「僕にはね、倫也君……君がただ柏木エリを、いや、沢村英梨々を独占したがっているようにしか思えないよ」
GWの間は「これを機に毎日更新するぜ」と内心では思っていたのだが、いやー無理だったわーw
私がこれを書くのに時間がかっているというのもあるけど、それ以前に一日一作品なんてハイペースが無理だった。
なので結局はいつも通りちまちまやっていきます。ちなみに今はケイオスリングスの2組目をやってます。あれ、これってもしかして4週必須だったりはしないよな……?
■あらすじ
シナリオが完成しあとはイラストだけとなった冬コミ間近。
マスターアップまで一週間前となった時、英梨々は一人カンヅメとなって残りのイラスト五枚を仕上げる自分を追い込みに出るが、倫也は英梨々の決断を信じ切れない。
締切ギリギリに英梨々が自分の限界を超えてまで指定の五枚に二枚をプラスして仕上げるのだが、誰もいない別荘に一人風邪で倒れてしまう。そのことを知った倫也は一人英梨々の元に駆けつけ、そしてパッケージ版を落とすことを決断した。
■感想
思った以上にシリアスだったでござる、冴えカノ六巻。
いや、そこまでシリアルじゃなかったんだけど最後のわだかまりが俺の心を蝕んでいるんだ……もうここまで読んでいると加藤の言葉使いでいろいろと感じるものがあってだな……。
さてと、本編いくぜ。
霞ヶ丘先輩が倫也と合作ペンネームでうはうはしていると、それが面白くない英梨々が突っかかってきて倫也は加藤に逃げて……といういつものサークルの風景が今回はなかった。
いつも早くから来ているという加藤がそこにはおらず、遅れてきた加藤に先輩が言うんだ。
その様子だと男絡みかしら、と――。
え? え?
俺フリーズ。いや、ガチで固まった。ジャスティス学園にドラマCDなんかなかったという記憶の抹消をした時と一緒だなはははは。
いや、今回はそんなに重大な感じではないけれども、加藤曰く生まれて初めて告白されたらしいがすぐにフラれたらしい。冬コミが近いから今は、と断ったらそりゃあなw
告白されたという加藤のカミングアウトにすぐに自分たちの戦績を倫也に言う先輩と英梨々はちょっと可愛かった。
加藤は本当にサークルのことを大切に思っていて、なんと倫也が書いた大団円シナリオである最後のルートを完成させるために美知留にシナリオをプレイさせてボーカル曲を作らせていた。
なにこの有能。黒髪ロング加藤さんめっちゃ美人。加トちゃんと美知留のやり取りは結構好きです。
ま、そんなこんなでみんなが倫也のために動いている中で英梨々は追い詰められていくのである。クリエーターの集まりだったなら触発されるんだろうが、残念ながらこれは倫也を巡る高度な女子戦でもある。
一人那須の別荘でカンヅメになりイラストを仕上げるという英梨々にどう言うわけだが倫也は信じることも発破かけることもできず、ただ待ちの状態が続いていく。
初めは今日は二枚書いたとか調子が良かったんだけど、だんだん雲行きが怪しくなってきて、そんでもって加藤が別荘に行く提案をしても倫也の反応がいまいちだった。
なんかおかしいな、と思った。倫也の暑苦しいまでの牽引力がないんだ。
そして具合が悪いことも気づかないままイラストを仕上げた英梨々だったが、電話の途中で倒れてしまう。
倫也は伊織に電話をして那須の別荘まで向かうのだが、そこで伊織にも指摘された通り、倫也はゲームも英梨々も両方取るといういつもの選択が出来なかった。
英梨々の成長した絵を見て感動した。
だけどそれ以上に布教して広めたいというようなこれまでの感情とは違い、独占欲が勝ってしまったんだ。
倫也は冬コミでのパッケージ版を諦め、英梨々と過ごすことに。クリスマスとかなにこれバッドエンド展開なのに英梨々大勝利とか思ったけど、ちゃんとやるよ冬コミ。
手焼きDVDの100枚はすぐさま完売して早々に撤退。伊織たちのサークルはその何倍も売り上げ、勝負は倫也たちの敗北となるわけだが……この江中さんって怖いな。あの運転手さんは朱音さんだったってこと? むー、なんかこの人は嫌だな。
しかし、勝負には完全に負けたわけではなく、パッケージ版の委託販売時には噂が噂を呼び、用意した千枚は速攻完売。五千枚の発注が来るほどの大勝利だった。
うん、ごめん。私は同人に詳しくないからすごいなぁくらいしか分からないや。どのくらいすごいんだろうな。
これだけにすると終わり良ければ総て良しだが、最悪は冬コミの後に起こっていた。
早々に終わった冬コミにサークルメンバーは打ち上げする気満々だったが、加藤だけがそれを拒絶した。
冬コミに上げられなかったことを怒っているんじゃない。
ただ、倫也がなにも言わずに落とすことを決めたのを怒っていた。
連絡も相談もなしに勝手に決めて、相談したら自分が反対すると思ったのかと、どうして一人で背負い込んだのかと。
それが加藤は許せないと初めて倫也に反逆したんだ。
その後も学校では普通に話しているらしいけれども、加藤がサークルに来なくなっちゃったんだって。
うわー、英梨々の方も倫也と一緒で幸せ一杯なくせに絵が描けなくなってしまっているようだし、もう俺の胃は限界だよw
うむ、六巻はなかなかにシリアスでした。
英梨々スキーさんは歓喜だろうけれども、黒髪ロング美人トンなった加藤を怒らせたことが私は心配でたまらないや。え、霞ヶ丘先輩? あの人は倫也にベタ惚れしてるから気にする必要ないだろう。
次は短編集ですね。
短編はギャグ色強いでしょうから楽しみです。もうみんな仲良くしてくれよ、わいわいがやがやしてる方が楽しいよ。
では、ここいらで今回のお気に入りへ。
今回は序盤で美知留が曲を披露した後、倫也と二人っきりになった時にサークルの現状について触れた時のこと。
倫也が夢物語のようにサークルを続けていくと言う中、美知留は加藤もそう思っていて実際加藤のおかげでサークルが成り立っていると。
「あたし、わかったよ……あのコが一番の味方で、一番の敵だよね」
これは真理ですよね。
加藤は倫也にとっての最大の理解者で、加藤の行動って倫也の真意みたいなものだった。大袈裟かもしれないけれど、そう思っていた。
けれど、今回のでこじれて捻子くれてしまったから元に戻るのは時間がかかりそうだよなー。
冴えない彼女の育てかた 6
丸戸 史明(著)
KADOKAWA/富士見書房 (2014/4/19)
ラベル:冴えカノ