2018年02月03日

ロード・エルメロイU世の事件簿7 case.アトラスの契約(下)



「あなたは――あなた自身は、本当にアーサーを復活させたいんですか」


 ……くうぅ、ゲームしていないと俺の精神が安定しない。ゲームしたいよ! ちょっともうFGOのノルマばかりこなす毎日は嫌なんだ。やっぱりゲームは好きな時に好きなだけするのがいいのであって時間に追われたくないんだよっ!
 つまり何が言いたいのかというと、セミ様出ませんでしたということさ。


■あらすじ
 故郷に、それも過去のグレイが死んだとされている二週目にロード・エルメロイU世とグレイは村の地下に広がる大空洞で骨兵と遭遇することになる。戦闘中に沈黙したアッドから現われた貌のない白銀の騎士――サー・ケイに助けられ、現在の時間ではフラットとスヴィンがアトラス院のズェピアと対峙し、過去の真実が、ブラックモアの墓地の秘密が明かされる。


■感想
 今年初っ端に読むなんて言って結局読み終わったのは先週でした。面白いのは分かりきったことですが、エクステラから考えてきた人の三要素について考えさせられる話でした。

 さて、前回の続きだからサー・ケイが現われたところからですな。
 割としんどい事実というかグレイの置かれていた状況のしんどさを思い知らされてへこみましたな。
 グレイと瓜二つ――もう一人のアーサー王顔の少女は行こう骸王と呼ばれますが、彼女もグレイも人の三要素に基づいたアーサー王を再現するための要素に過ぎなかった。
 人の三要素――エクステラでザビーズが分けられた、肉体と精神と魂。グレイが肉体で骸王は精神。魂が聖杯戦争で召喚された時の器を作るのがこの村の目的だった、と。

 私がエクステラをプレイしたどうしようもなくイラついたのは戦闘のシステムではなく、この三つに分かれたことの納得ができなかったからだったりする。ゲームの感想を書いていた時は大分落ち着いていたかそのことについて書いてなかったけれど、ここは嫌いだったんだ。
 肉体は分かる。魂も分かる。では、精神とはなんだ? そもそもなんでこんな状態になっているのか、という説明がなかったから当時は受け入れずに拒絶したわけだが、だからと言って今回も深い説明はないので納得にまでは至っていない。
 奈須さんがブログで書いていた肉体(本能)、精神(感情)、魂(本質)ということでそういうものかと理解しているけど、納得ができないのは俺が意固地だからでしょう。シール・サーティーンも後付け感が強くて好きじゃないのである。

 ま、僕の好みはどうでもいい。
 要するにグレイは過去にして未来の王であるアーサー王の復活のための生贄であり、骸王もそうだ。
 グレイと骸王を手に入れるために、村と聖堂教会とU世たちという三つ巴になりますが、シスター・イルミナが想像以上に好みでやばかった。ボクシングスタイルとかやめてよ惚れちゃうよ!
 ま、それ以上にサー・ケイのキャラが良かったので恋には落ちませんでしたがね。最強のキャラが召喚されたなら無双できていいでしょうが、天才には敵わずとも同じ目線を知っている奴が手を貸してくれる方が嬉しいのです。

 サー・ケイは本人ではなくアッドのモデルとなった疑似人格なのですが、グレイのことを知っている感。そして、咄嗟の連携ができるところは震えましたね。

 あの日死んでいたグレイの正体には驚きましたが、それ以上に安堵もした。グレイが母親を苦手としていることと母親の熱心な信者っぷりを知っていたので、理由が明らかになった時は母の愛を感じましたね。強いなぁ、本当に。

 謎を解き明かしたことでフラットとスヴィンと合流し、ズェピアが再演などをした理由が明かされる。アトラス院の兵器の起動により敵として再演され、ベルザックもイルミナも敵に回っての総力戦へ。
 そして、サー・ケイは本当にズルい。今まで貌がない、見えないものとして描かれていたのに、ギャラハッドの真似事と言いながら宝具を疑似展開した時に見えた顔は挿絵つきで格好良すぎるのである。

 サー・ケイが消えてアッドが戻り、フラットとスヴィンのコンビによって事件は収束しますが、最終章を前にアッドが壊れるフラグとかちょいと怖いですな。
 僕の好きなライネスが友達が買ってきたチョコを食べるシーンは至高だと思います!

 今回も面白かったですが、もう次は最終章かと思うと寂しくもある。しかし、それ以上にエルメロイ教室の面々がわいわいやっているのをみたい気持ちの方が強いので夏を心待ちにしていようっと!

 では、ここで今回のお気に入りに。
 骸王に会うと決めたグレイにU世があるお願いをした時の話。それを聞いたグレイは了承して思う。


「……分かりました」
 と、うなずいた。
 いずれにせよ、師匠の願いを拒絶する道理など自分にあるはずがない。意図や危険度が分からなくても、構うところではない。自分にとって許せないのは、この身が師匠の役に立てないことくらいだ。そう言うと、師匠は困った顔をするかもしれないけれど。


 相変わらずの師匠好きっぷりで大変嬉しい。
 U世がハートレスの残したウェビングを見ている時も自分にどうにもできないところで対峙しているみたいだと怯えていたし、さっすがグレイたんである。
 スヴィンを初めて知った時はなんて残念な奴だと思ったが、今ではすっかり同じような気持ちでいるよw









ロード・エルメロイU世の事件簿7 case.アトラスの契約(下)
三田 誠
TYPE-MOONBOOKS (2017/12/31)
posted by SuZuhara at 23:32| Comment(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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