2022年05月05日

山田金鉄短編集 全軍奮闘!



「始末できたかよ、オレのダチは」


 やらなきゃならないことはあるが、なんともまあやりたくない。ぶっちゃけ興味ないんだもんそれ。
 そんなことやるくらいならもっとやりたいことあるんだいと思うけど、アレやらなきゃ次に進めんことも分かってるので、この記事書き終わったらやります。ええ、たぶんきっと、やるんじゃないかなぁ。


 今回は『あせとせっけん』の作者・山田金鉄さんの短編集。全軍奮闘っていいな、まさにそんな感じ。
 このブログでっていうか、あせとせっけんについて私が語ったことはないと思うのだが、ちょっとエロいが大丈夫なら全ての人にお勧めしたいグッドなラブコメです。最終回の結婚式からコミック描き下ろしの後日談とか、麻子さん本当に良かったなーって見守ってきた身としては感慨深くなる。名取さん、そこ代わって。でも、名取さんほどいい男にはなれねぇ…っ!っつう素晴らしい二人の話。
 まあ、私としてはもっと石けん作りに関してとかもピックアップして欲しかったり、今ならば液体だけでなく泡石けんとか名取さんがどう思っているのかとは知りたかったりするのだが、そこはどうでもいい話。

 2月に実写ドラマがやっていましたが、自分はドラマの方はダメでした…。匂いを煙で表現していましたが、どうにも受け入れられなくて。ま、これもどうでもいい話。

 閑話休題。
 短編集はそんなあせとせっけんの描き下ろしを含めた6編。自分が読んだことあったのは『ウルフ&ラビット』と『テレワァク与太話』。
 このウルフ&ラビットが好きだったんですよね。治安の悪い町でビビリ主人公・一兎とマフィアのボスの娘・狼子の話。私はなんというか主人公が強いとかチートよりも、弱かろうとも自分の手札で戦う奴が好きなのでビビリでも好きな子のために戦う一兎とゆるふわ系なのに身体能力高すぎるハラペコ狼子の関係が好きなんだよなー。
 テレワァク与太話の方は、ちょっと笑い事じゃないくらい社畜度が似てるのと、テレワークできるってのが羨ましい。嫁見つけやがって羨ましいけどおめでとうこんちくしょうっ!である。

 順序があべこべになっていますが、これからは収録順に『鉄腕ワビスケ』。
 読んで思ったのは世界観がJUNK HEADっぽいな、と。いや、私がこの映画を1年くらい前に観てるってだけで上と下で世界が違ってってとこが……いや、こう書くとそんな乙女ゲーを昔やったな。タイトル思い出せないけど、スチームパンク的な部下が狂うと楽しかった作品…。
 なにが言いたいかというと、物語的にめっちゃ好き。主人公陣より周りのメンツ、ハグさんとか濃いキャラ素晴らしい。解説にある裏設定とか読むの大好きなんでもっと読みたいです。

 次は『テンカの花嫁』。
 ド貧乏ヤンキー・天下の家のタンスより花嫁修業に現われたスペース花嫁・リンリン王女。まあ、手違いで天下のとこに来たって奴なんですが、親もいなかった天下に家族の温かさを与えてくれるが、間違いだったから秘密知られたコイツ殺さなきゃ展開になる。なるほど、素晴らしい。
 この話が一番好きですね。天下がストレートな主人公なのと、天下の取り巻きだと思われているダチたちもめっちゃ格好いい。リンリンはかわいい。めっちゃかわいい。
 でもね、リンリンが言ってた「私はまだ有事のための戦闘技術はないんですが…」ってとこ……え、パーフェクト花嫁気になる。

 次にウルフ&ラビットが続き、『もののけ番長ムラマサ』。
 内容はタイトルで分かるが、めし屋での妖怪勢揃いな様子を見るとわっくわくする妖怪超好き。解説を読むと感慨深くなるけど、シンプルな展開だけど魅せ場もあって纏まっている、短編として完成したお話でした。

