これは伝説となった傭兵団の記録。
盤面で描かれるのは過去の遺功か、現在の勝利か。
夏休みだひゃっほおおおおうっ!とお出かけしたら風邪を引いた。ここでコロナじゃないから特別休はもらえないというのが私の残念クオリティ。
でもまあ、2年前に行きたかったドロヘドロ展のFinalにガッシュ展、なぜか当たったらしいちいかわ東京駅展とかアグレッシブに動いた。そんで今日は久々に発売日に買ったゲームの感想を。しっかし、スクエニゲーは本当に久々だったなー。
■あらすじ
戦乱に燻るロウテイル大陸の片隅で、ある盗賊が興したシュヴィア帝国と僭称するその国は、統制が取れた兵と近代魔術と呼ばれる兵器を駆使し瞬く間に大陸北西部を支配するまでに至った。
帝国の勢いに危機感を持った各国はロウテイル連合を結成するも、敗戦を重ね、領土を削り取られていった。大陸が激しい戦禍に見舞われる中、唯一、その戦禍の対岸にある国があった。大陸北西の近海に浮かぶ島ディオフィールドを統一するオルティナ王国である。
大陸の戦況は連合国側に大国ヴィルマ連邦が参戦すると一気に膠着することになった。帝国、連合ともに決定打を欠く中、近代魔術に必要な資源であるジェイドを求める局地戦が激化する。ジェイドが地中に眠るとされるディオフィールド島を帝国、連合の各国は俄かに注視し始めた。
古獣オーガスに護られし国ーーオルティナ王国、そこがまさに戦地になろうとしていた。 引用――Amazon.co.jp
■感想
ついにあらすじ書くのを放棄したと思われるかもしれない。断じて違う、単純に上のあらすじのようなことはゲーム上では語られないんだ。私も今読んでびっくりした。古獣ってなんだそれって感じだよ。

はっきり言ってしまうと、このゲームは物語として足りなすぎる。面白いかと聞かれれば、私は楽しんだけど1ヶ月後には忘れてると断言できるほど残らない。
ほら、二次創作とかが生まれるのって作品に対する愛からだと思うんだ。ゲームが欠けてたってさ、こんなイベントシーンあったらいいのになってプレイヤーの想像力から生まれる物だろ。
でも、このゲームはストーリーもキャラクター描写も中途半端な説明で、しかも物語は選択の余地のない一本筋。これが悪いとは言ってないよ、むしろ私はわりと好きだ。けど、プレイヤーが理解するよりも先に物語が終わっちまうのだから想像の余地がないんだよ。
まあ、こんな感じで辛口になると思うから一端畳んでネタバレ感想を。
The DioField Chronicle
スクウェア・エニックス(2022/9/22)

さて、1章は体験版でまるまる遊べる。
アンドリアズとフレドレット、アイゼリアの3人でとある馬車を助けるところから始まるが、これも全て3人の企みで目的は中乗っていたヘンデ公爵の高官であるロレインと繋がり、ヘンデ公が作ろうとしている傭兵団への繋がりを得るためだった。
こういう企みは嫌いじゃない。新設傭兵団のお飾り隊長をあしらいつつ、自分たちのやりたいように進めていく3人――いや、2人。正直、第四王子レヴァンティアの元従者のリアズとその友達中級貴族のフレダの2人が亡き王子の夢を追っているであり、アイゼは物語にほぼ関わってこない。アイゼめっちゃいい奴で副官としてずっと愛用してきたけど、これは勿体ないよなー。

自称自由騎士イスカリオンと上級貴族のワルターキンが仲間になり、いろいろあって隊長が死んだから傭兵団は4人の合議制になったよ。なんでもかんでも会議で決めるよ。ヘンデ公もいらなくなるとっぽいされちゃうよ。
会議会議と言いますが、基本的に話し合わない。決定事項が通達されるだけで議論もへったくれもない。一番笑ったのは、リアズが出撃するよ←なんでだ?←終わったら話す←わかった、終わったら聞くよ。マジかよ、なんだこれ。
しがらみなく人を救うために傭兵団に来たイスカリオンも傭兵団の所属が変わっていくことで不自由さを現してくる。これは離脱するな、と思ってたいたところで我らがとんでもお嬢様ワルターキンが楽しげに人を殺していく。イスカと対立、フレダもドン引きw
ワルターはリアズが気に入っているのでちょこちょこ人間関係が見えてきたかなーと思ったら、そんなことはなかった。

王様候補のイヴェルカが帝国のゼーヴァティアンに殺されたことで、なぜか王の証である聖痕(レヴィのもの)を持っていたフレダが――ここなんでか分からん。レヴィが死を偽装してフレダと名乗った? でも、これは確実にフレダだ。自分が次の王様や!と名乗り出たことで王国は後継争いへ。こういう時、いつも病床の王って死ぬのよね。

