2017年01月28日

霊感少女は箱の中



 おまじないを誰かに見られたら、五人の中の誰かが死ぬ――


 ご無沙汰していますが生きてます。少々忙しいと言うこともありますが、今まで顔を出せていなかった一番の理由は寒いこと。だって、私の部屋寒すぎて凍る勢いなんだ! 暖を取ろうとベッドINすると寝ちゃうんだよ。
 というわけで、最近はゲームもできてないです。でも本は読んでいるからえっちゃら感想書いていきます。


■あらすじ
 心霊事故に遭遇し退学処分となった柳瞳佳は転校先の銀鈴学園でチェーンメール『友情リレー』に巻き込まれることになる。指定の人数に回せるほど友達のいなかった少女四人組からメールを回さずともすむおまじないを行うメンバーに組み込まれたのだ。
 しかし、おまじないをするために五人以外誰もいない場所で鏡に向かって一緒に撮った写真には霊が写ってしまっていた。
 おなじないをした少女の一人が消えてしまい、瞳佳は関わるまいと思っていた心霊案件を請け負う占い師である同級生・守屋真央に相談することになる。


■感想
 相変わらずちまちまと怖い系に手を出しています。
 しかし、やはり私の怖いという感覚は子どものころに起因するものらしく、童謡『たき火』とか聴くだけ結構キツい。
 そんなこんなで、今回この本を手に取ったのは私のトラウマの一つであるチェーンメールについて書かれているようだったからという理由。
 だがしかし、私はこの作者さんを知らなかったのだが、学生時代に友人がめちゃくちゃ勧めてきた『Missing』の作者さんだったとは。久々に友人を思い出してほっこりしたのは内緒です。

 さて、ざっくり説明すると以前の高校を退学になった瞳佳は心霊にだけは関わるまいと決めていたのだが、お人好しの転校生ということで気弱な少女のグループからチェーンメール『友情リレー』を止めるためのおまじないをするための人数に入れられてしまう。
 ……これな、経験談だが私はこの手のメールを送ってきた時点で友達やめたからな。怖い系ではなくメール止めたら金払え系のメールだったんだけど、その頃はチェーンメールを知らなかったし冗談としても笑えないじゃないか。心狭いと思ったけど、笑えない冗談はダメなのである。

 しかし、いきなり送られてきたメールに引きつつも瞳佳は事情を聞いて受け入れてリレーを止めるおまじないに参加することになる。
 これまたざくっと友情リレーについて説明すると、メールを回した人とはずっと友達。けれども、他の四人の友達に回さなかったら友達いないからこの友情もなかったことになるよ、という感じ。ぼっち殺しか。大切な一人、二人の友人すら狩りに来るとか怖ろしいな。

 だが、このメールを回さずとも友情を続けることのできるおまじないがあると言う。リレーで回さなければならない人数と一緒に他に誰もいないところで鏡に映り、人数を数えてから鏡に向かって写真を撮る。それを持っていればオッケー、というものなのだが、いざやると心霊写真が撮れて六人写っている。
 誰かに見られてはいけないのに、六人目がいた。

 ギャー、と帰るわけだが寮の門限があった瞳佳以外は一人が落とした携帯を探しに戻っていたらしい。そして、そのままいなくなった。

 これはおかしいと学生にして開業をしている占い師である同級生・守屋真央にお金を払ってみてもらうことに。
 真央の仲間には巫女さんや自称魔女の少女がいるが、今回は顔見世程度なのであまり深くは掘り下げられていない。巫女の芙美はちょっと性格的に好みですが、見た目はダントツ那琴だなー。

 現場に行ってみると、とくになにもないのだがいなくなった少女が探していた携帯を鳴らすと洗面台の排水溝の中から鳴っていた。

 心霊現象に遭遇する霊感少女だった瞳佳は、自分を見ても何も言わない真央が霊感がないことを看破していた。霊媒(ミーディアム)として真央の調査に関わっていくことになるのだが、ここまで読んでガチに心霊な小説だと思っていなかった私は焦った。怖いとは感じなかったが霊は苦手なのだ。怪異であってほしかったのだ。
 これを書いている間、怖い話流しているせいか嫌な予感がガツガツしているよ。霊感とかなくて本当に良かったや。

 真央は特別な箱を持っていてそれが在るから霊感がなくても占い師としてやっていっている。芙美や那琴がいるのもその箱のため。棺とか嫌な予感しかしないね。
 調査していくと、いなくなった少女は汚水溜まりと化した池で見つかった。

 次々と分かるのは彼女がいじめられていたこと。嫌がらせで友情リレーが送られ、数少ない友人を失わないためにおまじないをして死んだ。
 彼女の言葉を聞くために交霊会が行われることになったのだが、箱と瞳佳の存在によって交霊会はばっちり成功する。しかし、少女の友達三人のうち二人がいじめの対象が自分たちにシフトしていることからいじめっ子を殺してくれと願ってしまったことから少女は悪霊として召喚されてしまう。

 極小の地獄である箱、真央の家族を飲み込んだ箱に少女の霊といじめっ子たちは呑まれて行く。
 少女は友達のために悪霊となったとあるが、これはやだなー。友情だけは信じさせてくれ。やっぱり霊に関する話は苦手だ。
 ロザリアの棺、瞳佳に関する秘密は面白かったんですが、少々予感はあったよな。真央の奇妙な仲間たちに瞳佳も加わって続くという感じでした。

 なかなか面白かったんですが、霊関係は苦手なので次は読まないかも。けれども、文字だけで恐怖を表現するのはなかなか難しいと興味深くもありました。怖いって本当に難しい。

 では、ここらでお気に入りですが、今回は印象的だったところを。
 交霊会の最中に死んだ少女の友達だった二人が死を願ったシーンを。彼女たちはいじめられていた少女の影に隠れることで自分を守っていた。少女がいなくなって自分たちがいじめの標的になることを知った時保身に走った。

 あの時、自分たちの盾が最後に一度だけ還ってくると分かった時、叫んだのだ。あの三人を殺してくれと。ありったけの、恐怖と、悪意と、卑劣と、希望を込めて、哀れな優しい私たちの盾に最後の仕事をしてくれと、赤い光の中で願ったのだ。


 人を呪わば、なので彼女たちも哀れなことになりますが、これは酷い。対人関係において優越感や劣等感は抑えられないものだと思うが、死者に対してそんな風にしか思えないなんて人間は嫌だな。
 ま、どっちにしろそういう人付き合いもできないぼっちには関係ないんだがなー。






霊感少女は箱の中
甲田 学人 (著),ふゆの 春秋 (イラスト)
KADOKAWA (2017/1/10)
posted by SuZuhara at 23:07| Comment(0) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月28日

冴えない彼女の育てかた 11



「嫌なところ、見せるよ? 倫也くんだから……」


 週末はちょこちょことお出かけしていました。
 土曜は平田志穂子さんのインストアライブ、日曜ははペルソナオーケストラに行って来た。久々の渋谷は人の多さに辟易としたがな。
 二日連続で平田さんの歌が聞けたのは最高でしたが、ゆみさんの声の力強さに歓喜した。オーケストラのコーラスの「Burn My Dread」も良かったけど、やはり恋しかったので。Lynさんは正直ゲーム中はあまり印象に残っていなかったのですが、この人はライブの人なんだな。オーケストラ演奏も喰ってしまう声量はすごかった。星と僕らも聞きたかったぜ。12月に行く人羨ましすぎる。
 いやー、楽しかった。私の今年のお出かけはもう終わりですが、実に有意義な時間でした。


■あらすじ
 ついにメインヒロインである叶巡璃ルートの制作に入る倫也だったが、今までのようにとは行かずに書けなくなってしまう。
 とある助言を得て、倫也はメインヒロインのモデルである恵と共にシナリオを作っていく。


■感想
 冴カノ新刊にしていつでも待ってる加藤メイン回! 
 でも、こんな終わりってマジかよーっ!

 始まりはカットでお送りするかの如く、美知留(仮)と出海(仮)ルートできたよがお送りされる。うん、それ英断。ずっと加藤のターンがいい。
 二人の覚醒シーンもありますが、一番は前回詩羽先輩を怒らせてしまったシナリオのトゥルー版、詩羽が詩羽を貫いて二人は別れるという倫也が一度書いたけど受け入れられなくて没にしたシーンを加藤がちゃっかり作ってた。そして美知留と共にゲームシーンを作成w
 いや、完全なるハッピーエンドもいいけど信念を貫くエンドもいいよ。それが別れというバッドでも、たぶんきっと俺が好きになった彼女を守るエンドだと思うから。……で、このゲームは原作完結したら出してくれるんですよね?

 巡璃がどうしても書けない倫也は詩羽先輩には頼れないので、連絡先を知っていた紅坂朱音に電話する。
 私は彼女が好きなので嬉しいのだが、この人の言っていることがきっと真理だよな。空白で一時間過ごすか、一時間書いて全部消すかだったら後者の方が絶対いい。スランプで描けないとかよく目にするけど、それってすごいよな。スランプになれるほどの力量なんかないのである。やれるだけやるしかねぇのである。

 助言を得た倫也は深夜に加藤に電話してシナリオの読み合わせを手伝わせる。今までの主人公――倫也の行動を加藤が駄目だしする形になるんだけど、ここでの加藤の気持ちはなんとなく分かる。
 理想があるわけじゃない。特別なことじゃなくて、ただ何気ない一言が欲しかった。僕もそういう人が好きですね。私が中学時代の友人に拘っているのも、奴に言われたたった一言が原因でしょうし。けど、今じゃもう呪いみたいになってるけどね。

 ここからの加藤はね、もう本当に可愛いんですよ。
 移動時間に本を読むことが多いんだけど、ニヤニヤしたらどうしようかと思ってた。無防備な姿晒して、これ以上はダメだと分かっていても倫也に近づいてしまう。
 なんで隣にいないんだよっ、と思うのとこのままの時間がずっと続いてほしいジレンマがつらいぜ。

 決定的なイベントはないくせに確実に一番近くなってしまった最後、加藤は倫也から距離を取る選択をする。きっと英梨々のこととかまだ割り切れない部分がネックなのでしょう。
 しかし、加藤の誕生日は譲れない。今年はお祝いしたいという気持ちから二人はデートすることになるのだが、当日になにかが起こったらしいというところでお終いでしたよこんちくしょうっ!

 マジか、次はいつですか?
 他の人ならまだしも加藤だけは本当にやめて。くっつこうともくっつかなかろうとも劇的なイベントはいらない。加藤だってそう言ってたじゃないか!
 いやー、楽しかったけどつらいな。頼むから、いつもみたいに隣にいてくれよ。

 では、今回のお気に入りへ。
 加藤と電話で読み合わせをしていたが、物足りなくなって倫也がスカイプを提案すると深夜で寝てもいない顔だから嫌だという。それでも、と食い下がっていると加藤の「なんだかなぁ」が出て倫也はスカイプの通話を押す。


『ちょっと……まだ、出るって、言ってないよ?』
「でも、“なんだかなぁ”って言った」
『それが、なに?』
「それは、恵の、OKだろ」
『……もぅ』


 倫也もこの「もぅ」に萌えたって言ってるけど、私もここで初めて「もぅ」がクる意味が分かったよ。
 本当に女性のこういう包容力系の態度はやばいですね。好きだなぁって、本気で思ってしまう。






冴えない彼女の育てかた 11
丸戸 史明(著),深崎 暮人(イラスト)
KADOKAWA (2016/11/19)
ラベル:冴えカノ
posted by SuZuhara at 09:18| Comment(0) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月22日

小説の神様



 小説は、好きですか――?


 実を言うと、風呂があまり好きではない。
 風呂がというよりも、そこまでに至る過程が嫌いなんだ。服脱いだら寒いじゃん脱ぐの面倒じゃん、と。冬はいつもより余計に面倒なんですが、入ったら即寝てしまうという子ども体質なのもいただけない。
 そんなこんなでここ最近はいつもパソコン触らずに寝ちゃうのだ。


■あらすじ
 中学生の時に小説家としてデビューした千谷一也だが、発表した小説がことごとく酷評されて売れず、小説を書けなくなってしまう。
 そんな時、転校生の小余綾詩凪が同じ高校生作家である不動詩凪であることを知り、編集者の勧めで詩凪がアイディアを出して千谷が書くという合作で小説を作ることになる。
 最初こそ反発し、何度もコンビ解散の危機に直面する二人だが、お互いが抱えている問題を知り、二人の小説を作り上げる。


■感想
 ふむ、初めてのタイガ文庫です。
 私がこれを手に取ったのは、元々出掛ける予定だった時に兄貴からメールで「忘れ物をした。届けろ」という指令を受ける。
 なに、兄ちゃんのピンチか!ともうほとんどなにも持たずに駆けつけたというのに「別に急いでねぇ」という裏切りを受けた。ちょっ、それならそうだって言えよ!

 ま、そんなこんなで本を持たずに外に出てしまったので、本屋で買って読みながら行こうと思った時に買った次第です。

 辛辣なことを言ってしまうと、私のこの本に対する感想はうるさいだった。
 初めて読書でこんな感想を抱いたのだが、もう最近の私はどうかしているのでしょう。

 中学生の時に小説家としてデビューした千谷だが、評価も売り上げも上がらず小説が書けなくなっていた。病気の妹、妹のために稼がねばならない。うん、なんともよく聞く環境ですね。
 転校生・小余綾詩凪=不動詩凪と分かり、二人で組んで小説を書くことになるというのが大筋なのだが、この主人公が嫌がるラノベ的展開のオンパレードで胸やけがした。

 そもそも、主人公が昨今の小説に対する偏見とか売り上げについてとか延々と語るんだけど、ものすごいかったるいんだ。
 後輩の小説家志望女子へのアドバイスっていいながら、他所様の小説を改変して別物――昨今の売れるラノベ要素たんまりにするとか悪夢か。
 私は三谷幸喜さんの『ラヂオの時間』が笑えないほど苦手なんだが、他人が勝手に手を入れて別ものにするとか、誰得だっていうんだよ。
 主人公が成功論を語りまくるのだが、ならお前がそれやれよだ。

 昨今の出版事情で小説家さんが大変なのは分かったが、この周りにあたるわ、友達も親も分かってくれて仕事放棄したってずっと待っていてくれる編集者のいる優しい世界でうじうじされても彼の発言は私にはうるさいだけだった。
 悲劇の主人公に浸り、完璧超人かと思っていたヒロインが自分と同じ傷を抱えていた。やっぱり小説を書くよ!とか言われてもなー。自分の文章を信じられないなら、あなたの文章を信じる私を信じて。ふむ、グレンラガンですね。

 なんだろうな、延々と押しつけられている気分だった。
 そりゃあネットで酷評なんかされたら痛い。本当に読んでいなくても、星1の作品を手に取るのは勇気がいる。けれども、そこは割り切るしかないだろうプロなのだから。
 主人公は「なら、ネットで書いてろ」とか言っていたが、売り上げで続編が出せなくなったなら是非ネットで続き公開してくれよ。確か、犬ハサの作者さんは二次創作という形で公開しているんだろう?
 ほら、書くだけなら方法なんかいくらでもあるじゃないか。書きたいものを書くスタイル、すごくいいじゃないか。ダメになったもう書かない。でも、周りはいつまでもお前のことを信じてるよ、じゃなー。

 小説は好きだけど、この物語に出てくる小説家は理解できない。むしろ、周りの優しい人たちがフィクションレベルである。
 この作品も評価高いから私がおかしいのですが、この作者さんの他の作品を読みたいとは残念ながら思わなかったなー。
 あと私は本を買う時に値段は見ないのだが、これくらいの厚さの文庫で八百円越えってすごいな。

 では、今回のお気に入り。
 しかし、なにもかも響いていないので今回はおそらくこの本が伝えたいのであろう言葉にしておく。


「小説は……。きっと、願いなんだと思う」


 にやりと笑う小説家がいた。
 どうだ面白いだろって、失望はさせないって。
 その人が私にとっての至高なので今回の主人公は受け入れられないのだが、主人公が作品に込めた願いが読者に届いたかは気になる。
 しかし、売り上げに拘りながらも作品が売れたかどうかは書かれていないのである。むー。

 







小説の神様
相沢 沙呼
講談社 (2016/6/21)
posted by SuZuhara at 23:05| Comment(0) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月04日

ゲーマーズ! 5 ゲーマーズと全滅ゲームオーバー



「はい。だってだって……そうやって、幸せな二人を見ることで、ちゃんと諦めがついたなら……恋の終わり方としては、中々綺麗で上等じゃないですか」


 昨日はXデーでした。
 私の人生が変わった日と言っても過言ではありませんが、話すのはもうちょい後で。あ、大したことじゃないよ。私にとっては大事でも、普通は些事でしょう。私は相変わらずぼっちにゲームと本があれば幸せだからな!
 それでも、私にとっては重要な日だったのでまた落ちついたらぼそりと話します。


■あらすじ
 景太がゲームよりも亜玖璃を優先したために二人に対する疑惑が強まっていく中、発展しない恋人との関係にヤキモキした上原と天道は二人で組んで既成事実を作りにダブルデートを決行する。
 景太と亜玖璃も堂々と上原と天道がデートをするための隠れ蓑なのではと疑いながらも、お互いの関係を確かなものにするために既成事実を作ることを狙うのだが、当日の遊園地で仮想景太とデート中だった星ノ守姉妹が合流してしまい、ダブルデートはとんでもない方向へと進んでいく。


■感想
 ついにゲーマーズも五巻。既刊はここまでなのでおいついてしまいましたな。
 なんかもう擦れ違いと勘違いの複雑骨折がここまで行くと清々しいですが、当人たちは笑えない状況に行ってしまわれました。でも、これあれじゃないか? 触れ合ってはない感じがする。未遂ならセーフじゃないかな。

 アグリの呼び出しに景太がゲームを放り出して応じたことで二人の関係を本格的に怪しみだす三人。またも女の子二人としけこむ彼氏という図にアグリ的にはぐぬぬだが、ネタばらしはあっさりと。
 結論は、景太はそれがアグリでなかったとしても友達のピンチならば投げ出してきたというだけ。友達よりもゲームを優先するクズではない、と。

 うん、悪いけど私はゲームを優先するぜ。
 ゲームの展開は気になって仕方ない状態の私なんか使い物にならないし、この状態で誰かのためになんか動けない。
 私の数少ない友人がどん底にいた時に空気読まずにゲームのエンディング考察に付き合わせたことがあるんだが、それで笑ってくれたことが嬉しかったんだよ。今にもどうにかなりそうな友人の気を紛らわせる方法が私にはそれしかなかったからいろんなジャンルをやった。特に鬱ゲー耐性ができたのはこの時でしょうね。
 だから、このクズ発言はちょっと納得ができないや。前回で好きじゃないと言ったのはここ。私は確かにクズかもしれないけれど、クズにはクズなりのやり方があるんだよ。景太の当たり障りのない言葉は心地良いかもしれないけど、最初から一つも僕の心には響かないから相性悪いんでしょうね。

 千秋のアグリに対抗して景太と二人で駄弁るシーンとかありますが、この前で起こった景太の再びゲーム部へは不覚にも景太と同じ気持ちだった。
 前回とは違い、景太のことを慮ってくれるゲーム部の面々。楽しくゲームをできる場所だったが、ここは切磋琢磨して磨き合う場所であって仲良しこよしで合わせてくれるのなんか望んでない。

 うー、確かにな。
 そのゲームスタイルにはなれないけれども、憧れない奴はいないと思うんだ。

 ダブルデートはもうどうにでもなーれであるw
 お前ら画策とかしないで普通に「好き」の一言でも伝えた方が上手くいくよと叫びたくなるほどの展開。
 てか、心春ってそんなに景太のこと好きだったのかな? 私はこの人のエロトークが苦手だからあまり考えていないけれど、そこは姉ちゃんを応援して差し上げろよと思うよ。

 リア充ご用達のカップルゲームみたいなものに挑戦し、情報を駆使してお互いのパートナーと一緒になろうとする上原と天道、エロゲ脳で重要な分岐と察した心春に邪魔されながらもパートナーと組めたかと思いきや、シャッフルシステムで情報なんてあてにならなかった。

 結果、暗闇防音の中、手を繋いでゴールしたお互いを恋人だと思っていた景太とアグリはキスの体勢で抱き合っていた。

 ここ、衝撃的なのでしょうが、唇が触れたとかの描写はないから触れ合ってはいないんだと思う。未遂ってやつだきっと。
 けれども、キスしているような状況にしか見えないというのが厄介でさらに勘違いを加速させるのでしょうが、続きは気長に待ちましょうな。
 アグリはいい奴で可愛いから彼女がつらい展開にだけはどうかなってくれるなと祈ってます。

 では、今回のお気に入りへ。
 イベントのカップリングがランダムでもしも違う人――それも同性の景太と上原になったらという過程の話での天道さんと景太の会話から。


「でも、じゃあ、このままなんの対策もせず、カップリングが完全にランダムで……たとえば上原君と雨野君で組むことになったら、どうです?」
「え、ちょっと照れますが、嬉しいです」
 はにかむ僕。目が死ぬ天道さん。


 ここイラストっ、ここのイラストください!
 彼氏がこんなことを言ったら目くらい死ぬな。天道さんの不遇っぷり好きだな本当に。






ゲーマーズ! 5 ゲーマーズと全滅ゲームオーバー
葵 せきな(著),仙人掌 (イラスト)
KADOKAWA/富士見書房 (2016/7/20)
posted by SuZuhara at 01:00| Comment(0) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月03日

ゲーマーズ! 4 亜玖璃と無自覚クリティカル



「俺はもう、お前と天道の恋を、応援できない」


 珍しく連続更新できているけど、今日に間に合う気がしない。あらすじ部分だけ書いて寝てたよ。せっかくの金曜日なのになんてこった。
 そんなことよりゲームがしたいと切羽詰まってきてしまっているのは悪い兆候でしょうね。うおー、ゲームしてぇ! RPGしたいけど、あと二週間切ったんだから我慢だ。我慢しなければならぬ。
 でも耐えられないから、8月に落としておいたデモンゲイズを全く違うメンバーでやってみるかなー。


■あらすじ
 自分にとってネット上の大切な存在が景太であることを知った千秋は恋であると自覚する。しかし、「のべ」が「MONO」が自分であると景太に明かすことはできず、ひょんなことから妹の心春こそが「のべ」で「MONO」だと言ってしまい、ますます勘違いは深まっていく。
 そして、楽しみにしていたゲームを手に入れることを放ってまで亜玖璃のために駆けつける景太にゲーム同好会は疑惑を深めていくことになる。


■感想
 最近は一日三十分くらいしか読書の時間が取れないんだけど、ゲーマーズはその間で読めちゃうので助かっています。
 しかし、この本は面白いけれども感想が書きにくい。私の語りでどこまで面白さを紹介できているかは知らないが、今日もえっちゃら行くんだぜ。

 前回のことから景太を恋愛対象として意識しまくってしまう千秋。萌えに対するスタンスという一点を除けば最高の相性のいい二人なので、もうそのままくっついちまえよ、と思うことはやぶさかですが、相手が恋人持ちとか辛いな。
 私は友情と恋愛は違うと思うタイプだけど、自分を絶対的に分かってくれる人を欲してしまう感情は分かるんだ。

 景太に対する考えが変わっても自分のHNを明かせなくて、ついつい妹がそうなのだと言ってしまって物語はさらにややこしくなりますが、この千秋の咄嗟の行動はちょっと愛しくなってしまうから困るぜ。

 この物語のキャラクター全員に言えることだけども、みんな言葉足らずすぎる。その影響で上原のたらし疑惑が加速しますが、一番面白いのは天道さんですね。自分を振る方法を彼氏に聞かれたり、まさかのドM疑惑いえドMです、ゲーム部はドMの変態集団とかww

 言葉足らずなせいで千秋を応援するという意味で言った上原の言葉を上原から千秋への告白と取った景太はアグリをゲーム同好会に引き込み、渦中の人物が同好会に集うこと。
 そこで交わされるゲーム談義はちょっとわくわくするくらい楽しかった。

 それはDLCについて、である。
 ゲームをしないアグリからすれば、ゲームって六千円くらいするのに追加で金払うの? なんでちゃんと最後までやらせてくれないの?なのだが、いやこれは僕も同感だ。DLC商法には唸りたくなるね。
 女性陣の言うように服チェンジくらいじゃ財布は明けないが、追加ストーリーとか言われちゃうと心揺れる。うん、上原じゃないから水着とかには絶対靡かないけどな! FGOでは水着じゃなくて、そのキャラクターの方に興味があったわけですよ俺は。結局きよひーしか来なかったけど、ガチャを回すだけのサブアカの方はタマモもモーさんもアンメアもマルタの姉御も来るという……おい、本アカの男率が異常なんだが。息してくれ本アカ。

 アグリにゲームの良さを伝えようと、高難易度追加とか素敵だなって話を天道さんがしてドMと思われたり、千秋のハイパー超展開希望とか楽しすぎたよ!

 そして、景太が予約し損ねたゲームを買いに走っている間に物語は動く。
 景太を好きな天道と千秋、そして二人の気持ちを知っている上原が話をするんだが、いろいろと距離感がおかしいので、その場面をアグリに見られて彼女の誘いを断って他のおんなとイチャイチャしていると思われてしまう。

 そしてアグリはいつも通り景太を呼び出し、景太はゲーム探しを放り出してでも駆けつけたので三人としてはあれれ?なわけです。お前らやっぱりできてんの的な。

 今回はここでお終い。
 私はもう五巻を読了しているのですが、このシーンに関しては言いたいことがたくさんある。けど、それは次の感想の時に。なんて言うか、俺は景太好きじゃねぇわw

 では、今回のお気に入りへ。
 ゲームの課金に対して分かってくれないアグリに景太が上原を使って説明したシーン。衣装を買うだけで上原が違う反応をしてくれたら、イベントが起こせるガチャが一回三百円ならという感じで説明して、三万くらいなら安いものだと財布を開いたアグリが出したゲームに対する結論を。


「うん、亜玖璃、今ので完全に分かったよ。……ゲームって、ホント、クソだね!」


 おっしゃる通りでwww 課金のマイナス要素ばっか教えちゃいかんだろうに。
 いやー、レベル上げとか苦痛なのになぜやるのかとのゲームあるある談義は本当に面白かったです。私も最近ラスボスで寝ることが多いんだけど、それって結局惰性でプレイしているからだもんな。
 苦労してエンディングを迎える達成感は今年ではルフランでしか味わえてないんじゃなかろうか。








ゲーマーズ! 4 亜玖璃と無自覚クリティカル
葵 せきな(著),仙人掌 (イラスト)
KADOKAWA/富士見書房 (2016/3/19)
posted by SuZuhara at 00:32| Comment(0) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする