わたしは、あなたが望む、メインヒロインに、なれたかな?
やっべー、本当に風邪が治らない。普段、僕を蔑ろにする兄貴が心配してくるレベルである。
雑用を片づけるために休みを頂いたのだが、一日がかりかと思っていたのに五分で終わったので映画行ってきたよ、ヘブンスフィール。丁寧に描かれる過去と作品が連なったからこその繋がりとか震える。イリヤがセイバーにアインツベルンのことを聞いたりとか。桜、そのセイバーさんめっちゃいい人だからもうちょっと優しくしてあげて。こうして三ルートのアニメを観ると藤村大河の存在のでかさを感じるね。
丁寧な描写に感動したくせに戦闘シーンになると、日常とかいらないから戦えと思ってしまう俺は最低です。
■あらすじ
ついに恵に告白した倫也は晴れて恋人同士となる。
そして、ゲーム作りも佳境を迎え新旧のサークルメンバーが揃ったお祭り状態は終わりへと向かっていく。
倫也と恵の変わった関係と倫也を想っていた英梨々と詩羽はその関係にケリを着けることになる。
■感想
ラノベをきちんと最終巻まで読み切ったのはおそらくケモノガリ以来かと。わりとイチャイチャしているのは苦手だったりするのですが、途中で飽きちゃうからね。最後まで読み切れたことは感慨深く思っています。
倫也の告白からの続きからで、もう正直言ってこのシーンから僕は死んでいた。ざっくり言うと、告白を受けてのキスシーンが僕の中の恵像をぶっ壊したのである。
ここで私はどんな恵が好きだったのかを考える。なにをしてもうっすい反応のくせにいつだって傍にいてくれるところが好きだったんだな、と思う。だから、濃い恵の反応が受け入れられなかったのだろう。
……うん、つまりキスシーンイラストのちょっと肌蹴た服とか、最後の初夜意識とか……そんなものは僕は欲していなかったのでしょうな。
だから、あれだけ望んでいた恵のいる風景よりもゲーム制作が終わってしまうことの嘆きばかりがあった。自分のイベントでどう見ても発情してしまっている恵を見せられるとか、だから俺はもうとっくに死んでいると言ったじゃないか!
以前に倫也たちが作ったゲームをしたいと言いましたが、この二作目は手にしたら発狂ものだよなー。胸がキュンキュンするギャルゲーでも大いに結構だけど、それに少しでも燃えてしまった後、「尚、元ネタはサークルメンバーと代表です」なんて知った日にはやったことないけどディスクを割りかねない。うん、俺はやるぞ。
そんなやさぐれて気分だったからでしょう、英梨々と先輩の終わりは寂しくも二人らしくて良かった。現実でハーレムルートは受け入れられないからはっきりと勝者と敗者に別れてしまったが、英梨々と恵、なにより先輩のファンとしての倫也への信頼が好きだと思う。
私は恵の存在が好きだったけれども、きっと人として好きなのは先輩なんでしょうね。いや、下ネタは勘弁だよ!
そして、冬コミ完売とその後の倫也。
新作の反応はシナリオがいまいちのようだが、その他は高評価。そして、巡璃ルートだけは評価される。編集者とか朱音の会社入りとかいろいろスカウトされる倫也だが大学は全滅で、ちゃっかり一人合格した恵の後を追って浪人生に。それでレーティングが変更されるようなことが起こるらしく、三度俺は殺される。どんどん恋愛描写が苦手になっていく、もうダメかもしない。
いや、キスシーンが生々しかった後遺症じゃないかな! そういうのがあるって心構えが足りなかったんだよ!
そんなこんなで冴えカノ最終巻読了しました!
私の知らない同人サークルの話、ゲーム作りの話はとても楽しくメンバーのコミカルさもあって大好きでした。
途中から恵の曰く地雷女化したこともあり、何度ももう続きを買うのはやめようと考えたこともありましたが、きつい思いをしながらも読んで良かった。……うん、かつてない衝撃で無力化させられたがね。ちくしょう、こんなの読んだらサイコパス映画でも観に行って心の平穏を取り戻せないよ。
では、ここで今回のお気に入りへ。
今回は英梨々との別れから。最後に「一〇年前、好きだった〜?」なんて聞いて自分を守ってくれる英梨々に倫也が否定を選んだことに対する見解を。
きっと、俺のこの答えは、この決断は、正しい。
もう今となっては、正直に言うべきじゃない。
『あの頃、俺には、お前だけだった』なんて、言うべきじゃない。
だって、今さらそんなことを言ったって、もうどうにもならなくて。
そして、今を生きている人たちが、前を向いた人だちが、少しだけ傷ついてしまうから。
それでも、それでも、それでもさ……
しばらくの間、悲しいって気持ちと、溢れる涙が、止まらなかった。
ああ、伝えることができないってつらいな。
この二人は特に過去の擦れ違いさえなければずっと一緒だっただろうから。その先じゃ今の英梨々に至れなくても、一緒の未来だった諦めるのはキツかっただろうな。
冴えない彼女の育てかた13
丸戸 史明(著),深崎 暮人 (イラスト)
KADOKAWA (2017/10/20)
ラベル:冴えカノ