零崎一賊は――笑って死ぬための集団だ。
今年ももう四か月過ぎましたが、今年はよく映画に行っているな。
いつもなら月一ペースなんですが、既に七本は観てる。うん、記録が正しければ。
記録というものを私はあまりしないのだが、忘れたならそれはそれでいいといった感じで。本とかの感想はここを見返せばいい、三日坊主な私にしてはこのブログはよく続いています。
なんでこんなことを言い出したかというと、もうすぐ500記事に届きそうだから。そして、500になる頃にはそんなことはすっかり忘れていそうだから。
■あらすじ
『少女趣味(ボトルキープ)』零崎曲識は少女しか殺さないという菜食主義の殺人鬼。
それはのちに大戦争と呼ばれる出来事の最中、哀川潤と出会ったことで始まった曲識の菜食主義。その点では零崎らしくない曲識だが、双識のために動き、人識のために義手を手配し、家族の――軋識のために戦いの場に出て、最後に彼の長年の願いだった哀川潤と再会する。
■感想
今回はいつもと感じの違うあらすじの書き方。
うん、いつもどおり上手くいっていないだけだよ!
大分読めてきましたが今回は西尾維新の戯言シリーズ、零崎の話である曲識さんの話です。これで後は人識と双識の関係だけかな?
個人的になのですが、関係よりは零崎一賊の人間シリーズの方が好きです。みんな一風変わってるからなw
さて、この話は四つの話からできている。
簡単な説明をざくっとする。
・ランドセルランドの戦い
零崎一賊に「小さな戦争」を仕掛ける萩原子荻は策略の一環で、双識と遊園地デートをすることにする。自ら囮となる作戦であったが、曲識がそれに気づき、人識を引っ張って双識を狙う三姉妹と戦う。
この話は曲識という人物のお披露目のような感じ。
音使いである彼だが、音による精神支配も衝撃波攻撃も使え、コントラファゴットなど持っているが、楽器などなくとも声だけで音として支配することのできる。
ここでは人識と出夢の関係も出てきて楽しかったですが、全部読み終わった後だとこれは序章に過ぎないんだなと感じます。
・ロイヤルロイヤリティーホテルの音階
大戦争の最中、核心に最も近づきながら一体のメイドロボ・ぷに子にやられた曲識は同じくぷに子に負けた哀川潤を操作することでぷに子打倒のため共闘する。
これはあれだ、哀川潤は力の使い方が分からない。だから、お前が操作しろという無茶な提案で始まる戦闘なのだが、こんな出会いだったら忘れられないわな。
しっかし、若かりし頃の双識さんと軋識さん格好いいな!
・クラッシュクラシックの面会
伊織の義手を手に入れるため曲識に会いに来た人識は、曲識の紹介で武器職人である罪口積雪と出会うが、最高峰の義手を手に入れるための代償を求められる。
人間試験を読んだ時、伊織のことめっちゃ好きだった気がするのだが、ここ最近はそうでもない感じ。伊織の人間性をこんな感じだったかなーと読んでましたが、今回で納得が言った。
ああ、そうか。人識が我慢ならないと言ったが、伊織は泣かない嘆かない。だから、泣かせたいとか分かるよ。
そんでもって、曲識が人識に渡した曲が二人で弾く曲だったと言うのは想像ついてもきゅんときた。
いやー、零崎一賊の家族愛は心地いいなー。
・ラストフルラストの本懐
零崎一賊が滅ぼされる直前、軋識は橙色と対決していたがそこに現れるはずのない曲識が現れる。家族のために戦った彼は最後の最後で哀川潤と再会する。
曲識、最強装備でるれろとの橙色制圧戦に挑むも「戯言」の一言で真心が制御不能になり、曲識は瀕死状態になる。
軋識を逃がすことができて家族のために戦えたのは良かったが、自分の願いは一向に叶わないことを嘆いているとひょっこりとそれは現れる。
今回のお気に入りをちょいとここで引用。
誰よりも出待ちが長く。
誰よりも出どころを心得ている。
そういう女だからこそ――曲識の人生と、人生観を変えたのだ。
やっぱりヒーローというのは外さないんだな。
だからこそヒーローなんだ。
けれども、初恋を貫いた曲識には敬意を表したい。俺も思うんだが、本当に大切な人に出会ってしまうと他なんか見えないんだよ。初恋を貫くのも引きずるのも必然だ。
零崎曲識の人間人間
西尾 維新
講談社 (2012/11/15)