2015年04月02日

零崎曲識の人間人間



 零崎一賊は――笑って死ぬための集団だ。


 今年ももう四か月過ぎましたが、今年はよく映画に行っているな。
 いつもなら月一ペースなんですが、既に七本は観てる。うん、記録が正しければ。
 記録というものを私はあまりしないのだが、忘れたならそれはそれでいいといった感じで。本とかの感想はここを見返せばいい、三日坊主な私にしてはこのブログはよく続いています。
 なんでこんなことを言い出したかというと、もうすぐ500記事に届きそうだから。そして、500になる頃にはそんなことはすっかり忘れていそうだから。


■あらすじ
 『少女趣味(ボトルキープ)』零崎曲識は少女しか殺さないという菜食主義の殺人鬼。
 それはのちに大戦争と呼ばれる出来事の最中、哀川潤と出会ったことで始まった曲識の菜食主義。その点では零崎らしくない曲識だが、双識のために動き、人識のために義手を手配し、家族の――軋識のために戦いの場に出て、最後に彼の長年の願いだった哀川潤と再会する。


■感想
 今回はいつもと感じの違うあらすじの書き方。
 うん、いつもどおり上手くいっていないだけだよ!

 大分読めてきましたが今回は西尾維新の戯言シリーズ、零崎の話である曲識さんの話です。これで後は人識と双識の関係だけかな?
 個人的になのですが、関係よりは零崎一賊の人間シリーズの方が好きです。みんな一風変わってるからなw

 さて、この話は四つの話からできている。
 簡単な説明をざくっとする。

・ランドセルランドの戦い
 零崎一賊に「小さな戦争」を仕掛ける萩原子荻は策略の一環で、双識と遊園地デートをすることにする。自ら囮となる作戦であったが、曲識がそれに気づき、人識を引っ張って双識を狙う三姉妹と戦う。

 この話は曲識という人物のお披露目のような感じ。
 音使いである彼だが、音による精神支配も衝撃波攻撃も使え、コントラファゴットなど持っているが、楽器などなくとも声だけで音として支配することのできる。
 ここでは人識と出夢の関係も出てきて楽しかったですが、全部読み終わった後だとこれは序章に過ぎないんだなと感じます。

・ロイヤルロイヤリティーホテルの音階
 大戦争の最中、核心に最も近づきながら一体のメイドロボ・ぷに子にやられた曲識は同じくぷに子に負けた哀川潤を操作することでぷに子打倒のため共闘する。

 これはあれだ、哀川潤は力の使い方が分からない。だから、お前が操作しろという無茶な提案で始まる戦闘なのだが、こんな出会いだったら忘れられないわな。
 しっかし、若かりし頃の双識さんと軋識さん格好いいな!

・クラッシュクラシックの面会
 伊織の義手を手に入れるため曲識に会いに来た人識は、曲識の紹介で武器職人である罪口積雪と出会うが、最高峰の義手を手に入れるための代償を求められる。

 人間試験を読んだ時、伊織のことめっちゃ好きだった気がするのだが、ここ最近はそうでもない感じ。伊織の人間性をこんな感じだったかなーと読んでましたが、今回で納得が言った。
 ああ、そうか。人識が我慢ならないと言ったが、伊織は泣かない嘆かない。だから、泣かせたいとか分かるよ。
 そんでもって、曲識が人識に渡した曲が二人で弾く曲だったと言うのは想像ついてもきゅんときた。
 いやー、零崎一賊の家族愛は心地いいなー。

・ラストフルラストの本懐
 零崎一賊が滅ぼされる直前、軋識は橙色と対決していたがそこに現れるはずのない曲識が現れる。家族のために戦った彼は最後の最後で哀川潤と再会する。

 曲識、最強装備でるれろとの橙色制圧戦に挑むも「戯言」の一言で真心が制御不能になり、曲識は瀕死状態になる。
 軋識を逃がすことができて家族のために戦えたのは良かったが、自分の願いは一向に叶わないことを嘆いているとひょっこりとそれは現れる。

