声優志望の少女に与えられた役は、アイドル?殺人犯?
今日はついにテイルズの発売日ですな。
グランナイツヒストリーが無事に一段落したのでがっつり臨もうと思っているのだが、時間ェ……。
本の感想もたまっているので、さくさく行こう。
・あらすじ
声優を目指す林亜紀はアイドル・小沼エリンの声真似ができることから、声が出ないという彼女の声の代役に抜擢されてスイスへ行くことになる。だが、声が出ないというのはエリンの嘘で彼女は事務所の移籍問題を抱えており、撮影中のスイスで殺されてしまう。そして、亜紀はその犯人として山の上から突き落とされることに。
運良く助かった亜紀だが、落ちたショックで記憶を失ってしまう。カメラマンの杵家雄一郎に拾われてから少女趣味を持つ小山田の元へと渡り歩くことになるのだが、その先で犯人の一人と遭遇し、その後の一件を元に記憶を取り戻すのだが、犯人に母を人質に取られてしまい、母と一緒に跳び込むことになったドナウ河で帰って来たのは亜紀だけだった。
自分に罪を被せただけでなく、母の復讐のために亜紀は犯人のいる日本へと帰って来た。
・感想
やー、面白かったです。亜紀の総モテっぷりは半端じゃねぇですよw
いつも長くなるので物語にそうのはあらすじだけにしまして感想を行きます。
声優の卵である亜紀はエリンの声真似という特技を好きになれずとも売れるために頑張ってきた。声優さんのオーディションとかどんなものか全く知らないのですが、ここで書かれているような感じなんでしょうね。人数が多いなら何時間も待つとか。
そこにやってきたエリンの声の代役。だけどいつの間にか事務所の引き抜きとか、とんとん拍子に美味しい話がやってきて亜紀は喜ぶが怖いことこの上ない。
撮影の間、エリンが抱えていた問題を知ったこと、そしてホテルの部屋で死んでいるにも関わらずエリンが生きているかのように接するスタッフらを前にして、亜紀はエリンに嫉妬して殺した犯人として山の上からドーン。
ここから落ちで生きていて、なおかつ記憶喪失というのは赤川さんらしいと思いましたが、助けてくれた雄一郎、雄一郎のスポンサー小山田、アイドル・江上、日本で恋人未満な間柄の岡本、この全員が亜紀に行為を抱くというここだけピックアップすると超展開w
だけど、一番衝撃的だったのはドナウ河の一件。
娘を想って助けに来た母。だが、それは犯人の思惑通りで人質に。そして別れ……。18歳の亜紀がこんなにも短期間で成長したのは確実にこれが原因でしょうな。
最後の復讐劇は亜紀の男らしさに惚れそうだったが、何事も囚われちゃいかんとも思わせました。この犯人がテレビに囚われた最後を演出したように、ゲーム発売日以降の私は酷いからな……。
ま、この犯人たちのように一線を超えないように気をつけよう。過度な執着は何もいいことを生み出さない。
では、ここでお気に入りに。
犯人とジュネーブまで来た母は何者かに誘拐される。その誘拐犯に母はどこに向かっているのか尋ねた。その時の犯人の返答と母・有美子の反応を。
「ジュネーブのこと知ってるのか?」
「いえ別に……」
「じゃ、聞いても分からないだろ」
確かに理屈だ。――有美子は変なことに感心していた。
亜紀もそうだけど母も肝が据わりすぎていたw
この母親だからか結末の展開は素直に良かったと思いましたね。この親にしてこの子ありってやつですなー。
沈黙のアイドル
赤川 次郎
角川書店(角川グループパブリッシング) (2011/3/25)