2016年06月04日

オーバーロード10 謀略の統治者



「頼む。そしてその前に一つ頼みがある。どこかで奴が闘技場で戦う姿を見てほしい。そして奴を倒す手段があれば教えてくれ」


 ちょいと多忙でパソコンを触らない毎日を過ごしていたんですが、ブログでも更新しようと触ってみると必要最小限にシャットアウトしているはずの私宛の通知とかメールが56件もたまっていた。
 ありがたいことですが、ごめん当方対人スキルは取得してないんだ。あまりの多さに死ぬかと思った。他の方にとっては少なくても私はメール1件来るだけでも心臓はバクバクするんだからな!
 とりあえず落ち着こう。まだメール開けてないんだけど、初志貫徹、更新だけはさせてください。


■あらすじ
 アインズ・ウール・ゴウン魔導国としてエ・ランテルを支配したアインズはこれから国をどうするかを考えていた。アルベドとデミウルゴスがその知識で世界征服へと動くのを窺いながらも、アインズはまずエ・ランテルの冒険者組合で冒険者に新しい在り方を求めることにした。
 そして、冒険者組合長・アインザックを仲間に引き入れたことからお忍びで帝国の闘技場へと乗り出し、そこで最強とされる武王に魔法を封じられた状態で挑戦してその力を見せつける。


■感想
 読み終わったよオーバーロード10巻。
 この発売日がさ、無理難題押しつけられた日だったから貪るように読みながら寝落ちするを繰り返してやっと読み終わった。

 今回は大きく括って説明回でしたな。
 まず魔導国について。ナザリックの全員がアインズ様の智謀すげー、きっと一つの行動に複数の意味があるみたいに思っているが、アインズ様としては四苦八苦しながら魔導国の在り方を模索している状態だった。
 エ・ランテルを支配し、ジルクニフの皇帝っぷりを覗き見しながら王としてアルベドと内政をこなす。こういうナザリックの日常シーン好きだなー。アルベドが喜ぶとエイトエッジ・アサシンが騒めくのはあの押し倒し事件のせいでしょうね。その緊張感大好きだぜ。

 アウラとマーレが執務中にやってきてくれてアインズ様笑顔。私も歓喜。やっぱりこの双子が好きだなー、と思っているとアウラがアインズ様に抱っこの要請。手を広げてUPUPである。
 小さい子にねだられて断るなんてありえねぇな、と思っているとアインズ様も了承して抱き上げると自分の腿に乗せる。
 遠慮しているマーレも乗っける。アルベド? 大人なんだから我慢しなさい。

 お分かりいただけただろうか?
 ダークエルフが両膝に乗って話をしてくれるなんて最高だなと思っていると、大人だとダメならとアルベドさんが行動に出るのだ。

「おぎゃー」

 アインズ様耳を疑う。私は目を疑う。
 え、なにしてんのこの人。え、なにこれなんだよ。
 優しいマーレがすぐに意味に気づいて場所を変わりますが、正直ちょっと待てだろうよ。アルベドの選択はどうかと思うが、それ以上に子どもに気を使わせてんじゃない。
 引くなんてレベルでなく、軽蔑する勢いで私の中でアルベド株が急降下なんだがw
 元々信用できないしな。今回もある一点を除けば、アインズ様に従うと言ってるし。この後でアルベドがお出かけするんだが、そこでアインズ様を「モモンガ様」って呼んでるんだよね。
 うー、こいつはちょっと本気で怖いぜ。

 話を戻しますが、アインズ様の腿に座ることになったアウラとアルベドの間でちょっとしたバチバチが起こる。アインズ様争奪戦にアウラは参加していなかったのですが、今回は参戦してるんだよね。
 アルベドの匂いをどこかで嗅いだと思い記憶を手繰るアインズ様に変態みたいだと怒って不機嫌を現すし、腿から降りる際にどちらが先に降りるかでバチバチする。
 アインズ様はこれをアウラの父性への欲求と見るが、どう見ても8巻での「アウラが好きだぞ」発言の影響じゃあるまいか!

