2025年05月07日

駒田蒸留所へようこそ




「お前までKOMAを諦めなきゃいけないのか」


 以前にこの時期が好きだと書いたが、前言を撤回する。俺は春が嫌いだと断言する。
 長期間、僕の部屋を暗闇にしていた森が伐採されて部屋はとんでもなく明るくなった。そんでもって風通りよくなった。夏が怖いが概ねいいことばかりだと思う。
 が、長年俺を苦しめる蜘蛛の襲撃が始まった。部屋に入ってくる。窓にクモの巣を作る。付きまとってきやがる。俺は虫が嫌いなんですよ! 脚が多いの怖いんですよ!!
 今年も戦いの日々が始まったんだ。


■あらすじ
 やる気のない新米記者・高橋光太郎は興味のないウイスキーの取材をすることになったが、家族のために実家の「駒田蒸留所」を継ぎ製造できなくなった幻のウイスキー「KOMA」復活を目指す駒田琉生と衝突する。
 だが、彼女が経営難の蒸留所の立て直しだけでなく、バラバラになってしまった家族の絆のために奮闘していることを知り、光太郎の取材にも少しずつ熱がこもっていく。


■感想
 上映時に行きたかった映画がサブスクに来ていたので観てみた。
 P.A. WORKSのお仕事シリーズ作品とのことだが、あまり僕は他作品を観ていない。いや、最初の1、2話は観ても物語が混雑していくと興味なくなってしまうんだ。完走できない申し訳ない。
 でも、ウイスキーには興味があってですね。いや、酒は全く嗜まないんですが、お酒は好きなんですね。ちょこちょこ飲み方とか教わってるんだ。うん、まったく披露する機会は訪れない無用の長物だけどねw

 さて、感想に行こう。
 けれどもはっきり言って僕には合わなかったから批判的な意見になってしまうと思われるので注意してください。

 正直なところ、映画はあまり感じ入るところはなかったな。
 絵がだいぶのっぺりしているなとは思ったが、それ以上に物語がご都合主義に進むなと
思ってしまった時点で物語に入れなかった。光太郎は本当にやる気ないから序盤は好感なんて持てないし、琉生のテイスティグノートがBLという斬新なものもあまり衝撃なく終わる。他人の趣味趣向というデリケートな部分をおっぴろげておいて逆ギレする光太郎に琉生がブチギレると、蒸留所のスタッフが琉生と蒸留所の過去をべらべら話してくれる。映画特有の時間のなさを感じるテンポの速さは仕方ないけれど、この辺りが気になってしまってキャラクターに思い入れが持てなかったんだ。
 悪い意味に捉られたくないのだが、はっきり言って駒田蒸留所に起きた悲劇は物語としてはありきたりだ。家族の不和もね。そうすると、スタッフ一丸になってウイスキー復活&敵対していた兄帰還で家族修復というのは想像できてしまうんだ。残念ながら、僕にとっては予定調和としか思えなかったんだ。

 けれども、ウイスキーの原酒とか作り方を学べるのは面白かった。あんな科学のように繊細に作るのかと興味津々だったさ。途中の火災でまた原酒を失うのはこれもまたご都合主義に思えてしまったがね。

 無事にKOMA復活の原酒ができたけれども、ウイスキーはここから完成までにまだ年単位でかかる。そして、光太郎が3年後に以前の自分のようなやる気のない新人をつれてきてまた記事にしよう。ようこそ、駒田蒸留所へである。
 うん、キャラクターに愛着が持てればすごく楽しめるんじゃないかと思う。けれども、俺はどうにも捻くれていて入り込めなかった。お仕事面にもう少し特化してほしかったかな。でも、知らない世界のお仕事映画は楽しいので是非ともシリーズは続けてほしい。

 お気に入りってほどじゃないんだけど、おそらく感動シーンだったのであげておこう。
 従業員のためにも駒田蒸留所の買収を受け入れようとした琉生にスタッフが言った言葉。


「俺たちのことを思ってくれるならKOMAを復活させるまで駒田蒸留所としてやらせてください」


 家族愛極振りだったけど、もうちょっとスタッフのこととかも知りたかったなー。
 長編映画よりも1クールとかでじっくりやった方が楽しかったかもしれん。


 



駒田蒸留所へようこそ - 吉原正行, 木澤行人, 中本宗応, 早見沙織, 小野賢章, 内田真礼, 細谷佳正
駒田蒸留所へようこそ - 吉原正行, 木澤行人, 中本宗応, 早見沙織, 小野賢章, 内田真礼, 細谷佳正
2023年11月10日公開




posted by SuZuhara at 01:00| Comment(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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