引き入れ、犯人の最後の標的である元エスパー少女・美舟を守りに出るが、七村と新仙が夜鶴についてしまいここに来て二大闘争へ。
霧切曰く、犯人は夜鶴。残り二日、いかに美舟を守るかにかかっている。
残り二日のオークション攻防戦は楽しかったなー!
後のことを考えて動く霧切は探偵としてすごいが、まさか私が結と一緒に「ハスキーボイスのボクっ子。割と嫌いじゃない」とか言っている間に動いているとは。
さて、この辺で書いていなかった霧切が七村を捨てたわけを。
黒の挑戦で七村は指定された探偵なので絶対に殺されない。それを逆手にとって彼は事件を解決する気がなかった。彼の目的はお金で、『激情にして最速』の名を持つ探偵は自分の利益のための行動をとっていた。
だから、犯人を告発しても黒の挑戦の探偵ではないためにタイムリミットまで待たなければならず、それでも最後の日の探偵権を取った霧切は守れたことを言外に喜びながらその日を終える。
目覚めると、みんな死んでいたが。
結の携帯に霧切祖父から元トリプルクラスゼロ――新仙帝のことを知り、矢もたまらず逃げようとする二人が見たのは昨日まで生きていた人の死んだ姿。犯人の夜鶴すら死んでいた。
それは、探偵七村による犯行だった。簡単に言って金と名誉のために全員殺した。そして、霧切と結も――。
なんとか霧切だけは守ろうとする結だったが、そこに現れたのは新仙。そして、現役トリプルゼロクラスの二人の探偵。
今回は挨拶だけだったようで、どうにも彼は霧切に興味がある模様。そして、結には探偵への失望と妹を助けられなかったことへの後悔とかいろいろフラグが立ってて笑う。霧切さんが結を信頼しまくっているのもフラグだよなー。
結に犯罪被害者救済委員会が接触して、結が霧切指名で黒の挑戦とかやってほしい。お姉様を信じたい。でも、この人が犯人だと探偵として知っている、みたいな展開があったら俺は叫ぶ。
ひゃっほーいっ、何この俺得展開ってww
さて、今回も書きすぎなのでこの辺りでお気に入りへ。
一日目で門限が迫り部屋に入って行く時の霧切と結の会話を。
「またすぐ会えるよね?」
「……どうかしら?」
彼女はそっけなく云って、振り返らずに部屋に入っていく。
扉が閉じられた。
何故か彼女との別れは、いつもそれが最後になりそうな気がしてならない。
ここは印象的でした。後の絶望を期待せざるを得ないw
自分が最低だなと思う時は好きなキャラが幸せになるといいと思いつつもそうならなくてもそれはそれで面白いと思っているところだな。
今年を振り返って自分の感覚が振りきれたのは一回だけだった。いや、いいことだったので嬉しいことなんですが、それを感じてしまうと今までの私の反応は義務としてのものだったのかなと少し悩んだ。うん、悩む間もなく風邪引いたからそれどころではなかったがw
ダンガンロンパ霧切 2
北山 猛邦
講談社 (2013/11/29)