2020年06月21日

Fate/Requiem 1巻『星巡る少年』



「私は死神――サーヴァントを殺す仕事をしている」


 一ヵ月は自由だああっ!と羽を伸ばしていましたが、そろそろタイムリミットが近くてつらい。
 でも、昨日今日はちょっと趣味の日として映画三昧して本を読んでた。サブスクは便利だけど、映画の冒頭切りができちゃうのがつらいな。『ザ・サークル』という映画は公開時に見に行きたい候補だったのだけど結局行けなくてNetflixにあったから観ようと思うが、二十分くらい動きがないと飽きてしまった。なにかで昨今は内容を理解するまでの時間を惜しむとかなんとかという記事を読んだが、そんな感じなのかねぇ。
 まあ、僕の方は相性が悪すぎて私の言葉を全く認証してくれないアレクサがかけてくれたおすすめのブリトニー・スピアーズを聴きながらえっちゃら感想を書いてます。


■あらすじ
 誰もが聖杯を持ちサーヴァントを使役する世界で、宇津見エリセだけはそれを持っていなかった。
 聖杯を持たず悪霊をその身に宿すエリセは死神として反社会的なサーヴァントを殺す仕事を請け負っていたのだが、仕事でヘマして川へと沈んでいく中で金髪の少年サーヴァントと出会う。
 自分のサーヴァントなのではと思いもするがエリセには令呪がなく、少年の反応もたどたどしい。一時的に保護することになった彼をプラムと名付け、友人のカリンと街を歩きながらプラムにいろいろなものを見せて行く。
 祖母・チトセに一方的に仕事を控えるように言われても単身情報屋の元を訪れ、令呪狩りのことを知ったエリセは学校で知り合ったコハルが参加する聖杯トーナメントの会場で暴走するサーヴァントたちを目の当たりにすることになる。


■感想
 やー、FGOのコラボイベが面白かったので本買ってみたよ。
 もう紅葉さんがめっちゃ好みなんだよね、恐竜だし! もう一臨から変えるつもりはないねw エリセもコラボイベで屈折しているがめちゃくちゃ可愛かったのでボイジャーもゲットしようぜと回すが爆死。おかげでせっかくのラムダ復刻も石がないという自体に陥ったのだ……。
 早いところ友人にデータを引き継いでもらいたいのですが、双六やカジノイベントの厄介さを伝えたら断わられるっていうね。いやいや、これくらいはまだかわいいものですよ……。

 では、内容へ。
 と言っても、あらすじの通り。あまり上手く行ってないけどな!
 誰もが聖杯を持ち、そしてサーヴァントを使役する世界。そこでエリセだけは聖杯も令呪も持たず、サーヴァントを呼べない。代わりに座に刻まれもしないような無名の悪霊たちに好かれて身体を蝕まれており、人の身でサーヴァントを喰らうことができる死神。
 聖杯を持たないというコンプレックスが強く、仕事に対する勤勉さは承認欲求の現れなんだろうな。サーヴァントを殺したくないけれど、これしかできないからってやつだ。

 読んでいて一番感じたのは、読みにくいってこと。
 よく小説を読む人には文章の合う合わないってのが結構重要なことは分かってもらえると思うけど、これとはちょっと違って情報がよく分からなくなるって感じ。
 プロローグのエリセの仕事真っ最中で始まるけど、誰もが聖杯を持つ云々だけでなく不死者や船長、前髪礼装にクンドリーの投影と初っ端から情報過多。Fateの世界観補正があってもちょいと難しい。でも僕はすぐに理解しようとしない性質なのでそのまま読み進める。

 金髪少年、まだ名前は分からないけれどもボイジャーと出会い、エリセはカリン&紅葉に救われる。紅葉さんさすがや、とか思っている間に、エリセは風呂を知らない少年と入浴タイムへ。
 うん、何言ってるか分からないと思うがってやつだ。
 その後、エリセの先生――カレン・フジムラ。おう、フジムラ。そしてカレン。え、AI? カレンがいっぱいいるとかある意味天国で悪夢ですね。少女聴講生のコハルや祖母チトセと出会っていく。

 上手く説明ができないんだけど、少し読んでは「あれ、今の彼って誰だ?」みたいに数行戻るってことを繰り返したんだ。これが僕には読みにくい。すんなりと入ってこない。
 エリセ一人称だから完全な説明なんてないんだけど、結構言葉が省略されている。にも関わらず、今続けて読んでいる2巻の途中で分かるコハルのギャラハッドがオルタであることは1巻のカラーページで既に書かれていたりする。
 ん、腑に落ちぬ。ちぐはぐというのが正直な印象。その世界で生きる君たちは分かるかもしれないが、俺はちょっとよく分かってないぞ! 一人称は狂言回しの可能性もあるから気を抜けないけど、エリセはコンプレックスと厨二の塊なのでちょっと安心するがね。しかし、エリセは英霊いっぱい知ってるかも知れないがな、こちとら世界史なんて丸暗記乗り切りだから覚えてねぇんだぞw
 でも、エリセのすぐにカリンから離れようとするところはいただけないな。友達は大事にしてくれ。カリンと紅葉の存在は双六空間でも君を支えたじゃないか。

 聖杯トーナメントなど興味深い催しはあるが、やっぱり情報過多で処理できないまま進むとトーナメントがすぐさま壊れるから悲しくなる。始めギャラハッドが女騎士のように書かれていたと思ったら、次はマスターをも煽る皮肉屋な男として、次はコハルとギャラハッドが英霊憑依(ポゼッション)してマシュのような女騎士として――。うん、エリチは英霊憑依を知ってたけど始めそんな説明なかったやーん! 断片で英霊憑依とか女騎士でギャラハッドは男とか考えることはできるけど、なんかしっくり来ないんだよぅ。

 死を経験したことのあるものを操ることができるンザンビとの戦闘はコハルを煽ってボコボコにするのが楽しいという嗜虐心をくすぐられるw
 ゾンビの起源となる神霊だが、なにをすることでゾンビとして操れるとかはよく説明されてなかったのが残念だ。

 最後はボイジャーと契約することができるが、カレン・フジムラは死んじゃうし敵も出てくるけどそれはなにも語られずに終わる。うぬ、序章ということですな。

 ファイヤーガールの時もそうだったけど、章が終わるごとにイラストがあるのはとてもいい。紅葉さん可愛いw

 むぅ、さすがにコラボイベの方がエリセのキャラが立っているかな。
 よく分からない世界をよく分からないまま覗いているというのが今作の僕の印象でした。2巻を読んでこの印象が変わるか楽しみにしていますが、紅葉さんが出ていればそれでいいような気もしている。

 では、今回のお気に入りへ。
 ボイジャーがエリセに連れられて学校を訪れ、そして初めてカレンに出会ったシーン。
 少年は先生、エリセ、そして自分自身のズボンを念入りに見比べてから言う。


「あのひと、はいてないよ」
「静かに」
 先生は最高なんだ。


 この三行めっちゃ笑ったw
 エリセとカレン、チトセやルキウスの関係は断片しか語られないんだけど、そのままカレンが死んじゃうのはエリセのように悲しめなくて悲しかったなぁ。




Fate/Requiem 1巻『星巡る少年』
星空めてお イラスト・NOCO
TYPE-MOONBOOKS (2018/12/29)
posted by SuZuhara at 18:04| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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