どうして俺の周りの女性作家どもは、創作に対する意識がここまで真摯すぎるんだろう。
えっちゃらほっちゃら生きていますが、やることが多くてなんだかなーだ。
読みたい本もやりたいゲームもたくさんあるけれどもなんにもできず、いまだにタンスは壊れたまんまだったりw
もういっそ積みゲー積本が消化できるまで新しいものを買うのをやめると決めてしまおうか。P4Dまでになんとかできると思えんのでまだ決めないけれども、ちょっと真剣に考えよう。
■感想
今回は冴えカノFDという名の短編集です。
なんでも一冊出る度に裏話的に掲載されたもののようで今回は簡単に内容を紹介。
短編は全部で6話なんだが英梨々2、先輩2、美知留1、加藤1、出海扉絵とオチ他という内訳は散々な結果だw
さすが先輩と英梨々は見ていて花があると思うが、全部読むとどう見ても加藤大勝利で俺歓喜でしたw
英梨々が作った同人誌を加藤と売り、インタビュー掘り起し時にはちょっと怖いながらも加藤と二人っきりの作業、英梨々が機嫌を悪くして困った時には加藤に助けを求め、美知留がオタクにはならないと受け入れられても加藤には諦めず布教し続け、最後には加藤の勝ち組っぷりをみんなでディスる。……最高だなw
ざくっと行きますが、全編に渡り冴えわたっている短編ですが好きなのは英梨々とのロケハンと座談会かな。
最初の同人誌制作の話はアニメでもありましたね。倫也と英梨々がエロシーンに行くまでのキャラになりきってやり取りをする話。あのシーンのアニメ、親と兄貴のいる前で見てたら白い眼で見られたことはトラウマとして俺の記憶に残っているw
日曜にいきなりたたき起こされて同人誌の売り子をしてくれるとか加藤は天使すぎるw
インタビューの話はインタビューを録音したレコーダーを流しながら加藤とともに記事に起こす話なのですが、もうレコーダーから流れるのが倫也と先輩のなんだかんだでイチャイチャトークだったりして、途中から倫也は再生しなくなるんだが、加藤が一人で放送室に閉じこもって大音量で流したりして。
そのフラットじゃない表情の意味は期待してもいいんですか加藤! 相手が倫也なのはどうかと思うけれどなw
ロケハンはいくらゲームに必要と言えども引きこもり絵師様が出てきたのは単に倫也がいくからに他ならず、開始早々に休憩タイムでも英梨々の一途っぷりは不覚にも可愛いと思ってしまった。くそぅ、金髪ツインテールは苦手なのに……。
倫也が進路就職組なのは驚いたが、それ以上に高卒ではスペンサー家が認めてくれないとそれだけで沈んでしまう英梨々は可愛かったなー。
最後は加藤大勝利だけどな!
倫也の霞詩子一日担当の聖地巡礼は加藤は出てこないけれど、先輩の作品に対する姿勢が好きな私にとっては楽しい話でした。
水族館とか、なんとか倫也とベッドインしようとさえしなければ俺的にストライクなのになー。
美知留の話はタイトル通りに非オタをオタクに染めようとしている話で、読んでいて思ったんだけど、もうそんなにオタクもノーマルも変わんないんじゃないかな。
正直、美知留は苦手だったんですが、あの加藤と出会った坂での美知留の笑顔は反則だろう。オタクを嫌がっていた彼女だけれども、本当はバンドメンバーがオタクと知って非オタな自分は嫌われるんじゃないかなんて心配していただなんで……うん、お前のことを嫌う人なんて絶対いないよ。
次は総集編。総集編は総集編。
みんなでゲームを作りながら倫也が過去を振り返り、忘れられた波島兄妹が最後にちょこっと出ますw
最後、座談会はクリア後のおまけにキャラの座談会を作るという話になるのだが、振り返ってみるとゲームのキャラクターたちはまんま自分たちだったw
河村・スパイダー・きらりとかねw
そんな自分たちのようなキャラが主人公・誠司のことに対して火花バチバチさせるのだけれども、彼女らが一致団結するときがあった。
それは巡璃ことメインヒロインに対して攻撃する時であったw
ちょっとおかしいと思い出した加藤をはぐらかしながら作っていると、シナリオがキャラではなく自分たちそのものに変わっていき加藤も気づくことになるw
いやー、しゃーないよ。ただキャラが立っていないではこのメンバー内に入ることなんてできないし、そのめんどくさい愛くらいは受け入れようぜ。
けれども、最後にはシナリオのいいところは受け入れ、ゲームとして良くするために内輪ネタの排除と倫也によるシナリオ修正を決めて、詩羽先輩には貸しがあるから納得させると言い切った黒髪ロング加藤は素敵すぎた。
可愛い。ごめんなさい、マジで加藤の内面も外見も大好きすぎて困る。
シリーズものの短編集はあんまり好きじゃなかったりしますが、面白かったです冴えカノFD。
加藤との関係の修復が気になりますが、新刊が6月に出るらしいのであと二冊、頑張って読んで間に合わせたいと思う。
しっかし、冴えカノを読むと楽しくなちゃってゲームとかいろいろしたくなっちゃうので困るな。困ってないでどんどんやればいいんだけど。
では、今回のお気に入りへ。
今回は先輩のインタビュー時、倫也はもう録音されていないと思って先輩を膝枕してスィートトークしていた時にふと次回作についての意気込みを聞く。
その時の詩羽先輩の言葉を。
『そんなことより……もう一度、あの人を夢中にさせられたらなって』
これはずるい。
読者としてその作者さんの特別になって自分のために書いてもらえたらどんなに幸せだろうと想像はできても、私はきっと誰かのために書かれた物語でも楽しめると思う。だって私は私のための物語を求めているわけじゃないし、そんなものはない方がいい。
けれども、逆はどうだろうか? たった一人のために作品を完成させるだけ自分をの費やせたなら、それは幸せなことなんじゃないかなって思うんだ。
むー、片想い気質なのかもしれん。
冴えない彼女の育てかた FD
丸戸 史明(著),深崎 暮人(イラスト)
KADOKAWA/富士見書房 (2014/8/20)