 序盤に大分時間かけているのでこれ以上は省きますが、アウラまで参戦してしまうのか。もうシャルティアが勝つ可能性が見えないねこれ。

 その後のアインズ様はモモンをしているパンドラズ・アクターと会話をして父上なんて呼ばれながらも、魔導国の在り方について考えることに。
 そして立ち寄った冒険者組合は以前のような活気は失われていて、人手も依頼も少なかった。そこでモックナックという冒険者と話し、そして組合長のアインザックと話す。

 アインズ様は冒険者という言葉から未知を既知にする存在こそ冒険者だと思っていたのだが、実際は対モンスター用の傭兵。それを嘆いてアインズは言う。
 傘下に収める代わりに魔導国のバックアップの元で冒険をしてほしい、と。

 こいつは無理ですね、断る理由が思いつかない。
 RPGが面白いのはその先になにがあるんだろうという探求心に他ならない。RPGで死ぬ覚悟でダンジョンに入ったことはあるだろう? そこで案の定死んで、神殿で「おお、死んでしまうとは何事か」と所持金半分も取られて生き返らせてもらって歯噛みしながらもう一度挑んだことがないとは言わせない。
 それをアインズ様はしてくれるというんだ。しかも、レベル1を勝手に強くなれと放り出したりせずに訓練所等のバックアップも。
 後々、人間だけでなく異種族とも組んだパーティーを冒険させたいらしいが、それも叶うならやはり夢見てしまう光景じゃないか。
 相変わらずアインズ様の何気ない行動を深読みしてくれるので、アインザックは提案を受け入れて協力者となってくれます。

 場面は変わって王国。
 ラナーが作った孤児院訪問で蒼薔薇の面々とクラインたちの様子が分かります。ガガーランたち一度死んだ二人は修行へ。ガゼフを蘇生できなかったラキュースは王に殴られでもしたんですかね。あの王が感情的な行動に出るとは驚きだ。
 イビルアイはチームが揃うまで勝手な行動を禁止されていて、モモンに会いに行けない状態。それでも魔導王には勝てないと判断していて、この辺がどう動くかは分からない。
 肝心のラナーが取り込まれてるからなー。
 あ、ブレインは次の戦士長候補を育てるために奔走中です。

 王国に魔導国からの使者・アルベドが来たことからちょこちょこ動きだします。
 兄が帰らないことから事実上の次期王となったザナックはアルベドに会い、その厄介さと友好関係の困難を感じるが、跡継ぎたる兄が先の戦争で死んだことから家督を継いだ三流貴族のフィリップは晩餐会でこれはチャンスと話しかける。
 女主人・ヒルマの力を借りて自ら開いた舞踏会にアルベドを招待して魔導国の使者と繋がっていることをアピールする。そして、アルベドの容姿と都市一つ支配しただけの国の宰相位と王国の貴族である自分の婚姻なども考え始めていた。

 はい、体よく使われているだけのお人形ですね。
 もちろん、ヒルマが動いていることから分かるように全部アルベドの策ですが、フィリップはエスコート中にアルベドに触ってしまう。ギチィリ、とかその音で終わったと気づけ。
 フィリップがどんな目に合うのか楽しみですね!

 アルベドは舞踏会中に支配下においた八本指に指示を出し、ラナーに会いに行きます。アルベドが八本指に依頼した品がシャルティアに使われた物対策ならいいけど、アインズ様に使うとかないよね? 大丈夫だよね?
 そして、やっぱりラナーはデミウルゴスと繋がっていてアルベドは協力した褒美を渡しに行く。ラナーの望みとかもらったアイテムとかはあまり考えない方が楽しそうなので割愛。

 クライムがラナーの本性を知った時が楽しみで仕方ないですねー。

 あとはジルクニフが策に策を重ねて法国の使者と会うのを取り付けたのに偶然その場に居合わせちゃうアインズ様。
 闘技場の貴賓室で密談するはずが、挑戦者として出て来たアインズに法国は帝国が魔導国と繋がっていると思ってしまうのでジルクニフ散々。
 一応、繋がりはかろうじて絶たれないが武王がアインズを殺してくれるように願う方が早い。

 帝国の冒険者勧誘のため密入国したアインズは闘技場最強のウォートロールの武王、ゴ・ギンと戦うことに。
 魔法の使用禁止を科せられ、自ら武王が持つアイテムと同等の物しか使わないと制約を科しての勝負ですが、なかなか面白かった。特性とか最強性で押すよりもやり方で勝つ方が楽しいじゃないか。
 ここでアインズ様が武技は対ユグドラシルプレイヤーに編み出された技じゃないかと面白いことを言っていましたが、その辺も含めて次回以降が楽しみだ。

 武王と倒してその力を見せつけた後のジルクニフとの会話で帝国から属国の話が出てアインズ様が困惑していると、ジルクニフはそれで属国化にはアインズが嫌がるモノがあると見て早急に進めることに。
 一方アインズ様はドワーフの国へと向かってしまい、アルベドとデミウルゴスは自分たちが留守にしていた短時間に死者も出さずに属国化したことで忠誠心UP。
 アインズ様が属国のことを放り投げたのを信頼だと喜び震える二人がわっくわくしながら属国プランを決めるところで続く。

