あの時 俺が
千里の蝶を 捕ってさえいれば……
ここんとこスマホゲームとの相性が悪いのか、更新があるとほぼ繋がらなくなる。なにこれアップデートできないつらみ。奏章更新前に俺の蘭丸Xが火を吹くぜ、なイベントリバイバルも更新するまでの待つ時間で寝てる。
だからさぁ、1日ちょっとづつ更新とか僕には合わないんだって。
■あらすじ
人は死ぬと肉体を捨てて蝶になる。蝶にはその人の全てのデータが退避しており、その寿命は49日である――。
死者のデータである蝶を補完する死局に勤める小野百士は蝶を保護することに異常な執着を見せる。百士が貴重なデータとして密売対象になる蝶を守る死局に入ったのはとある目的からだったが、他の同僚たちの事情や度々出会う蝶を奪う犯人グループの思惑が複雑に絡み合い、犯人たちの死局襲撃という大規模戦闘へと発展していく。
■感想
これは電子書籍セールで全4巻で1冊77円という格安さに惹かれて買った作品。僕の書いたあらすじなんかよりも公式あらすじを参照されたし。蝶ってなんや?となったから買ってみるかーである。
結論から言えば、めちゃくちゃおもろかった!
え、これこんな格安でいいの? むしろ、めっちゃ好きなんで程か払わせてと思ったほどであるよ!!
世界観はかなりしっかりしていて近未来SF的な。蝶の部分だけは独特だが、死局は蝶に関する警察組織のようなものと思ってくれればいい。けど死局は蝶の保管だけでなく、データの再生もできてしまうのでライブラリ要素もある。死んだ人のデータを再生すればその人に会える。もうデータの更新は出来ないけれど、作中で田中さんが情報屋に会って情報引き出すシーンがあるが、その度に君はもう死んでるよと説明するとことか、この辺りのシステムはどうなんかなと思ってしまう。だって、縋ってしまうだろこんなの。
まあまあ、本編の話に行こう。
腕っぷしはめっぽう強い百士は蝶絶対守るマンな問題新人として死局に入るが、双子の妹を溺愛してるってこと以外はプライベートが分からない。今読み返しても、初回の飲み会で結構重要なこと話してるのな、神田嫁のこととか。
飲み会を断わって百士が行った先は妹・千里の病院。ほぼ植物状態で生きているだけの千里は、過去何者かに蝶を奪われて喰われていた。本来蝶と化せば死であり、その蝶も49日後に消滅するのだが、犯人に喰われたせいか千里は生きている。生きているだけ。この状況が特殊であることは百士も分かっているため、誰にも言わずに千里の蝶を探すために死局に入ったというもの。
この辺りで百士の所属する補蝶課特殊補蝶班のメンバーを紹介しよう。みんなクセがありすぎて好きだw
まずは班長の荒井ちゃん。元プロレスラーなタッパのでかいママさんですが、過去に夫の蝶を奪われておりめちゃ重。しかも、めちゃくちゃ強い。腕や脚を斬られようとも何度でも再起する。こんな人好きにならない人いる? 覆面装備で立ち塞がるとこ、本当に好きすぎるんだが!
次は相談役の田中さん。飄々とした中間管理職と思いきや、この人もめちゃ強である。そんで絶対的な正義の味方。死局のデータを盗み見がバレて逃げようとする百士をすっ転ばせたシーンは震えたね。組織の暗部にすら踏み込める人だが、完全に物語の主人公格。
あとは先輩隊員が二人。まず、口うるさい神田は宗教組織・霊由会の跡取りという重要人物。彼に関しては嫁さんがヤンデレなのかとワックワクしたが、違った。作中で成長して田中さんに代わって部隊指揮できるようになったところは感動したね。
最後はみんな大好き佐川さーん。
眼鏡の女性はみんな好きだろ? 強くて優しくて、夜は男を喰いまくるSM女王ならなおさらだろ? 佐川さんを紹介して、と言われれば即座に止めとけと断言されるほどにはやべー人w
そんな彼女もある蝶の存在には取り乱す。奪って逃走しようとするが、蝶大好き百士くんに気づかれて未遂で捕縛。その蝶は彼女の従兄で過去にレイプ&輪姦された相手だった。いつかその男を自分と同じ目に合わせるために生きていたのに自分がその男の蝶を守るなんて、との行動だったが、当然許されるはずがない。死局は厳しいのだ一発免職である。上層部に佐川さんのオトモダチがいなければなww
そんなこんななことが語られる中で刀装備の傷の男率いるテロリストが度々邪魔をしてくる。
それは千里の蝶を喰った男であり、田中さんの息子である双子のうちの一人。その子どもは田中さんが諸悪の根源と言うほど、狂っていた。エアガンを撃って筋肉の動きから刀でそれを打ち落とす、犬の腫瘍を切除すると手術するとかね。この時代はデザインベイビーだからというのもあり田中さんに全く似ていないんだけれども、母親の育て方がやばかったのかもしれん。三つ子の魂百までは怖いんだ。
犯人双子の陽記と真理の目的は蝶と人体の分離。
陽記が一度死に、その後蝶は回収されたのに生き返ったことから真理が人体模型になるほど探っていたけれども答えが出ない。不可能と結論づける前に同じ状態であろう百士と千里が狙われる。
その後よう分からんうちに最終決戦の死局襲撃。
蝶を死局から解放するのがテロの目的っぽいが、焦点は百士なのであんま語られてないと思う。読み込み不足は否めないけども。
大事の前でも千里を優先する百士を斬り殺すが、千里が蝶を戻して百士が逆に殺す。息子を殺すために死局を裏切り荒井ちゃんとガチバトルもした田中さんは自殺。
百士は千里の蝶を喰っていて、それを吐き出して千里に喰わせることで目を覚ます――END。
……う、そだろおおお! 後日談くれよおおお!!
と思ったのですが、タイトル変わって続いているようですね。それはまだ買えていない。今月、もういっぱい買いすぎているから自重せねば。
いやー、面白かった! 戦闘シーン好きだ。SF武器もあるけど、基本は銃と肉弾戦、あと時々刀。武器資料がついているの最高ですね! 死局は素晴らしいと意見一辺倒でなく、ちゃんと問題点も描かれているし、キャラが一癖も似たくせもありすぎてみんな好きでした。続く話は過去編で田中さんメインっぽいのかな? 予告の刀スーツは田中さんよね?
最後に今回のお気に入り。
死局襲撃時、局長は多くの蝶を守るために職員の犠牲を強いる。そんな時の会話。
「局長止めてください メンテ職員達が…!!」
「耐えろ 皆の蝶は必ず拾う」
「死局総則! “死ぬな殺すな”
あんたは生きている人間よりも死んだ人間の蝶のほうが大事だって言うのか!?」
「我々の現在と未来は数億兆の蝶による故人達の知慧の礎があってこそ成り立っている 忘れるな
ここは死局だ」
上層部まで格好いいや。
でもこの人の下には佐川さんのオトモダチがいるんだよなw

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