 一時、物語についてかじったことがあるんだけど、続くとかまだまだ終わらんよ、な話は物語としてはいかんというもの。詰めるだけ詰めても風呂敷どんだけ広げようとも、まず一作として完成していなければ価値はないとまで言う人がいた。
 そんな悲しいことは認めたくないと当時の自分は思ったけど、今の自分は最後まで付き合えるか分からないからまずお前を教えてくれって思ってる。昨今は1巻無料が多くてたくさん読んだけど、1巻で無理だったり1話で無理だったり、1巻おもろいから最新刊の37巻まで買っちったやべーってなったり。
 
 だから、ムラマサは掲載時に読んでいたら続きというよりもきっと作者さんの名前を覚えるってことをした作品なんじゃないかなって。またこの人の漫画読みたいなって。

 最後は『Meets SEKKEN』。
 あせとせっけんの物語開始前日譚、就活生麻子さんと名取さんのニアミス。名取さんのせっけんがきっかけで出会った二人だったが、麻子さんが会社・リリアドロップに入るきっかけも名取さんだったとか……全ての行動は未来の嫁に繋がっているとかバカなことを思った運命感じる話でした。
 ただ他作品に比べても短いから、あせとせっけん目的で買うと少しがっかりするかもしれないので注意。

 いやー、面白かった。
 今の自分は物を持たない方がいいのだが、これは実物の本で欲しくて本屋まで買いに行った甲斐があった。これからもひっそりですが応援していきます。

 では、今回のお気に入りへ。
 テンカの花嫁より、天下の姿を真似たリンリンの家の執事が秘密を知った天下の仲間たちを始末しに行ったところ、すぐに違うと気づいた仲間たちは言う。


「天下はオレらのボスじゃねぇよ」
「オレらが勝手にくっ付いてってるだけだからな」

 
 瀬戸さんかっけー!
 いや、天下の仲間のヤンキーたちは瀬戸さんだけ毛色が違ってかっけーのですよ。最後の一枚絵も楽しげで、これは珍しくリンリンの隣よりも天下たちとファミレスに行きたいと思う。ポテト食べたい。







山田金鉄短編集 全軍奮闘!
山田金鉄
講談社 (2022/1/21)
posted by SuZuhara at 10:47| Comment(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年05月04日

生活のたのしみ展2022


 今日はいつもとちょっと変わって、行ってきたイベントの感想でも書こうと思う。諸事情あって今年は遊べるけど、来年以降は厳しくなりそうなので記録しておく。

 5月2日の月曜日、仕事帰りに『生活のたのしみ展』へ行ってきた。場所は新宿ですよ、私、あの街が苦手なんだ。ゲーム脳だから脳内マッピングで大抵の場所に行けるんだけど新宿の迷路感はよく分からなくなるんだよ。しかも、仕事帰りだから自分が普段使う路線じゃない方法で行くからね。ドッキドキだったよ。

 しかし、偶然にも会場である新宿住友ビルのある都庁方面への案内板があるところに出た。あとは歩くのみ。歩くだけならいけるぜー、と初音ミクのポスターを横目に会場に向かった。

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 今回のキャラクター・ほぼトリドリの着ぐるみさんと出会う。正直、今回は行けそうにないと思っていたので全く調べてなかった。
 スタッフさんはみんな優しいので買い物袋の存在を教えて貰いつつ、会場を見回る。

 簡単に説明すると、これは糸井重里さん率いるほぼ日が本当にいいものを集めた買い物会場とでも言えばいいのかな?
 はっきり言って、お高い。けど、いいものたくさん揃ってるお祭りみたいなものだ。私はフードスタイリストの飯島奈美さんが好きで、今回エプロンを販売するって言うからえっちゃら向かったのだった。

