2020年04月25日

幼女戦記 17



「さあ諸君。戦争芸術の歴史に我々のページを追加するぞ」


 待て、4月更新1回もしてないって嘘だろう?
 なんとか元気です。世間は外出自粛とやららしいですが、僕は毎日仕事です。なんなら2週間休みなしでした。え、今日がGW1日目ってあり得ないだろっ!! 俺は暦通りの休みもねぇぞ!
 とまぁ荒んではいますが、僕は平常運転ですね。最近はあまりゲームや小説を読むほどの体力が残っていないのでなんとかFGOは続けているといったところ。やめると決めた途端にエリちゃん、翁、双子×2が来るというね。俺はカイニスが欲しかったのに。次の配布☆5では孔明をゲットすればついに王と弟子に会わせてあげられると思ったのですが、たぶんノルマクリアできないからナポレオンの宝具をあげようと思っています。


■あらすじ
 ミサイルに搭乗してフランソワ共和国の司令部を襲撃した第二○三大隊は途中に一部アクシデントがありつつも、作戦を無事に成功させて帰還に向かう。
 アルビオン連合王国の上層部は既に帝国に勝った気でおり戦争が終結したもののような気でいたのだが、帝国に潜らせていた情報員が帰還しないことからドレイク大佐が帝国の状況と戦争の終わりを確かめるために出撃する。


■感想
 やー、もう18巻が発売しているけど今回は書いてなかった17巻の感想だよ。

 今巻はなんと言ってもエーリャが全部持っていくよね。
 特に問題なく司令部襲撃を行なっていた第二○三大隊だったが、魔導封鎖を解除した時に敵の魔導反応を感知する。これはこれまでに出てたアルビオン連合王国の情報員のもので、一早くターニャたちの存在に気づいた彼らは隠し部屋で機密を守りながらターニャの魔導反応を記録しようとしていたのだが、九七式が高性能のため探知されてしまったのが運の尽きである。
 地下に続く道を発見するが時間がないので酸素を焼いて丸焼きに。時間の関係で結果は確認しないまま去り、無事に司令部と弾薬庫を襲撃して離脱。

 その後に残されたのは、焼かれた地下室で一人アルビオン連合王国の工作員は生き残りターニャたちの魔導反応を記録していた。助けに来たおそらく共和国軍人に外交特権を提示して宝珠を連合王国へ届けようとするが、魔導刃で殺されてしまう。
 その相手が、共和国軍人に化けていたエーリャ。うわー、耳の早い子だとは知っていたが本当に工作員だったか。読み返すと帝国軍に質問する記者とかもエーリャなんだよね。セレブリャコーフ少尉と会うときに急用で会えなくなるはずだよ……。

 ちと早いけどここでお気に入りにいっとこうか。
 情報員を殺した後のエーリャの言葉です。


「危ない危ない。危うく同窓の術式で焼け死ぬところだったわ。さ、私もさっさと退散しますか。
 お疲れさま 連合王国」


 いやぁ、格好いいね。
 彼女の出番はここで終わりですが、あとはアルビオン連合王国が楽勝ムードである中で出撃するドレイク大佐。この辺りはアニメとビジュアルが違ったりするので甥っ子噛ませ感すごいとか思っていますが、ドレイク大佐は次でボス感がすごいです。次の感想も早めに書きます。

 あとはグランツのちょっとした青春とドアノッカー作戦完遂で次へと進む帝国軍。ターニャにとってのレルゲン中佐がガチ少女漫画で面白かったw





幼女戦記 17
東條 チカ (漫画),カルロ・ゼン(原著),篠月しのぶ (デザイン)
KADOKAWA (2020/1/23)
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2019年12月31日

