「これも一つの、家族の形だろう?」
さて、そろそろGEアニメの感想でも書くかな。
最後まで観たけど、結局あの絵には慣れなかった。合間に挟むこだわりを語られるスタッフトークも、そういうのは全部終わってから観るタイプなので途中観てもテンションがなかなか保てない。
レンカがどうよりも、レンカの新神機がとんでもすぎてどうすればいいのか。もっとRで追加された捕食とか使った戦闘が見たかったのに、チート神機なだけだったからなー。
友人がもうGEはとっくに見限ったと言っていたが、それが正しい選択なのか。ちょっと私には時間をくださいだよ。
■あらすじ
英梨々の描いたキービジュアルにより、倫也たちのサークルは衝撃を受けていた。
その衝撃に幼馴染ヒロインシナリオを描き上げることで乗り越えた倫也だったが、他のメンバーたちはその時自ら乗り越えるために行動していた。
■感想
冴カノ最新刊は、倫也のいないところでの女子たちの話であるガールズサイド。
読み終わったのが大分前なのでちょっと淡白になってしまうかもしれない。
ざっくり分けて、今回の話は4つ。
・美知留と先輩の邂逅。
・紅坂朱音と町田園子の大人トーク。
・出海、同人即売会での出会い。
・加藤と英梨々の二人旅行。
初めこそ、英梨々のキービジュに衝撃を受ける女性陣、加藤と出海、美知留の話から始まりますが、久々に見た加藤が美しすぎてやばい。
美知留と先輩の話はなかなか面白くて、秋葉原と神保町が歩いていける距離だということを初めて知った。どっちも行ったことはないんだけどな的な話をしたら、週末につれて行ってもらいましたが、あそこはアキバズトリップそのままだったから感動したな。
せっかくなんで、兄貴にダンボーのガチャをお土産に買ったのだが、秋葉原に行ってこれだけ?的な顔をされたのは解せぬ。
閑話休題。
正直、美知留も先輩もあまり好きではないのですが……先輩はエロに行かなければ好きなんだけど、美知留は完全にそっちろせんだから。
前回で倫也のもとに先輩が行った理由ですね。先輩が美知留の行動のエロ的な問題点を指摘するのは失敗しましたが、クレバーにも先輩の連絡先をゲットして利用すると言った時はちょっと好きになりそうだった。
結局、美知留の行動原理は倫也なんだよなー。いなくなってしまうヒロインより、傍にいてくれるヒロインがいいな……。
大人トークは、結構込み入った事情でわくわくした。
特に紅坂朱音の子どものころにハマったゲームのシリーズが衰退していくのはつらい。そんなのは分かりきっている。
それを立て直すために無理な条件で仕事を受けていて、それを成功させるために先輩や英梨々を使い潰す。
しかも、先輩はこれっきりだけれども、英梨々のことを話す気はないらしく、絵描きとしての才能を伸ばすためならばなんでもするというほど。それは町田氏にとっての先輩も同じなんだけれども……。
私は、朱音さん嫌いじゃないんだよ。
彼女の言う家族の形は有りだと思うし、何よりたった一つの物を満足する形で完成させられるなら使い潰されても構わない。そう思えてしまうのは飢えているからですかねー。
出海の話は自分の絵に迷っていたところに伊織に強制参加させられたイベントで、隣のブースの人との出会い。
お互い、兄に振り回されているという共通点から盛り上がり、そこで自分の迷った絵のコピー誌を見せて答えが分かるというもの。
柏木エリに影響された絵ではないかと心配していたが、お隣さんは言う。
影響されている。けれどもそれはその作品にであって、キャラクターを象徴する台詞に絶妙な表情で描けている。それはすごいことなんだ、と。
その言葉で出海がスランプから脱出する話でした。
明言はされていませんが、お隣さんは先輩の新シリーズのイラストをやっている方ですね。兄がその人のふりをしているとか、ややこしいことは次回以降のようです。
加藤と英梨々の二人旅は正直胃が痛くなるほどの気まずさ画ありましたが、ちょっとずついつものペースに戻り、自分がヒロインの、倫也からのラブレターシナリオを読んだ時は関係は少しだけ戻っていた。
完全に元通りなんてことはないけれど、二人の中は回復していった。
ここで英梨々が食いつくように、倫也に対する加藤の気持ちは知りたくてたまらないが、加藤がはぐらかすので分かるのはいつになるのか……。
最後に美知留たちのバンドの単独ライブで、はっきりと出会わなくとも新旧メンバーたちが揃う。
倫也たちは新たなゲームを、そして先輩たちも至高のゲームを作るために動き出しているという感じの話でした。
物語は進まないが細部が分かって良かった。けれども、今回文体が読みにくかったなー。個人的に()を多用される分が苦手なんですよね。
私特有の巻数が増すと読めなくなる病気が出だしたのかもしれない。次を買うかはちょっと分からないです。
では、今回はここらでお気に入りに。
今回は加藤との仲直りを諦められず力技に出る英梨繰り返しのシーンを。仲直りするための旅行のはずだったが、英梨々の遠さを思い知って加藤が歩み寄れないと思ってしまった時、それを全力で英梨々は拒絶する。
目に涙を溜めて、それどころか、ぼろぼろ零して。
何度失敗しても、何度撥ね返されても、懲りずにぶつかってくる。
「ヤだ、ヤだ、やだぁぁぁぁ〜!」
「英梨々……」
その諦めのなさこそが、恵が羨望して、そして絶望する強さだと未だ知らずに。
羨望と絶望は分かる気がする。
私も感情を出すことのできない人間だから、泥臭い行動をできるところ、そして感情のままに動けるところは憧れる。
そして、それが自分の元に向かってきたのなら、絶望しかないよなー。
冴えない彼女の育てかた Girls Side2
丸戸 史明(著),深崎 暮人 (イラスト)
KADOKAWA/富士見書房 (2016/3/19)
ラベル:冴えカノ