 が、欲しかったジップエプロン完売してた……。
 値段がHPに表記なかったけど、2万までなら出そうと思って(俺としてはめちゃくちゃ頑張ってる)来たのに。

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 代わりにと言ってはなんだが、糸井さんが呼び込みしてたので夕飯に弁当を買った。ミート矢澤さんとカレーの恩返しのコラボ弁当だったらしいが、値段が高かった……。黒毛和牛専門店なんて先に言ってくれよぅ。
 美味しかったですが、私はカレーの恩返しがそんなに好きではないので、ガーリックライスまでカレー味にしなくてよかったのになって思った。

 飯島さん監修の出しパックと試食させてもらったピーナッツバター、工場直送ポテトチップを買うと約束して仕事先からの直帰が許されていたのでポテチ買って、予約していたMOTHERのデパートブースへ。
 あのゲーム・MOTHERグッズが販売されていて予約者しか入れない選ばれし者の場所である。

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 ちゃんと写真撮ってなかったんだけど、どせいさん人形積み上げとか嬉しくなったり、先行販売グッズが多数でしたが、結局私はなにも買わなかった。
 冒頭に書いた諸事情云々の関係で、高確率で家というか、定住する場所を持てなくなるっぽいんだなー。去年から身辺整理はしていたけど、人形とかは欲しくても持ってない方がいいんだ。
 でも、抽選申し込んできたひざ丈どせいさんは当たったら兄貴の家において貰うんだ!

 いやー、MOTHERグッズいっぱいとかめっちゃ楽しかったなー!
 あとはちまちまコーヒー豆買って帰ってきた。ポテチのおかげで荷物たくさんで新宿駅から電車乗るとか死にそうだったけど、祭りは参加してなんぼですね。
 もう今度はちょっと写真撮るようにしてこんな感じに緩く感想を書いていこうと思います。
posted by SuZuhara at 21:14| Comment(0) | イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月24日

彼女のこんだて帖



 日曜日の夜は肉だろう。


 自分は未だに子どもの頃から使っていた学習机を使っている。だってこれだけ奥行きがあってでかい机って滅多にないんだ。使い安いし、代わりを見つけるのも一苦労だ。
 しかし、もう二十年以上使っていれば塗装だって剥がれてくるし傷も多い。他の机探すかなーっと思っていたら、最近はDIYで自分で修理するのが流行りらしいと聞く。
 さて、どうするかなー。本音を言えばもうちょっと可動域のでかい机が欲しかったりするからなー。


■あらすじ
 四年間付き合った男と別れた日、次の週末はラムステーキを食べると決めた。
 なんとなく恋人と別れようかなんて考えていた時、姉に聞いたレシピで作ったちまきを明日のデートで食べようと考える。
 妹と二人でピザを作り、叶わなかった恋の話を聞く。
 自分のお腹に子どもがいることを知り、子どもの頃に食べていた干物が母の手作りであった事を知る。
 そんな一人ひとり違った生活の中に欠かせない物語と料理の連作短編集。

 
■感想
 何気に角田光代さんの本を読むのは初めてです。
 この本を手に取ったきっかけは、会社の先輩である。この人は大のちいかわ好きで、ちいかわをめっちゃ押しつけてくるw だって、ちょっと会社にいないとデスクがちいかわグッズで埋まっている。「ちいかわ好きなんですねー」って知らない人がいっぱい話しかけてくるからコミュ症にはつらいぜ。
 おいちょっと待て、俺のロッカーにちいかわマグネット貼るんじゃない! 俺のロッカーデコるんじゃないってケンカしてるのだが、これはどうでもいい話。

 そんな先輩の大好きなちいかわフェアが講談社文庫で行なわれるらしい。しかし、先輩は本を読まない。
 ここで「本はそれなりに読みますよ」とか嘘ついて気取ってやがる後輩(私)に見栄を張らせて買わせてちいかわ付箋をゲットしようという作戦を決行することにした、と。てか、俺本読むってそこそこ長い付き合いなのに未だに信じられてない。「お前はどう見ても趣味は読書って顔じゃない」と何度も言われる。
 これはちょっとばかし考え深い。自分、高校時代に「趣味は読書って顔してんのに、多趣味とか持ってんじゃねぇ」って教師に言われたことがあったので。俺の顔は随分と変わったんだなー。
 でも、これもどうでもいい話。

