2025年01月05日

書くなる我ら 1



「物語ってね 生きる目印になるんだよ」


 正月休みが終わるって信じられないよ。
 もうなんもできてねぇ、ほとんど寝てた。でもまぁ、そんな感じでいいか。ちょっと去年は精神的にくることもあったし、今日はもう寝ようぜ、である。
 とりま、十三機兵防衛圏をクリアしたい。てか、戦闘のカスタマイズしまくっちゃうから全然進められてないの……っ!


■あらすじ
 文芸誌『群青』の編集者・天城勇芽は若いながらも見込まれて新文芸誌創刊のデスク候補に選ばれる。新文芸誌に載せる作品を作家に依頼し企画を考える働きを見て決めると伝えられ、勇芽は学生時代に過した岩手県に戻り、当時夢中になった作品を話して聞かせてくれた瞬と再会する。酪農家になりつつも今も書いていた瞬の物語に触れ、勇芽は感動のままに小説家になることを誘うがすげなく断わられてしまうのだった。
 ミュージシャンや前科者、さまざまな作家に触れて寄り添いながら物語を編んで読者に届ける編集者の物語。


■感想
 10月くらい、かな? タイトルに惹かれて手に取ったんだと思う。作家の作品は読めても完成に至るまでの話って後書きにでも載っていない限り聞けない、しかも編集者がなにをやってるかとか表に出てこないお仕事話が好きだってのもある。

 初めの感想は独特のセンスだなぁ、だった。
 編集長から新文芸誌のデスク候補に選ばれたことを告げられてからの「鯉たちよ 今こそ熱狂してくれ」には参った。初めの鯉池ってまだ繋がってるんかw
 そんでこの話がおまけ漫画まで繋がっているとか誰が思おうか。

 勇芽は熱血というか、物語に対して真っ直ぐすぎるほど真摯で疑うことを知らないんだと思う。だから、家の都合で酪農家を継いだ瞬に小説を書こうと言えてしまうし、新人作家を自分の最前で導いてしまう。
 瞬からしてみれば子どもの時の知り合いが小説書けとか言うけど、こっちの都合とか考えていないしからかわれているようにしか思えない。書けなくなった新人作家からすると導かれて書いた物語は自分のものではないと感じてしまう。これは失敗的なところだけれでも、勇芽はすぐに間違いを受け入れるし相手の気持ちを聞いて、そのままの気持ちを書いてくれなんていうたぶん作家たらしである。憎めないよなこんな人。

 この巻でピックアップされる作家は4人。
 酪農家の瞬は再び書いてみることに、有名ミュージシャンである才原蓮ことサイレンは圧倒的に低い自己肯定感の無さと世間からの自分のイメージとのギャップに苦しんでいたが見方を変えることができるように、新人作家の卯月宵は自分の気持ちが上手く書けなかった時にその気持ちと向き合って物語にすることに。
 唯一、前科者で芥川賞を取った六波羅睦はちょっと違って、お世話になった弁護士が亡くなって、そこに残っていたメモを頼りに探し物をする。これめっちゃ泣いてしまった。

 共通して勇芽はフットワークが軽く、いつでも呼び出してくれって言うんだよね。六波羅が勇芽を選んだのも感想メールが面白かったっていう全くの初対面でも来る。そんで全部に全力だから暑苦しいけど嫌いになれんw
 むしろ、彼女が良いという物語を是非読んでみたい。

 今回は編集者としての勇芽と作家の話で新文芸誌の話は進まない。けど、進みが遅いとか感じることなく続きを楽しみに待っています。

 では、今回のお気に入りへ。
 一番のお気に入りはちょっと諸事情があって明かしたくないので、芥川賞に選ばれず格好が悪いことになってしまったサイレンとのシーンを。一時的に休業することになった彼に呼び出された勇芽は才原蓮が嫌がって隠している内面について触れ、それを「最強にやっかいでチャーミングですよ」と伝えた上で言う。


「数千人を熱狂させてるその底で 後悔や恥を引きずって あがく
 あなたの物語は この世界の誰かの ひとりの物語になる」


 最近は専ら電子書籍で買ってしまうのですが、この物語は本で買ってよかった。あとカバー裏漫画がみんならしすぎて好きw



書くなる我ら(1) (モーニングコミックス) - 北駒生
書くなる我ら(1) (モーニングコミックス) - 北駒生



posted by SuZuhara at 16:46| Comment(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。