 こんな感じで今回はおしまい。
 ナザリック陣が少なかったのが私的には残念ですが、次は9月とのことで楽しみにしてようっと。
 相変わらず不審なアルベドが怖いが、今までなかった人間たちの動きが楽しいな。こうやって着々と出来上がっていくのを見るとそれが崩壊するところを楽しみにしてしまうのは、私が最低だからでしょうね。
 だが、やめない。ナザリック陣に裏切られたらたまらないけれど、ラナーが崩壊するくらいなら全然構わない。むしろ、ばっちこい。本当にオーバーロード女性陣には厳しいな私は。

 では、ここらで今回のお気に入りへ。
 今回もう引用したからいい気もするが、さすがにあれは嫌だ。けれども、今回付箋貼ってるところないんだよなー。だから個人的に好きなところを。
 アルベドが会いに来たことでラナーがクライムを部屋から出す時の心境です。


 少し残念だったが、仕方がないことだ。難しい話は何も知らずに、ただその綺麗な目で自分を見てくれればいいのだから。


 個人的にラナーは好きです。
 屈折かげんが好きだからこそ、クライムにバレて拒絶される瞬間を楽しみにしてしまうんじゃないか!
 クライムがそれを受け入れられるほど洗脳できればそれも楽しいけれどね。




オーバーロード10 謀略の統治者
丸山 くがね (著), so-bin (イラスト)
KADOKAWA/エンターブレイン (2016/5/30)
posted by SuZuhara at 14:00| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月08日

空飛ぶ広報室



 もう、一緒には飛べない仲間のために。それを最初の立ち位置にすることは、許されるだろうか。


 やー、ついにP5の発売日が決定しましたね! 東京タワーを見続けるのはつらかった。
 公開されたPVで一番気になるのはやっぱり生徒会長(仮)のライダースーツ女子。仮面の無骨さと格闘スタイルがいい。しかもバイクとか、ジャス学アキラじゃないか! つまり、私のものすっごい好みってことだ。
 私の目がおかしくなければ武器がメリケンサックとリボルバーっぽいし。メリケンサックは使用者のセンスに依存する武器だからチョイスできるってだけでいい。楽しみだー!
 でも、発売日遠いよ9月。


■あらすじ
 交通事故に巻き込まれてパイロットをやめざるを得なかった空井大祐は航空幕僚監部広報室へと移動することになった。
 そこでの仕事もそこそこ自衛隊嫌いの記者・稲葉リカの担当になって振り回されていくことになる。しかし、リカに自衛隊について知ってもらうために行動するにつれてパイロットをやめてから抱え込んでいた思いを吐き出し、広報官として自衛隊について――空を飛ぶ仲間たちを支えていくと道を選ぶ。


■感想
 ちょいと最近新しい本よりも以前に読んだ本を読み直すことが多いのでほとんど感想が書けていませんが、まぁそこそこ読んでいます。
 今回は有川さんの自衛隊小説。ドラマ化もした作品ですが、案の定私は見ていません。最近はドラマどころかアニメも見ていないのでほとんど分かりませぬ。
 けれども、このドラマなら見たかったかな。ブルーインパルスとかには詳しくないですが、やっぱり空を飛ぶ大きい物には憧れる。

 さて、物語は空井がタックネーム、パイロットの空での呼び名に「スカイ」という憧れのネームをもらったところから。ブルーインパルスのパイロットを目指していた彼は若くしてその内命を受けることになる。
 そして、交通事故に合った。
 トラックに突っ込まれて重傷を負った。リハビリで日常生活には支障がないくらいには回復した。しかし、それではパイロットは務まらない。
 パイロット資格剥奪――通称P免になった空井は広報室へと移動になった。

 空井の気持ちは想像を絶する。
 子どもの頃から追い求めていた夢に手が届いた瞬間に奪われた。そんなものと似た経験はしていない。
 敢えて言えば怪我してバスケはやめたけど、チーム離脱中にいじめの巣窟になっちゃって全面戦争しちゃったからあれは違う。戻ったらなぜかいじめられっ子側の盾になることになった不思議体験だったなあれ。

 空井は広報室に移りそれなりに仕事をこなしていたが、先輩たちすら警戒する元サツ廻り――警視庁付き記者で自衛隊嫌いのリカの担当をすることになる。
 ちょこっと漏らした言葉も悪い方に捉えて食いついてくることから、室長の鷲坂には稲ぴょんなんて言われてからかわれる若手記者だ。
 自衛隊のことを空軍陸軍などと言うことからリカが自衛隊について分かっていないことを知った空井は一つずつ説明していく。そして、リカのような人に分かってもらうこそ自分の仕事だと気づいて新たな道を見出す。