なにそれつまらんとワルターが離脱して、ワルター戦になる。僕らのお嬢様たったら死霊使いだからスケルトンどんどん差し向けてくるのよ。
リアズとワルターは少しだけいい関係?だったから、リアズがトドメを刺しに行くのだが、その時に「そんな顔しないで。必ずあなたの元に戻ってくるわ。」なんていって落ちていくから戻ってくると思うじゃん。今日はワルター再加入までやろうって思うじゃん。
エンディングまで行ったよ、再加入なんてしねぇよ。
お嬢様、死霊使いなんだから「言ったでしょリアズ、必ず戻ってくるって」って血塗れでもぐっずぐずでもでっろでろでも戻ってきて言ってくれたなら、きっと百年の恋に落ちただろうにな。お嬢様は死霊の専門家だぜ、自分だって操るさ。あとリアズに対する執着を考えると、最後の最後でリアズの計算外になって盛り上げてくれるって期待してたのに再加入しないからワルターは育てるなよ。
ワルターがいろいろぶっ飛んでて疫病神っぽくなっていたのでフレダとイスカにあまり感慨はないw
傭兵団の仲間は増えていくけど、物語には関わりはないのでリアズ、フレダ、イスカ+ロレインで物語は進む。
フレダの王就任のため、塔に捕らわれている妹姫ヘーザリアを助けるよ。なにそれ唐突。
助けて王様になったフレダにイスカはもうついて行けないと離脱するよ←分かってたから育ててねぇわ。詣でてこない? 知ってるよ。
分裂もドラマなくさっさか進むから感慨なんぞない。
この後は王様フレダによる強行軍にリアズも嫌気が差す。帝国のゼーヴァティアン将軍が再び攻めてくるよ。将軍暗殺すれば良くね? なにがなんだか本当に分からないよ。
初期からリアズのフレダと道を違えるだろうという匂わせ、傭兵団初期のみんな大好きフレダと王となってからの誰の意見も聞かないフレダとの対比で、離脱したイスカ、フレダの裏でそうなるよう仕向けたくせに制御不能で見限ったリアズは敵対するのかと思ったけどそんなこともない。
ちょこちょこ匂わせてあった帝国とリアズの繋がりが明かされ、リアズのレヴィ神格化でエンディングを迎える。
要するに、親をゼーヴァティアンに殺されたリアズは復讐を誓いつつも、帝国から送られたスパイみたいにレヴィにつけられる。そこでレヴィに希望を見出すが殺されちゃったから、ゼーヴァティアンへの復讐はする。正当な王じゃないから、ゼーヴァティアンに罪を被せてフレダも殺す。
わぁお、むしろそこまで行くほどレヴィに何を見出したのか教えてくれや。ガチで置いてきぼりだよ!
ストーリーはこんな感じ。
どうせならフレダ、イスカ、ワルターと三者三様なんだから誰に付いて行くか選べるとか出来た方がお脆かったと思う。ワルターと世界ぶっ壊して遊ぶのも、全ての人を助けたいイスカと悩みながら進むのも、フレダの王道が夢でわなく私情に塗りつぶされていくのを肯定してやるのもリアズにしかできないことだったのに。
これで誰よりもレヴィとか言われるには、私たちはレヴィのこと知らなすぎてぽかーんだわ。
戦闘についてはリアルになったSRPGみたいで初めは面白い。しかし、如何せん操作性が悪いね。フィールド上の光る球を取りに行くのも面倒だし、キャラクター多いわりにスキルは少なく育成性はない。EP消費削減性とEP回復さえ手に入ればワイバーンと騎馬でタンクして後ろからリアズのスキルバサバサ殺すよろし。
ボスもボスという演出がなくHP多いだけだから盛り上がりにかける。召喚獣も大して必要ない。武器も少ない。トロコンとかしないけど、これで50レベルまで上げるとか苦行だろ。

プレイ時間はだいたい24時間。これサブクエも全部終わらせて、トロコンまであと1個50レベル到達だけってところまでの時間だからこれ以上は望めないだろうな。
つっこみどころ満載だけど、私はそこそこ面白かった。しっかし、もうちょっとどうにかできなかったのかね。他の傭兵たちもサブクエのみの関係とか悲しすぎるだろうに。
今回のお気に入りは特にないんだけど印象的だったところを。イスカ離脱前のなにか気づいている発言を。

リアズの暗躍に気づいているようなイスカでしたが、イスカをとどめておこうとしたリアズの心境はよく分からんかったな。
でもまあ、イスカは離脱しておいてよかったよね。あのまま傭兵団にいたら死んでただろうよ。