家族が焼き殺された日、私は復讐を決めた。
ひゃっふー、休みだああっ! 丸一日の休みって久しぶりすぎる、なんだこれ時間があるってすげー!と自分の感覚がおかしくなっていることに気づく。頼むから外出自粛できる人は家にいてくれ。ここ数ヶ月仕事増えまくりでヤバいんだ……。
おかげでいろいろ見逃しました。デザフェスや夏コミの通販とか気づくと終わってて笑った。縁がなかったのでしょう。FGOは頑張ってログインしてましたが、俺の森くんイベントなので頑張ってる。いやー、甲冑大好きでして。星5配布も予定すっ飛ばしてモードレッドもらっちゃったのはこのせい。でもイベントは特攻礼装土方さんで殴るだけの短絡攻略。復刻イベントなのでシナリオ読む時間なくても楽しめるのでなんとかなっているぜぃ。
■あらすじ
父親の仕事の都合で東京から過疎化が進む田舎町へと引っ越してきた野咲春花はクラスメイトからイジメを受けていた。卒業までは耐えようとする春花だったが、廃校寸前の中学校ではよそ者と対する反発が強く教師すら頼りにならない。唯一の味方である相場晄と優しい家族に支えられていたのだが、家族にイジメが発覚し勧めもあって登校拒否をすることに。
しかし、春花が登校しないことでイジメの対象が以前までイジメられていた佐山流美に移り、イジメから逃れたい一心とクラスのリーダー格である小黒妙子の気を引くために野咲家に放火してしまう。
この放火によって両親を失い、最愛の妹すら全身黒焦げの重傷を負うことになった春花はショックで声を失ってしまうが、放火事件の発覚を怖れたクラスメイトたちによって自殺を強要、そして放火が彼ら彼女らの犯行であると知り、犯行に関わった全員に復讐を行なう。
■感想
ネット上でちょこちょこお手伝いしている人に勧められて観た映画。
悲しいことに一度書いた感想をPCフリーズで失っているので淡白になったら申し訳ない。普段メモ帳使ってるんだけど、こういう時不便だよなぁと。機能最小限だから好きなんだけどね。
これまた勧められて今回からSimplenoteを使っていますが、実は私、このアプリでも3回ほど文章失っていたりする。Android携帯で書いたのをパソコン上で追記しようとしたら共有ミスなのか消えてた。消えたまま保存されて終わった。警戒しまくりなので他のやり方を考えた方がいいかもしれないなー。
さて、本題。
原作漫画が鬱だと有名とのことでしたが、私は基本疎いので知らなかったです。同じ作者・押切蓮介さんの『サユリ』も勧められましたので機会があれば読んでみたい。今は気軽に本屋行けないのでキツいなー。
開幕から春花がイジメられているシーンなのですが、田舎町だてあってロケーションもキツい。自然豊かとでも言うべきか、落とされたら簡単には上れない穴のようなところで靴を投げ捨てられる。
ここでクラスのリーダー格である妙子と取り巻き女子にイジメを受けているのですが、途中で来る男子たちも止めなかったりと救いはない。唯一の味方である相場もこの日は先に帰ってしまっているので。
泥だらけになって帰宅した姉の春花を見た祥子の気持ちはつらいよな。親も異変に気づいて学校に抗議に行くが、担任教師も問題のある人で過去にイジメられていた過去からほぼ無視。それどころか、男子が春花父に画鋲装備上履きで蹴りつけるくらいだからね。もうこんな学校行くなよ。
私がそう思っていたら、野咲家もそう判断。
春花は登校拒否をすることになり、イジメの対象が以前までイジメられていた流美に移る。これを怖れた流美が来させろと命令されてお見舞いに来るが、春花は拒否。そして、流美がイジメられることに。
登校拒否中、春花は相場と距離を深めてデートするのですが、その帰りに家が燃えていた。
イジメで追い詰められた流美が春花を放火で殺すと言い、それに乗ったクラスメイトたちに家は燃やされていた。
春花の悲痛な叫びに応えた相場が燃える家に飛び込み、なんとか妹を助け出すも生きているだけで全身黒焦げの重傷。両親は焼死。あ、ああ、絶望がすぎる。
学校に登校した春花は声を失っていたのですが、事件の発覚を怖れた女子たちに呼び出される。どっちかって言うと八つ当たりかな。一人、酒浸りの父親を持つ女の子がいるんだけど、この子が積極的にイジメてて春花に自殺を強要。あとの二人は怯えて後悔していた。でも、ここに居合わせたのが運の尽き。
このシーンはグロいのに綺麗という不思議な感じがした。母親が焼かれた時のことを言われてスイッチ入っちゃった春花がブッ刺し鉄パイプ殴打で一人殺す。女子がなぜか装備していたナイフを奪い、逃げようと助けてと懇願する残り二人も殺す。
足を切られて死んだ子の流れはすげー好き。好き? 言い方が思いつかないんだけど、最後に残った子が「ママ、ママ」としか言えなくなるわそりゃあ、と真っ白の雪を血に染める春花は絵になっていた。