 けれども、リカは同じく信じていた道を塞がれたのに新たな道を見出した空井に打ちのめされそうになっていた。
 記者として新人時代からバリバリ攻めていたが、それを力押しと言われて興味もなければやりたくもない自衛隊の特集を担当することになったのだ。経緯は違えど道を閉ざされた者同士だったのに空井は先に道を見つけてしまった。

 とあるドラマの協力要請がリカから空井に舞い込んだ。
 本来は海自に要請していたのだが、要求し放題してご破算になり、リカを通じて空自に要請が来たのだ。
 無理な撮影スケジュールだったが、月9で社会派ドラマ、しかも今をときめく俳優が主演。断る理由はないと鷲坂は仕事をなんとしてでもものにするために交渉し、説き伏せてしまう。詐欺師鷲坂などと呼ばれているすっげー上司なのである。

 そして収録が終わり、リカが空井とともに撮影に協力した女性パイロットに話を聞いた時のこと。
 ブルーインパルスに乗りたくて自衛隊に入った。けれども、私は足りてなかった。その言葉を聞いて空井は崩壊してしまう。俺は足りていたのに、と。

 記者だった頃のリカならば、泣くのを堪える空井を容赦なく撮っただろう。けれどもリカはカメラを下ろし、空井が泣くのを見守った。
 有川さん作品にしてはこの物語はラブが少ない。けれども、この二人の反応はすごく好きです。

 もう長く書いているからザクッと行きますが、他の広報室の面々についての話がある。
 昇進を捨てて広報にかける比嘉や民間の広告代理店で研修を受けた片山、敢えて女を捨てたふりをする柚木とそのふりをしていない彼女を知っていて歯痒く思っている槙。恋愛模様や仕事内容がすごく楽しかったですが、やっぱり一番格好いいのは鷲坂だよなー。
 あんな人が上司なら喜んで殉じるのに。反対にそんな人じゃなかったらいくらでも噛みつくがな。

 いろいろあって空井の初めての渾身の企画が、自衛隊だからと言う偏見の元に批判されて否定されてしまう。リカも以前に戦闘機を人殺しの道具と言ったことがあり、それについて空井とぎくしゃくしてしまうのだが、伝えていく努力を新たな企画に込めて進んでいく。

 最後に3.11後の松島の話がありますが、私は自衛隊基地があることすら知らなかった。というより、地理が弱いんだな。松島と言われてもどこかなんてぴんとこない。
 だからこれを読んで初めて、F-2が流されたこと、自衛隊は私有地には入れないから瓦礫の撤去も手伝えないことを知った。奇しくも熊本地震が起きた時に読んでいたので歯痒くなる。
 それでも遺失物の捜索という名目で撤去を行い、風呂の提供なんて不謹慎だと言われても実行した。いや、これ必要でしょう。風呂に入んなくても生きていけるけど、精神的に参るからな。
 自衛隊が冷たい飯を食べていることをピックアップするんじゃなくて、自衛隊は被災地は温かいご飯を提供できることに注目してほしい。自衛隊員の飯が冷たいのはそのための燃料を節約しているだけなのだから。
 松島に異動して震災を体験した空井、そしてその取材に来たリカという形で話は進んでいきますが、本当にこの話があって良かった。
 これがなければ、読んだだけで流してしまっていたと思うから。そして単行本にはないらしい、リアル鷲坂さんの解説が読めたのも良かった。

 自衛隊の広報室という知らない世界は面白かったですが、なんとも不思議な物語でした。
 自衛隊小説と言うよりも夢や希望に慢心する普通の人たちの話。自衛隊員だって普通の人たちと変わらないんだって伝えてくれる話。
 恋愛要素控えめなので不満な方もいるでしょうが、そこは柚木と槙で保管して、私は空井とリカはこれでいい気がしています。いや、十分甘いからねこの二人も。

 さて、ここらで今回のお気に入りへ。
 鷲坂さんの格好良さを語れてないのでここで一つ。報道班の柚木が女を捨てた理由は、自衛隊で女の子扱いされて対等に接してもらえず潰れたことがあったから。オッサンになったのは男社会を生き抜く鎧のような物だったのだが、それを見抜いていた鷲坂は言う。


「それに、女を捨てなきゃ務まらないと見切られちゃったんじゃ、組織としてはちょっと情けないよね。上官としては悔しいものがあるよ」 


 柚木の普段の仕事ぶりから本質を分かってくれていて、それからこんなことを言ってくれる。これは惚れるね。女性でなくとも男も心酔するのは頷ける。
 柚木と槙のことを今回ほとんど書いてませんが、恋人になった後の柚木と槙の会話で、槙の優先順位が柚木と鷲坂室長が同じくらい大切ってのは笑った。
 いや、鷲坂シンパな槙からすればそれはすごいことですよ柚木先輩。





