「書かれた言葉には力が宿るんだ。気をつけないとな」
ちょこちょこ元気になってきましたが、今は何故か親指が痛い。しかも利き手の。なんてこった。
そんな手が痛い中ですが、昨日はオバロファンイベントにぼっち参戦してきました! この手のイベントは初めてだったのですが、声優さんたちの話とか面白かったです。噛んだ時のアドリブとかすげーの一言ですよ。ゴブリン近衛隊は分かんなかったですなー。
周りの方もファンレベルが高く、こういう時、低温な私としては疎外感をバリバリ感じるのですが、PCゲーのDUNGEON OF NAZARICKを買えて良かったです。ま、最初の0階層クリアまでに38回死にましたがね! また全クリしたら感想を書きます。
そんなこんなでお出かけをしたら、観たいと思っていた法廷ミステリーを観忘れるっていうね。その前のもののけ姫もブログ書き終わった瞬間に寝て観れてないんだけどね。
■あらすじ
声に出して文字を読むことで物語を現実に呼び出すことができる魔法舌の持ち主であったモー・フォルヒャルトは、過去に本の中に連れ攫われた妻・レサが取り込まれた『インクハート』という本を探していた。
モーは娘のメギーに詳細を告げずに本を探していたが、魔法舌であるモーはインクハートの悪役であるカプリコーンたちに狙われていて、妻の姉・エレノア共々捕らわれてしまう。
精度高い魔法舌であるモーが朗読すれば完璧な形で現実に現われるが、代わりに現実から誰かが物語の中に入ることになる。
レサを取り戻すためにモーはほこり指とともにカプリコーンの元に戻るが、安全のために離れたメギーの元にカプリコーンの部下が現われメギーにも魔法舌が受け継がれていることが知られてしまう。
■感想
『ハムナプトラ』でお馴染みのブレンダン・フレイザー主演ということで観てみようと買ってみた。安かったのとこの手のファンタジー好きなんだ。
だいたいはあらすじに書いたとおりで、自分が物語を現実化する魔法舌の持ち主であると気づかなかったモーが物語に妻を奪われて、本を探すために娘と旅をしているところから。
九年かけてやっと一冊見つけるが、そこで前回から現実にいるほこり指に見つかってしまう。彼は前回助けてくれたのだが、本の中に帰りたいという願いを叶えてくれないモーに痺れを切らし、悪役であるカプリコーンに居場所を伝えてしまう。
そうしてエレノアの元にいた時にカプリコーンに捕まったモーたちは、カプリコーンが物語の中に戻るためではなく、宝などを召喚させて現実を謳歌するためにモーを欲していたのであって、本は不要だと燃やしてしまう。
カプリコーンはモーの前に魔法舌をゲットしているんだけど、モーほど精度は高くなく現実に呼び出せるのは不完全な形だった。身体に文字が書いてあるとか、レサはその召喚のせいで声を失っちゃうしね。
ああくそっ、絶対これすれ違うヤツやん。やっぱり脱出中にニアピンするのに声が出なくて気づかれない展開やん!
