ついに語られる霧切響子の過去――。
TTTの体験版をやりました。最初のハミルの悲鳴に買うのをやめようかと本気で悩みましたが、そこはさすがのTTTだった! 覚醒ハミルは格好いいし、神曲のオンパレードでテンション上がりまくって発売が待ち遠しいな!
しかし、1章男祭りすぎるのに解禁された体験版戦闘での女子率の高さは異常w ハミルもアロウン様のように妻が増えていくんだろうか。
■あらすじ
謎の依頼状を受け取り五月雨結は指定されたシリウス天文台へ向かう。そこには結の他に四人の探偵がおり、全員が同じ依頼人によって集められていた。周りは自分よりも年上で格上の探偵の中、結は探偵になったばかりで後輩にあたる少女・霧切響子と出会う。
一向に現れない依頼人を怪しみつつも外が吹雪のためシリウス天文台で一夜を過ごすことになった探偵たち。天文台を調査中に火事が起こり、結が目を覚ますと自らは手錠で拘束され、凶器と思われる大バサミの傍で倒れていた霧切。そして、他の探偵三人は殺されバラバラに切断されていた。
■感想
大好きなダンガンロンパ小説をお気に入りの城シリーズの北山さんが書くという、俺得すぎる小説。しかもロリ切w 最高だなww
さて、物語は初っ端っからクライマックスで結がシリウス天文台に来てバラバラ死体を発見したところから。状況証拠から犯人は霧切さんしかありえないのだが、さすがはロリ切、冷静に反論して拘束されて動けないのだが安楽椅子探偵よろしく結に調査させて推理をするというもの。
正直なところ、推理よりも黒幕たちが私は好きでしたな。
ある事件の被害者の男の許にやってきたのは謎の紳士。あなたをこんな目にあわせた本当の犯人を教えると近寄って来た紳士は「犯罪被害者救済委員会」と名乗った。
彼らは男に復讐すべき犯人を教え、そして犯行に至る手口から凶器まで全てを提供するという。その代わりに求められるのは復讐のドラマ性。男の復讐劇をエンターテイメントとして提供しろというもの。そのため、犯行の準備金に見合った探偵が敵役として送り込まれるという。
私の説明が分かりにくいのでもうちょっと突っ込んで言うと、犯罪被害者救済委員会は絶対に足のつかない金属バッドとかを300万で提供されるのだが、その準備金も委員会が準備する。
復讐者は委員会から凶器やトリック、舞台を買い、総額に似合った探偵が一人派遣される。トリックなどが稚拙ならランクの低い探偵、金をかければかけるほどランクの高い探偵が来る。探偵から168時間犯人と指摘されなければ勝ち。
だが、負けた場合、犯行に使ったお金を請求される。法外な値段なため、ほぼ死ねと言っているようなもの。こんなところか。
この探偵相手の『黒の挑戦(デュエル・ノワール)』を行うことを男は承諾し、挑戦状を受け取ったのが五月雨結だった。
霧切さんは挑戦状を見て一目でこの殺人がゲームであることを悟る。そして、結に拘束させながらも推理していく。
事件自体は北山さんらしい事件でしたね。図解必須。おい、犯人そこ代われ! むしろ俺はロリ切に座られたいw
ざくっと言うと、バラバラ殺人を起こした犯人を霧切さんが指摘する。
そして犯人は探偵として一緒に来た男の一人。その男は先に殺した探偵と入れ替わっており、自分の家族と身体を奪った犯人に復讐した。この男が被害者となった事件の犯人は探偵だったんだよね。自分の名を上げるために事件を起こして自分で解決していたという。
なんともやりきれないけれど、委員会のことを口にした男は警官に扮した何者かに連れていかれて、事故死した。
事件が終わり、結たちは探偵図書館に向かいランクアップしていた。
これも説明が難しいんだが、探偵図書館の分類には三桁の数字がある。初めの数字が得意分野、次が第一分類からさらに細かい得意分野、最後が探偵ランク。
初めの霧切さんは「919」、殺人犯・不可能犯・ランク9。
結は「888」、自由犯・誘拐・ランク8。
数字の0は総合を意味し、ダブルゼロとかトリプルになるほどすごい探偵となる。
この設定好きだなー。ロンパっぽい、楽しいわw
シリウス天文台事件で結と霧切さんはランク7に上がり、急激にランクの上がっている人ほど黒の挑戦を知っているのではないかと思い至る。
結と霧切さんが信頼を深め合い、ダブルゼロの探偵が受けた黒の挑戦に向かうところで今回は終わり。
いやー、次が楽しみ。ちょっと久々に満足できる作品でした。
だが、この後はどうなるのかね。結が探偵になった理由が妹を誘拐犯に殺されたというものだったが、これは委員会に狙われるんじゃないか。霧切さんとの信頼関係から対決になったら燃える。むしろ、結が霧切さん指名とかならないかな。もう私の中では結は委員会の手に落ちると思っているw
だってねー、「絶景のシリウス天文台」が「絶望のシリウス天文台」になっていたことからも分かるように絶望が関わっているんですよ。委員会は絶対に絶望側なんだ。
頼りなくも同じ探偵として信頼していたお姉さまが犯人になったら、最高の絶望じゃないか!
……やばい、これじゃ完全に江ノ島信者じゃないか俺。
では、そこそこ今回のお気に入りへ。
殺人に怯えつつも探偵として立ち上がる結のシーンが好きなのだが、今回は委員会の事が分かる犯人の最後の言葉を。
「結局……俺は負けたが、復讐を果たすことはできた。そういう意味じゃ、委員会に感謝するぜ。少なくともこの数日間、俺は救われていたのかもしれない。復讐という生きる意味ができたからな。すがすがしい最後だった。だが――それももう終わりだ」
委員会の言う「救済」はとても甘美なものだ。
犯人を教えてくれて何から何まで準備してくれる。探偵から逃れることが出来れば新しい自分として生きる道、そして金もくれるという。
さて、これからどうなるかな。結が傍にいるなら霧切さんは人間味が増すと思うが高校生で探偵として完成しているからな、乗り越えられているような気がするんだよなー。
何もかも、バッドエンド好きな私の妄想でありますように。
ダンガンロンパ霧切 1
北山 猛邦
講談社(2013/9/13)