「おまえが何をやらかしたのかは知らない。だけど、風間教官から睨まれたら終わりだ。決して逃げられやしない。かならず見抜かれる」
謹賀新年というにはだいぶ遅すぎますが、今年もえっちゃら初めて行きます。
と言いたいけど、去年の振り返りできてないじゃん。怠惰にもほどがある。
言い訳をすれば年末は死ぬほど忙しかった。コロナ? 緊急事態宣言? そんなの我が社には関係ない。絶対に休ませないから給料はもらえるよ。心は死ぬがな。
まぁ、この辺は毎度のことなので別に構わないんだけど、問題はちょこちょこ僕の認識がまた変わってきたことですね。それはまたの機会に書くとして新年一発目だし、リハビリ的に行きましょうぜ。
■あらすじ
警察学校初任科第九十八期短期課程に入校した生徒たちは、突如入院した担任に代わりに白髪の教官・風間公親やってくる。
過酷な訓練と授業、厳格な規律に縛られた警察学校での日々に生徒たちの神経はすり減っていくが、僅かなミスや心の緩みすら風間はすぐに見抜いてしまう。
だが、警察学校に集まった生徒たちも一癖も二癖もある生徒ばかりだった。
■感想
今回はお正月ドラマでやってた『教場』。私は去年……というか、まず我が家は生粋の木村拓哉さんファンの家庭だ。僕? 僕に他人の区別ができるわけないじゃないですかぁ。これは冗談だけど、私は役者さん自体というよりもストーリーを重視するタイプなので誰のファンとかいうのはない。結果的にこの人が出てる作品好きだなぁってなるとファンになるって感じ。もたいまさこさんがそう。
とまぁ、こんな感じで家族が大ファンだから一緒に教場を観た。去年のはもう時間が経ってるので細部怪しいけど、だいぶインパクト強く作られてるんだなと思った。すぐ退校届突きつける、とか。原作読むとそんなに突きつけてなかった。
去年の段階で職場の人に原作を勧められてたんだけど、コロナもあって去年はほとんど本を読まなかったからな。去年の1月後半から俺の地獄は始まっていたよ。まぁ、自分で仕事抱え込んでいたのもあるけど。
そして今年、再び教場ドラマは兄貴と観た。兄貴、木村さん大好きだからな。一緒に観ながら説明を求められるんだけど、僕も原作読んでませんよ俺も初見だってば、と話している間に疑問点が出てきて、なら原作買ってくるかと全巻買ったというだけの話だよ。前フリ終わり。
うーん、ちょっと文体が取り戻せないな。
口調というか書き方が今やってることに引っ張られているけど、どうか許していただきたい。
では、ここからが感想へ。
第一話 職質
警察官で助けられた経験を持つ宮坂定は小学校教諭の職を辞めて、警察官になるために警察学校へ来た。そこで恩人・平田巡査の息子と出会い、ミスをする彼を助けるために自分もできないフリをすることで庇っていた。
しかし、担任が替わって風間になるとそれは見破られてしまい、それだけでなく「細かなことでも報告をしろ」とスパイの真似事のようなことをさせられることになる。
どうしてもドラマから観たから比べてしまうが、宮坂のキャラはだいぶ違いますね。
宮坂は風間のスパイをしつつも完全なる協力者ではないのだが、宮坂にその気はなくとも平田にとっては庇われるとか憐れまれることこそが最大の屈辱であり、宮坂を拘束して事件を起こすのだが、事が大きくなる前に風間が止める。
しかし、事がどう収まったかは次の話になって、しかも過去形で語られることになるのがなんだかなーだったが。
第二話 牢問
楠本は「おまえが犯した罪を知っている」と書かれた脅迫状を受け取って怯える沙織を慰め支えていた。しかし、脅迫状を書いていたのは楠本本人であり、それを風間にも見破られるが、楠本にも目的があってどうしても退くことはできなかった。
しかし、教場当番で車のワックスがけをしようとした時に押されてリフトから落ちてしまう。
挟まったままで痛みに耐えつつも、本心を話すまで助けくれない風間になにもかも白状させられることになる。
たぶんこの話が一番好きかなと思うんだけど、これもドラマと比べるとなぜ風間は助けなかったかというところがここで明かされないのがなぁ。
楠本としては犯人を追いつめて個人的な復讐をするはずだったんだけど、沙織はそれとは無関係の冤罪で、親友に裏切られたということでいろいろくるっていってしまった話。
第三話 蟻穴
白バイ警官になることを目指す鳥羽には音で速度を測ることができるという特技がある。ある日、副教官により疑惑をかけられた稲辺を助けるための証言をすることができなかった。風間に毎日書いている日記に耳の調子が悪いことを悟られないよう誇張して書いたこと、そこで聞けるはずがない音を聞いたと書いてしまったがために稲辺を見たという証言ができなかったことを看破されてしまう。
辞めてもらう、と宣告された後で稲辺に呼び出された鳥羽は中に蟻を入れたイヤープロテクターを瞬間接着剤で装着されてしまう。
これは、痛い。ドラマだと2の話ですね。
鳥羽の状態は無理もないと思うんだ。一度ついた嘘を貫き通すためにもがく姿は好感すら抱くよ。私は嘘をつく人間よりも嘘を貫かない人間の方が嫌いなんでね。バレなきゃいいし、騙すなら最後まで騙してくれ。途中で気づかされるなんて最悪だからさ。
しっかし、私も友人が蟻の解剖をするような人間だったのでわりと身近すぎて痛かったなぁ……。
第四話 調達
プロボクサーから警察官を目指す日下部は成績に悩んでいた。周りは自分よりも若く、社会人で妻子持ちの自分にはチャンスは少ないからだ。
そこで樫村より成績――授業の内容を先輩から予め知っておくことで授業に対応できるように調達することを持ちかけられてそれを受け入れてしまう。だが、授業で完璧に火をおこす方法を答えたことによって小火騒ぎの犯人という汚名を着せられてしまうことになった。
しかし、アリバイがあったのでお咎めはなかったのだが、樫村との模擬交番勤務にやってきた風間によって樫村に嵌められたことが明らかになる。
こういうのはなぁ、信じちゃいけないんだよ。
だって、そんな美味しい話があるんならお前が独り占めしないのはおかしいだろ、って……私の人嫌いがハンパなく分かる対応だなこりゃ。
でもその程度かな、日下部は社会人ってこともあって失敗できないという追い詰まれ方も分かるからつらい。牛蒡って、一番言われたくなかっただろうに自分で思っちゃうなんてな。
第五話 異物
由良は訓練でパトカーを運転する時に、車内に蜂が入り込んだことから動転して同期の安村――を庇った風間を引いてしまう。
蜂が入れられていたことを安村のせいだと思っていた由良だが、風間から「惜しい人材」としてスズメバチの巣を駆除することで恐怖心を克服すること。交通技術コンクールで勝ち抜くための徹底した指導を受けることになる。
これは、ドラマだと自殺未遂に発展したヤツかな?
こっちの方がだいぶ後味もいいし、最後の安村との関係もいい感じです。
一度蜂に刺されてアナフィラキシーを気にする由良は蜂から狙われないように坊主でいるよう務めているようなヤツだったが、あることが原因で由良が乗るパトカーに蜂が入り込むんだけど、ここは納得したな。
そんでもって風間がマンツーマン指導というのは驚いた。ほら、すぐ退校届を出すイメージがあるけど、原作だとそんな頻繁に出してないから教官らしい風間と由良のアブラ虫退治はちょっとほっこりするという謎の現象が起こったくらいだ。
第六話 背水
卒業間近、都築は成績優秀だったが挫折を知らないが故に警察官にはなり得ないと風間から退校届を突きつけられる。警察学校で変わっていった宮坂たちの卒業文集を読んだ都築は自分の分も書いて提出するが、そこに書かれた内容について風間はある指摘をする。
これは背水が効いている。
ネタバレすると、都築は文集を提出する際に終わっていなかった職質コンテストや拳銃検定でトップを取ったと嘘を書いた。いや、嘘を本当にするための背水の陣で臨んだというわけ。
そうやって自分を追い詰め、見事総代の座を勝ち取ったといういい話だなー。
あとエピローグがあるが、これは次の生徒を迎えるってだけなので割愛。
だいぶドラマとは違いましたね。どっちが好きかと言われると困るが、両方触れた方が保管ができるのにキャラが違っているところが多々あるから違和感がある。
どっちかだけでも、両方でもお好みでって感じですね。
さて、今回リハビリなのに結構書いたからお気に入りはなしで。
実際、付箋を使わなかったんだよ。読書も久しぶりだったからこっちもリハビリですな。
教場
長岡 弘樹
小学館 (2013/6/19)
【関連する記事】