本が焼けて戻れなくなったほこり指だが、モーたちに協力してカプリコーンの村から逃れて原作者に本をもらいに行く。
ここの原作者としては自分のキャラクターに実際に会えるのは思考の喜びでしょうが、キャラクターにとってはそうじゃないってのは納得した。生みの親だからって正直知ったことはねぇのである。いきなり自分の結末を――それも死ぬなんてものを暴露するってのは無神経としか取れなかったもんな。この作者はなんでもペラペラ喋りやがるので、作者とは会わない方がいいと思ってしまうね。
記憶は曖昧なんだけど、SAOのあとがきで「キリトの両親がいないのは物語進行の都合上」みたいなことが書いてあったのがものすごい印象的だったんですよ。文章から罪悪感のようなものを感じてさ。
ここでも原作者は「(ほこり指の死を)面白い展開にするためだった」なんて言うんだけど、作者側の都合というか、物語を進めた結果の結末を悪く言うつもりはないんだけど、作者とキャラクターは会わない方がいいんだろうな。
モーとほこり指たちがカプリコーンの元へ向かう間、メギーは作者の元に残るんだけど、カプリコーンの部下に脅されてベラベラ喋ってしまう。メギーの魔法舌も気づいた瞬間、口に出したのでバレて連行。
ほこり指が捕まりレサと再会。カプリコーンに目をつけられたメギーもレサと再会した後、作家と牢屋へ。ほこり指も捕まってるんだけど、一人抜け出し、そしてメギーたちを助けずに逃げ出してしまう。
ほこり指のチキン加減は歯痒いが、そんな中で平穏を求めて一人離脱した姉ちゃんはすごかった! バイクで一人助けるためにやって来てくれるんだからな!
ここからの展開がすっごい好きなんですよ。
カプリコーンは自分用に保管していたメギーにインクハートの中で使役していた影、悪魔のような存在を呼び出させようとする。
影を呼び出す儀式の中で妻を取り戻すためにモーが、ほこり指とアラビアンナイトのファリッドが、エレノアは先に捕まっていた魔法舌と組んで動き出す。
朗読で影は召喚されてしまうが、メギーが最初に召喚したオズの魔法使いのトトが原作者が書いた新たな展開を読み上げて影の矛先をカプリコーンに向けさせる。
ほこり指たちの活躍で燃える城、不完全ながらも召喚されていたユニコーンで突撃するエレノア。ほら、もう姉ちゃんには惚れるしかないよw
けれども、原作者の追加ページを奪われもう読むモノがない。
ここで生きてくるのがメギーが作家志望だということ。続きを自分で書くことでカプリコーンを倒すのだった。
現実化した存在を本の中に戻し、レサの声も戻った。原作者は本の中に行くことを望み、ほこり指はまたも取り残された。また消えてしまうかもしれないリスクをモーは負わないとほこり指は消えてしまうのだが、ファリッドはインクハートを手に追いかける。
そんな中、約束を守るために現われたモーにほこり指はやっと元の世界に戻れることになるのだった。
待つのが死でも戻ると決めたほこり指を見送ったモーとファリッド。待つ死をやりきれなく思うモーだが、ファリッドがほこり指の死の原因となるフェレットのグィンを彼が盗んでいるためにファリッドは戻らず、好きなメギーといられることを喜ぶのだった。いや、これはメギーもファリッドを好きなのかも。僕のスキルではそこまでは読み取れませぬ。
うん、面白かったですね。綺麗に纏まっていて、誰もが一度は願う夢なのではないでしょうか。いや、物語が現実化よりも物語INの方が昨今はいいのかな?
最初のモーとほこり指が協力しないのや、ほこり指が肝心なところで逃げ出してばっかりいるのでお前えぇっ!でしたが、フェイドアウトするだけだと思っていたエレノアが頼もしかったり、ファリッドは最後に全部思っていったりと面白かったです。
最初はなんでもかんでも読んで味方を増やせばなんて思いましたが、そのキャラが自分の味方になるなんて限らないし、これ以上帰れない人を作るわけには行かないから無理なんだよな。
では、ここいらで今回のお気に入りへ。
今回は原作者を前にして怯えるほこり指を見た原作者との会話シーンから。
「書いたことなんかどうでもいい。運命は俺が決める。だから俺はここにいるんだ。俺はもうあんたの本の登場人物とは違うし、あんたは俺の神様じゃない」
正直、私はこの原作者がかなり嫌いですね。
ほとんど理解できないのですが、自分の結末に怯えていたほこり指が言い切ってくれた時はスカったとしたよ。
インクハート/魔法の声
ブレンダン・フレイザー (出演)
ワーナー・ホーム・ビデオ(2010/07/14)