「今のわたしは、あの時よりも、あなたの物語の、ヒロインに近づいてるかな?」
毎回ここに書くことを悩むのですが、最近どうも納得できないことがありまして。
ゲームが発売されるのは毎回楽しみなのですが、売り方とか特典商法があざとすぎると辟易してしまうじゃないか。私はそういうので引いてしまうことが多いのだが、最近そういう情報に疲れつつある。一応チェックはしてるけど、今のところ予約しているゲームはうたわれるもの2だけだしなー。
もういっそのこと全部やめてしまうかな。そっちの方が楽な気がする。
■あらすじ
倫也たちが三年に進級し、新たなメンバーでスタートする「blessing software」。
本来の目的であった最強のギャルゲーを作るためにプロット作りをする倫也だが、詩羽と英梨々がいないサークルで美知留のバンドのマネージャーも両立させることは無理だと気づく。
絵師として出海を迎え、そして彼女の兄である伊織に企画書を見て受けたアドバイスを聞き、伊織をサークルへと勧誘するのだが、「このままじゃ売れない」の一言で断られてしまう。
■感想
ちょいと感想書くまでに時間がかかってしまいましたが、冴カノ最新刊読了です。
原点回帰? いやいや、怖いよ! 関係がドロドロしすぎだよ!
始まりは新生メンバーたちとわいわいやるのですが、溢れ出る加藤の正妻っぷり。安芸家の台所とか、もう制覇しているんじゃなかろうか。
学校では倫也と英梨々が同じクラスで隣の席で、余所余所しくも二人で話すことからクラスでは激しい動揺が見られますが、出海のサークルに同級生勧誘の際の先制パンチを受け、そして加藤とは気まずい擦れ違いで英梨々のHPがヤバい。
てか、二人の喧嘩怖い。
私はいまいち分かっていないんだけど、これって倫也の眼鏡が尾を引いてんのかな? 加藤もこだわってるっぽいんだが、つくづく自分は人の感情を理解できておらずシステムしか分かってないんだなと実感したよ。
私は英梨々のようなテンプレツンデレの「勘違いしないでよね」と言われたら、それが本音であるという形式しか分かってないんだ。
だから、今回の加藤の行動は本音がてんで分かっていない。
そんなせいで今回の話は胃が痛かったぜー。
新しいゲーム作りのため、加藤がスケジュール管理を徹底しようとするのは前回のことがあったせいですが、そこでもやはり英梨々とのことが尾を引いている。
だが、倫也は楽しくやっていきたいというのがあり、加藤もなんとか肩の力を抜く。
出海に今回のゲームの企画書を持って一緒に考えてほしいと伝えると、出て行けと言われてしまう倫也。
ま、すぐにキャラデザをするからなのだが、伊織に前作のヒロインを再び使うことで共用するプレッシャーなどのことを指摘される。
あー、なるほどなー。やはり絵師さんが変わると前の方が良かったと思うのは否めない。好き嫌い以前に愛着の問題で。
だが、出海はそんなものには負けず、巡璃を乙女ゲーのヒロインのようだと捉えてすぐにデザインしていた。
この乙女ゲーのヒロインというのは目から鱗でした。
私はあんまりやらないけれど、乙女ゲーのヒロインって好きなんですよ。自分を投影ではなくその人として見ることが多いので、そっちの方が好きだな。
シナリオ部分を倫也が担当するということで伊織からアドバイスを貰った倫也はプロットを書き上げて伊織にプロデューサーになってほしいと誘いに行くが断られる。
その理由が告げられることはなく、勝手に伊織勧誘を決めたことに怒っていた加藤がまたも怒る。
フェアじゃない。ダメな理由を言っていないというが、それは昔に出海から聞いていた話で売れないという理由で伊織は切るが、売れる売れないの感性は彼の方が上だったから書き直しすることに。
伊織の一言でヘコむ加藤は可愛いですが、ここで二人によるプロット作成タイム。
こういう創作の手順は知らんのですが、加藤が倫也にされたことをチクチクするのは胃が痛いw
再び六天場モールへなデートはもう完全に加藤ルートでしたが、やはり二人にとって英梨々の存在は大きいんだな。加藤が英梨々との仲直りを引きずっていて、倫也が間に入ることになったのですが最後で仲直りは当分無理そうだなと。
プロット作り中だって先輩の穴を埋めようと気を張ってたし、加藤への負担が半端ないな。
伊織加入は無事に成功したので、どうにか力が抜けるといいんだが。
最後は英梨々たちのゲームの制作発表で英梨々が壁画並のイラストを披露しサークルが震撼する。
うーん、どうだろうな。もうイラストだけ力が入っているゲームとかいろいろ経験しているから、口ではなんとでも褒めますが自分の冷静な部分ではどうせ課金でしょとか思っちゃうんだよな。某大作RPGリメイクも私にはあんまり響いていない。
だから、はー、って感じだったのですが、イラストの出海が震え、加藤が分かってくれない親友への苛つきを高めてしまった。
うわぁ……天才は残酷だな。
もう正直、わいわいとゲームを作っていく感じは戻らないんだなと。これからどうなっていくかは分かりませんが、誰も悲しまない結末であってほしいよ。
では、今回のお気に入りへ。
伊織に重いと言われて死んだ目になる加藤のシーンにしようかと思いましたが、今回は最後のゲーム制作発表時のメインヒロインについての倫也たちの会話を。
「メインヒロイン、金髪ですね……」
「でもロングだよ?」
「何があったんだあの二人……?」
主人公は誠司=倫也似で、メインヒロインが先輩+英梨々とかw
クリエイターさんって自分の好きな人と自分をキャラにインスパイアしちゃうんかな。それは大変冷めるので知りたくないですが、この先どうにも大団円には程遠いのが僕的には胃が痛いです。
冴えない彼女の育てかた 8
丸戸 史明 (著),深崎 暮人 (イラスト)
KADOKAWA/富士見書房 (2015/6/20)
ラベル:冴えカノ