「俺が倒させてやる 夜凪景を」
いろいろ今年の統括的なことを書こうかと思っていましたが、まぁそれはまたの機会に。今年はいろんなことを始めたので来年に持ち越さないようほとんど終わらせてきました。長いこと続けていたことも来年はやらない。実はこのブログも悩んだりした。
ま、一つだけケリをつけられなかったものがあるので来年も向き合わねばなりません。でもその人は私を知っているので「そうだと思った」と言ってくれそうだと楽観視してたりもする。
僕は少しでも嫌になったら逃げますからね。この前やった診断テストはうさぎだったしな!
■あらすじ
ダブルキャスト公演『羅刹女』にて黒山が自分たち甲サイドの演出家ではないことを知り、降板しようとする王賀美を納得させるために山に登った夜凪は、そこで甲サイドの演出家・山野上花子と出会う。
なんとか王賀美を納得させた後はそれぞれ別れてでの稽古に入っていくが、夜凪はなかなか羅刹女のイメージを掴めずにいた。黒山に呼ばれて乙サイドの練習を見学したとき、同じ悩みを持っているだろうと思われた千代子は、夜凪に負けたくないという気持ちを自分の内で燃やし続けていた。
■感想
あらすじはいつだって――(以下略。
アクタージュ9巻、羅刹女のダブルキャスト公演が決まったが、ハリウッド俳優リッキーが超問題児ってとこからの続きですね。
山に登り花子と過ごしたことで羅刹女の演じ方を掴んだ夜凪は雨とかに邪魔されながらも慌てて下山。しかし、リッキーは既に空港へ。武光がなんとか止めようとしてくれるがリッキーは止まらない。
そんな王賀美を止めたのは、千代子と阿良也だった。どうしても夜凪と勝負したい二人だった。
この辺を読んでいても千代子のポジションはつらいよなー。
千代子の在り方は嫌いじゃないんです。だってみんなボロクソに言うけど、そいつは立派な武器だから。
スターズを捨てた男に名前すら覚えてもらえていないから、内心では腸煮えくり返っていてもおかしくない。そんで、遅れてきた主役・夜凪の依然よりも成長した姿なんて見せられるんだ。穏やかでなんかいられない。
雷からの停電すら夜凪の仕業かと思わせる演技を見て、リッキーは再び甲サイドに戻り、花子たちと羅刹女の稽古を開始する。
乙サイドも黒山に「悪くない」と言わせるほどなのに、千代子には余裕がない。自分自身が夜凪との差を実感しているからなんだけど、追い詰められている感がすごくて苦しいぜ。
そして、千代子は黒山を呼び出し、負けたくないという感情を吐露する。黒山がハッとしたように個人的に甲サイドの方が観たいかなぁと思っていたけど、断然乙サイドを観たいと思った。俺、千代子派になるわ!w
羅刹女を演じるために夜凪への感情を燃やし続ける千代子を見て、夜凪も自分の怒りと向き合うことにする。ここで映研メンツとの日常はすごくいい。夜凪に帰る日常があるってのは本当にいいことだ。
だから、夜凪が自分の怒り=父親への感情と向き合っている間は怖ったですなー。
公演まで1ヵ月ってところで今回はおしまい。
いやー、どっちが勝つんだろう? 千代子派で黒山スキーな私としては乙サイドに勝ってほしいですが、そう簡単に勝ち負けで終わってしまうのもつまらないよなぁ。
どうなっていくのか、本当に楽しみだ。
では、この辺で今回のお気に入りへ。
今回は地味だけど、リッキーの過去についての話で白石さんが言った言葉を。スターズの方針に噛みついた王賀美陸は日本では干されることになってしまう。海外からのオファーで出て行くがその背中は寂しそうだったと当時を知る俳優の白石さんは言う。
「だから僕には
彼のあの顔が嬉しいんです」
ああ、こんな人が居てくれるなんて奇跡があって良かった。
リッキーは、王賀美陸には不要かもしれないけれど、こういう理解者がいるっていうのは誰にでも嬉しいことだと思うんです。
いや、私が嬉しく思ってしまうんですよ。
アクタージュ act-age 9
マツキタツヤ(原作),宇佐崎しろ (漫画)
集英社 (2019/12/4)