「最強たるものを喚び出すか、つくりあげればいいんだ」 もうここに書くこと一時間も悩んでるんだけど、悩んでも書くことは出てこないことにやっと気づいた。このスペースいらないんじゃないか。
私は基本的にご機嫌に生きてますが、最近のお気に入りは床。うん、床。
床に座ってパソコンしてそのまま寝オチしている。ちょっとぐだーずの気持ちが分かったぜ、この固さいいな。てか、何もない部屋って最高だな!
■あらすじ 双貌塔イゼルマでの黄金姫殺害の容疑をかけられたライネスの前に立ち、事件を預かると宣言したロード・エルメロイU世だったが、アトラム・ガリアスタの乱入により推理どころではなくなってしまう。
エルメロイ教室の生徒、フラッドとスヴィンが独自に応戦に動き出す中、蒼崎橙子までもが敵として戦闘に出てきてしまう。
弟子を守るためにもエルメロイU世は自身の持つ聖遺物を賭けた賭けをアトラムとすることになる。
■感想 あらすじが上手くいかないのはいつものこと。
いやー、面白かったですエルメロイU世の事件簿3! まさか、フラッドとスヴィンの戦闘模様が出てくるとは思っていなかったので、すっごい嬉しい。あと、グレイのあの顔の理由とかかなり好みだ。
さて、前回の続きからですが、始まりはグレイとエルメロイU世の出会いからでした。
今回からグレイ視線に戻るんですが、エルメロイU世がセイバーの顔に似ているから怖がっているのではなかったようだ。確かに初めて見た時は驚いたけれども、顔を嫌うのはグレイとの約束だったから。
また後で書くけど、これはスヴィンじゃなくてもグレイはぁはぁせざるを得ないわー。
エルメロイU世とその弟子たちが集まった時、アトラム・ガリアスタがバイロン卿が競り落としたというあるものを奪うために襲撃してくる。
前回の感想の時にアトラムについて触れるの忘れていたけれども、あれだ第五次聖杯戦争でキャスターのマスターだった人。
ということはあの金に物を言わせられる魔術師であり、精鋭魔術師を連れて乗り込んでくるのである。
その術式の問題点に気づいたフラッドがすぱっと襲撃者に会いに行ってしまい、フラッドを止めるためにスヴィンも行ってしまうので弟子の勝手すぎる行動にエルメロイU世の胃痛は計り知れないぜ。
スヴィンは素早くフラッドに追いつくんだけど、イゼルマの味方をして襲撃者を撃退すれば教授も喜び、トリムマウも返してもらえるだろうというフラッドの案に乗ってしまい、二人で襲撃者撃退に乗り出してしまう。
ここで思ってもみなかったことにフラッドとスヴィンの戦闘模様が描かれてて嬉しすぎた。相手の術式に介入するフラッドと完全前衛の獣性魔術で纏った魔力で幻狼のようになって戦うんだ。これが楽しくないはずがない!
エルメロイ教室が強すぎるとか思っているとアトラムが出てきて、敵に回ると言った橙子さんまで出てきてしまう。
フラッドは一度でまずいと悟って逃げ出すけれども、スヴィンはその性格から逃げ出さない。その結果橙子さんに返り討ちにされ、アトラムに捕まってしまうのだが。
一方でフラッドの方も逃げきれず、グレイと合流しても橙子さんからは逃げられない。
もうやめてよ。橙子さんが敵とか、絶望的すぎて希望が持てない。それでもフラッドとグレイならとちょっとは思ったけど、これは無理すぎる。
このちょっと前にグレイの顔がセイバーに似ていることの理由が明かされる。
元々似ているのではなく、槍を扱うに相応しいように顔が変わっていったのだと言う。槍の持ち主そのものであるように。
故郷の人たちはそれを喜んだ。けれども、自分は変わっていく顔が怖かった。
だから、この顔を怖がってくれたエルメロイU世に嫌いなままでいてほしいと願ったのだ。
……うわ、グレイのこれつらいなー。自己の否定だもんな。
だから、フラッドとスヴィンが倒れ、自分も太刀打ちができないと悟った時、グレイは委ねてしまおうとする。遥か昔の英雄に。
だが、絶体絶命の弟子たちを救うが師匠である。
白銀姫とイノライがちょっとぶつかり合っている中に間に合ったエルメロイU世はイスローとマイオの協力をとりつけ、ライネスが黄金姫を再現する。
その美しさに誰もが言葉を失って魅入られた。
イスローとマイオの協力を得て白銀姫の顔に黄金姫を投影したのだと言う。そういう美に出会ったことがないからいまいち想像できないんだけど、本当にいつか心憑かれてみたいもんだ。
介入したエルメロイU世の言葉に橙子さんはすぐに引いてくれるのだが、こういう頭がいい――すぐに察することができる人たちの会話は格好いいよな。
しかし、アトラムは退く理由がない。彼が欲しいものはある英霊を呼び出すための聖遺物――竜血を受けた菩提樹の葉。すまないさんを呼び出すつもりだったのか!
その在処を教える。もし外れていたら、自分が持つ聖遺物を差しだそうという賭けをするのだ。
あれだ、ライダーの――征服王イスカンダルの聖遺物を賭けるんだ。グレイの悲痛な叫びはzeroを読んだらみんな同じ気持ちだろう。もう、そんなのだめにきまってるだろー!
けど、それだけ自信があるってことなんだよな。
実際にエルメロイU世の推理は当たる。ここから事件の真相になるんだけど、全部書くとあれなので端折りますが、さすが橙子だ。すまないさんが涙目じゃないか。
灰かぶりのシンデレラとか、想像してなかったな。
この事件は徹底的に美を追求したからこそ起こったものだが、マイオがこう動くとは思わなかったな。
ディアドラしか見てなかったマイオとマイオを想い続けていたカリーナ、カリーナから伝えられたマイオを助けてとの意識に白銀姫とレジーナは庇うと決めた。
魔術師なのだから常識では測れないけれども、マイオの
「だって……どうして、いけないんだ?」の言葉はちょっと憧れてしまった。目的のために疑問すら抱かない境地というのは、憧れないはずがないじゃないか。
推理して真実が明かされれば終わりじゃないのが、エルメロイU世の事件簿である。マイオは橙子さんに飲ませた薬に仕込んだ魔術で橙子さんを脅すのだが、この人を殺してはいけないことをマイオは知らなかった。
橙子さんの内側に入れていたという鞄の中身が殻を失い、敵と認識されたマイオを喰らう。
敵対さえしなければそれはマイオだけしか狙わなかったが、グレイは動いてしまった。
捧げようとしたのが他人か自分だったか、きっかけがあったかなかったかの違いだけでマイオが向こう側につれて行かれようとしているところをアッドを手に挑んでいた。
ここからのエルメロイ教室総出の戦闘が素敵すぎる。月霊髄液のドレスとか、アッドが盾になったり大槌になったり、もうロマンが詰まりすぎているよコレ!
最後はルヴィアも出てきてくれるし、もう早くエルメロイ教室に凛の加入が望まれる。てか、楽しいなエルメロイ教室!
法政科が裏で動いているようなことが匂わされましたが、最後のエルメロイU世の行動は見たのがグレイじゃなくても征服王と再会を会わせてあげたいと思ってしまう。
その再会を見たいと思ってしまうよ。
いやー、本当に楽しかった事件簿3。
私はエルメロイ教室組が好きすぎますが、やっぱり橙子さんの存在はずるいよ。あの煙草をエルメロイU世に預けたってことはまた出てきてくれるんですか期待していいですか?
では、もう日付けも変わってしまったしこの辺でお気に入りへいきましょうか。
今回はフラッドとスヴィンが行った後でエルメロイU世とライネス、グレイの三人で少し推理をするのだがそのシーンから。
グレイの顔のことをライネスに明かした後、推理で考え込むエルメロイU世の顔を見てグレイが思ったこと。
ひどく難しげに、眉間の皺を寄せている。この人のこういう表情が、自分は嫌いじゃなかった。ライネスのように他人の苦労や不幸を愉しむわけではないけれど、師匠が不意に見せる横顔を、なぜだか愛おしく思っている自分がどこかにいるのだった。
彼の頭の中で、一体どのような光景が広がっているのか。
見たい、とふと思った。
これ、完全にグレイの方は恋愛感情が入っているんじゃなかろうか。
もう所々にあるエルメロイU世に対するグレイの信頼を感じさせるシーンすごくよすぎてたまらなくなるじゃないか。
しかし、ここまで来るとグレイと凛や士郎の邂逅とか、絶対に有り得ないことまで期待したくなっちゃうよなー。
ロード・エルメロイU世の事件簿3 下巻
三田誠(著),坂本みねぢ(イラスト)
TYPE-MOON BOOKS(2015/12/29)