犯行に関わった男子の名前を聞いていたのでそいつも殺すと、クラスでもボウガンとエアガン装備の男子が春花狩りに出る。でも、毎回思うんだが、いくら武器を持っていても殺しの一線を超えた相手を殺せると思うんだろうな。
案の定返り討ちにして二人とも殺しますが、ボウガン少年は最後のシーンにおける重要な伏線。
これによって追い詰められたのは放火の首謀者である流美は雪に埋もれた春花が殺した死体を発見してさらに追い詰められる。通報はできないから妙子に助けを求めるが、妙子は元々流美が好きじゃないんだよね。放火したよ、って喜んで報告に行ったときも手をシャーペンでブッ刺していたし。
一方、妙子は流美が殺すと放火すると言った時に本気にせずに止めなかったことを後悔していた。流美と取ってこさせた春花のCDを返しながら懺悔するが、妙子は春花が嫌いでイジメていたわけではなかった。そもそも、初めから妙子自身は春花をイジメてないんだ。手を下していないって意味だけど。女子たちが言っていた「相場を春花に取られたから」というわけではなく、本当は始めに妙子が春花と仲良くなったのに相場に春花を取られたこと原因だった。美容師になるために東京に行きたいと願う妙子にとって東京から来た春花はよそ者と拒絶する存在じゃなかったんだ。
直接謝って春花に許された妙子だったが、その帰り道で流美に襲撃される。「ひっ、だって。あのたえちゃんがひっだって」とかいう流美へのヘイトがハンパない。そして、やっぱりナイフ装備している妙子。田舎=ナイフ装備なのか。
ここからは二人の殺し合いですが、やっぱり放火で人を殺している流美に分配が上がる。自分がやられたことではあるが、妙子の手を滅多刺しとか流美はホントえげつない。
でも、でもね、このシーン。
真っ白の雪の中、上下白の服に身を包んだ妙子。これは赤い服を着た春花との対比なんだろうけど、妙子は金髪なんだ。もう、翔んで埼玉のヒロインにしか見えなかったw いや、あの映画観てないんだけどね。妙子がそれにしか見えなくて、純粋な気持ちになれなかったという弊害ww ちゃんと公開直後に見ないといかんね。
ここからは怒濤の展開。
相場の本性が見えだし、流美は病院の祥子を襲撃。なんとかそれを防いだ春花だが、祖父が何者かに襲われて病院に運ばれてくる。
祖父を襲ったのは相場。春花が相場と暮らすのではなく、祖父と妹と東京に戻ると伝えたときに発狂、家では反対した自身の祖母を殴って血塗れになっていた。同じく反対した春花の祖父も、である。
ここで流美がやって来て放火当時のことを語る。怒りで我を失った春花が刺されたことで相場が流美を殴って木で喉を刺して殺しますが、火事の日の写真――春花の父と妹の写真を相場が撮っていたことを春花は知ってしまう。これこそが子を想う親の鏡だとかなんとか相場は言っていたが、いやいや無理だよ。てか流美をきちんと殺すお前は怖すぎるよ。
自分に刺さったナイフ抜いて襲いかかる春花を相場は暴力で従わせようとする。妹はもう長くないし祖父も死ぬ。お前には俺だけだ、と一人で勝手にかつて語ったミスミソウの話に酔っていく相場を無視し春花は雪に埋まったボウガンを手に取る。あの少年がボウガンを装填して死んだことには意味があったのだ。
カメラのレンズを覗き込んだ相場の目に刺さるのはシュールだが、復讐が全部終わっても春花が掬われないのがつらいな。
最後に生き残った妙子の卒業式。つまり、春花も死んだのだろう。
妙子はかつて春花と過ごした教室での光景を思い出して終わり。
ここなー、この映画で妙子は春花と流美の髪を切ってるんだけど、手つきが全然違うんだよね。春花には本当に大切に、流美は投げやりでざく切り。友情はあった。でも、誰かの一番になりたいとかそういうどこにでもある感情が入り交じった結果、壊れちゃったんだろうな。
全体を通して、学生陣の演技がががなところはあったけど、殺人に至るまでの描写はとても丁寧だった。そりゃあ、演出的にシュールなところはあったよ。相場のとか先生の最後とか。それでも、すごく丁寧で不思議と胸クソ感はなかった。EDの使い方が上手いんだな。
うん、見てよかった。面白いという言葉は本作には合わないでしょうが、グロ平気なら是非見てほしい。翔んで埼玉のことは一度記憶から消すんだw
原作と小説はちょっと展開が違うとのことなので読み比べたいが、いつになるかな。俺の次の休みもいつになるか、な……。
では、ここで今回のお気に入りへ。
今回は春花のことを好きだったエアガン装備男子が春花を評価した言葉を。耳コピなので細部違ったら申し訳ない。
「このなにもないクソ田舎で君の存在は毒なんだ。だって君は、美しすぎる」
これは正しくその通りで、春花にその気がなくとも「東京からきたよそ者」って時点でこの町には異物であり波紋となる。しかも、春花が可愛かったからここまでの悲劇になったんだろうな。ちなみにAmazonプライムで観れるよ。
ミスミソウ
山田杏奈, 清水尋也, 大谷凜香(出演), 内藤瑛亮 (監督)
バップ(2018/10/03)