2025年02月23日

野生の島のロズ



 プログラムを超えて 生きる


 何度、いったい何度繰り返したことだろうか。
 繰り返すこと二度三度では足らず、何度も何度も石を全部突っ込んで挑むプロテアリベンジにまたも失敗しました……っ。

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 でも無事に白野をLv.120にできた。これで俺のバレンタインは完。なかった、バレンタインなんてなかったんだ……。


■あらすじ
 事故により無人島で起動することになった最新型アシストロボット・ロッザム7134は島に生きる動物たちの力になろうと動き続けるが、自然の前には学習しながらも空回りばかり。
 巣を潰してしまったことから残った雁の卵を狐に狙われつつも無事に孵化させたことでロボットとしての目的達成、かと思われたが雛鳥・キラリにママと認識されてロボットはロズと名乗り狐のチャッカリとともに巣立ちまで育てることになる。
 手探りの子育ては苦難の連続だったが無事に巣立ちを見守るのだが、島は冬眠では越せないほどの大寒波に襲われる。島の嫌われ者であったロズとチャッカリは動物たちを救うために行動する。


■感想
 本当はだいぶ前に観てたんだけど、行ってきたよ『野生の島のロズ』。
 ドリームワークスが好きとかロズに興味があったとかではなく、早くも今年イチ映画とかいろんなところで言われていたので映画館で観てみるか程度の気持ちで行った。それ以上はまったく前情報なしな状態でどうしても字幕で観たかった。芸能人声優だとどうしても芸能人の顔を思い浮かべてしまうので苦手で字幕がなくなる前に行こう、である。

 さすがの映像美であり、野生の島の美しさを観るだけでも行った価値はあった。
 この物語は3部展開になっていて、ロズとキラリとチャッカリの疑似家族生活と巣立ち、ロズとチャッカリによる島の動物たちの避難から島の仲間へ、ロズを取り返そうとするロボットと島の住民たちの戦い。

 赤ちゃんキラリのかわいさはハンパないってレベルであり、まだまだロボットだったロズでも勝てない。効率を殺すことになっても家づくり(キラリの手助けはなんの意味もない)を手伝ってもらうくらいw
 この段階ではチャッカリはロボット騙して甘い汁を吸うタイプだけど、キラリが大きくなる時には立派な家族だった。ここに至る前はコミカルに描かれるのでロズがキラリの親を殺した問題が出た時はそこを認識してなかったくらいコミカルに進む。特にオッポサムファミリーがよいね! 一瞬でシンプソンズを思い出したよw

 キラリの成長がなぁ、実はなによりもショックだった。
 ロズのロボット特有の話し方をする成長後キラリの登場シーンを観た時は、ああああ、って頭を抱えたくなったもんだ。嫌われるこれは嫌われる。
 いや、雁だって分かってたけど赤ちゃんキラリ可愛いんだもん。なにこれこんな現実見たくない。
 ロズに育てられた変な雁でしかないキラリは同じ雁に仲間と思われないんだけど、上記に書いたロズが親を殺した問題でギスギスしつつも一生懸命練習してキラリは他の雁たちとともに渡り鳥として飛んでいく。

 感動のシーンだが、僕のようなひねくれ者にはあまり響かない。なんでだろうな? ああ、ここで泣かせたいのだろうなくらいにしか思ってなかったと思う。僕は終始ロズとキラリの親子愛よりもチャッカリの方が気になっていた。

 キラリがいなくなり、ロズとチャッカリの親代わりは一緒にいる必要なくなった。チャッカリは一緒にいたい感を出していたが、自分に芽生えた感情、愛について考え――ここは混乱かな? ロボットとしての役目を終えたロズは信号を出して帰るべきなんだけどそれができず、島を襲う大寒波の中で家に戻ってくる。
 すると、自分の巣に戻ったはずのチャッカリもいて、寒すぎて島の動物たちもこのままじゃ死ぬことを知る。ロズの家は火が使えるからね。文明最強である。
 ロズに促されてチャッカリはともに島の動物たちを家に移していくことに。みんな冬眠してるんだけど、雪の中で死んでいたりとつらい現実を乗り越えて全部の動物を収容するとロズは力尽きてしまう。ベースに戻れてないしね、ロズはもともと限界だった。
 家で好き勝手、喧嘩なんかしていた動物たちも冬の間は仲良くすると決めて家の中で冬を越すことに。

 最初の頃、キラリと暮らし始めたロズも省エネのために夜は落ちてしまうのだが、そこでキラリが首元、チャッカリが膝にぴったりくっついて眠るシーンがある。
「喋んなくなると寂しい」だったかな? キラリの言葉にさ、ロズが落ちたことを確認してからロズにくっついたチャッカリはびっくりしちゃんだけど、それを思い出した。たぶん、ここが一番好きなシーン。

 春になるとキラリが帰ってくる。
 キラリの無事を喜ぶも、道中でロボット・ロズと同型に襲われるのだが、キラリはロボットを怖がらないことからリーダーを引き継いで無事に旅を終わらせた。もうキラリは嫌われ者ではなく、みんなの中心だった。
 それを見て複雑な感情を抱きつつもロズは先延ばしにしていた信号を出す。信号をキャッチするとすぐに迎えがやって来る。
 キラリが会いたいっての言葉にロズは嘘をついて迎えから逃れるが、ロボットらしくない行動の記録を奪うために襲われることにここからは島の動物vsロボットである。まさかこういう展開になるとは思わんかったなー。
 
 総合的に見ると面白かったんだけど、どうにも荒唐無稽な部分があるせいか僕には響かなかった。高性能なロボットがいる人間たちの世界はほんのちょこっとしか出てこないが、ロズがどういう存在なのかが上手く消化できない。ほら、僕らは子どもの頃から高性能なロボットであるドラえもんとかアトムとか、そんな存在は近くにいた。ロズの記録ってそんなに必死こいて回収するもんなのか? てか、浮遊型がいる方がすごくね? みたいな。

 親子愛も、まぁ親と認識したならそういう展開になるかなくらいの感覚。
 だから、僕にはチャッカリや島の動物たちの方にこそ感情がうごかされたんだと思う。

 では、ここらで今回のお気に入りへ。
 ロボットたちを撃退した島の動物たちは喜びの声を上げていたが、ロズはこれが終わりではないことを分かっていた。回収するまで何度でもやってくることを理解していて、島のみんなのためにも自ら戻ることを選択する。
 だが、事実を述べるだけのロズにチャッカリが泣きながら初めて――やっと本心を口にする。


「話がある時にいなかったら?」


 ここなー、前後をちゃんと記憶してなくてちょっと捕捉を。
 ロズがいなくなることをチャッカリは嫌がるんです。ロズがいなかったらどうすればいいのか? 話がある時にいなかったら、というのはチャッカリがそれをできるのはロズしかいないんです。チャッカリにとってロズは家族であり友達であり、かけがえのない存在だったから行ってほしくなかった。
 でも、ここに至るまででチャッカリもただの嫌われ者じゃなくなっていた。もう「俺が聞くよ」って言ってくれる島の動物がいる。もうひとりじゃないけどそうじゃない。

 この別れの方が僕にはつらかったよ。





野生の島のロズ
公開日2025年02月07日



posted by SuZuhara at 22:26| Comment(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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