あおざくら 防衛大学校物語 14



「お前の気持ち邪険にしてて…本当にごめん…」


 仕事納まったぞー! もう年末はいつもギリギリまで仕事だよ。今年は12月の繁忙期に特定の担当がない――つまり、呼ばれればどこにでも行く即応待機状態だったのですが、呼ばれることが少なくて楽をしていたのですが、最後に怒濤の如く終わらないと呼び出されるっていうね。
 うん、知ってた。でも、もっと早く言ってくれよ頼むから。
 され、これから6日間休みなので引きこもるんだ! 犬の散歩以外は外に出ないからな、絶対にだw


■あらすじ
 中期が終わり部屋会へとして草津温泉に行くことになった近藤たち。そこでオンとオフの切り替えの重要さを知った近藤は、そのまま実家に戻って年越しを過ごすことに。
 前回、キスして別れることになった松井と向き合い、今はまだ恋愛を考えることが出来ないことを伝えつつも、松井との関係を考えていくことになる。
 そして、すぐに後期が始まり、前期に続いて部屋長坂木の元での過ごす最後の日々が始まる。


■感想
 発売日には買っているけど、感想を書くのはいつだって遅い。前回書いたアクタージュ9巻よりも先に読んでいました。
 あおざくらも14巻。実写ドラマ化と舞台化とのことで、僕がのうのうとしている情報がいっぱい出てますなー。

 中期部屋会として草津温泉に行くことになった近藤たち。いきなり土方との温泉シーンなので、少々ビビった。いや、この二人が一緒ってのがちょっと笑えるってだけw

 この1年間徹底的に備えることを教え込まれていた近藤たち1学年に気を緩めること、リラックスできる環境を作り出すこと、オンとオフの切り替えをちゃんとしろと教えてくれた芹澤のオフに付き合うことになるのだが、これはヤバい。芹澤さんはな、オタクなんだ。これまでにもフィギュア壊した事件とかいろいろあったんだ。
 つまり、芹澤のオフとは――聖地巡礼だったw

 これは趣味に理解のある人ならいいよ。でも、アニメシーンの再現とかメイド喫茶とかレベルが高すぎるってw
 最後に、土方が夜中一人で抜け出して自主トレに言ってしまうのだが、この辺は少し危ういな。オレにオフはいらない常に備えるって言うけど、土方は自滅しそうだよなぁ。

 部屋会が終わったら年の瀬に向けてそれぞれ実家やコミケへ出発。……これだけで芹澤さんの行き先だと分かるなw
 家族と仲直りしたと近藤は思っていた土方だが、実際はなにも変わっておらず、今回も実家には帰らないと言う。
 でも、陸上自衛隊の桂木五郎が来ることを告げてウチ来いよと誘うとその日には行くことを約束する。

 ここからは近藤が実家に戻って松井との恋愛問題があるが、私はこの辺興味ないのでスルーするw 今は考えられない。なら、その時まで待ってる。である。
 年越しに一斉に近藤のところにあけおめラインが来るけど、近藤が慌てて返すと秒で返信してくれる坂木が格好良すぎる。てか、そのアイコンww

 あとは卒業間際の4学年会、土方が近藤の実家に来るが終わって後期開始。後期の少付は土方らしいけど、沖田がげんなりするわな……。

 近藤は部屋長が再び坂木、式が続くことで儀仗隊が忙しい、練習が厳しくなることで日々の生活が上手く回らなくなってくる。同室になった一学年の山南がそっとフォローしてくれるのだが、山南は近藤のことを「良く思っていない」と告げてくる。
 何度か読んでもこの辺良く分からないんだけど、周りに頼らず一人でなんでもしようとしてしまう近藤を山南は認めていないんだ。防大生は幹部候補生であり、頼られるだけじゃだめってことだと思うんだけど、理解できているとは言い切れない。
 ま、後期めっちゃ忙しいからこれからもフォローよろしくって近藤が認めて礼を言ったら多少歩み寄ってくれる。そんでこれからもフォローするって言ってくれるこの頼もしさハンパない、さすが山南さんや……。

 こんなところで今回は終わり。次巻は2月とのことで楽しみだ。ついに要員決めみたいだし、近藤には坂木と同じ空に行ってほしいなー。

 では、ここらで今回のお気に入りへ。
 今回は部屋会の草津旅行で芹澤の聖地巡礼に付き合ったシーンから。付き合ってくれた二人に芹澤は言うんだ。


「オレはこうやって好きなものに情熱を注ぎたい…偽りのないありのままの姿でな。
 好きなものを好きでいさせ続けてくれるこの日本って国を、これからも守り抜くためにオレは明日も頑張るんだ」


 芹澤さん格好良すぎだろ……。
 私は本やゲームが好きだけど、その好きをここまで誇れないからこういう人には憧れに近いモノを感じてしまうんだ。
 ……いや、等身大POPとかはいらねぇですがw






あおざくら 防衛大学校物語 14
二階堂 ヒカル
小学館 (2019/11/18)


今年の振り返り
posted by SuZuhara at 15:07| Comment(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月29日

アクタージュ act-age 9



「俺が倒させてやる 夜凪景を」


 いろいろ今年の統括的なことを書こうかと思っていましたが、まぁそれはまたの機会に。今年はいろんなことを始めたので来年に持ち越さないようほとんど終わらせてきました。長いこと続けていたことも来年はやらない。実はこのブログも悩んだりした。
 ま、一つだけケリをつけられなかったものがあるので来年も向き合わねばなりません。でもその人は私を知っているので「そうだと思った」と言ってくれそうだと楽観視してたりもする。
 僕は少しでも嫌になったら逃げますからね。この前やった診断テストはうさぎだったしな!


■あらすじ
 ダブルキャスト公演『羅刹女』にて黒山が自分たち甲サイドの演出家ではないことを知り、降板しようとする王賀美を納得させるために山に登った夜凪は、そこで甲サイドの演出家・山野上花子と出会う。
 なんとか王賀美を納得させた後はそれぞれ別れてでの稽古に入っていくが、夜凪はなかなか羅刹女のイメージを掴めずにいた。黒山に呼ばれて乙サイドの練習を見学したとき、同じ悩みを持っているだろうと思われた千代子は、夜凪に負けたくないという気持ちを自分の内で燃やし続けていた。


■感想
 あらすじはいつだって――(以下略。
 アクタージュ9巻、羅刹女のダブルキャスト公演が決まったが、ハリウッド俳優リッキーが超問題児ってとこからの続きですね。

 山に登り花子と過ごしたことで羅刹女の演じ方を掴んだ夜凪は雨とかに邪魔されながらも慌てて下山。しかし、リッキーは既に空港へ。武光がなんとか止めようとしてくれるがリッキーは止まらない。
 そんな王賀美を止めたのは、千代子と阿良也だった。どうしても夜凪と勝負したい二人だった。

 この辺を読んでいても千代子のポジションはつらいよなー。
 千代子の在り方は嫌いじゃないんです。だってみんなボロクソに言うけど、そいつは立派な武器だから。
 スターズを捨てた男に名前すら覚えてもらえていないから、内心では腸煮えくり返っていてもおかしくない。そんで、遅れてきた主役・夜凪の依然よりも成長した姿なんて見せられるんだ。穏やかでなんかいられない。

 雷からの停電すら夜凪の仕業かと思わせる演技を見て、リッキーは再び甲サイドに戻り、花子たちと羅刹女の稽古を開始する。
 乙サイドも黒山に「悪くない」と言わせるほどなのに、千代子には余裕がない。自分自身が夜凪との差を実感しているからなんだけど、追い詰められている感がすごくて苦しいぜ。
 そして、千代子は黒山を呼び出し、負けたくないという感情を吐露する。黒山がハッとしたように個人的に甲サイドの方が観たいかなぁと思っていたけど、断然乙サイドを観たいと思った。俺、千代子派になるわ!w