 いいよー、って請け負ったけど、対象ラインナップが新作じゃなくてめぼしい作家さんはもう読んでたんだよ。そこでミステリー大作にいく? でも、コロナ禍で本が全てビニール掛けされてると文章の合う合わないの確認取れないから大作に手を出すのはなんだかなー、と迷っていた時に目についた。
 高校教師が自分を多趣味だと言ったが、自分に興味があるのは昔から本とゲームと映画、あと料理。『彼女のこんだて帖』というタイトルに引かれて手に取るが背表紙のあらすじは括りつけられているちいかわ付箋で読めない。ページが他の本よりも白い(本来は黄色がかった白)気がする。よし読んでみるか、と購入する。
 ちなみに先輩は自分が話をしたその日に本を買ったことに挙動不審になるほど驚いていた。

 今回の初めの言葉は一話冒頭なのだが、彼氏と別れた協子が久々の一人の週末にラムステーキを作って食べて、過去を忘れるのではなく受け止めて立ち直る話。
 次は協子の同僚で恋が長続きしない景がもう別れようかなって考えていたくせに、姉が家族に作っていたちまきを食べて、そしてレシピ教えてもらって自分で作って彼氏に食べさせることを考えたりする話。
 その次は景の姉である衿が子育てしながら自分が平凡な主婦になってしまったことに気づき、夫に家事をストライキする旨をメールする。すると慌てて帰ってきた夫は夕飯を作りだして――と続いていく連作短編。

 うん、非常に面白かった。
 1話10〜20ページくらいの短編も、たぶん次の話はこの人が主役かな、なんて考えながら読むのも。なにより、巻末に料理のレシピと写真があるのがいい。想像だけが補えないものってのは確実にあって、タイ風さつまあげとか全く分からなかった。あと、ちまきは作ってみたいな。

 好きな話はピザからうどん、松茸ごはんの流れ。
 食事を食べなくなった妹を心配した兄が「妹の好きな物自分で作って食わせろ」とアドバイスを受けてピザ作りをする。すると、憧れの先輩の彼女が痩身で自分も綺麗になりたくてご飯たべれなくなっていたことを知る。

 次は妹の憧れ先輩。間近な受験と他の男のところにいった彼女、挙げ句の果てには姉の家出で親は喧嘩という最悪の状況。そんな時に通学バスで自分でピザを作った女の子の話から小麦粉でうどんを作れることを知る。話しかけたらキョドる女の子に申し訳なく思いつつも、家族のいない静かな家で一人うどんをつくり始める。

 その次は家出した姉。家出といっても二十歳過ぎて彼氏とともに夢を抱いて東京へ。けど、彼氏はろくに仕事もせずすぐに辞めて、自分も夢のカフェでの仕事なんか見つからない。このままでは暮らしていけないと母から貰った3万を全て使って松茸ご飯を作り、最後の晩餐に臨む。

 妹と先輩は知り合ったら上手く行きそうなのに、と思う単純脳。
 でも、こういう繋がってるんだがな関係は好きです。
 姉に続く、職場で彼氏に恋心を抱いている女の子の次は絶対ゴンゾーが来ると思ってたのにっ! 来ないって、ゴンゾーって名前だけで気になるだろうに!

 本編だけでなくあとがきも面白かったですね。かく言う私も、干物は自分で作る物だと思ってなかった。でもかかる時間を思うと作れんな。自分待つの苦手なんだよー、忘れるんだよー。

 では、今回のお気に入りへ。
 好きになった人はなんでもできて顔も良い。そんな人に結婚を申し込まれても釣り合いが取れていないと悶々とした時、母から送られてきた格好悪い漬物を見つかってしまう。
 喜んで食べる彼氏の姿を見て、今までなんとも思わなかった光景が輝いて見えていることに気づいた。


 毎日の食卓が豊かになる。そうだ、この人が私にもたらしたものは劣等感ばかりではないはずだ。私たちの毎日はかっこういいものとかっこわるいものでできあがっている。豊かであるというのは、きっとそういうことなのだ。かっこういいばかりではなく、かっこうわるいばかりでもなく。

 
 ここが好きである理由を話すのは、ちょっと私の根幹に触れるので面倒くさくなること確実なので触れないが、きっとそう思える人っていうのはずっと一緒にいたい人なんだよ、って思ってたら後の話でちゃんと婚約者になってて良かったーって思ったよ。







彼女のこんだて帖
角田 光代
講談社 (2011/9/15)
posted by SuZuhara at 10:08| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月17日

MELTY BLOOD: TYPE LUMINA 追加DLキャラ



「戦いの後は栄養補給、常識です。ところで、家に作り置きのカレーがですね?」


 先日、諸事情てかとある事故に巻き込まれて13qほど山道を歩くことになったんだが、まあ、あれだ。死んだな。わりと歩けて苦しくはなかったのですが、連れの関係で道中3時間近くかかった。私は歩くのがめちゃくちゃ早いらしく「一人ならもっと早くついたのにすみません」言われながら歩調を合わせて歩くのは変な感じだった。
 じゃあ何が辛かったかと言うと、代わりに荷物を持っていた腕の筋肉痛だよ。腹筋、スクワットはわりとできるのだが、腕立てだけは回数こなせなくて腕力の無さを本当に痛感した一日だったなー。


■感想
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 今回はメルブラ追加キャラの感想。
 死徒ノエル、青子も配信日にやってましたが、完全武装シエル先輩が来たのでここいらで感想を書いとく。上の画像はここに至るまでアークドライブフィニッシュしてなかったことに気づいたスクショ。

・死徒ノエル
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 来るだろうなと思っていた枠。
 自分としてはノエル先生自体が好きなので彼女の夢のような時間はちょっと痛々しかったな……。ロアの辛辣な評価が好きなのと、対戦相手にシエル先輩が出てこなかったのが良かった。ボスラッシュのボツシナリオでもシエル先輩は出てこないけれど、ノエルという存在にシエル先輩は必要不可欠なんだよな。さすが、シエルガチ勢であるな。

 キャラの使い勝手としては、自分はあまり得意じゃなくてあんまり印象にない。今ちょっと完全武装シエル先輩を死徒ノエルでボコってなかったからやってみたけど、勝利時のイっちゃってる感じは好きだな!
 ノエル先生自体がすごく使い安いこともあって自分にはちょっと使いにくいかな。基本的に脳筋なんで僕。


・蒼崎青子
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 僕らの青子女史。もう有珠について語ってくれただけで十分。PS4版に映画全力で待ってます!
 青子だけあってシナリオは裏側が見られて面白いのだが、くそぅ、早く裏側やりたい。まほよの続きもやりたい。
 プレイキャラとしてはビーム完備ってこともあり強いわ、自分でもパーフェクトが楽に取れる。けれども、キャラ的にというか存在的に上位者なのと深い付き合いのキャラが志貴くらいなので台詞が汎用多くてあんまり使わなかったな。


・完全武装シエル
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 あの、シエル先輩のすごい武器使いたーい。けど、俺はヴァージンペインが使いたーいっ! しょうがないだろ、甲冑好きだもの。
 うっきうきでプレイしましたが、やはり志貴に対する台詞は楽しいね。けど僕は秋葉に対してわりと優しいシエル先輩が好きです。
 プレイキャラとしては強いわな。遠近で隙なしのように感じたが、案の定自分には使いこなせない。シエル先輩がこんなスマートなはずない、とか思い出す厄介なヤツ。これ書いてる間にやってなっかった対完全武装シエル戦を何度かやったが、ノエル先生本当にシエルガチ勢でいいな。次のマーリオゥの時も彼女は輝いていたぜ。


・マーリオゥ・ジャッロ・ベスティーノ
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 本編やってた時にも思ってたけど、マーリオゥはいいな。あのクチの悪さとS加減は嫌いじゃない。暴言なら聞くに堪えないが、言い回しが的確だから納得しちまうんだなぁ。
 本編ではノエルを扱っていた描写しかなったが、人形使いというだけあってシスター陣を操って戦うスタイル。何体も使っているみたいだが、その辺の精度とか是非知りたいね。プレイキャラとしておそらく一番自分には使いやすいタイプ。移動攻撃が多いのでコンボを繋げやすいのでざっくざく倒せる。「ブタ」「ガキ」の言い方好きすぎて聖堂教会行きたいです。
 マーリオゥシナリオはシエルルートエクストラエンドのIFなのかな? ノエル先生も無事だし、マーリオゥでノエル先生ボコると辛辣に言いつつも(自信つけさせるか)とか思ってくれてるから上司として良い人なんだろう。そんな人に舌打ちするノエル先生よ……。
 てか、ノエルのポジション本当にいいな!

 では今回のお気に入りへ。
 マーリオゥで対死徒ノエル戦に勝利した時の台詞を。辛辣にボロクソに言ってたくせに最後はこれだぜ。自分が書くよりスクショ貼っとく。


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 ちゃんと見てるってズルいよな。最後まで路傍の石扱いであれば憂いなんて抱かねぇのに、と使い捨ての駒としては思うよ。
 ううー、マーリオゥ関連はもっと詳しく知りたいな。でも、裏側だとマーリオゥたちと敵対しそうな気がするんだよ。マーリオゥはアルクとシエルに敬意みたいなものがあったから志貴も悪い扱いじゃなかったけど、遠野家ルートではちょっと読めないんだよな。






MELTY BLOOD: TYPE LUMINA
ディライトワークス(2021/9/16)
ラベル:TYPE-MOON
posted by SuZuhara at 21:32| Comment(0) | ゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月09日

フーガはユーガ



「お前も忘れられないんだろ。あの時のこと」


 なんかものすごーく久々に本を読んだ気がする。いや、もちろん久々なんてことはなく主には漫画だが本は読んでて今年に入ってからは電子書籍で30巻一気買いした小説を読了していたりするんだけど、やっぱり本として読むのは久々ですげー楽しいのだった。
 かつてないほどにお久しぶりになりましたが生きてます。今はちょっと集中力が続かなくて一気にがっとやることができないのでいろんなものを平行してやっているのですが……こういうところ器用貧乏なんだよなぁ。


■あらすじ
 双子の兄弟・優我と風我には誕生日にだけ二時間毎に入れ替わるという不思議な現象が起こる。身体ごと、場所を入れ替わってしまうこの現象を不思議に思いながらも、それは彼ら二人の家庭環境を変えるほどの力はなく
、誰かを救えるような劇的な力ではない。
 それでも二人はこの現象を利用して、一人の女の子ために、とある母子のために、そしてずっと胸に引っかかっていたかつて少し擦れ違っただけの家出少女を殺した犯人に立ち向かう。

 
■感想
 電子書籍では結構読んでいるが、きちんと本を買って読むなら何がいいかと考えて伊坂さんの本がいいなって思った。
 今作『フーガとユーガ』はもっと前から気になってはいたんだけど、その時に買っても積む気がして手を出してなかった。だから今回はタイミングが良かったんだろうな。まぁ、何度も言ってるが私の兄貴が双子なのでいまいち双子ものって手を出しにくいんだよ。

 双子が誕生日の一日だけ、二時間後とにお互いの身体が入れ替わる。これは所謂「私たち入れ替わってるぅ」ではなく、お互いの身体の位置が入れ替わる、瞬間移動である。
 正直、こんな能力で何ができるよって思ったね。そうやさぐれたくなるほど優我と風我の家庭環境はひどい。ちょいと1年ほど前にネグレクトについて囓ったのだが、どんなに詭弁を弄そうとも暴力で従えるという行為は酷い以外のなにものでもない。……もっと酷い状況ってのもたくさんあるってのがキツいが、それこそ風我が言うように、簡単に解決しないことは俺たちのほうが分かっている、なんだよなぁ。

 話はファミレスで高杉という男と優我が話しているところから始まる。高杉は優我と風我が入れ替わっている映像を手に入れたことで優我に接触してきたわけだが、そこで優我は自分たちの過去を話すことになる。

 過去の話は大きく分けて3つ。
・優我と風我の家庭環境について。
・小玉について。
・ハルコとハルタについて。

 最初のは簡単、ほぼ育児放棄された優我と風我の家庭環境と入れ替わりの瞬間移動を自覚した時のこと、それが二時間置きに起こること、1年に1回誕生日――彼らの親は出生届を適当に出したのでおそらく誕生日だろうと思われる日に起こることを知っていく。
 他にも細かいこと、移動する時は少しの間周りの時間が止まるとか、持っているものは一緒に移動するが、車などに乗っていても一緒に移動するわけではないとか分かっていくわけだが、それが分かったところで暴力を振るう父親に立ち向かえるわけじゃなかった。
 母は姿を消したが、二人は父親の元にいるしかなくなった。岩窟おばさんっていう理解者、グレーだが頼りになる大人がいるが、その状況から救い出されるわけじゃない。

 双子はこの入れ替わり現象を利用して、学校で虐められていたワタボコリと呼ばれる同級生を助ける。義憤からではなく怒りから。いじめという自分よりも弱いものに行われる理不尽な暴力に対する怒り……なんかこういうとチープだが、いじめられている姿から父親と自分たちの関係を重ねてしまったことからの行為だったけど、

 この日の出来事は双子にとって大きな意味を持つことになる。

 この後にワタボコリと一緒に出会った小学生の家出少女のこと。風我が面白半分でお守りなんて言って渡した血で汚れたシロクマの人形を抱えた少女が車に轢かれて死ぬことになる。
 それもわざと。
 しかも何度も。
 逃げられないように縛りつけた少女を何度も轢いたのだという話を聞くことになる。

 このことは優我と風我にとって根深く残る事になった。

 次は小玉という少女。
 優我が高校生、風我が岩窟おばさんのリサイクルショップで働いていた時の誕生日、入れ替わりの時に出会った少女。
 風我はちゃっかり彼女と付き合うことになるのだが、小玉には秘密があった。自分たちと同様に家に問題があるのだろうとは双子も感じていたが、小玉の親は既に折らず、親代わりである叔父にショーを行なわされていた。苦しむ女の子の姿を鑑賞するショーで小玉はどでかい水槽に落とされることを繰り返しやっていた。

 ……うわぁ、この手の輩がいることは知っている。海外映画によくある秘密クラブである。双子は小玉を助けるためにこのショーに乗り込むのだが、彼らの力は入れ替わるだけでなにかを変えられるわけじゃない。
 入れ替わりで武器を持ち込んだ風我が水槽を壊しめちゃくちゃに暴れるってだけだったけど、幸い上手くいった。
 ただここでは岩窟おばさんにお金を借りるシーン、岩窟おばさんの信頼を裏切るようなことになったってもやらなきゃいけないってのがつらかったな。

 ハルコとハルタは優我が大学生になってバイトのコンビニで知り合った母と子。ハルタが捨てた雑魚カードに意味を持たせたいって優我はカードゲームを始めてこの親子と知り合っていくが、初めハルコを姉だと思っていた優我に下心がないはずない。風我と小玉と一緒にわっくわくで話を聞きたいね。
 優我は大学生になって一人暮らしをして父親の元から離れていたが、バイト先に来られてハルコたちのことを知られてしまう。過去の家出少女を思わせるような事件が再発し、ハルタが姿を消す。父親の家にハルタを探していたはずのハルコがいて――とまぁ、胸クソだからか書かないがこの父親は本当にどうしようもない。
 運動神経は風我で頭の良さは優我なんて役割になっていて手が早いのは風我の方だったのに優我は父親を殴っていた。

 親子とはこの一件で疎遠。
 入れ替わりで父親をバイクで追った風我は死んだと優我は話す。高杉にはフェイク画像を利用して接触したのだと。
 過去の轢き逃げ犯が名前を変え、そしてまた犯行を繰り返していることを知ったからだった。

 ワタボコリはそんな日に常磐くんと再会した。お前が結婚して子どもが生まれるとか嘘だろおおおと思ったが、ここは重要、なるほどなーに繋がる。
 ワタボコリにとって過去のクラスメイトとの邂逅はなんだか気になるくらいだったが、そのクラスメイトが頭を殴られて連れ攫われたら追いかけるしかなかった。
 そして、セキュリティ関係の仕事をしていたこともあって連れ攫われた豪邸に侵入していくのだが、そこは元小玉の家で、汚れたシロクマの人形。頭から血を流す優我はどうしてワタボコリがここにいるか分からなかった。分かるはずがねぇのだよ、優我には。

 猟銃装備の高杉にワタボコリが撃たれて優我も既に瀕死。
 でも、優我は何度も言っていた。僕の話には嘘がある。

 そして、跳んできた風我が見たのは事切れた優我の姿だった。
 死んだら瞬間移動は行なわれず、最後の瞬間移動。優我は風我がいつもやっていたように親指を立てていた。行け行け、と。

 つまり、優我は風我が死んだという嘘をついた。
 生きていた風我は瞬間移動で跳んだが、絶命のタイミング的に優我は飛べなかった。
 ここから風我はいち早く状況を理解し、理解できない高杉をボコるわけですが、このシーンは説明するよりも優我視線で進むことが面白い。死んだ優我が状況を俯瞰していて、その後のこと――風我と小玉に生まれた子どもたちの時も優我は一緒にいる。
 優我――この時は風我だったのだが、ワタボコリを巻き込もうとして巻き込めなかったのは小玉も妊娠していたから。だから優我はワタボコリの存在を知らなかった。新幹線が止まって動けず、二人は側にいなかったんだ。

 最後、風我は大きくなったハルタに会う。
 ここでハルコのことを詳しく聞かない風我に優我が不満げなのはすげー面白いのだった。

 なんとも言えない読了感のある本でしたが、たぶん『バイバイ、ブラックバード』と同じくらい好きですね。文庫版は小玉のショーがマイルドになっているだと……? 単行本も買ってくるか、なんて思うくらいには好きですな。
 あとがきにもあるけど問答無用のハッピーエンドではないけれど、優我と風我のただ兄弟・双子だからでは説明できないような絆が良かったんだろうな。特異な力を持ったってなんの役にも立たないかもしれない。それでも、なんとかしようと足掻いた姿がこの二人を好きにさせるんだろうな。

 ではここらで今回のお気に入り。
 久々の読書だったから付箋を忘れて記録できてないんだが、強いて上げると優我が死んだ後の風我とワタボコリのやりとり……なんだけど、長いので抜き出しはなし。

 死んで俯瞰している優我が風我に、自分は手遅れだからワタボコリの傷を見てやってくれ。お礼を言ってくれって思うだけで風我はそれを当然のように行動するするのが、ああいいなぁって思ったのでした。
 






フーガはユーガ
伊坂 幸太郎
実業之日本社 (2021/10/7) (2021/9/16)
posted by SuZuhara at 21:16| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする