「俺は英梨々を裏切って、そして英梨々に告白する――」
かなり深刻なゲーム離れが起こっている。だって今、遊撃隊やってるけれどもまだ10話だし。時間が取れないとはいえ集中力がないな。
うたわれるものの続編が1年後の9月というニュース話は嬉しかったけれども、やはり閃の軌跡とダブっちゃうので戦々恐々。トラウマになっているのかもしれんなあれ。
そんなことをぼちぼち思う昨今、調子が悪いぜ。
■あらすじ
波島伊織とその妹・出海を加えてサークルは新たに始動したはずだったが、英梨々の書いたイラストをきっかけにぎくしゃくしていた。
イラスト担当として比べられることになり自分の絵柄を見失う出海、そして英梨々と仲直りできていない加藤にどう接していいか分からないまま、倫也は霞ヶ丘先輩のアドバイスに従って英梨々をモデルとしたキャラを使ったシナリオを書くことになる。
■感想
ああ、私が英梨々が苦手な理由が分かった。
この奇妙な一途さが、自分を見るようで嫌なんだな。
さて、今回は冴カノ9巻。
発売日に買ったけど読むのに時間がかかりましたなー。最近よく寝ちゃっているんですよね私が。休みがもらえてないんで、自衛のために寝るしかないんですよ。
ま、そんなことはどうでもいい。今は加藤の話をしよう。
前回の続きからで英梨々のイラストを見てサークルに激震が走ったところからですね。
一見、普通であったサークルだがその衝撃は出海と加藤には激しく、出海はスランプに加藤は仲直りのきっかけを掴めなくなってしまっていた。
新たに加入したプロデューサー伊織と加藤の中が前回のことから最悪で、めっちゃ喧嘩していて怖いんだがw ほら、前回の伊織による「倫也の彼女は黒い」という発言から、加藤さんは一ミリも許してらっしゃらなかったww
加藤=黒い説が現実味を帯びてきた中、出海のギャルゲープレイとかあるけど、やっぱりああいうのって自分と似たキャラを好きになるのかな?
出海は後輩キャラを好きになって主人公の幼馴染み、親戚キャラを嫌いになるんだけど、まあ案の定の展開だよw
加藤が渦中の人のためにまとも路線がいなくなってしまったからか、美知留が倫也の相談に乗ってくれる。
そして倫也は加藤が英梨々と喧嘩状態をつらいと感じていること、出海が英梨々の絵に引きずられて自分を見失いつつあることを知らされる。
そこにやってきてくれたのは、霞ヶ丘先輩だった。
ちょい前の巻で加藤が倫也を待っていたらすぐにやってきたのに、自分が待っている時は全然来ずに雨まで降ってきても待っているという一途さに自己嫌悪しながらw
やばい、ちょっと先輩が可愛いと思ってしまったぜww
いつの間にか美知留と繋がっていた先輩は倫也の危機を聞きつけやってきて、そして解決法を教えてくれる。
サークルとしては英梨々を切れれば終わるが、そんなことをすれば英梨々が潰れる。ならばどうすればいいのか。
それは、シナリオに使うこと。
こんな面白いネタがあるならシナリオにしろ。直接はなせないのであれば、シナリオにして伝えろ。
ああ、やばい先輩格好いい。
今回のお気に入りはここなので後でまた書きますが、それはちょっと本当に憧れる。
それから倫也はこれまでの――一巻から英梨々とのことをシナリオにして書き始める。加藤のことで絡んで来た時とか、倫也との間にずっとあった喧嘩の話をそのままつかった英梨々ルートである。
それを書く前に倫也は英梨々と電話でこれまでの喧嘩状態だったこととかのお互いの気持ちを話し合っているんだが、ここ読んでいて本当に英梨々の奇妙な一途さが自分と被ることに気づく。……八年か、俺はもう友人のことを十年以上思ってるよ。
そんなこんなで書き上げたシナリオを加藤が読み、出海と伊織が読む。みんなの感想が倫也はどんだけ英梨々が好きなんだで笑ったw
その萌えとは程遠いリアルな感情に伊織は出海に萌えでコーティングすることを提案する。こてこての萌えで相手を引き込めと。
イラスト買いというのは結構あるが、絵とシナリオが合わないのはこういう目的があったんだな。ちょっとタイトルが思い出せないんだが、とあるスパイゲームもこてこての萌え絵で、なのに内容結構グロくもあり厚いシナリオに引き込まれて最終的には私の中で現在も上位にある作品がある。
あ、ジャケ買いじゃないよ。ネット上で勧められて買ったんだと思った。あなたは絶対好きだとか言われたらやらざるを得ないw
出海は倫也のシナリオのリアルな泥臭さを隠すために自分の絵で飾ることを決意し、加藤も倫也がシナリオで書けなかった巡離と英梨々の仲直りのシーンのためにも仲直りに行ってくる言う。そして、関節キッスに再びやってきた倫也くん呼び。
英梨々ヒロインと見せかけて加藤が持っていった――っ!
いやー、今回は手放しに面白いと言うにはちょっと展開が辛かったですが、面白かったです。
次はこの話の倫也がいないところでの女性陣の話になるので、この巻の評価は次を待ってからでしょうな。楽しみだ。加藤の気持ちと美知留と先輩の繋がりが知りたいぜ。
では、今回のお気に入りへ。
上でちょっと書きましたが、先輩がやってきて倫也に全ての問題を解決するためにシナリオを書けと伝えたシーンから。
面白い話は人の心を動かす。そう言った先輩を見た時の倫也の気持ち。
その瞳には、何かが宿っている。
それは、かつて何度か見た、クリエーターモードの彼女。
俺がドン引きし、恐れおののき、そして憧れた……
「そうすれば、あなたは自分の物語に相応しい絵を手に入れられる……自分の力でね」
俺が、そうありたいと、ちょっとだけ願ってしまった、人間をやめた時の瞳。
ここから英梨々と話をしてシナリオを書き上げていくシーンはぐっときたなー。
特に倫也がシナリオで物語る英梨々の加藤への気持ちとか泣きそうだった。加藤の普通さに癒されて憧れて、そして自分への劣等感に潰されそうになる。
自分を偽るのはいつだってつらいけれど、そこに自然体で嫌われもせずに好かれてもしないなんてことはないなんて人がいたことを考えると……英梨々が心を開くまでの時間の長さが感慨深い。
しかし、最終巻を迎える時はちゃんと倫也たちが作る冴えない彼女の育て方(仮)はきちんとゲーム化していただかないとな、うん。
冴えない彼女の育てかた 9
丸戸 史明(著),深崎 暮人(イラスト)
KADOKAWA/富士見書房 (2015/11/20)
ラベル:冴えカノ