「私のカラダを探して」 夏休みだーっ!と私にもやっと休みが来ています。ひゃっはー!
ちょいと用事があるのでゆっくり本を読むという予定通りには行きませんが、仕事に行かないだけで素晴らしいんだよ!
GE3やキャサリンフルボディの情報が出てきてそれだけで楽しいのですが、僕のスケジュール的には死にそうなので現実はなるべく見ないようにして生きるんだ。
■あらすじ 友人の三神遥から「私のカラダを探して」と頼まれた森崎明日香ら六人は怪談として語られていた「赤い人」とのカラダ探しを強要されることになる。
殺されてはカラダを見つけ終わるまで終わらないカラダ探しを繰り返しながら、明日香は仲間たちと協力して八つのパーツを揃え終わるが、次のカラダ探しの頼んだ側に回ることになってしまう。
前回のカラダ探しで明日香以外で唯一生き残った伊勢高広は記憶を保持しており、明日香を助けるためにカラダ探しを行い、明日香の友人である相島美雪がカラダ探しの呪いを解くために動くが失敗に終わってしまう。
明日香が美雪の残した言葉に不安を抱く中、クラスメイトだがほとんど接点のない村田幸恵からカラダ探しを頼まれてしまい、始めに頼んだ側だった三神遥とともカラダ探しを行い、最後に目覚めた美雪の計画で仲間を失いながらも赤い人の呪いを終わらせる。
■感想 ひゅー、ざっくり全部書いたらもう疲れている感があるけど行くぜ。
ちょいと前に一番怖い漫画ってなにかと話題でタイトルが上がっていたので、ちょっくら全巻買ってみた。こういう時の僕の行動力は早い。
物語は大きく分けて三つ。本来は四つなのだが、原作では三つ目に当たる話が漫画版では「カラダ探し解」として現在連載中なので、ここでは漫画版のカラダ探し17巻までの感想を。
もうオバケにしか見えない顔をした友人・遥から「カラダ探し」を頼まれた明日香たち6人は知らぬ間に夜の学校に集められ、そして現われた赤い人こと血塗れの白い服の少女に殺される。
目覚めた明日香たちにはその時の記憶、殺された跡が残っており、遥の八つに別れたカラダを探し終えるまで赤い人との鬼ごっこは繰り返されることになる。
赤い人にはルールがあるので、簡単に説明。
・赤い人の姿を見た者は振り返ると背後に現われた赤い人に殺される。
・赤い人に見つかったら背中に張りつかれ、歌を歌い終わると殺される。
もうちょっとあった気がするけれどもこんな感じ。ルールを逆手に取って仲間を守ったりする展開は胸熱でしたなー。だが、赤い人の逆鱗に触れるとルールを破ってくるので注意。
初めの遥のカラダ探しは突然巻き込まれた同士が始めギクシャクして互いを犠牲にしながら進みますが、次第に協力しだすという王道。だが、憑依された健司の存在が先が読めなくて面白かった。
その力すら使って最後、赤い人の持つ人形の中に隠された頭を奪う戦いはすっげー良かった。どんどん死んでいきながら希望を最後の明日香まで繋ぐが、カラダ探しの最後を知らなかった明日香は次の頼まれる側として遥に棺桶に入れられてしまう。
仲間たちから忘れ去られ、明日香の場所に入った遥の存在に絶望するが、カラダ探しの最後にまだ死んでいなかった高広は明日香のことを覚えていた。しかし、次のカラダ探しのため明日香は姿を消してしまう。
主人公が美雪に代わり、明日香からカラダ探しを頼まれることになる。今回は経験者である高広がいるが、高広と犬猿の仲である袴田武司とその恋人・二見結子はカラダ探しに非協力的でなにかとぶつかることになる。
ぼっちな美雪が一所懸命探す姿と、以前の遥がオバケのように頼んでくるのとは違い、泣きながらお願いしてくる明日香の姿なんかみたら高広でなくともたまらない。
カラダ探しのことを調べていく過程で、始めに美雪が美子と会っていたことから呪いを解く方法を教えてもらう。不安が残りながらも呪いを解くことで協力し合い明日香を取り戻した後、美雪が棺桶に入る事になる。
美雪が目覚めるのを待つ間、明日香は再びカラダ探しを頼まれることになる。どう取り繕ってもブスとしか言えない村田に頼まれてしまい、遥や武司とともに再びカラダ探しを行うことになるが、前回のカラダ探しの改変で妹を失った武司は廃人となっていた。
遥主導でカラダ探しをすることの頼もしさったらない。武司が復活したのは嬉しかったが、赤い人とガチンコ勝負というのはちょっと。物理ではどうにも出来ない相手が物理で殺しに来るのが怖いのである。なんで立ち向かえんだよ、無理だよ。
美雪が美子を味方につけたように、今度は明日香が美紀を味方につけるというのは面白い。どっちが悪いのかと考えながら読んだけど、怖い人まで出てきてこんがらがる。背景が背景だけにじじいだけは許さないと思考放棄したのは内緒。
村田のカラダ探しを頼んだ人選は、自分の嫌いな人たち。この人も高広ラブとか、どんだけモテるのか。ま、高広は明日香しか見ていないですが。美紀に村田がkillされて、三度目のカラダ探しは終わり。
美雪が目覚め呪いを解く方法、美子を見ている美雪が美紀ごと振り返ることで美子は美紀を殺す。美雪ごと、である。なんか、文章おかしいな。美雪が美紀を抱えて振り返ると、そこに美子が現われて殺しに来る。振り返った美雪を殺すその時、間に美紀がいただけという体つーわけである。
美子が暴れるのを抑えていた美紀が死んだことで世界が崩れるが、ここで留美子が「明日香さん」とか言い出すのでこの辺がおそらく「カラダ探し解」。まだ僕は読んでいない。
命を懸けて美子に留美子が見つけた心臓を返し、美子から赤い人を追い出して呪いを解くために動き出す面々。美子の墓と屋敷に向かう組に分かれる。健司も合流し泰蔵の力で美子を食い止めてくれるがそれも時間の問題。
続々と死んでいきながら美子に心臓を返した留美子たちは屋敷組の高広、明日香、遥に繋ぐ。怖い人に邪魔されながらも赤い人が入った壺を壊して屋敷は炎上する。
その後、目覚めると明日香と高広以外あの日の記憶はなく、遥の存在は忘れられていた。仲間たちはみんな無事で、遥もカラダ探しに狂わされた人生などなかったかのように本来の暮らしに戻っていることが分かり、明日香が高広の気持ちへの答えを言ってお終い。
いやー、赤い人・美子関連はなかなか怖いので面白かったです。
強姦されてバラバラ死体とか、もう本当にじじいコノヤロウっ!である。それを泰蔵に押しつけやがって本当に許せん。
美子の物理最強から何度も何度も死ぬ様子はつらいですが、トライアンドエラー派としてはどうなるのか楽しみでした。明日香、主人公として文句なしの行動力があるのに脚が致命的に遅いというホラーゲーでは生き残れない。
美雪主人公編はぼっちな彼女がたった一人の友達である明日香のために、友人を作りながら向かっていく様子には応援するしかない。
最強の美子との接触から美雪がよく考えて動く子だったので、騙されていると思いつつも命を懸ける姿は翔太でなくとも惚れますわなー。
三度のカラダ探しは村田がホラーだったのと、校内アナウンスがほとんど聞こえないというハンデと武司の廃人化という前途多難すぎたが、遥さんパネェです。仲間の人選が最悪すぎたが、最終的にはなかなか良かったのでは。
漫画の結末と原作は違うようですが、文句なしの大団円でした。
個人的にはカラダ探しを進めてどんどん悪い方へと変わっていく絶望がぞくぞくしていたので、バッドエンドでも良かったのよと思わなくもないのですが、高広が明日香からようやく答えが貰えたようなので野暮なことを言うのはやめておきます。幸せにしろよコノヤロウ!
では、この辺りで今回のお気に入りへ。
軽く小一時間ほど探したんだけど、好きなシーンは一回目の遥の頭を奪うための攻防戦で好きな台詞となると難しい。
でも、最後でちょっとぐっときた台詞があったのでそれをここで。最後に赤い人を抑えていた健司が死ぬ前に車を爆発させて、皆に知らせるシーン。
「爆発…僕の車!?」
「さっきの声からして多分…
健司が死んだ…!!
前もちゃんと知らせてくれたから…」
健司は問題児でなー、好きな子に襲いかかっちゃうし泰蔵に憑依されてあばれちゃうしで大変だったのだが、最後はちゃんと守ってくれる。泰蔵の力から矢面に立って時間を稼いでくれる。
だからかな、僕はこいつが嫌いになれないんですよ。

カラダ探し 全17巻
ウェルザード、村瀬克俊(著)
集英社