 羅刹女を演じるために夜凪への感情を燃やし続ける千代子を見て、夜凪も自分の怒りと向き合うことにする。ここで映研メンツとの日常はすごくいい。夜凪に帰る日常があるってのは本当にいいことだ。
 だから、夜凪が自分の怒り=父親への感情と向き合っている間は怖ったですなー。

 公演まで1ヵ月ってところで今回はおしまい。
 いやー、どっちが勝つんだろう? 千代子派で黒山スキーな私としては乙サイドに勝ってほしいですが、そう簡単に勝ち負けで終わってしまうのもつまらないよなぁ。
 どうなっていくのか、本当に楽しみだ。

 では、この辺で今回のお気に入りへ。
 今回は地味だけど、リッキーの過去についての話で白石さんが言った言葉を。スターズの方針に噛みついた王賀美陸は日本では干されることになってしまう。海外からのオファーで出て行くがその背中は寂しそうだったと当時を知る俳優の白石さんは言う。


「だから僕には
 彼のあの顔が嬉しいんです」


 ああ、こんな人が居てくれるなんて奇跡があって良かった。
 リッキーは、王賀美陸には不要かもしれないけれど、こういう理解者がいるっていうのは誰にでも嬉しいことだと思うんです。
 いや、私が嬉しく思ってしまうんですよ。






アクタージュ act-age 9
マツキタツヤ(原作),宇佐崎しろ (漫画)
集英社 (2019/12/4)
posted by SuZuhara at 20:52| Comment(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月18日

アクタージュ act-age 1〜8



「どんなに異常な性質も 観客の前では奴をスターにする武器だ」


 大切にしてるんですね、と言われて驚く。
 私は本にしろゲームにしろ、財布に鞄にしろ、それがなんであれ自分の手にある以上は大切にするのは当然だと思っていたのだが、こういう言い方をされるということは普通はそうじゃないってことなんだろうか。
 それなら普通じゃなくていいや。変わり者は変わり者らしく、今年は地道にちまちまと自分が感じる感覚を追求してきたので、もうちょっと深掘りしてみようと思う。そう、怖いという感覚を探している。ITリメイクでは子どもの頃のトラウマは復活しなかったけれど、シャイニングの続編であるドクター・スリープならと望みを託して年末はできる限り映画に行くんだ!


■あらすじ
 夜凪景は役者になるために受けたオーディションで落ちてしまうが、映画監督・黒山墨字に見出されることになる。景が自身の過去を追体験して役を演じるメソッド演技で役そのものになる迫真の演技を見せるが、自分の知らない感情は演じられず、役になりきってしまい演技を制御できないという未熟さがあった。
 墨字は景に経験させることによって自分が撮りたい役を演じられる役者に育てようとしていた。


■感想
 呪術廻戦好きならアクタージュもオススメだよ、と言われたので全巻買ってみた。結果、めちゃくちゃ面白かったよ! でも、呪術廻戦とは全く毛色が違う漫画じゃんかw 役者ものの物語は読んだことなかったと思うんだけど、やっぱり知らない世界は面白いなー。景のちょっと変わっていて距離感分かんないところがすごい好きなんで読み続けたいと思います。

 さて、ざっくり説明。
 あらすじに書いたように役になりきってしまう景は演技力は高いが危うすぎて、事務所のオーディションに落ちてしまう。しかし、審査員として入り込んでいた墨字がその才能を見出し、自分の事務所に引き入れ、仕事を撮ってきてた景を成長させていく。
 エキストラの仕事はおおっと思ったな。景として町人Aになると殺される女の子に妹を重ねてしまい黙って見ていられずぶち壊しちゃうのに、墨字に「お前の家族は別のところにいる。この時代ではお前が何かすれば一族郎党殺される」と言われただけでシーンを食う程の演技を見せる。
 これ、墨字は楽しいよな! どんどんどんどん良くなっていく景を間近で見られて、自分が望む俳優になっていく様が見られるなんて楽しくないはずがない。

 次は映画出演。景が落ちた大手事務所・スターズの花形俳優が集まった殺し合い系映画『デスアイランド』の一般出演枠をオーディションで勝ち取るところから始まる。まあ、オーディションも一筋縄じゃなかったんだが。
 そこでスターズの天使・百城千代子と共演することで、千代子から自分を俯瞰する、どう見られるのかどう撮られるのかという意識を手に入れる。相変わらず役にはまりすぎてしまうので、クラスメイトが殺されるシーンで吐いちゃってゲロ女とか呼ばれちゃうがw それでも、吐いたところは映っていないのでOKになってるんだからすごい。

 しかし、景の役は最後に千代子を庇うというシーンがあるのだが、千代子自身が分からない、千代子を友達に思えず一所懸命仲良くしようとする。ここの「ここに座っていい?」「うん、もう座ってるね」「千代子ちゃんのこと、千代子ちゃんって呼んでもいい?」「うん、もう呼んでるね」の流れ好きw
 千代子の方が景を遠ざけているのでここでは友達にはなれないのですが、一緒にオーディションを受けた友達への感情を集めて千代子=役・カレンへの想いを作り上げて演じるが、その時に千代子が常につけている仮面を知ることになる。
 その後、台風の悪天候から一発勝負のクライマックスシーンでの景と千代子は圧巻ですな。漫画原作映画でのオリジナルキャラとか地雷でしかないが、これは面白そうだと思いました。

 千代子との関係は友達じゃないかと思っていましたが、ちゃんとラインも交換している良き好敵手。なお、景はめっちゃ千代子に懐いてますw

 映画後は演劇へ。
 景は演技の幅を増やすために墨字に明神阿良也の舞台を観に行く。そこに千代子を誘うが、当日ドタキャンで代わりに来たのが星アキラ。一話から出ていて、スターズの社長・星アリサの息子で俳優のウルトラ仮面。
 いろいろあって熱愛かとか言われるが景はアキラに恋愛対照的な興味なく、阿良也のいる舞台演出家・巌裕次郎の劇団天球に入れるようお膳立てしていた墨字によって景も次の、そして巌最後の演目・銀河鉄道の夜でカンパネルラ役に抜擢される。

 ここで阿良也の言っていることは感覚的だし、景も変わっているから分かりにくい。無茶振りのワンシーンを演じたことで受け入れてもらうことには成功するのだが、景の演技はリアルで精密だが舞台としては分かりにくい。感情を出せというのに悩んでしまうが、そこでウルトラ仮面がヒントをくれる。
 ま、アキラも熱愛報道をもみ消すために劇団入りして共演ってことで景に振り回されることになるんだけど。阿良也に自分の感情を喰われ、千代子に振り回されながらも役を掴んで舞台稽古へと進んでいく。

 この天球のメンツがすっごく好きなんですよ。亀のダサさってのは舞台俳優には欠かせないよな。私はそんなに見に行く機会はないけど舞台好きなので、ついついこういう人ばかり観てしまう。
 何度も言ってるけど、舞台の良さは映画のカメラと違って観る人の数だけ視点があることなんだ。主役そっちのけで舞台袖観ている人だっている、主役の背後でめっちゃ面白いことやってる俳優さんがいる、それが面白いんだと思っている。
 だからこそ、語られる巌の寿命と舞台の感性は別れに繋がっていてつらかったがね。

 銀河鉄道の夜ってちゃんと読んだことがないのですが、それでも景のカンパネルラは神がかっていました。これはパンフ買って帰るわ絶対。千代子たちも見に来ていて、アキラの才能開花と阿良也の真骨頂、景のお披露目といった感じか。
 初日に巌は倒れてそのまま亡くなってしまいますが、墨字たち大人組が抱える葛藤も少しずつ出てきて楽しくなってくる。

 巌の告別式で景を悲劇のヒロインとして世に売り出そうとする男・天知心一が現われますが、墨字さんガードと景自身が拒否したことで一端引き下がる。けどこいつは怖いですな、ドッキリなんて言いながら作らせた週刊誌の記事は本物で撤回できるだけの金がある。芸能界怖いところよ。

 巌の死に寄り添い、死者であるカンパネルラを演じた景は少し戻れなくなっていてオファーはどんどん来るのに墨字は全部断り、学校で友達作ってこいと言う。
 距離感おかしいから作れないのだが、映研の吉岡と一緒に短編映画を作るところから始めることに。そして、まだ自分と幼い弟妹のことでいっぱいいっぱいだった頃に無碍に扱ってしまっていたクラスメイト・朝陽ひなと和解して映画作りをしていく。
 様子を見に来たアキラが安心したように、ここは学校で景はただの高校生だから、芝居をしても戻ってこれないなんてことはなく自分を確立させていく。

 だが、文化祭で上映するはずだった映画は天知が景の特集を組んだことで客が殺到してしまい中止に。悔しい思いをしていたところ、ひなと同じく映研の幽霊部員であった花井が夜の校舎に映写する。
 花井はよるあると言ったら失礼だが、怪我でドロップアウトした元高校球児。自分にとって生きる目的だったものを失い腐っていた花井はもう何に対しても頑張れない状態だったが、景たちが作った映画を上映するために頑張ってくれたことに礼を言うと初めて気づいたような顔はすごく良かったな。

 エンドクレジットは勲章みたいだ、ってひなもいっていましたが、それはすごくよく分かる。自分もいつか関われたらと思っていたが、その夢は去年叶っていたりする。喜びや気恥ずかしさもあったがそれ以上に圧倒的な後悔があった。だって、自分ほとんど何もしてないんすもん。B'zの『ケムリの世界』って曲にも「全部自分がやったんだよと 叫べるおシゴトしましょう」ってあるんだが、たぶんきっとそんな感じ。全部だなんて力量ないけど誇れるほどやってないという自覚もあるから悔しいんだろう。
 この辺の消化不良感を今年は抱えていたのですが、この気持ちをうっかり吐露しちゃったらカメラを肌身離すんじゃねぇぞと笑顔で言われたので荷物最小限主義者としてはうぇへぇなことになったのだけど。

 脱線した、閑話休題。
 学校の意向を無視して見事に停学になった景だが、役者だけが自分の定義じゃないことを知ったことでついに墨字さんが景を撮ることに。
 新宿に着いた電車の中からヘッドホンから流れる音楽に合わせて飛び出す景を墨字が追いかけ撮っていく。そのMVで景は一気に知名度を上げ、千代子とダブルキャストの舞台に。
 しかも、千代子の相手は阿良也で演出家は墨字という完全アウェイである。景の相手も世界的映画俳優・王賀美陸なのだが、癖がありすぎた。しかも舞台自体が天知の息がかかったものだから裏が怖いのだが、現在出ている8巻では景たちの演出家・山上花子と出会い、舞台の演目・羅刹女を掴んだところでおしまい。12月には9巻出るようなので楽しみにしような!

 ふー、さすがに8巻分の感想となると駆け足ですが、めちゃくちゃ面白いので是非一読を。キャラがどいつもこいつも嫌いになれなくて楽しいぜ!

 では、この辺で今回のお気に入りへ。
 文化祭の校舎上映中に景が花井に言った言葉から。役者としての自分しか見ていなかった景が、今回の映画制作で気づいたのは芝居に出会わずにいたら高校生だった自分もいたということ。そういうもう一つの普通があると気づいたと語るシーンから。


「きっと私達は何にだってなれるんだわ
 だって私がお芝居に出会ったのも偶然だったから」


 星アリサの危惧はまだ完全には明かされていませんが、景はこの高校生活と墨字がいれば大丈夫そうだ。問題は自分を広げるために曲げてきた千代子の方だよなー。今回、墨字が星アリサの指名で千代子側についたのでどうにか不貞不貞しくも美しい千代子の良さを失わずにいてくれるはずだと信じています。






アクタージュ act-age 1〜8
マツキ タツヤ(原作) 宇佐崎 しろ(漫画),
集英社(2018/5/2〜2019/9/4)
posted by SuZuhara at 10:47| Comment(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月27日

幼女戦記 16



 天翔ける白銀の英雄よ!! やはり貴官には最前線がよく似合う!!


 冴えカノとジェミニマンを観てきた。
 やっぱり映画が好きだなーと思うけど、それ以上に人がどんどん苦手になっていくので席と上映時間選びを慎重にしているのだが、空いているのに隣に座ってくる人がいる。毎回同じ人で話かけることは出来なかったんだけど、今回向こうから話しかけてくれた。
 映画は一人で来るけど観るとき一人なのは寂しい、と。
 ……分かり合えない、いや、知らない世界の人だったらしい。僕はパーソナルスペースを侵される方が辛いんだがなー。


■あらすじ
 「衝撃と畏怖」と名づけられた作戦を遂行するためにターニャは二○三大隊から精鋭を選び出し、ドクトルシューゲルの作った長距離ミサイルへと乗り込む。
 敵の頭上を飛び越えてフランソワ共和国軍の司令部へと潜り込んだターニャたちだが、司令部を守っていた兵の練度不足を知り戦果拡張へと乗り出す。


■感想
 気を抜くと新刊が発売しているコミカライズ版幼女戦記。今回はミサイルでの襲撃回でしたが、アニメじゃよく分からなかったところがすごく分かりやすかったです。
 言葉にして説明するとあんまり進んでいないようですが、内容の濃い一巻でした。

 ターニャが命じられた衝撃と畏怖作戦は長距離ミサイルに航空魔導師を乗り込ませてフランソワ共和国の司令部を直接攻撃するというもの。ターニャが以前に進言した作戦だったらしいが、本人は覚えていない。その方がいいよ。

 シュワルコフ少佐との再会は嬉しい。初期ライン戦線組が好きだからほんの数ページでも嬉しいんだぜ。

 二○三大隊から選抜中隊を引き連れてミサイルに乗り込むことになるターニャたちだが、これはドクトルシューゲル作のもので、安全性は当然保証されないw 自分たちのエレニウム九七式で防御膜作れよ、というものww
 ミサイル発射の描写は格好良すぎて息をのむほど。振動の描写すごいなー。こりゃあ大隊長殿について行くわ、勘違いもあるけどデグさんは部下にとって最高の上司なんだな。

 自分たちは非魔導依存降下し、降り注ぐミサイルの残骸で目を逸らしつつの着地。
 そのまま迅速に襲撃するが、司令部が戦場になると思っていなかったフランソワ共和国は防御が手薄で兵の練度も低い。それを知ったデグさんは戦果拡張に乗り出すのだった。

 と、言葉にしてしまうとこんなところ。
 他にもメアリーの元に訃報が届き、軍人になることを誓うシーンとかあったけれど、基本的には二○三大隊のメインメンバーがイキイキしていて楽しい。この調子だとまたすぐ続きが出そうなので楽しみにしています。
 
 では、この辺で今回のお気に入りへ。
 まあ、なんだその、今回はシーンというか、何を差し置いても表紙を見るべきだ。この俺たちの戦いはこれからだと言わんばかりの笑顔とケーニッヒの反り具合。そして、裏表紙に隠された親父組の笑顔をww
 コミックを買っていない人にも、この表紙と裏表紙のイラストだけは是非とも見てほしいものだ。





幼女戦記 16
東條 チカ (漫画),カルロ・ゼン(原著),篠月しのぶ (デザイン)
KADOKAWA (2019/10/25)
posted by SuZuhara at 18:38| Comment(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする