2015年02月23日

冴えない彼女の育てかた3



『この髪型、似合ってるかなぁ、安芸くん?』(←今ここ)


 一年ぐらい前の自分のペースに戻れたのか、最近になって本が大分読めるようになりました。
 つい最近まで読めなくなっちゃっててね、十分くらいしたら持たなかったんだ。このブログの記事もぶっ続けては書けなかったし。ちょいちょい調子が戻ってきているようですが、考えた結果DQHは見送ろうと思う。まあ、すぐ買うことないかなーって。
 ……はい、セールで安くなっていたメダロット8買っちゃったんです。今はそっちをやりたいんです。


■あらすじ
 プロットが完成し、ゲーム作りも本格的に動き出そうとした時、メインヒロイン担当である加藤が急激な髪型チェンジを行ったことに面白おかしく動揺するメンバー。
 加藤にギャルゲーのキャラクターとはなんたるかを教えている最中に倫也が再会したのは、中学時代の後輩で倫也のオタクの愛弟子とも呼べる波島出海だった。
 出海の兄・伊織とは確執のある倫也だったが、コミケに参加するという出海の応援に来てその同人誌を手に取った時、彼女の本を売りたいと思う。
 そして完売するまでに至る実力の片鱗を見せられ、倫也が売りたいと思わせる実力だと知らされて、倫也と幼馴染・英梨々の確執が明らかになっていく。


■感想
 アニメが追いついちゃったから先にこっちの感想を書く。冴えカノ三巻です。
 最近本当につれづれなるままに書きすぎなので、スマートな記事を目指すぜ。

 今回は加藤の髪型変更事件で逆裁風スタート。
 つまり『異議ありっ!』のアレであるw
 私は逆裁をやったことがないんだが、今度機会があったらやってみようかなー。
 しかし、裁判ごっこは逆裁ではなくアニーmyラブ派とか先輩ェ……重たいはずだよ。

 検事・英梨々、弁護士・先輩、裁判官・倫也、被告・加藤なのだが、上にあげた被告の一言で大変なことになる展開はめっちゃ楽しかったです!

 英梨々はお嬢様友達と、倫也と加藤、ぼっち先輩という絶妙な距離を開けつつ帰宅する道中で倫也に一人の少女が抱きついた。そう、倫也が丁度語っていた後輩属性だよ!
 でも、アニメの0話にいなかったからサブなんだと思うんだ(酷)

 波島出海という、中学時代の後輩なのだが、倫也より乙女ゲーにハマり、夏コミで同人誌を売るという。
 そしてその兄・伊織は同人界のゴロらしく、売れればいい的な考え方の相違から決別した元親友だった。

 そんな伊織から英梨々ことイラスト担当・柏木エリの引き抜きの件を出されるのだが、英梨々は移る気はなく加藤も交えたお泊まり会で夏コミの準備は終わっていく。

 準備と言っても倫也たちは今回参加者なので英梨々の同人誌と加藤スケッチ会。しかし、乙女ゲーをやる加藤は可愛い。

 そうして倫也は加藤と夏コミに行くわけですが、これ、デートですよね? ね?
 出海も加藤を彼女なのではと言うが、こいつも主人公を狙っている方である。加藤を放って倫也は同人誌を知らしめるための準備に言ってしまうのですが、ここで静かに怒ってるとこも本当に可愛いなー。

 出海の本は真っ白の表紙の本だった。
 乙女ゲーとかの女子の楽しみ方を初めて知ったが、キャラ同士のカップリングじゃなくてキャラと自分のカップリングが好きなんだって。そういうのは考えたことないな、自キャラが無個性でも無個性ながらの個性は存在していてそこに主人公像を見つけるのが私のスタイルなのですが、自分とキャラとか考えたことないな。
 だから、主人公を好きになれないとハマれないんですがね。

 そんな乙女ゲーの中のとあるカップリングが好きな出海はマイナーなわけだが、その同人誌は粗削りながらも後半に行くにつれての書きこみ量と情熱が半端なかったのだ。
 すごい、だから倫也は売った。看板に拡大した中身を張って知らせて。

 コミケとか知らないので想像でしかないのですが、ああ、こういうのはいいよな。売りきった達成感とか、売れなくったって同士と話ができるというのは。
 しかし、カラー絵でのこの時の倫也と加藤はもう夫婦なんじゃなかろうか。

 三日目に参戦する英梨々がそこにやってきてしまい、出海の同人誌を手渡されるのだが、英梨々はそれをつき返してしまい、倫也とも仲違いしてしまう。

 放心状態になった倫也が加藤が呼んだ先輩によって慰められるのですが、なんでも子ども時代にオタクだったことで二人はいじめられているんだ。そして一人はオタクをやめて、一人はオタクを貫いた。
 それが道を違えた瞬間だった。

 再び先輩による仲直りシナリオが加藤の要望で乙女ゲー風になり、倫也は英梨々に薦められた乙女ゲーのセルビスという幼馴染騎士となり迎えに行く。

 この二人の仲直りは先延ばしになってしまうのだけど、英梨々の謝んないは効いたなー。謝ってしまえばいいと思うのだけど、倫也と話せないということに苦しくて泣いたのに、あんなにつらい思いをしたのになんで謝んないといけないのか。天罰ならもう受けたと。
 英梨々がすごいと思う絵師になるまで仲直りは延期しただが、出海にはちゃんと喧嘩を売っているところが幼馴染キャラの性質の悪さか。加藤がいなきゃ英梨々も可愛いんだがなー。

 さて、今回はサークルカットが出来たところまでで終わり。
 あまり加藤のことを語れませんでしたが、同人誌の売り子に倫也を慰めるためのお膳立て、乙女ゲープレイと大活躍じゃないか!
 その中から個人的にグッときたところを今回のお気に入りに。

 初めてコミケに来た加藤に倫也が解説中に具合の悪くなる人が出ることを伝えると、前回の倫也のようにかと加藤が聞くシーンがある。
 これはその後のやりとり。


「いや、あれは別の意味で無理を強いられたんだけど……いいよもう軟弱男で」
「あ〜、ごめんごめん。でもそんなに気にする必要ないよ、午前中の方はね」
「午前中の方は……?」
「さて、それじゃあ行こうか。この行列ってどこから並べばいいのかな?」


 午後のことまだ怒っているじゃないですか!
 あのあと先輩のところに行ってしまったことは怒っていると、言ってるじゃないですか!
 今回ちょこちょこと加藤が恋愛に関することなのか、そういう小競り合いに参戦し出して嬉しいな。
 ショートポニーも似合っていると思うよ、私は。






冴えない彼女の育てかた3
丸戸 史明
KADOKAWA / 富士見書房 (2013/3/19)


ラベル:冴えカノ
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2015年02月08日

冴えない彼女の育てかた2




「なによコイツ! なんなのよこの女! 後から出てきたくせに私のあのひとを横からかっさらうなんて!」



 GE2RBの体験版をやりました。vitaを取り返しました。そして、その俺の何よりも大切なゲーム機が壊されていたことを知りました。……私と兄の全面戦争はここでは割愛しますが、てか、聞かないでほしい。
 さて、GE2RB体験版ですが、思ったより鎌は楽しいですな。アラガミが堅くなっているのか神機のレベルが低いからか、ショートだとダメージ低くてやりにくい。かと言ってバスターだとゲージが溜まらない。ままならないな。
 新システム面がなぜかTOZを思わせるのだが、たぶんあまり使わないんじゃないかな。キャラ育成も予想斜め上感じで面倒だなーと思ってしまうのは私の悪い癖ですが、ちょっと嫌な予感がしているんだ。なんでだろ。
 あと気になったのは、ブラッドレイジがぽんぽん使えちゃうことかなー。代償ないのかこれ、残念だ。是非とも隊長にはアラガミ化してほしいのに。リーダーしてくれなかったからさ。


■あらすじ
 なんとかメンバーが集まり動き出した倫也のゲームサークルだが、今年の冬コミに発売という時間の短さにブーイング多数。
 それでもやっと動き出した夢のためにバイトに勤しむ倫也の前に現れたのは、親戚の男性と現れた恵の姿。恵にヒロインとしていてもらうために親戚と行くはずだった出来たばかりのショッピングモールに行くことになった倫也だが、当日知恵熱で寝込んでしまう。
 そんな中で霞ヶ丘先輩によるゲームのプロットが出来上がるのだが、倫也はその内容に納得が出来なくて、その理由を探るために一度はできなかった恵とのデートに向かう。


■感想
 なに言ってんのか分からないあらすじかと思うかもしれないが、今回のはだいたいこんな感じだ。
 というわけで、冴えカノの2巻読了です。アニメが結構早いので読む順番を早めたんだが、今巻の倫也が知恵熱を出したお見舞いがアニメの加藤不在の時に使われていたりしてちょっと頑張って読んでいかんとまずいなと思う所存です、はい。
 ちょいと今時間が取れないのですが、頑張ります。

 さて、今回の内容ですが、キャラの濃いメンバーと過密スケジュールのせいで早くも崩壊しつつある倫也のサークル。
 会話劇が面白いのですが、加藤のステルスは癒しw
 英梨々も霞ヶ丘先輩も分かりやすいくらい倫也が好きなので、どうでもいいことを振ってくる加藤には本当に癒されるぜ。

 しかし、そんな加藤が倫也のバイト先にイケメンを連れてきてしまったのでさあ大変。ま、大変なのは倫也だけだが。
 その圭一くんは医学生の親戚で僕らからすると眩しくて直視できないのだが、その圭一くんと一緒に行くはずだった新しく出来たという六天馬モールに倫也が割り込んでデートの約束を取り付けてしまうのだけど、安芸くんでもいいよ、と受け入れてしまう加藤の気持ちは読めないな本当に。

 しかし、モールの研究をして倫也知恵熱発症でデートドタキャンww
 その倫也の状況を知った加藤が英梨々に伝え、見舞いに行くという加藤を英梨々が抑え、英梨々が倫也の部屋でエロ同人描いている時に霞ヶ丘先輩がやってきてしまってと……女子の攻防怖ぇなおいっ!
 加藤は巻き込まれなくて良かったなー。

 しかし、そんな加藤もメインヒロインという大役が大変だったりする。キャラデザのために表情を作れという要望に応えられるほどの表情が出来ないんだ。ほら、「別にアンタのことなんか知らないんだからね!」な表情をしろとか言われても出来ないだろ? いや、出来たらその人は怖いわ。
 英梨々や霞ヶ丘先輩の方もクリエーターとして手は抜けないからいろいろ闇が見えたりするが、問題はプロットが出来た時に起こる。

 その内容は、転校先で出会った少女・巡璃(めぐり)に惹かれて恋人になる恋愛モノ。だが、巡璃の方は「出会い」を「再会」と言い、ふとした時に主人公を「お兄様」と呼ぶ。
 それから次第に彼女の様子がおかしくなり、異常な執着心をみせるようになる。そして主人公の方も過去の前世の記憶を思い出していき、巡璃が前世では妹の瑠璃であり、一族を滅ぼした敵と現代で向き合い、二人はやっと結ばれることになるという、ざっくり言うとこんな感じ。

 普通にやったらアレだけど、こういうトンデモな作品でも全力投球できてしまうのか同人だ。売れる売れないはもちろん大切だけど、やっぱり情熱がなきゃできないからね。
 ま、消費豚には想像しかできないんですが。

 倫也も内容を気に入るのだが、なぜか納得できない。
 それでプロットにOKを出せずにいると「また、結論を出さないんだ……」と呟いて去っていく霞ヶ丘先輩。
 英梨々の方も適切な指摘もなくOKを出さないだけの倫也に痺れを切らしてしまうしで大変なのだが、そんな中で一人当たり前のように傍にいてくれた加藤に倫也はデートのリベンジを申し込む。
 ここで聞えた物音はもうちょっと後で。

 デートの日、倫也は完全なアウェーに倒れてしまうのだが、マップと加藤の行きたいところを聞きだし、ホームであるコミケに臨む時のように立ち向かう。
 やり方は違うけれども倫也はなんでも受け入れてくれる加藤の我儘を引きだしたり、今日のお礼として眼鏡をプレゼントしてもらったりお返しに帽子をプレゼントしたり……ああ、超デートじゃん。

 そうして過ごした中で答えを見つけた倫也は加藤とはその場で分かれて霞ヶ丘先輩の元に走る。
 倫也と先輩の出会いは高校に入学してすぐだった。そのころにデビューし発売された『恋するメトロノーム』に惚れた倫也はサイン会で先輩と出会った。
 それからは作品のことを話したり、業界のことを教えてもらったりと、その作者とファンは一緒に作品を作っていた。
 しかし、その関係が壊れたのは最終巻の発売前。最終巻の初稿を読んでほしいと先輩が言った時のこと。

 それは一ファンには過ぎた名誉だった。
 けれども、ファンには過ぎすぎた好意だ。
 犬ハサで和人も言ってたけど、作品になっていないモノを読むのは違う。そしてその感想を言って、作品になる前のモノに口を出すのはファンの仕事じゃない。
 でも倫也はそれだけでなく、好きな作品が終わってしまうことに耐えられなかったってのもあるんだけれどね。

 いろいろあって先輩の泊まるホテルに行くことになった倫也。うん、終電無くなっちゃったから。
 プロットの問題点を告げる。それは最後には巡璃が消えてしまうこと。最後には瑠璃と結ばれるけれども、巡璃がいないじゃないかと。

 過去の女はダメなのか、とちょっと私情を挟んだことをいうのだが、倫也の答えはどっちも残したい。巡璃との日常も、瑠璃の強い想いも大好きだと。
 それから夜通しで手直し作業になるのだけれども、巡璃のキャラに対する倫也の拘りが半端ないなw 加藤そのまんまにしようって言ってない、加藤を基準に考えよう、みたいなw
 それで出来上がったキャラを元に先輩はプロット組み直すんだけど、作家はファンに恋しちゃいけないのかと本音がダダ漏れ。
 そうして迎えた朝、まるで朝チュンの現場のような写真が先輩から送られてくるのは内緒である。

 一方、加藤の方は倫也に置いていかれたスイーツ食べ放題の店で目の前には英梨々がいた。そう、あの物音は英梨々だったのだ。
 どうせ英梨々のことだから倫也待ちしてたのに加藤がそこにいるのでうろうろしてたらデートのことを聞いちゃって、ストーキングしてしまったんだろうけど、倫也がいなくなった加藤の前でスケッチブックに鉛筆を走らせる。
 そこでもいつもどおりフラットな加藤だったが、英梨々が描いたその表情はムッとした、置いていかれたことに怒っている表情。
 態度には出ないけれど、しっかりと加藤は怒っていた。
 ……やばい、やっぱ加藤は可愛いや。

 そんなこんなで面白かった二巻ですが、巻末に収録されているゲームの企画書は興味深いですね。こういうのってやっぱり消費者には縁がないもんだから。 
 次の巻も楽しみなんですが、外で読みにくい挿絵や口絵が多いので持ち運び用で読むのは辛いからちょっと時間がかかるかもしれん。
 まあ、アニメが進んだらまた慌てて読むでしょうが。

 では、今回のお気に入りへ。
 執筆中の奇行を見てしまった倫也をいろいろと気にする先輩だったが、そんなのは当たり前だと英梨々は言う。二人のクリエーターは世界を創作する自分を神様と言い、厨二的なことを言うのだが、今回はちょっとここは格好いいと思った先輩の台詞を。


「だから支配する。世界を征服する。絵描きは色で、物書きは言葉で。だって、あたしが使える武器はそれだけだから」


 この後アンチを脳内で潰す方法的な話になっていくのだが、ここだけはきっと本音じゃないかな。
 自分たちにできるたった一つで、なによりも強い武器。クリエーターさんの知り合いはいないのだが、こんな風に思ってくれる人の作品だからやっぱり僕らも惹かれてしまうんでしょうね。
 ほら、どう考えても手抜きとか設け狙いの作品とか、そういうのはやっぱり分かってしまう。そこまで馬鹿じゃないのにな。





冴えない彼女の育てかた2
丸戸 史明
KADOKAWA / 富士見書房 (2012/11/25)



ラベル:冴えカノ
posted by SuZuhara at 22:02| ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月03日

零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係




「余の子を産め」



 相変わらずVitaが取り戻せていません。
 さて、どうしようか。情緒不安定が絶賛加速中なんですが、TOZ以降ゲームしたいって感じがしないんだ。一応チャット制覇してアナザーエンドも見たけど、僕が知りたいことはなかったな。まさかとは思うけど、ゲームに飽きたのかもしれん。
 この先GE以外のゲームを予約していないんですが、私はとりあえず充電電池を駆使しながらGBAをやってます。


■あらすじ
 無桐伊織とともに入院中の哀川潤を襲った零崎人識だったが、返り討ちに会い請負人の仕事を手伝うことになってしまい、同じく入院していた闇口崩子を拉致して闇口衆が住む大厄島に向かうことに。
 崩子の兄・石凪萌太の依頼によりデスサイズを取り戻すため、哀川潤と伊織は負ければ崩子の父にして生涯無敗の結晶皇帝(クリスタルカイザー)六何我樹丸の子どもを生むというペナルティの科せられた大厄ゲームに挑むことになる。


■感想
 ずっと読みたいなと思っていて買えてなかった人間シリーズ。やっぱり本屋のない町に住むとかきついんですが。
 何件か探し歩いてやっと伊織との関係の話だけ買えましたが、肝心の戯言シリーズを忘れているのでちょっとちんぷんかんぷんです。
 てか、ちょっと調べたら私、曲識の話読んでなかったわー。

 さて、物語は本編で萌太と哀川潤が一緒に行動した時、萌太はファーストキスを報酬にとあることを依頼していた。
 そんなことなど知らずに想影真心との戦闘で入院していた哀川潤を襲撃した人識と伊織はあっさり返り討ちに会い、萌太からの依頼をこなすため、崩子を拉致って大厄島へと向かう。

 この島は昔萌太と崩子が逃げてきた故郷であり、崩子の母親である闇口憑依なんか崩子をいないものとして扱う始末。
 ここに至るまでにヘリで向かって哀川潤を挑発したらパラシュートなしで飛び降りちゃったりとかいろいろあるのだが、いーちゃんを殺したって言って崩子で遊ぶとかw

 以外にもあっさりと敵の本丸に連れていかれた先にいたのが六何我樹丸。なんでも趣味は子作りとかで、哀川潤と零崎女とか最高じゃねぇのとばかりに子作りのためにゲームを組んでくる。
 このゲームはなんとも説明が難しいんだが、要するに鬼ごっこ。兎組と狐組に分かれて大きな樹の下に兎は辿りついたら勝ち。狐は当然狩るわけだが、兎はバンダナをつけていてそれに模様がついていたリーダーが狩られたらゲームオーバー。

 狐さんとか大嫌いな哀川潤は当然兎組で参加者は子作りに狙われた二人は勿論、人識と崩子。人識は伊織のこともあるし家族からいないものとされている崩子のこともあり参加し、崩子に至っては戦闘スキルなどないが地理に詳しい理もあり参加を表明する。

 対する狐組は我樹丸と憑依と石凪砥石。砥石は萌太のデスサイズを使う死神でゲーム開始の前にちょっと人識とごたごたがあったことの関係で参加したんだと思われる。

 さて、肝心のゲームだが、哀川潤も人識も、伊織も崩子も、完全なんかには程遠く、ズタボロにされます。崩子vs我樹丸とか絶望だけれども、いーちゃんたちに頼まれて崩子を助けにやってきた真心参戦で哀川潤もボロボロだし。

 それでも、人識の伊織の関係はよかったです。
 双識以外は家族じゃないと言っていた人識だが伊織のことも大切に思っていて、もう人殺しをするなとそれが終末医療だと言われているにも関わらず、砥石が伊織のところに行くと言ったら立ち上がる。
 伊織もまだ腕を切り落とされても、憑依が人識のところに行くと言ったら枷が外れてしまう。零崎が抱える殺人衝動を決壊させてしまう。
 それでも、伊織は殺さない。だって人識と対等でいたいから。家族だから、人識に甘えてばかりではいられない。

 崩子の方はこれまたボロボロに痛めつけられますが、我樹丸に反抗し続けて自分を認めさせる。
 いや、このパパも悪い人ではないんだと思うんだ。ちゃんと二人の子どもの名前を覚えていたしな。

 そこにこれまたこれまたボロボロな哀川潤が現れて、真心を寝かせてきたらしく疲れ切った彼女はあっさりと負けを認めるんだ。
 でも、それではデスサイズは取り戻せない。
 だが、そんなものはどうでもいい。初めから萌太の依頼は勝手に連れてきてしまった崩子を過去と向き合わせること。以外と言うか案の定にも依頼達成率の低い請負人は今回ばかりは依頼を無事にこなしたのでした。

 しかし、人識が砥石とともに姿を消してしまって今度は伊織が哀川潤に依頼して人識探しとなるようである。語られた砥石が零崎となる展開も面白いと思うんですがなー、書いてくれないかなー。

 家族というコミュニティに屈折した考えを持つ私は零崎という一賊が大好きなのだが、今回の絶滅寸前な様子は辛かった。
 でも、だからと言って面白くないなんてことはなく、他の人間シリーズも読みたいのですが、今回のような()が多様される書き方だと読みにくい。苦手なんだよね、括弧表記の説明って。
 ちょこちょこ覚えていないところが多かったんで、先に戯言使いとの関係を探そうかな。いーちゃんとの関係は気になるじゃないか。今回でも「一体じゃない表裏」って言われていたし。

 では、ここいらで今回のお気に入り。
 崩子が我樹丸に萌太だけが家族だと啖呵をきるシーンで思い出した萌太の言葉を。


 逃げて逃げて、どこまでも逃げて、そしてその先で――本当の家族を探しましょう。
 きっとどこかにいるはずですよ。
 血は繋がってなくとも心で繋がりあえる、そんな人達が――そういう人達と、一つ屋根の下で、いつまでも末永く。
 幸せに暮らしましょう。


 いーちゃんが暮らしているあの骨董アパートはさ、本当に家族みたいだよな、みいこさんとか二人が慕うのは本当に分かる。
 だから、そんなにも大切に思って辿り着いた先があのアパートだったことが嬉しい。萌太のデスサイズも最後にはアパートに戻ったからね。






零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係
西尾 維新
講談社 (2014/10/15)

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2015年01月20日

冴えない彼女の育てかた




「俺は、お前を、胸がキュンキュンするようなメインヒロインにしてやる!」


 人の記憶は匂いと一番結びついているらしいが、私の場合は音だったりする。人の顔はてんで覚えられないけれど、声は結構覚えている。
 だから、GE2RBのEDがMay J.さんというのは俺的に衝撃的すぎるニュースなんですが。声だけで歌っている人の顔が思い出せちゃうのが苦手なんだが、え、マジで? マジなんですかこれ? 露出の多い人だからばっちり顔が思い出せてしまうんだが。
 ……どうしよう、めちゃくちゃ楽しみにしていたけれど買えないかもしれん。音に関しては本気でダメなんだよ俺。


■あらすじ
 とある女の子との出会いを運命の出会いだと感じた安芸倫也はその時の感情を元にギャルゲーを作ろうとするのだが、知り合いの絵師と小説家はその形にもなっていない妄想を蹴散らす。
 それどころか、運命の女の子は一年以上同じ学校、春からは同じクラスだった加藤恵であることを知り、彼女の普通さに倫也が感じていた運命は打ち砕かれることになる。
 しかし、そんな普通な加藤の魅力を引き出すためのギャルゲーを作ると決意し、なんとなく付き合ってくれる加藤とともにサークルを立ち上げてメンバーの勧誘を始める。


■感想
 最近思うんだ、このあらすじって普通にコピペすればいいのになって。私が曲解して書くことないよなって。けど今までこうやってやってきたんだからこれからもこれで行くんだがな。

 まず初めに、今回は絶賛アニメ放映中のサエカノ1巻です。
 実はかなり前から薦められていたのだけれども、ちょっとラノベに食中を起こしていたので手に取っていませんでした。
 アニメの1話……あれは0話か。ともかく初回の入浴シーンにもめげずに観ていたら、加藤が気になったので本を買う。とりあえず全巻。
 ――うん、友人がすっごい嬉しそうな顔してたなぁ。

 そんなこんなで現段階での私の知識はアニメ1話を観たところなのだが、そんな感じで1巻読了なのです。

 始まりは倫也が幼馴染にして絵師の澤村・スペンサー・英梨々と憧れのラノベ作家の霞ヶ丘詩羽をサークル勧誘してぶった切られるところから。
 ちなみに加藤も傍にいて、そこから過去を振り返っていく感じ。
 アニメとは違って原作の方ではまだ二人の本性は明かされていませぬ。

 まだ序盤も序盤だけど、原作とアニメは大分違う。
 主人公の一人称であれこれ言ってるのが好きな人は原作の方がいいと思う。私的には原作の方が好きだな。
 坂の上から転がってきたUFO――もとい、ベレー帽を拾うために自転車で爆走しようとして、交通違反的に全力疾走に切り替える。そんな泥臭い感じの倫也は好感が持てる。

 桜の舞う坂の上、女の子、拾った帽子。
 それこそ『これなんてエロゲ』な展開での出会い、その女の子を倫也はどうにか再現したくて同人でギャルゲーを作ろうとするのだが、再会は呆気なく訪れる。
 先生が呼んでるよ、と伝えに来たクラスメートその二は去り際についでのように、「この前、ありがとね」と言う。

 この前とは、帽子を拾ってくれたこと。

 倫也が名前すらきちんと覚えていなかった彼女・加藤恵がその時の帽子の少女だった。
 ここまではアニメで観ていましたが、正直最後の加藤は卑怯だと思うんだ。こんな子が普通とか、もう美少女とかいらないな。

 この後加藤は倫也のお茶しないかの誘いにホイホイとついてきちゃって、気安い何気ない、だけども男女としては全く心惹かれないダベりが繰り広げられる。
 倫也じゃないけど、加藤のフラグブレイカーっぷりは笑ったわw

 自分は地味だからと目立つオタクの倫也とは違うことを加藤が言った時、倫也が地味は個性だということでとあるギャルゲーの一ヒロインについて語るんだけど、その時に思ったんだ。
 いかん、これって丸っきり僕らじゃないかww
 ゲームのキャラクターについて熱く語り、簡単に飛ばされた日付に怒り、こっちの気なんてお構いなしにあっさりと変わってしまうキャラクターに悲しむ。ほらっ、まんま僕らじゃないかww
 やばい、倫也を嫌いになれないはずだわ。

 そんなことをいきなりフルスロットルで聞かされた加藤はぽかーんな上に、「お前はキャラが死んでるんだよ!」とか酷いこと言われるのに、次の日シカトとか怒りもせずにあくまでフラットに倫也に挨拶をしてくる。
 だから、倫也の方も加藤恵をメインヒロインとしたギャルゲーを作るとか言い出しちゃんだが。

 まあ、ここまでだと倫也と同じで加藤には萌えよりも気安さで居心地のいい感じが勝つ。こいつ全然乗ってこないけれどこっちのことを見捨てたりしないで付き合ってくれるし、多少無茶してもいいだろう的な。
 だからなのか、加藤はこれまた普通に倫也の家に遊びに来ちゃってゲームが終わるまで返さないとか言われても軽く受け入れちゃうんだが。
 そのなんの脈絡もなさすぎる反応には、きっと本人が隣にいても何かをする気なんて起こさせないんだろうな。信頼されてるとかじゃなく、眼中にない感じで。
 不思議な子だな、と読んでいる間ずっと思っていました。

 ま、加藤にギャルゲーをやらせている間に倫也が仕掛けたDVD爆弾が破裂しまして、坂の上の豪邸より幼馴染の英梨々がキレて乗り込んでくる。
 みんなの憧れ金髪ツインテ―ルお嬢様が、髪ぼさぼさの緑ジャージスタイルで。うん、いいところで終わったアニメの次の回が実写グロになっていたら乗り込むわ絶対。

 十八禁同人作家さん――ってちょっと待て、俺のパソコンが今「じゅうはちきん」を「銃はチキン」と変換したぞ! やめろよ、銃の悪口言うなよ! 寝起きで頭クラクラしてんのがバレるじゃないか。
 まあそんなこんなで英梨々を絵師として再び誘うが、やっぱりぶった切られて、その隣でギャルゲーの選択肢ミスする加藤が可愛いいというね。うん、翌日英梨々にバラすなと脅されてて素敵でした。

 次の倫也の行動は全五巻のラノベを加藤に布教する。加藤が一日で読んでくれて一方的に濃い感想トークをしながら向かったのは、その『恋するメトロノーム』の作者・霞詩子のサイン会。
 加藤一人がドキドキして待っていると、一学年上で有名な秀才・霞ヶ丘先輩だったというわけである。

 この後倫也と霞ヶ丘先輩の関係、霞詩子の熱烈なファンサイトの管理人が倫也だったことが明かされる。
 英梨々が一年前のことで霞ヶ丘先輩に何か思うことがあるのは入れ込んでいたからなのかな。霞ヶ丘先輩の方は犬ハサの霧姫と和人の関係に似てるんじゃないかと勝手に目星をつける。

 そんな感じで二人にアプローチをかけるわけだがやっぱり断られてしまって、倫也はGWの明けに最後の企画書提出機会を貰う。
 この時加藤は家族旅行で北海道に行ってしまうのだが、だからこそ倫也は一人でクリアしなければならないことがあった。

 二人が企画に乗ってくれない最大の理由は、加藤にやる気がないから。
 付き合いがいいのも巻き込まれてくれるのも、加藤自身が自分で動いていないから。

 倫也の企画書作りは論文提出前の自分みたいで胃が痛くなる状況で、ほら十分寝ようか頭すっきりするし。あれ、朝だ。待て待てまだ本気出す時間じゃない。とりあえずネットでも開こう、みたいなw
 でも、最後の最後で加藤のことを思い出して気づくんだ。
 あのフラグの立たない会話、本当はもっと違う加藤に会いたかったんじゃないかって。
 もっとテンプレで使い古されたギャルゲーのような、恥ずかしくも愛しいような会話が。

 今までの加藤との会話を理想の会話に書き換えてみてやっと分かったこと。それを倫也はギャルゲーで実現したかったのだ。
 だって、どんなに一緒にいるのが気楽でもあまりにも理想的な友達すぎて、ふられたってことに気づいてしまったから。

 ああ、本当だ。
 どんなに加藤が近くにいても、きっと彼女は特別にはなってくれない。その確信が、残念ながら出来てしまう。
 楽しいだけでも十分だけど、擦れ違ってつらい思いして仲直りだってしたいじゃないか。

 そうしてできた企画書を持っていこうとする倫也はあの坂道で、運命に再会する。
 あの時のベレー帽に白いワンピース姿の加藤がいた。
 運命のやりなおしだって行って、失敗してしまった再会をやり直す。もうな、ここの加藤はすごい可愛い。
 先っぽ――違う、一秒だけなんて言ってキスしようとした時に英梨々たちの邪魔が入ってネタばらし。

 実はこのやりなおしはキャラクターデザイン・英梨々、シナリオ霞ヶ丘先輩、役者・加藤による演技だった。倫也の行動によって五十通りのパターンがあるとか、むしろそれを見せてください。
 加藤の方は旅行は早めに切り上げて帰ってきていたんだけど、倫也が企画書で忙しそうだったので二人の説得を行っていた。けど、加藤から動いた時点でそれは決着がついていて今回の演技の準備をしていたらしい。羨ましいな、倫也そこ代われ。

 でも、加藤はシナリオ通りなんて言っていたけれど、霞ヶ丘先輩曰く、シナリオ外れて二人の世界に行っていたらしい。
 英梨々と霞ヶ丘先輩が倫也のことを好きなのは分かるけど、加藤の方はどうなんだろうな。言葉からじゃ感情がつかめない。ああ、厄介な子を好きになったかもしれん。

 次も買っているので続けて読むかもしれませんが、続きが楽しみです。英梨々も霞ヶ丘先輩のこともあんまり語られていないのでそっちがメインになってしまいそうだが、頑張れ加藤。
 俺、お前が攻略できるならゲーム買うから。vitaも取り戻してみせるから。

 さて、今回のお気に入り。
 最近ちょっと確信に迫ったところを抜き出しすぎたので、倫也と加藤の会話でも上げてみる。
 学校でお嬢様モードの英梨々に脅されたことに対しての会話。あ、加藤はこの前々日に倫也の部屋に泊まってます。英梨々も一緒に三人でギャルゲーして朝を迎えました。


「あ、安芸くん……なんなのあれ?」
「なんなのも何も……週末にパジャマパーティーで語り合ったお友達だろ?」
「わたしパジャマ着てなかった……安芸くん持ってこいって言わなかったし」
「落ち着け、論点がずれてる」


 こういう切り返しが、私は好きでたまらないw
 なにを行っても変に深刻にならないところとか、脱線したって楽しいところが。
 でも、こういうのってやっぱり友達だからなのかな? 恋人になったらなくなってしまうものなのか。そんなの人それぞれだろうけど、それはそれで悲しいな。






冴えない彼女の育てかた
丸戸 史明
KADOKAWA / 富士見書房 (2012/9/7)




ラベル:冴えカノ
posted by SuZuhara at 22:53| ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月05日

ケモノガリ 8



 楼樹を待ち受ける、運命の道を違えた自分(アストライア)との死闘の結末は――。


 防衛班の帰還クリアしました。うん、一週間くらい前に。
 久々にGEをやったせいなのか、隊長の後ろ姿が頼もしすぎた。シュンと二人で四匹倒すミッションで、サクッと三匹倒してシュンを助けに行くとか男前すぎるw てか、シュンはもうちょっと頑張れよww
 冗談抜きに言えば、ジーナさんがよかったな。あの人ってイマイチ分からんかったんだが、今回めっちゃ好きになった。ま、私の中ではタツミさんの最後の帰るコールが全部持っていたったんだがな!


■あらすじ
 ついにアストライアの元まで辿り着いた楼樹は、自らの全てを犠牲にして決着をつけることに。
 クラブ本部へ乗り込んでいたCIA陣は次々と仲間が倒れていく中でCIAの老兵たちの無謀な特攻もあってバレルガニア義勇軍と増援を得て教皇・ヴァレリオとともにあやなはクラブの創設者“虚無(ホロウ)”と対面する。


■感想
 ついにケモノガリ最終巻。
 思えば遠くに来たもんだ、と感慨深くなるけれど、それよりも自分が最後まで一つの作品に向き合えたことが驚きだ。最後まで読んだラノベって黒ポリとゾアハンターだけでなかったか……。
 ふむ、作者さんが好きだと読めるんだねー。語り口が好きなんだ。

 さて、あらすじだが今回は手を抜いているのではない。
 そんなところで語るのがもったいないから書かなかったのである。では、話そうか語ろうか最後の物語だ。

 イヌガミを失い、“悲哀(グリーフ)”サイクロプス・ジャックを倒した楼樹はついにアストライアの元に辿り着く。
 そこにはアストライアと一人のナースと“虚無”……。
 虚無はナースに介護され、なんとか生きているという状況だった。アストライアに彼はここから逃げられないから僕を殺してから殺せばいいと言われたこともあったが、楼樹はアストライアに連れられて決戦の舞台へ。

 一方、CIAの方は中々熱い展開。
 チトラカが走って囮となり、もうウェイターとボールパルバニーの二人が囮を狙うヘリをRPGで狙撃する。そんな作戦を見透かしたようにヘリは本命を狙う。
 ボールパルバニーは思わずRPGを打ってしまうんだけど、ウェイターは逃げようとしたのかRPGを放り投げる。
 だが、彼は逃げようとしたのではない。放り投げたのは可能性を繋げるため。

 前回で死んだと思われていた悪運の強い男・パッドはもう己は助からないと判断したナヴァロンにより思いっきり突き飛ばされて、なんとか生きていた。
 そして彼はウェイターからのRPGを受け取ってヘリを撃墜する。くそぅ、なんだよCIA陣熱すぎる!

 だが、それで終わりではない。残る三人とも満身創痍、武器もないというのにも関わらず、クラブ側はぞくぞく湧いてきて死を待つばかりの持久戦を強いられることに。

 シャーリーとシャカールは“謙虚(モスディ)”クレアを追跡していた。そこでシャーリーの「子育てしたい」発言にシャカールは娯楽提供者相手に相打ちとなる。
 どちらかが犠牲にならねばならない。けれども、これから母になろうという女を犠牲になど考慮すらしないというジェントルメンを踏み越えて、戦いはシャーリーとクレアの一騎打ちへ。

 舞台はクレアのホーム。その展示室には加害者と被害者のモノ、娯楽提供者たちの武器が飾られた部屋でクレアが圧倒的に有利だった。
 だが、シャーリーとて楼樹と駆けた一年がある。楼樹が倒したあの何かと名前が上がる娯楽提供者の武器を使い、クレアに勝利する。
 クレアは死ぬ間際にある機能を作動させていて、残り一時間以内に残る二人――アストライアと虚無を殺さなければ核保有国に無差別に生物兵器発射するよというもの。バイオハザードだよ。

 シャーリーは対空ミサイルを無効化したところで閉じ込められてしまっているのでここで一端フェードアウト。
 ここらで同時に対空ミサイルがあっても突っ込んで行ったCIA老兵ジャック・ベイカーによるミサイル狙撃があり、義勇軍の援軍、グレタが戦場に想うことなど、最後なんだなぁという展開がありますが、グレタのシーンが好きかな。

 もうこの手を血に染めることはない。これが最後だ。
 それを少しさびしいと思うのは、大好きな人を近くに感じられなくなるからか――みたいな。
 やべぇ、大統領が乙女だww

 ちょいと順序はバラバラになっているが、楼樹とアストライアの戦い。アストライアも楼樹と同じでごく普通の少年だった。ただ目の前で友達がシリアルキラーに殺されただけ。次が自分の番になったから殺し返しただけ。
 楼樹とアストライアはどうしようもなく似ていて、それ故にお互いが許せず殺し合う。どっちが強いのか、それを求めて数々のものを捨てて戦い合う。

 そんな中、あやなは教皇・ヴァレリオとともに虚無に会っていた。
 虚無の正体はヴァレリオの父で、彼は狩られた者たちの生命を輝かせるためにクラブを開設したと言う。
 だが、彼の高説も他者が自身に抱く殺せないという感情もあやなには関係がなかった。楼樹が殺すだろうけど、間に合いそうにないからと生命維持装置のスイッチを切ってしまう。邪魔な石は退けるのである。
 虚無の死は一巻のミスターに似てるよね。ま、こっちの方が絶望だろうけど。知っているか、恋する乙女を敵に回しちゃいけないんだぜ。

 楼樹とアストライアのお互いの記憶を削ってケモノとなっていく戦いは壮絶の一言。右腕を取れば喉をやられ、鼻を折れば視界を封じられる。
 どんどんケモノへと向かい、お互いの優劣を決めるためにだけ戦い合う二人の元にあやなは駆けつけて呼ぶ。楼樹の名を呼ぶ。

 楼樹にはそれがもう分からなかった。
 けれども、戦いから意識を逸らす分には気を引いた。
 そしてあやなを見た楼樹は執着していたアストライアの元を離れてあやなのもとへと向かう。

 勝者は楼樹だったんだけど、アストライアの存在はここまで読んで来た者として辛かったな。
 言ってしまえば、アストライアは楼樹なんだよ。
 ただ楼樹はケモノガリになったけれど、アストライアは自身がケモノになったということだけ。

 死の間際、アストライアは思い出す。
 友達――少女は死ぬ時に信じていた。彼は勝つ、と。彼の才能を知っていた少女は彼が正義を成すと信じていたのだ。
 なにもかも失った。でも、思いだせた。彼女のなによりも大切で――その名前は「アストライア」というのだ、と。
 彼と楼樹の違いは、才能が目覚めた時に大切な人がいるかどうかだったんじゃないかな。楼樹だってきっとあやながいなかったらケモノになる道を選んでいたと思う。
 だから、きっとほんの少し運が悪かっただけ。そんな些細なことが彼と楼樹の分けたんだと思う。

 クラブとの戦い聖父たちが死に、残るスタッフは自害するという形で決着するが、死にかけの楼樹は燃え尽きていて死者のように眠り続けるという三ヵ月が過ぎた。
 楼樹は日本に戻っていてあやなに世話をされながらなんとか生きていた。楼樹の見舞いに来た妊婦シャーリーの相手とか子どもの名前とか突っ込みたいところいっぱいですけど、早いとこエヴォリミットも移植してくれ! 気になってしゃーないじゃないですかっ! あの、どう見ても悪役ポジションの息子がどんな人間なのか知りたいんだよ!

 話はまだまだ終わらず、島でアストライアと虚無と一緒にいたナース、娯楽提供者ナイチンゲール・リッパーが楼樹を殺しにやって来たのだ。愛しいアストライア、あなたを殺した男を許さないってヤツですが、勿論アストライアとそういう関係というわけじゃないです。向こうの一方的な愛です。
 ここであやなは楼樹を助けるために動くが娯楽提供者相手には歯が立たない。そんな様子を知り、楼樹は自分の中の赤神楼樹(ケモノガリ)と対話する。
 あやなを助けるためにケモノガリが必要だ。しかし、彼女が求めているのは僕じゃないんだ。

 才能を捨ててただの楼樹となった彼はナイチンゲール・リッパーを殺すことを決断して――こんなとことですかね。さすがに最後までは書かないであるよ。
 ちょっと休日でもないのに感想を書くのは無謀だったのか、文章がガタガタな上に支離滅裂で申し訳ない。

 ケモノガリをここまで読んできて。
 いやー、面白かった。赤神楼樹というなんの才能もない人間だった彼が、殺人という才能を目覚めさせられて人を狩るケモノたちを狩るケモノガリとなる。
 一巻冒頭、才能を目覚めさせるシーンでちょっと読み返したのだが、楼樹は才能であるのちのケモノガリと会話してるんだよね。僕を起こせ、彼女がどうなってもいいのか?って。

 そんなケモノガリとの会話が最後にもあって、楼樹とケモノガリは一貫として大切なモノが一緒で、ケモノガリが最後ある決断をするんだけどこれを読んだ時、きっとクラブのことがなければケモノガリは楼樹が目覚めることなく才能を埋没をそれで幸せだったんだろうな、なんてちょっと思った。
 楼樹はケモノガリとなってたくさんの人を救い、たくさんの人を殺した。そんな中で一番印象的なのはやはり一巻の、あやな以外が返事をするのが怖かったという、あやなならば受け入れてくれるだろうという信頼と楼樹への揺るぎない信頼を持つあやな。

 この女が怖い、と確か何度か書いたが、やはり怖い女でしたな。怖いと表現するのが正しいのか、今ではちょっと悩んでいるけれども、あやなもどこかタガの外れた人間だった。比翼の鳥とシャーリーは二人を例えたけれど、なんかあやなの方は楼樹と一緒にいるために自分で翼をもいだような印象があるんだよね。なんでだろ?
 最後に楼樹を助けるために戦うところも、これまでの非日常へのなれではなく虚無を楼樹のために殺したように楼樹を狙うから対処したという感覚があるからかな? さすがに娯楽提供者相手には通じなかったけれど、この二人はそっとしておいた方がみんなのためではなかろうか。

 このまま思い返してイヌガミやら好きな娯楽提供者について語りたい気もしますが、やたらと長くなったのでここらで終わりにします。機会があれば全巻読み返してまた感想を書きたいところですが、重複するだけなのできっと書かないでしょう。
 これにてケモノガリ閉幕。

 では、最後に今回のお気に入り。
 今回はやはりあやなと虚無のシーンかな。自分を殺すことで人の心に傷をつけること、それが虚無の武器だった。こんな死を超越して神にささげたような人間を殺す、それがどれだけのトラウマになるのか。だが、例外は存在する。きっと殺せるのは楼樹やシャーリー、そしてあやなだった。


 ケモノたちに智と信仰を剥ぎ取られ、輝く者たちがいる――それらは時に善人であり、悪人であり、小悪党であり、非凡な者と凡人たちだった。
 ケモノたちに牙を向ける怪物がいる――それは赤神楼樹。ケモノを狩るためにケモノガリとなった者だ。
 ケモノたちを、ただの人間として扱う者がいる――それが貴島あやな。彼女は、過たず人間にとっての究極の闇だ。
 恋心。
 そんな、時に人々が忘れ去ってしまいそうな……そして誰もが持つ普遍の感情で、あっさりと光を駆逐した。


 最終巻の表紙はこんなにもらーぶらーぶしているのに……。
 愛に満たない恋心で行動するあやな。これで楼樹を愛しているからと行動するのであれば怖いと感じなかったんだけれども、愛かどうかは分からない。ただ好きだとは思うぐらいの感覚。
 平凡な少年と平凡な少女だった二人。クラブの敗因はとんでもない二人を起こしてしまったせいだろうな。






ケモノガリ 8
東出 祐一郎
小学館 (2014/6/18)
posted by SuZuhara at 03:10| ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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