 今回のお気に入りをちょいとここで引用。


 誰よりも出待ちが長く。
 誰よりも出どころを心得ている。
 そういう女だからこそ――曲識の人生と、人生観を変えたのだ。


 やっぱりヒーローというのは外さないんだな。
 だからこそヒーローなんだ。
 けれども、初恋を貫いた曲識には敬意を表したい。俺も思うんだが、本当に大切な人に出会ってしまうと他なんか見えないんだよ。初恋を貫くのも引きずるのも必然だ。







零崎曲識の人間人間
西尾 維新
講談社 (2012/11/15)
posted by SuZuhara at 22:53| ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月24日

殺戮のマトリクスエッジ 3



「ククリには、分かりません。人間(ヒト)のこと」


 PSストアでカプコンゲーが安売りしていますが、私はラストランカーとブレスオブファイアVは買っておいた。両方とも安かったし、個人的に好きなので。
 後者について語ると長いのでクリアしたときに書くかもしれないが、ラストランカーは思えばこのブログの最初に書いたヤツでしたね。ああ、あの頃私はレンが好きだった。イゴリダの合鍵イベントの最後に不服そうなレンが鍵を返しにくるとか最高だったなと思い返せば、当時の俺もそんなこと言ってやがるw
 人は簡単には変わらないのですなー。


■あらすじ
 ソーマにデートに誘われたことに浮かれるユノだったが、ソーマの方は地下で見かけた荒事屋がユノであること、自分に近づく真意を探るデートだった。黒迦(カーリー)までもがちょっかいを出してくる中、封鎖されたショッピング施設『ゾス・モール』では企業複合体(レギオン)のホラーを用いた実験が開始されてしまうる。
 何百人もの犠牲者が出る中、ソーマとユノはお互いに正体がばれないように行動を強いられる。


■感想
 発売日に買ったのに読んでなかったよマトリクスエッジ。
 前回はユノことグリーンとソーマが接触したところで終わったんだっけか。そのことでソーマがユノの真意を探るためにデートをすることになるのですが、もうユノの乙女回路はやめて! 読んでるこっちが恥ずかしいわw
 下着姿で服選びとか、口絵と挿絵の二枚組とかっ、もうこの頃はあんなことになるなんて思いもしなかったのである。

 しかし、ユノの幸せ空間も長くは続かない。
 黒迦のせいである。この女、二人のことをボロクソに言うのはいいとする。童貞だ処女だと遊ぶのもいいとしよう。けれども、全体的にゲスイ話題多すぎだって。基本的に下ネタ系も苦手なんだから私は!
 ソーマがユノの脚(機械義脚)と胸しかみてなくったっていいじゃないか! そこまでいじるなよ、可哀想だろうに。

 けれども、黒迦はふざけているようで不死魔人(ノスフェラトゥ)であるSのことに触れていたりして嬉しい。吸血鬼って意味だったっけこれは。
 最後の方でユノがSのお気に入りらしいと言われていますので、また組んでくれないかなーと楽しみにしています。

 その後、企業複合体の非合法工作員(カンパニーマン)のドークールにより、ソーマたちのいるモールにホラーが放たれます。封鎖されているので逃げられず、最終的には四百人くらい食われていたかな?
 警備員視点とか入るけど、結構悲惨な状況でしたね。それでもユノにとってはソーマにバレないことが先決。けれども、それでは動けない。力はあるのに何もできない。
 デート前にも昼の自分だからと転ぶ子どもを助けられないシーンがあったけど、この辺がユノのネックになっていきそうだよなぁ。

 一方ソーマは早々にユノたちと離れ、銀の腕(アーガートラム)としてホラーと対峙していたが、夜の装備とは程遠いため使う度に死にそうになる電脳限界(マトリクスエッジ)を使うことを強いられるのだが、そこにユノが割って入る。
 ソーマの代わりにユノがくしゃりとされてしまい、ソーマが力を使い今回はお終い。入院したユノをソーマたちはお見舞いに行きますが、そこにはもう深い溝ができていた。

 ホラーに思考があるらしいこと、ククリが唯一話せる機能を持つ奴らの姫であることは判明するが、二年とかホラーが見た白衣のソーマとか、ソーマは二年前に発生したのかと思っていたが、元になるものがいるのかもしれない。むー、あんまりソーマに興味ないので深く考えてないからめちゃくちゃ言っているかもしれん。

 問題は、あんなに乙女だったユノがソーマのことを知ってしまい、グリーンとの境界がなくなってしまったこと。
 黒迦も『恋に盲目(ブラインドネス)』とはよく言ったもので、恋が晴れてしまったということか。ああ、やばい。楽しい。嫌いなアーガートラムが好きな人。このことでユノは完全にグリーンになってしまうかもしれないな。なんて俺得なのか。

 では、今回のお気に入りへ。
 あんまり書いてませんが、今回の敵方ドークールの人柄が好きです。良き夫、良き理想的企業人(サラリマン)。邪魔なら部下すら処理する彼は良き趣味人(マニア)であり、ホラーを使いソーマたちで遊ぶことにする時の開始の言葉を。


「さあ、少年少女諸君。仕事(ビズ)の合間に殺し合おう」


 ドークールやユノの背後を取った白い子は次回以降に持ち越しのようですが、やばいこの先が気になるなー。
 どうか、恋の一言で解決しませんように。私は恋する乙女は無条件で応援するが、ユノにはそっちで進んでほしくないなー。







殺戮のマトリクスエッジ 3
桜井 光
小学館 (2014/10/17)
posted by SuZuhara at 22:22| ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月18日

冴えない彼女の育てかた4



「あたしは何もしない……あんたたちのサークルが崩壊するのを待つよ」


 思えばこのブログも大部続いていますね。
 まあちゃんと更新できていない時も多いけれど、書いていないものも多いけれど……はい、もっとしっかりします。
 しかし、最近は絶対だと信じていたものがブレてきていたりしてこの先どうしようかなとかも考え出しています。ゲーム第一に考えて生きて行っていいのかな、という誰かに相談したら一秒でダメと言われるような。
 結局、PS4は許可がでないという理由で買えそうにないので、そんな悲観的なことを思ってみただけだったりする。


■あらすじ
 サークル名も決まり順調に見えた倫也のギャルゲー製作だったが、シナリオと絵以外は何にも決まっていないという問題が浮上する。なんとかスクリプトを倫也が担当すると決めた時、倫也のイトコ・美智留が家出をしてきて倫也と一緒に住むことになる。
 この事実に荒れるサークル内であったが、倫也は美智留のギターを聞いてサークルの音楽担当に勧誘するのだが、オタクというだけで嫌われてしまい、逆にサークルの問題点をつかれて美智留のバンドのマネージャーになることを求められる。


■感想
 うおぅ、アニメになんとか喰らいつけているか。
 冴えカノ四巻、従姉妹回ですよー。

 アニメ0話で出ていたスポーツマン系の従姉妹・美智留が家出をきっかけに倫也の家に住むことになる今回。
 正直、こういう露出多めのスキンシップ過剰系は好きじゃないのですが、加藤がフラットに大活躍だったから満足。

 サークルは順調に見えたがほとんど何も決まっておらず、スクリプトとかそういうのはよく知らないのですが、縁の下の力持ちシステムに関するゲーム作りに必須の何もかもが決まっていなかった。
 仕方なく倫也がスクリプトを勉強しながらやることになったんだけど、美智留の登場でよくある一つ屋根の下の近いようで恋愛関係になれる従姉妹との生活が始まる。

 この辺はあまり興味がなく、美智留の件がバレると霞ヶ丘先輩たちがガヤガヤするのが楽しいですが、それも予定調和なので加藤がどう反応するかを楽しみにする。
 しかし、この段階ではニ巻のブーメランだけでよく分からない。

 美智留のギターを聞いた倫也がサークルに入ってもらおうとサークルメンバーと引き合わせてしまい、ナチュラルに倫也の部屋でおもてなしする加藤は素晴らしいなw

 オタクに理解のない美智留なのでサークルは上手くいかないのだが、美智留は美智留で家出の原因がバンドを続けるためで、続けるためには父からの信頼がある倫也がマネージャーとしてバンド活動に同伴することだった。
 ここでサークルの問題点、サークルメンバーが倫也のために無理をしているということを指摘されてしまう。ほら、霞ヶ丘先輩が小説を押して、英梨々が他のイベントを蹴って。

 ヘコむ倫也に今回ばかりは加藤という逃げ道がないと思われたが、素っ気なく倫也の誘いを断った加藤は英梨々のもとでスクリプトの勉強をしていた。そして、ゲームのワンシーンを見事に作り上げていた。
 ま、それでいたずらされたりもするんだけどw
 ここでの加藤の言う「見栄」は意味があるんかなー。あったら俺得だなー。

 ここから倫也は加藤と二人で美智留の音楽を聞き、どうするかの作戦を立てる。
 そして、倫也はマネージャーとなりバンドは前座とは言えライブデビューになるのだが、ここで霞ヶ丘先輩が危惧するように倫也がなんでも相談する立場にいる加藤は恋愛関係で一番難敵だ。
 本人に気がないのか、フラットで隠れているのか分からないのが一番厄介なことに。

 バンドの方は、加藤をきっかけに曲からそのバンドにオタクがいると気づいた倫也はこのバンドが元はアニソンやゲームミュージックをほそぼそとやっていたということを知る。
 そこになんにも知らない美智留が入ってロックバンドっぽくやっていたが、ここに来てネタばらし。
 猫耳でメイド服で秋葉原でライブだったのだw 難易度高すぎるだろこれww

 それでも仲間とやれること、オタクが相手だからって偏見をもつことはないことを知った美智留はゲームの音楽担当となることになるのだが、最後はエロと見せかけたアニメ観賞会で終わる。
 こんな展開は好きじゃないが、ミッチーというあだ名でスラダンのミッチーをいじったのは頂けない。僕はミッチーが一番好きだ、私たちの年代にとってはスラダンは聖書です。

 今回は正直なところあまり面白くなかったのですが、いや、十分面白いけれども他の巻と比べる劣るという感じなのですが、最後の加藤と英梨々の会話は良かった。
 お嬢様としてではなく一人のオタクとして友達だから恵と呼ぶと言った英梨々に加藤は霞ヶ丘先輩からの忠告を思い出す。

 せっかくなので今回はこの言葉をお気に入りにしておこう。
 お気に入りというより印象的なシーンですが、加藤への霞ヶ丘先輩の忠告です。


「安心して。澤村さんはもっとめんどくさいわよ? あなたたち最近仲がいいようだけど、あまり親しくすると後で地獄を見るかもね」


 友達として親しくなったら裏切れないってことかな。
 英梨々が倫也を好きなのは一目でも明らかだし、だからお互い認めているくせにお互い仲良くできない理由はそこにあるんだろうか。
 次が楽しみだが、次は霞ヶ丘先輩メイン回らしいよ。あれ、加藤は?







冴えない彼女の育てかた4
丸戸 史明
KADOKAWA / 富士見書房(2013/10/23)
ラベル:冴えカノ
posted by SuZuhara at 22:43| ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月16日

零崎人識の人間関係 匂宮出夢との関係



 面倒そうにしながらも――あの人のいい殺人鬼は、それが当たり前だと言うように、出夢の頼みを受け入れたのだ。


 ゲームの設定資料集とか、買ったって活用しきれないのだからと買わないようにしていたのですが、新世界樹1&2の資料集は思わずポチっていた……っ! 好奇心で言うならフリーダムウォーズとかだって見たいのに。
 いや、新世界樹が好きなことは好きなんだけど、やはり日向さん絵に弱いんだろうね。ファフニールとアリアンナが、ハイランダーとフレデリカが一緒にいるだけで嬉しいもん。
 え、リッキー? そんな名は知らん。


■あらすじ
 人識が汀目俊希として生活する中学にまでやってきた匂宮出夢に連れられて、人識は玖渚直の暗殺に付き合うことになる。
 その際に家出同然で学園を脱走した西条玉藻の三人で直が謹慎しているとされる山の中へと向かうのだが、そこには直木三銃士が護衛についていて、そのリーダーである飛影魔との相対して三人は容易くあしらわれてしまう。
 そこからはバラバラに行動することにして、それぞれ直木三銃士と戦うことになるのだが、戦闘の合間に出夢は自分の強さがブレていることを感じ、そして直木三銃士の真実に触れたとき、出夢は西東天と出会うことになる。


■感想
 いーちゃんとの関係の時に一緒に買ってきた出夢との関係です。
 今回は遊びとか抜きにバトルをやっていて楽しいぜ。

 正直なところ、出夢のことはあんまり覚えていなかったりする。はっきり言って苦手な人間なので理澄の方が好きかもしれない。
 だから、こうやって人識との関係として改めて向かい合うのは新鮮でした。

 普通に中学生をやっていたところに出夢が来て、暗殺に誘われる。やってきてしまった玉藻も引きつれて相手が三銃士なんだからこっちも三人でよくね、なノリで始まる暗殺道中。
 人識と出夢は軽口を叩きながら行く訳ですが、飛影魔と存在に気づけたのは玉藻だけ。
 三人での同時攻撃をあっさりとあしらったことから、三人は個別に動くことになるのですが、人識は飛影魔の弟子・泥田坊と、玉藻は同じく弟子・煙々羅と、出夢が飛影魔と戦うことになる。
 泥田坊の二丁拳銃だが拳士には惚れそうになったのは内緒だw

 人識はギリギリというか、ジグザクである市井遊馬の参戦でなんとか勝ちましたが、玉藻の勝利はすごいな。まさしく狂戦士だ。

 問題は出夢の方。
 人識との友人のような関係を心地よく思っていた出夢は自分がブレていることに気づく。
 友達なんて強さにはいらない。自分の強さがブレれば、妹の弱さもブレてしまう。

 そんな状態で飛影魔と戦うのですが、出夢は勝利しまして、直木三銃士の隠し玉、最後の弟子である四人目・七人岬に襲撃されてしまう。やめて、七人岬やめて。あやかしびとやりたくなっちゃうじゃん!

 私は正直この直木三銃士たちが好きだったりする。
 勝つことに拘る泥田坊、負けないことに拘る煙々羅、飛影魔の命だけを忠実にこなす七人岬。
 とある戦争で双識と出会って弟子を取ることにした飛影魔だが、死ぬ間際に情で動いてしまう。
 七人岬に僕を看取れと言えなくてすまない、というように。
 そして七人岬が飛影魔の最後の言葉「直の傍から離れるな」を忠実にこなしていくところとか、すごくいい。
 こういう愚直さ、好きだなー。

 一方、出夢の方はこの一件で西東天に会ってしまう。
 実はこの依頼自体が西東天からのものでこの時に出夢は憑かれてしまったらしい。
 そうして、人識のクラスメイト惨殺へ。

 今回は人識の出夢のことを語った一言をお気に入りとして上げときます。


「出夢との関係?」
 彼はこう答えたのだ。
「共犯者だよ。言ってみりゃ、家族みてーなもんだ」


 正直、私にはこの二人の関係は難しい。
 家族のように大切で恋人のように想っているということなのか、お互い大切なのは分かるんだけど出夢が唯一恋のために殺したという部分がまだ解釈できていないから、もう一回読んでくるとします。







零崎人識の人間関係 匂宮出夢との関係
西尾 維新
講談社 (2014/10/15)

posted by SuZuhara at 01:00| ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月07日

零崎人識の人間関係 戯言遣いとの関係



 ありったけの敬意となけなしの軽蔑を込めて――人は彼らを『一般人』と呼ぶ。


 『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』という映画を観に行ってきました。面白かったです。今年は結構な数の映画を観ていたりするが、今までの中では一番ですな。
 いやー、かなりご飯が上手そうで空腹時にはつらかったが、ブログやツイッターでの批評からとある騒動が起こって、これはちょいと自分も気をつけないとなと思った。
 私の発言が誰かに影響を与えるとは思えないが、ここ最近自分でも酷評してるなー、と思うことは多々ある。だけども好きじゃないものを好きということはおかしいわけで違うものは面白いとは書けないのである。
 それでも言葉は選ばないといけない。アカメがアニメ化した時のこのブログのアクセス数には恐怖を抱いたからな。絶対に手っ取り早く展開しろうとしてるなとか思っていない。そんな私のような奴が他にいるはずがない。


■あらすじ
 佐々沙咲は突然来訪してきた哀川潤に八年前の京都連続殺人事件について嘘をついていたことを知らされる。
 そこから零崎人識が八年前に京都で起こした殺人事件の真相を語られることになるのだが、幸運にも殺されることを免れた目撃者たちによる人識の殺人と、人識自身すら理解していなかった殺人の目的が哀川潤によって語られることになる。


■感想
 買うって言ってた人識といーちゃんの関係です。
 前回の感想の時も思ったんだけど、困ったことにシリーズを覚えていないとつらい。うん、かなりつらかった。悲しいかな、今シリーズを読み返せない状況なんだ。

 始まりは沙咲さんの主義と哀川潤による八年前の事件の振り返りから。
 正直なところ、私は戯言シリーズで『クビシメロマンチスト』が一番好きだったりする。あの、恋する乙女の暴走の顛末と事態を察して死を受け入れた宇佐美が好きなんだ。
 なので、この話は楽しみにしていたのだが、人識サイドなのでそっちが出てくるはずがなかった。
 まー、江本は出てくるがね。人識に殺されなかった目撃者として。

 人識の殺人現場に遭遇してしまった江本だが、殺人鬼とおかしな会話の末に見逃される。
 次の目撃者・木賀峰、続いて出会ってしまった七々見と沙咲も同様に。七々見ってあんまり印象にないんだけど、腐女子だったのか。覚えてないなー。

 結構面白い会話をしているので楽しかったのですが、人識は何がしたいんだろうとずっと考えていた。
 しかし、沙咲がいーちゃんの部屋の言った時はわっくわくしたな! いーちゃんすごい言われようと笑うしかないw ずっといーちゃん視点で見ていたから気づかなったけれども、一目で異常者だと力づくで理解させられるとか、どんなひとなんだよww

 哀川潤も玖渚友も辿りつけなかった人識にあっさり出会っているいーちゃんのことを知った哀川潤が行動を開始し、ふらふらと夜道を歩いていたところで哀川潤は人識に襲われる。
 そこからはスーパー名探偵タイムである。どうして人識が目撃者を殺さなかったか、それは一度殺したことのあるタイプの人間だったから。
 人識は心がどこにあるか探してバラして解体していた。だが、一度殺したことのあるタイプのことはもう知っている。なんでも人間は十二通りしかいないのだがら、十二人殺した時点でこの殺人は哀川潤が何もしなくとも終了していた。

 でも、相手は哀川潤だ。
 誰ともダブることのないレアカードである。こうして人識と哀川潤戦で終幕。
 最後に鈴無さんと人識の会話がありますが、ロマンチストの裏側で起こっていた事件というのは面白かったです。
 でも、いーちゃんと人識の会話を期待するのはいけない。会話はない。目撃・遭遇者からみた殺人鬼という形。言葉遊びのような会話が好きならオススメだが、戯言シリーズ既読は必須かと。そうじゃないとキャラの背景が分からないからね。

 では、ここで今回のお気に入り。
 今回は人識と江本の会話から。作者と作品の関係の話をするのだが、要するに人殺しの話を書く奴は人殺しが好き、いやティーンズラブ作品書いてるからって恋愛の達人じゃない、なんて意見を交わし合って、話題は最近よく聞く暴力的なゲームやアニメの影響で殺人を、なんていうのはおかしいのではないかという人識の意見から。


「順序が逆だってな」
「順序が――逆?」
「ホラー映画を見る奴は、ホラー映画が好きな奴だろうよ。暴力的なテレビを見る奴は暴力的なテレビが好きな奴だし、暴力的なゲームをする奴は暴力的なゲームが好きな奴だ。だから影響なんか与えられねーんだよ――影響を与える前から、そいつはそういう人間だって話」


 ああ、なるほどなー。
 となると、私は結構しんどい思いをしてホラーを観ているのだが、好きなんだな知らなかったなー。
 でも、そんなもんじゃないかな。影響というか琴線に触れるという感覚は、元となる琴線がなければどうにもならないもんな。レビューとか読んでても意見が自分と真っ向から違うものとか受け入れられないじゃないか。だから、ここでの結論通り、根っこの部分ってのは簡単には変わらないんだろうな。






零崎人識の人間関係 戯言遣いとの関係
西尾 維新
講談社 (2014/10/15)

posted by SuZuhara at 22:12| ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする