2017年12月03日

スティーヴン・キング ビッグ・ドライバー



「時には酷い報復をしたって――許されるわ」


 体調が芳しくないと何度か言っていましたが、急な腹痛で倒れる。しかも原因不明。気持ち悪くて冷や汗ダラダラでいっそ殺せと叫びたいけど、こんな苦しんでいる暇があったらゲームした方が有意義なのではないかと考える。うん、バカである。
 さすがにゲームできるほどの集中力はなかったので、その間に見ていた映画の感想を。普段は字幕で見ますが、今回は吹替で見ています。
 

■あらすじ
 講演会に呼ばれたミステリー作家・テスは教えてもらった近道で連続レイプ殺人犯に襲われる。死んだものと水道管に捨てられたテスは死体の転がる水道管から脱出してなんとか家に帰りつく。
 しかし、警察には助けを求められない。レイプの事実を公表すれば売名目的ではと叩かれることを恐れたテスは一人で復讐することを誓う。


■感想
 何度も言ってますが『IT』を観たいと思いつつ観れていないのでスティーブン・キングものを何点か観ました。本当は『ミザリー』が観たかったんだけどなかったんだ……。
 なかなか面白かったのは、主人公のテスが自分の作品のキャラクターと会話しているところかな。

 では、ざっくりと行こう。
 少々落ち目のミステリー作家のテスは図書館での講演会の仕事を終えた帰りに理事長であるラモーナから近道を教えてもらったのだが、そこで釘の刺さった木材を踏んで車がパンクしてしまう。
 通りかかったトラック運転手の巨体の男がタイヤ交換を引き受けてくれるのだが、電波の届かない廃墟と化した酒場でテスはトラックの荷台に釘が刺さって木材が積んであるのを見てしまう。つまり、全ては仕組まれたことだったんだよである。

 男に殴られて気絶させられた後、気がつくとレイプされていた。このシーンは嫌だったなー。元々苦手って言うのもあるけど、性行為のためだけなら執拗に暴力を繰り返すことはないだろうに。征服欲とかなのかなー、私にはその感情は理解できない。
 水に浮かべて死んだか確認するところもね、手慣れてる感はすごいですな。

 テスが気絶してたのか、死んだふりをしたのかは私には判断できなかったのですが、水道管に捨てられたところでなんとか助かったテスはそこで水死体の山に出会う。
 そこからのテスは結構すげーです。
 どう考えても治安の良くない町に辿り着いた後、コンビニっぽいところのトイレで現状を把握し、覚えている限りのことを家の留守電に吹き込む。男の特徴とか、自分がされたこととかね。その後、リムジンタクシーで家に帰る。

 あらすじで書いたとおりの理由で警察には頼れない。武力ではなく安心のためであった銃を手に、隣人にも階段から落ちたなどと嘘をつく。放置してあるテスの車を取りに来いと電話をかけて来た酒場の女主人に、トラックに乗った巨体の男にお礼がしたいからと作り話をして連絡を貰えるように取りつける。

 ……ざっくりのはずが結構書いてるな。
 ここまででテスが状況を整理するのに出てくるテスの作品の主人公でおばあちゃん探偵のドリーンとカーナビ音声のトム。要するに妄想なんだけれども、割と客観的なトムと冷静ながらも過激なドリーンとのやり取りは面白かった。作家さんというのはああやって自キャラと話しているものなんだろうかね。

 その後は、ミステリー小説を組み立てるように推理していき、ラモーナが男の母親で獲物をあの道に送っていたことを知って殺し、巨体の男と間違えて弟を殺してしまう。ドリーン、さっさと殺せと言っておきながら違うとか笑うしかない。
 けれども、弟も共犯だったので結果オーライ。
 反撃に会いつつも巨体男を殺し、次は証拠隠滅へ。ここでのドリーンはいい仕事をしたね。
 あとは警察に通報してレイプ犯が明らかになる。

 最後の新作執筆中にあった電話は酒場の女主人かな? 過去の暴行のことを話していたからね。

 冒頭から事件発生までは個人的にきつかったですが、起きてしまったことに淡々と対処していくのがリアルだなーと思った。
 泣き寝入りはできないから普段と同じ生活を送りながらも同じでなんていられるはずがなくて、壊れた日常で復讐を決意する。怪しい人物の好みの作品から傾向を絞り込み、繋がる関係を推測して犯人まで辿り着く。
 トムとドリーンはテスなので自問自答なのだが、復讐を促しつつも彼女を案じていて願望と理性が上手くできてるなー、と。
 ただ、怖さはなかったかな。男が再び襲ってくるかもというような、殺されるかもという恐怖がなかったのが残念でしたなー。


 では、ここで今回のお気に入りへ。
 テスが巨体男と間違えて弟を殺してしまった時のドリーンの台詞を。 


「あまりにも展開が早かったから確かめようがなかったわね」


 おい、嘘つけ。お前は扇動している感があるぞw
 この台詞の前でテスとドリーン、殺した男による会話が始まりますが、この家族の秘密については原作を読めば分かるんですかね。父親の件とか、弟が母親を恐れていた理由とか。







スティーヴン・キング ビッグ・ドライバー
マリア・ベロ (出演)
アルバトロス(2015/11/04)
posted by SuZuhara at 12:54| Comment(0) | BD&DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。