2020年07月11日

映画 透明人間



 透明人間も、すぐ隣で息を殺している。


 ひっさびさに映画に行ってきたぜー!
 コロナで動けなかったのと、私自身が忙しくて映画館に行ける余裕がなかった。けど、やっぱり行くと楽しいな!入場前の検温で34.5とか出て、俺おかしいんじゃね、とか思わないこともあったけど、マスクしながらとか若干苦しかったけど。
 このまま以前のような生活に戻れるといいなー。


■あらすじ
 恋人・エイドリアンの元から決死の覚悟で逃げ出したセシリアは彼の異常な執着心から怯えて友人で警察のジェームズ宅に隠れ住んでいたのだが、そこに突如エイドリアンが自殺した一報が舞い込んでくる。
 そして、莫大な財産の一部をセシリアに相続させたいという彼の意思を彼の兄・トムから聞くがセシリアはその死を信じることができなかった。
 それでもエイドリアンの恐怖から解放されて新しい生活を始めようとするセシリアの身に見えないなにかがいて、それを証明することができずに正気を失ったと思われ、家族も信頼も失っていく。 


■感想
 前回感想を書いた『アップグレード』のリー・ワネル監督の最新作。この後に『us』も観たけど面白かったし、なにより私は透明人間もの『インビジブル』がすげー好きなので是非とも映画館で観かった。
 今回はその感想ですが、まだ公開したばかりなのでネタバレ有りで感想を書くので一度畳みます。
 こう、どうしても『インビジブル』の印象が強くて、人は透明人間になれたら絶対に女性にエロいことをしに行くのだと思っていたりしたのだが、今回のインビジブルマンはそんなことはしない。徹底的に追い詰めてくる。途中、少し上映時間長くてダレるところもあったけど、息の詰まりっぱなしなのと最後の展開にはやられた。そうだよな、あれ残ってんだもんな。
 サイコパス彼氏のとんでもない執着に追い詰められたい方は是非映画館で観ていただきたい。






 さて、ネタバレ有り感想に行くぜ。
 波の音がうるさい豪邸でセシリアの脱出劇から物語は始まる。初めに言っておくと、この物語で細部のバックボーンはほぼ語られないので多くを想像で補う必要がある。
 だから、セシリアが慎重に家から逃げだそうとしている時、「ここ、波の音うるさいからだよ」とかのんきに思っていた。
 しかし、セシリアの怯えっぷり、監視カメラの量、なにかの研究室――とここのヤバさを感じ始める。
 そして、追ってきたイッヌ・ゼウスの首輪を外そうとした時に作動してしまったアラームで走って逃げ、合流した妹の車に乗ったところで初めて彼氏がやって来る。
 車の窓パリーンには驚いたな、こいつはやべぇや。

 そこから友人ジェームズの家に匿われるセシリアですが、このジェームズとシドニーの二人は本当にいい人なので後々かなりしんどくなる。

 彼氏・エイドリアンの死と相続でセシリアは定期的に大金が入ることになるが、その後から始まる誰かに見られている気配。
 この辺りはセシリアの精神異常か本当に透明人間は存在するのかとどっちか分からない展開で行くのかと思ったが、そんなことはない。確実にいる。けれども、それを証明することができないからセシリアは誰にも信じてもらえず追い詰められていく。
 知らぬ間に服用される薬、セシリアのパソコンから妹に送られた絶縁メール、シドニーに対する暴力などなど。
 屋根裏部屋というか天井の物置でエイドリアンの痕跡を発見した後、登ってきた脚立でのシーンはちょっとビクついてしまったw

 透明人間の証拠を手に入れるために向かった彼の家で透明化スーツを手に入れるセシリアだが、持ち出せずに初めのシーンでエイドリアンにバレていなかった隠し場所に隠す。
 その後、妹に助けを求めて和解からの首ザバーである。
 くそがぁ、と歯を噛みしめるほどの鮮やかさ。セシリアに罪をかぶせることも忘れないから天才って嫌いだ。

 エイドリアンの子を妊娠していると分かってからのセシリアと透明人間の戦闘は初めの警官たちのとことかはよかったのですが、雨のシーンはちょっと蛇足だった気がする。
 豪雨のニュースがあったからそれで姿が隠せないってわけかと思っていたら、豪雨の中でも大して変わらないしね。

 エイドリアンはセシリアよりも周りを傷つけるのでシドニー、ジェームズがボッコボコにされるところは透明人間の怖さを感じましたが、問題は透明人間の中身。エイドリアンではなく兄貴のトムだった。
 それからエイドリアンもトムの被害者だったと終わりそうになるが、セシリアだけはそんなの信じない。
 だから、一人でエイドリアンの元へ。

 ここからがなー、やられましたね本当に。
 カメラの位置、隠した透明人間スーツ、妹の死に方。ここで全部繋がるんですよ。最初でセシリアは監視カメラの位置がどこにあるか知っているし、あのエイドリアンが気づいていない隠し場所も。スーツの存在でまさかと思った瞬間に、妹と同じ殺し方をするんだからもう。セシリア、妹を殺されたこと許してなかったもんな。
 最後はジェームズと同じ気分を味わいましたが、それでもゼウスが無事だったんで全然OKです!

 やー、面白かった。
 かなり上質なホラーでした。透明人間の描き方もよかったし、なにより被害者であるセシリア視線なので本気で追い詰められる。
 個人的に残念だったのは、上映時間中ずっとハラハラさせてくれなかったことかな。エイドリアンがセシリアに執着する理由とかは語られないので、その辺りを知りたかった。パーティであっただけ、とかセリフだけだったので。

 でも、この辺りはどうなんだろうな。
 割と情報が唐突だなと思うことが多かったんだけど、セシリアが建築関係の仕事をしてたとかはジェームズとの関係とかはわざわざ語る必要もないだろうし。むー、難しいな。

 やや、それでも本当に楽しかった。
 もう二度と見たくないけどな!(褒めてる)



透明人間
日本公開日 2020.7.10

https://toumei-ningen.jp/



posted by SuZuhara at 23:21| Comment(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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