ママが私を殺すとしたらどのような方法で殺すだろうか。
エリセの召喚に成功しました!
ひゃっふーっ!!と喜びたいところですが、アルクェイドにプーリン、伊吹童子と星5が続いて出たことで種火とかスキル上げにQPとかいろいろなくなった。石とか石とか。
でも、段々とイベント文章を読めなくなってる自分がいる。結構飛ばしてしまうことがあるんだが、全く飛ばさないこともある。自分に合う合わないが激しくなっていくなー。
今回は集英社文庫ナツイチから読んでいなかった乙一さんの短編集。僕はですね、ブックバンドが好きでして。今年のナツイチ特典がブックバンドだったのでひゃっほーいとラインナップ見てたらほとんど読んでた。乙一さんも昔読み漁った気がしてたんだが、捲ってみたら読んだことないっぽいこれだ!と購入へ。
今回の冒頭の抜き出しが最初の一行目なんだが、こんな始まりの読んだら覚えていないはずがない。ちなみに私は乙一さんなら緩やかに自殺する話が好きだ。こうして僕の自殺が始まった、だったかな?
ブックバンド後日、私の鞄からナツイチの小冊子を見つけた家族が読みたい本があったらしくもう一個もらえたんだがね。読んでいないことに気づけただけでいいんだぜ。
■カザリとヨーコ
カザリとヨーコは双子の姉妹だったが、母親からの扱いに天と地ほどの差があった。可愛く愛されるカザリといつも殴られて妹に食事を恵んでもらわなければならないヨーコ。
迷い犬のアソを見つけたことから飼い主のスズキさんと知り合い安息を得るヨーコだったが、ある日、カザリが母親のノートパソコンを壊したことを自分に押しつける気だと分かった時、逃げたしてスズキさんの元に向かうがそこで面倒そうな家族にスズキさんの死を知らされる。
こいつはなんとも胸クソ悪いぜ。
双子という時点で結末はだいたい察せられますが、アソが無事だっただけでいい。
カザリが怒られないように入れ替わり、ヨーコに成りすます……もうこの時点でアウトなんだが、追い詰められるとまともな判断はできなからな。
自分の遺書を自分で書く。これはどんな気持ちなんだろうね。
■SEVEN ROOM
喧嘩しながら遊歩道を歩いていたはずの姉弟は気がつくとコンクリートの四角い部屋に閉じ込められていた。部屋には床の中央部分に部屋を横断する五十センチほどの溝があり、身体の小さい弟が入ると同じような部屋が七つ、そして六つの部屋には一人ずつ女性が入れられていた。
七番目の部屋に入っていた女性が言っていた死体が流れてくるとの言葉の意味が分かった時、順番に殺されていく自分たちの運命を知ってしまう。
こいつは……ホラーとして最高なんだろうな。映画で観たい。もう映画になってた。ちょっとまだ映画の法については調べてありませんが、映像化されているなら是非とも観たいな。
ホラーにありがちな理不尽な境遇ですが、姉弟を二人で一人カウントした犯人のミスで七つの部屋の秘密を知ることになる。
お姉ちゃんが決断を私は予想していなかったので、やられたなぁでもつれえな、とボロ泣きしてしまった。俺の涙腺はガバガバだよ!
今回のお気に入りはここで。
六日目、姉弟を殺す犯人が部屋に入ってきた時、お姉ちゃんの渾身の反撃で犯人を出し抜くことに成功する。 ……ぼかして言ってもあれなので、他の部屋の人たちから貰った服を弟の服に詰め、それを姉は守る振りをした。そして溝を流れる泥水に隠れていた弟は姉の腕がチェンソーで切られた瞬間、犯人が入ってきたドアから出て姉と犯人を閉じ込めて鍵を閉めた。
もちろん、扉は開かない。
中から、姉の笑い声が聞こえた。高く、劈くような声だった。いっしょに閉じ込められて戸惑っている犯人に向けた、勝利を示す笑い声だった。
この後、弟は他の部屋を開放してみんなで逃げるわけだが、姉が事前にみんなで逃げろって言ってるわけだよほら泣くしかねぇじゃねぇですか。自分には逃げ道ないからってここまでの献身はできないよ。
……でも、あれだな。バッドエンド症候群だから、こいつらはまともに逃げられもしないんだろうな、とも思っている最低な自分がいる。昔やったゲームみたいに、次の絶望がまってるんだろうな!
■SO-far そ・ふぁー
父と母と三人暮らしだった僕は、ある日、父に母の死を、母に父の死を知らされる。しかし、僕には父も母も見えていて二人を繋ぐように僕は生活していたのだが、次第に二人の姿がどちらかしか見えなくなってしまう。
……なにを言っているのか、と思われるかもだが、俺にも分からん。要するに、僕にとっては父も母もいるが、二人には二人が居ないかのように過ごし出す。僕はお父さんはこっちだよ、お母さんはこう言ってるよ、と二人を繋いでいくのだが、次第にどちらか一方しか見えなくなってしまうんだ。
父に無視したと言われてそれを吐露すると、叩かれてしまい、その先で母に出会った僕は「おかあさんの世界で生きることにする」と決断し、それ以降父親の姿が見えなくなった。
ここで終われば不思議な話だが、実はこの夫婦、喧嘩をしてお互いを死んだことにして暮らしていただけ。その設定に子どもを巻き込んだ結果、子どもが父親を認識できなくなったわけだ。
父と母は子どものために寄り添い、子どもは父と母を別れさせないためにこうなったんじゃないかなって思っていたという話。
うーむ、なんとも自業自得な。
そうとしか言えないが、この家族はみんな歪んでるよ。
■陽だまりの詩
自分を作った男が死ぬまでの世話を命じられた私は、世話する過程で様々なことを学んでいく。病原体が蔓延る世界で人間の死を看取るために作られた彼女は、一緒に暮らしていく内に感情を知り、彼の秘密を知ることになる。
アンドロイド的なものの話。なんでだろ、読んでいる間ずっと沙耶の唄の最後ってこんな感じの世界なのかなって思っていた。
彼も人間ではなく、作られた人間で自分の最後のために私を作っていた。これな、細かいところ読み返すと彼が人間じゃないことに気づくんだよ。読んでいる間はまったく気づきませんでしたがね。
そしてまた繰り返す、そんな感じに続いていくんだろうね。
■ZOO
いなくなった彼女を探す俺の元に送られてくる日に日に腐っていく死んだ彼女の写真。犯人に対して憤りながらも、その写真を送っている犯人は自分だという矛盾。
これは彼女を殺したことを認められない俺による俺のための一人芝居。
申し訳ないが、私にはこの話がよく分からなかった。
最後には自首することを決意するみたいなんだが、ちょっと解説して欲しいので久々に友人に連絡を取ったら「覚えてない」つーね。もう一回読むか……。
ZOO 1
乙一
集英社 (2006/5/19)