空飛ぶ広報室
有川 浩
幻冬舎 (2016/4/12)
posted by SuZuhara at 10:24| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月13日

君の膵臓をたべたい



「恋人を作る気があるって言ったら、どうにかしてくれるの?」


 だらだらと文字を綴るのが好きなので、このブログを更新できないというのは私にとってかなりのストレスだったりする。
 でも今はなー、書く時間も本を読む時間すら取れてないからストレスがやばい。なんとか遊ぶ時間は増やそうと思いますが、PS4ごとダークソウル3を買うかな。あれに手を出したら私の性格的に終わる気がしますが、ストレスで歯噛みするくらいなら人間性を捧げたいのです。


■あらすじ
 人と関わらないように生きてきた僕はとある一件でクラスメイトの少女が余命一年であることを知る。秘密をしってしまったが、今までどおり裂けて生きていけばいいと思っていたのだが、彼女の方から関わってくることになり秘密を知るクラスメイトとしての彼女との日々を通して変わっていく自分に気づく。


■感想
 あらすじがあっさりだなー。
 この本の良さを少しも紹介できている気がしないけれど、語ってしまうのもあれなのでこのままいく。

 始まりはお葬式。
 余命一年の少女がいるのだから物語中に死んでしまうのは当然だが、なんともいたたまれない。
 葬式には出られないでいた僕は彼女から借りた本を読んで彼女のことを思い出していた。

「君の膵臓を食べたい」

 膵臓の病に侵された少女・山内桜良が言うにはあまりにブラックなジョークだが、僕と彼女の会話はそれが当然だった。
 唯一自分の病気のことを知る僕に対して彼女は遠慮なんかしなかったし、人付き合いが苦手な彼も流されるがままに付き合っていた。
 医学の進歩から病気のことを悟られずに生きてきた彼女なのでとても死ぬようには思えず、食べ放題に行ったり、突然の旅行に行ったりと振り回される日々を送った。

 だが、クラスの人気者である彼女と根暗な男子が仲良くするなど快く思わない者が多く、彼女の親友や彼女に想いを寄せる少年と一悶着起きてしまうのだが、なかなかこういうのは苦手だ。私もあんまりいい青春を送ってないからなー。

 真実と挑戦で僕の好みのタイプとか自分のランクとか聞いている時点で確実に分かることだが、そこには淡い恋があった。
 彼女も近くなった距離にタガが外れかかって冗談を越えて僕の怒りに触れてしまったりするが仲直りして、なんというかこの時間がもっと続いてくれと思う日々が続くかと思えば、彼女は入院した。

 少し値が悪かったからだ、と彼女は言うが、もうこの辺から僕は心配でたまらなくなっていた。生きてほしいと願っていた。
 そして、彼女との会話で多くの人と関わることで自分を形成していた彼女とどこまでも自己完結していた正反対の僕が惹かれあった意味を知る。

 二週間伸びてしまった退院の日、約束をしていた僕は彼女からのメールに書ききれない想いを込めて「君の膵臓を食べたい」と書く。
 冗談で何度も口にした言葉だが、君になりたいとか上手く言葉にできないが魂的に一つになりたい的な想いがあるんだと思うんだけど……ああっ、後者は表現が違うな! 私に語彙をくれ!

 彼女は待ち合わせ場所に来なかった。
 病気で死ぬ前に通り魔に刺されて死んだ。

 葬儀に出ずに彼女から借りた『星の王子さま』を読み終わった僕は本を返しに彼女の家に向かい、そこで彼女が書いていた「共病文庫」を読ませてくれと願う。
 病気になってからずっと彼女が自分の想いを綴っていた本を。

 文庫の記述で僕の存在は知っていた母親から共病文庫を貰った僕は彼女が日々をどう思って生きていたか知る。
 病気だなんて思えないほどあっけらかんと生きていたと思っていた彼女はもっとずっと弱くて、病気を知った彼との日々を大切にしていた。
 そして、最後の遺書には僕に対する想いと「君の膵臓を食べたい」という言葉で〆られていた。

 携帯を見せてもらう。
 そして、たくさんの未読メールがある中、僕が送った最後メールは開かれていた。ちゃんと、届いていた。

 母親の前で号泣した僕は彼女の大切な親友と僕、そして家族とでいつか食事をするという約束をして、彼女の親友――恭子と会うことに。

 恭子からすれば親友に付きまとっていたくせに葬儀に出ない最悪の男だが、僕は共病文庫を見せて彼女が恭子を大切に思っていたこと。そして、彼女が願ったように友達になって欲しいことを告げる。

 それから、彼女の墓参りをする僕と恭子は友達になれていた。いつも僕にガムを渡すクラスメイトとも。
 一年前、彼女の母親と交わした約束を果たすためにそこを去ろうとするとうははは、と彼女が笑う声がした。

 うん、面白かったです。
 文章はあっさりしていて読みやすく、会話の内容は独特だがテンポがいいのでかなり好みです。
 僕がなー、人と付き合わず読書しかしない人間なのですごい気持ちが分かる。本屋を見かけるとつい入りたくなっちゃう気持ち分かる。この本も、実は始めて行った本屋でフラフラしてた時にタイトル買いしたのです。

 私はどうしてもこういう青春時代を読んでしまうと中学時代の友人を思い出してしまうのですが、死別しなくても永遠に失ったからな、どうしても思い馳せてしまうんだ。
 ああ、ここにあいつがいてくれたらなって。楽しい時も悲しい時も、ここにあいつがいたらどう思うんだろうって思ってしまう。クラスの人気者と自己完結人間とか本当にやめてくれ。
 基本すぐ泣くのが私なのですが、後半は確実に自己投影してたな。もう、本当に嫌だった。だって私も奴に勧められた『星の王子さま』をいまだに未読だし。頼むから出てこないでくれ、忘れることなんかできないのに意識するだけで泣いてしまうから。

 しかし、泣くという行為はいいストレス発散になるので読み終わった後はわりといい気分でした。
 うん、面白かった。これで一日一日を大切に生きようと思い直せるほど私は素直な人間ではないが、読んでよかったなと心底思う。この作者さんはもう一冊出しているようなので機会があったら読んでみたいと思う。

 さて、ここらで今回のお気に入りへ。
 本当に君は死ぬのか、と問いかけた時の彼女の反応。


 最初は、笑顔、それから困った顔、苦笑、怒った顔、悲しそうな顔、また困った顔に戻ってきて、最後に僕の目を正面から見据えて、笑って言った。
「死ぬよ」


 ここがどうして好きなのかを説明するのは難しいのですが、表情をころころと変えてはっきりと口にする気概で彼女のこと好きになったきっと。
 彼女の死を悲しむ気持ちは薄情なことにないのですが、きっとどっかで会えるだろう的な親しみを感じてしまうから不思議なものだ。






君の膵臓をたべたい
住野 よる
双葉社 (2015/6/17)
posted by SuZuhara at 22:12| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月06日

夜の国のクーパー



 まさに今こそ、理性を使うべきではないか。


 GEアニメ10話を観たよ。
 レンカ過去回で彼の人間性が分かって良かったけど、いろんな人の感想を読んで自分が他と違う感性を持っていることを知って鬱になりそうだ。
 リンドウさんはどこでも救世主。お姉ちゃんのナイフの使い方素敵だけど、幸せな夢に浸れるように下半身から食べてあげるオーガテイルさんはもっと素敵。いやー、とても素敵なバッドエンドですね!
 ――と、いうような同士がいると思ったのに誰もいないだと……?
 うん、やっぱり私が変なのか。けど、アニメはこれを一話でやれば世界観が分かる上に衝撃があって良かったのにな。


■あらすじ
 目を覚ますと見知らぬ土地で蔓に縛られて拘束されていた私は猫に話しかけられてその国で起こったことを知らされることになる。
 クーパーの戦士と戦争と、猫と鼠の話である。


■感想
 あらすじは手抜きじゃない。もうこれしか書けないんだ。

 妻の浮気から趣味の釣りに逃げ出した私は小舟に揺られていたはずが、気がついたら見知らぬ土地で縛られていた。
 そこで出会った猫・トムの言葉が通じることが分かったことから話を聞いてほしいと彼らの国のことを知らされる。

 彼らの国は今まで鉄国と戦争をしていたが、この度負けて鉄国の兵士がやって来ることになった。
 この国のまとめ役・冠人はやってきた兵士たちの観たことのない乗り物・馬などを見ても動揺せずに向かっていくことから誰もが心配などしていなかったが、敵のリーダー格・片目の兵長にあっさり射殺。
 これからどうなるのか、と人間たちは心配そうだったが猫には他人事であり、原始的欲求である鼠を追いかけるという方が大切だった。

 トムはふらふらと渡り歩きながら町の人たちの出方を見ていたが、ある時鼠の罠に嵌り、鼠が自分たち同様に話せることを知る。
 猫たちがここで自由奔放なのに比べて鼠たちは個々の思考が発達しておらず、集団的で機械的だ。
 鼠の要求は「もう襲うな」。けれども、トムたち猫にはリーダーがおらず、「約束はできない。けれども、話してはみる」程度のことしかできない。

 兵長に冠人の息子の酸人が取り入ろうと町の人々を裏切ったりいろいろしてますが、トムの方も鼠との交渉役をしなきゃならず、占領された国での人と猫のそれぞれの問題はなかなか興味深かったが、そこでネックになるのがクーパーの戦士だ。

 この国にはクーパーの戦士というものがあった。
 杉の木がクーパーという化け物になるため、それを倒しに行く選ばれし戦士である。毎年三人連れて行かれ、クーパーと戦い、その体内の水を浴びると戦士たちは透明になる。そして、その透明になった戦士は危機が訪れると助けてくれるのだ、と。

 ふむ、分からん。
 透明になった戦士がいるのかいないのか、猫と鼠の関係は、と問題はいろいろあるが残念ながら私は入り込めなかった。
 物語がずっと続いていけばまだ良かったんだけど、たまに私視点に戻って第三者になるから、その町に共感しずらなかったんだろうな。

 中心の鼠が「生贄を差しだす。だから、それ以外は襲わないでくれ」と交渉しだしたところまで行くと、その交渉がこの町でも行われていたことは想像に難くない。
 鼠が勇敢に猫と戦う戦士として生贄を差し出すと決めたように、人間たちもクーパーと戦う勇敢な戦士としてとっくに負けていた鉄国に毒の耐性実験用の人間を送っていた。
 しかし、そんなものはとっくに必要なくなっており、連れて行く役であった複眼隊長が戦士たちを避難させていて町に帰ろうとした時、みんなから慕われていた冠人が酷く自己保身に長けた人間で秘密を知ったと殺そうとしたり、帰って来られないように町を囲う壁に毒を塗ったりしていた。
 だから隊長たちは兵士のふりをして入り込み、本当にやってくる鉄国の兵士たちと戦うために顔にペイントをして同じ町の人間だと見えない、透明な存在になって帰って来た。

 とあることで逃げ出した馬に揺られて行った先で私に出会ったトムは私に助けを求めた。
 そして、その国の人間たちの四倍ほど大きい人間である私は鉄国の兵士を追い払うためにその姿を見せる。

 とまぁ、ちょっとついていけなかった。
 私は私たち――いや、分かりにくいから僕らと同じサイズであり、四分の一サイズの人間たち世界で起こった話。
 常識を疑え。常識だと思っているものこそ、おかしいのかもしれないと思わせるものでしたが、それ以上の感想は抱けなかった。何とも不思議な話だったなー、とブラックバードのような話の方が私は好きです。

 では、ここでお気に入りへ。
 トムの要請に応えて私が蔓から外してもらえた時、よく信じてくれたと私は言う。その時のトムの返答を。


「鼠から学んだんだ」トム君が言う。「疑うのをやめて、信じてみるのも一つのやり方だ」


 トムが巨大な私を恐れ疑いつつも、自分たちの危機でもあることから私を信じてくれるのですが、その後で仲良くなって二人で出かけたりするのが微笑ましかった。
 いずれ私は帰り、彼らは別れるかもしれないけれども、その関係はなんだかいいなと思うのです。




夜の国のクーパー
伊坂 幸太郎
東京創元社 (2015/3/19)
posted by SuZuhara at 09:57| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月27日

ファイヤーガール 1 虚惑星の魔法使い 下巻



「不安も悩みもザックに詰めて、私の一歩で世界はひろがる――」


 ここ最近満たされない感覚に苦しんでいたのですが、まずいのは私的にこういう期間が続くと全部放り投げてしまう性格だということを自分が分かりきっているからだったりする。
 大掃除をするのは主義じゃないのに掃除して、机と本棚とパソコンしかない部屋になってしまった。
 ……うーむ、まずいな。早いとこ切り替えないと。


■あらすじ
 日ノ岡ほむらは探検部に入り、魔法使い見習いとして活動し始めたのだが、二度目の虚惑星(ステラ)へと向かったミッションで拠点をオオカミと人間の子どもに襲われてしまう。
 負傷し連れ攫われた部長・御陵真世の後を追い、ほむらは東野巧とともに未踏破の地域を進んでいく。


■感想
 珍しく有言実行してファイヤーガール1巻の下巻を読んだ。有言も口にしなくとも実行しないのが私だったりするのでとても珍しい。

 さて、前回から大分空いてしまったのでざっくり振り返ると上巻ではほむらが探検部に入るまで、そして初めての虚惑星探索を終えたところで終わったところでした。
 今回も初めの方はほむらの魔法訓練とか面白いのですが、二度目の探検で状況はシリアスな方向になっていく。

 自分たちの拠点につくと、そこは荒らされていた。
 整理しているとそこに仕掛けてあった魔法にほむらが引っかかり、それを庇った真世が負傷してしまう。
 そして、そのままオオカミと少女が襲いかかってくる。

 東野がなんとか応戦しますが、負傷した真世を奪われてしまう。
 ここで少女の腕輪が地球のガラガラを細工したものだったことからほむらは緊急離脱を拒否し、真世と少女の追跡に向かう。

 未踏破の地帯への進行、しかもほむらは見習い。
 クマにあったりらーくしかたり一筋縄ではいかないが、悲観的な状況なのに悲観的にならないのはほむらの性格様々ですなー。ほむらのことめっちゃ好きだな。
 なんとかオオカミたちの拠点に辿り着きますが、そこにいた和服の姫君に見つかり、泥棒として迎撃されてしまう。

 この姫――スバル姫は虚惑星人なのですが、オオカミといた少女――鈴蘭は天狗隠し、こっちでいう神隠しにあって虚惑星にやってきた誘拐されて行方不明になった少女だった。
 盗人として追われながらなんとか真世と合流したほむらだったが、姫に追いつめられてしまう。ほむらの魔法以上の腕を持っていて一度はなんとか相殺できたとは言え、本気を出した姫の前では太刀打ちはできない。
 東野と離れてしまったのだが、真世はほむらをつれて金中離脱を決行。

 ……この調子でまた長いので端折っていきますが、東野と鈴蘭――エリちゃんの救出のために隣の日吉高校の上狛たちに助けを求めて、上狛と多賀、そしてほむらが再び虚惑星へ行くことに。
 真世が怪我と過去の緊急離脱の経験からダウンしてしまったのだが、この辺はちょっと触れにくいな。真世がどんな人なのかまだ分かりきってないんだよね。稲荷先輩もまだ名前しか分んないしなー。

 上狛先輩たちと再び虚惑星入りですが、このひよこー先輩たち格好いいな。私は元々BUNBUNさんの絵が好きで、やっぱり黒ポリが好きだからマナガを思わせる多賀先輩、そして狂戦士と吟遊詩人のコンビはいいな。
 狂戦士化して強くなった多賀を上狛先輩が強化し、そしてバードの歌で指示してする。おお、このパーティに入りたい。ひよこーがいい。

 救出作戦に襲ってくるオオカミたちと多賀先輩が戦っていたのですが、姫によって操られた東野と戦うことになってしまう。
 なんとか東野を無力化できても洗脳が解けたわけじゃない。ほむらが姫と向き合うことになりますが、天狗隠しにあった地球人を父に持つ姫の事情もいろいろありますが、ここでほむらと姫の魔術戦は燃えたな!
 もうブーストできる精霊石はない。呪文詠唱時間もない。だけども、必要なのはイメージだけ。
 ……くそぅ、もっと戦闘シーン見たいぜ。

 その後、天狗隠しにあった姫の父親、その実弟の子孫にあたる真世先輩と出会い、鈴蘭は地球に帰ることになる。
 そして、地球に戻って鈴蘭――エリちゃんと実の母親との再会。

 このシーンを読んでいた時は止まらない勢いで読んでいましたが、ちょっと時間を置いたせいなのか、なかなか説明が入り組んでいて私の理解し切れていない感がすごく悔しいな。
 だからこそなのか、ほむらと九条が友達になれたことの方がすっごく嬉しいや。

 面白かったです、ファイヤーガール。
 おとぎ話の語りのような文体が特徴的で、世界観が深くて濃い。一応、全巻買っているけれども最後までついて行けるかが心配ですがが。

 では、この辺でお気に入りへいきましょうか。
 今回は探索に行く前にほむらが上狛先輩と電話でした会話から。
 この後探索について、九条と友達になることについて真剣な話もしますが、犬を飼っている上狛先輩に何か飼ったらどうかと聞かれた時の話がどうにも私の心に響いて仕方なかったんだ。コアラがいい、手間がかからないだろうナマケモノがいいと言うほむらに先輩は言う。


『そこまでいくと飼うよりも、飼われたいって感じだなー。うちで飼うかー?』
「お願いします。前向きに是非。三食昼寝パケ放題つきで」


 私もお願いしたいw
 ほむらとの会話は小気味が良すぎて気持ちいいんですよね。何気ない会話が楽しすぎて困る。





ファイヤーガール 1 虚惑星の魔法使い 下巻
星空めてお BUNBUN
TYPE-MOON BOOKS (2015/12/10)
posted by SuZuhara at 14:19| 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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