2021年06月06日

砕け散るところを見せてあげる



 俺はただ、玻璃を守りたいだけだった。玻璃しか大事じゃなかった。


Screenshot_20210529-004829.png
 うぇーい、なんとかふじのんの召喚に成功しました!単体宝具アーチャーってあんまり持っていなかったので速攻で育てましたが、あれだな、FGOを辞めるのがまた遠ざかったな。辞めたくないけど、結局時間ばかり取られてしまうのは……ぐぬぬ。
 もうすぐ六章も公開ですが、月姫発売の方が嬉しい。けど、遠野家の話は入らない、だと……私は月姫自体はやったことがないのですが、どう考えても秋葉派だと思うんだよなぁ。
 てわけで、PS4版を予約済みです。もしかしたらFGOコラボもするかもしれないのでえっちゃら続けてます。


■あらすじ
 大学受験を控えた高校三年生の濱田清澄は全校集会でいじめられている一年生の女子生徒――蔵本玻璃の存在に気づく。たまらず助けに入った清澄だが、それまで反応らしい反応をしなかった玻璃に絶叫という拒絶をされてどうすればいいかわからなくなる。友人から関わるなと言われても気になってしまう清澄は勝手に玻璃の隠された靴などを回収したりしていたのだが、ある日、玻璃がトイレの掃除用具入れにずぶ濡れの状態で閉じ込められていたところを助けてから玻璃は少しずつ清澄に心を開いてくれるようになる。
 ヒーローを自称した清澄との会話から玻璃はいじめを行うクラスメイトに立ち向かったことでいじめは一端終息していくのだが、清澄は「全部UFOのせい」と言う玻璃の言葉の本当の意味に、玻璃に関する本当の問題について知ることになる。


■感想
 映画館の番宣で気になっていたのですが、どうにも時間が取れずに観に行けなかったので原作を読むことにした。竹宮ゆゆこさんって『とらドラ!』の方だよな。電撃文庫のイメージが強かったのですが、今はこっちで書いているんだな。最近は全然ライトノベルどころか本自体を読めていなかったのでこの辺りの動きが全然分かってませんな。

 さて、どこから始めようか。
 UFOがどうたら、という話から始まるのでちょこちょこ混乱しますが、わりと早い段階で高校生の清澄が過去の時代であることは分かった。
 辻褄が合わないからだ。初めに高校受験間際で父親と同じ大学に行くんだと意気込む青年の言葉と清澄の言動はちょっと食い違っていた。いる、ように私には感じた。

 清澄にとって父親はヒーローではない。
 清澄の過去、いじめのような経験についての話で携帯が出てこないこと。

 後者が一番の違和感だった。だって、僕の高校時代だって携帯は重要アイテムだった。今はLINEのグループが高校入る前からあるとかなんとか……人嫌いには怖すぎる時代だわな。
 待ち合わせで待ちぼうけなんて経験は携帯さえ持っていればあり得ない。だから、これは過去の話なんだなって思った。清澄本人はヒーローに固執しているわけでもないし、冒頭の人物とは違うなって。

 だが、ここではそんなことは気にしない。
 まずは濱田清澄と蔵本玻璃の話だ。清澄はいじめの現場を見てしまったことから見捨てるなんてことはできなくて、玻璃のクラスを訪れるようになる。
 初めは玻璃のことが全然分からなくて、清澄を拒絶する様子から「くらもとニードル」なんて呼んでいたりと清澄と同級生たちの会話は面白い。
 単語を並べるように短く話すくせにしっかりと見てる尾崎や「くら・もとはり?」とかふざけて言ってくる清澄の味方である田丸の存在は本当に愛しいよな。友達ってたくさんいらないんだよ。一緒にいて楽しいな、ずっと続けばいいなって思える少しの人でいい。

 女子トイレの掃除用具入れに閉じ込められた玻璃を助けたことから清澄と玻璃の距離は近づいていく。
 玻璃は清澄をいつも睨んでいたけれども、それは清澄がそう思っていただけで本当のところ玻璃は清澄に感謝していたしずっと拒絶したことを謝りたかった。
 それを伝えるというか、冬にびしょ濡れ状態の玻璃が堰を切ったように話し出すシーンは清澄でなくても「よく喋るな」と言いたくなるw
 濡れたままでは帰れないという玻璃のために清澄は知り合いのクリーニング屋のおばちゃんに頼んで乾かしてもらうのだが、……本当になぁもう、玻璃が可愛かった。清澄に完全同意。でも、俺は尾崎姉妹派です。

 これ以降、清澄は玻璃の登校前に待ち伏せするようになるのだが、玻璃が掃除用具入れに閉じ込められたかもと助けに行ってくれた同級生がいた。尾崎妹である。後輩たちからの清澄の渾名であるヒマセン呼びしながらも、玻璃を助けたこと褒めてたり、自分も玻璃の眼鏡拾って届けてくれたりする。
 この辺りでなんか上手く行きそうな感じだったが、玻璃の教室で一波乱ある。詳しく言うと、いつも黙っていた玻璃だったが庇ってくれた尾崎妹が攻撃されたことで立ち上がり、清澄が顔面で投げられたおはぎを受け止めたところで教師が介入し、明るみに出たことでいじめは一端終息する。

 しかし、本当の問題はここではなかった。
 玻璃の口から語られる家族の話、玻璃がいじめられるきっかけとなった夏でも肌を晒さない変な格好でクラスがそういう雰囲気になったという。しかし、手は一切あげていないという。なのに、玻璃の身体には暴力の後がある。
 清澄も気づいたから玻璃の父親と接触するわけだが、ここでの清澄の母の機転は本当に頭が下がる。自分だったら絶対にここまでできないが、すぐさま察して数分の会話で必要な情報を引き出した。
 清澄も確信する。玻璃は父親から暴力を受けている。

 この一件から清澄は玻璃に拒絶されるようになる。
 尾崎妹が好意を向けてくれるが、それを喜ぶ暇もなく玻璃の状況は悪くなっていく。
 だから、「逃げろ」と伝えにきた玻璃がボロボロの状態で現われても驚きはしなかった。
 玻璃の父親によって清澄と母親は命を狙われることになる。清澄は逃げるのではなく、玻璃の父親が沼に沈めたスーツケース――静かになった祖母入りを探し出して警察に突き出すことを計画するが、まぁ、ここは案の定。出て行ったはずの母親が入ったスーツケースが発見されるわけですなぁ。

 ここから父親に見つかり――なシーンは堤真一さんが父親役と知っていたので観てぇと思いながら読んでた。
 UFOを撃ち落とす。ヒーローは自分のためには戦わない。だから、玻璃は清澄を助けるために行動した。

 そこからは少女Aとなった玻璃と自分にもUFOが見えるようになった清澄の話。
 清澄は名前が変わった彼女と出会い、結婚するがいつも不安がつきまとう。彼女が消えてしまいそうに思っていた。
 そして、沈むワゴン車の現場に出会ってしまう。真冬の川に飛び込み、子どもが生まれる前に自分が死ぬことになっても助けた。そうして、清澄はもう一つのUFOを撃ち落とした。

 このUFOという比喩にはいろんなモノが込められている。
 私のUFOに関する考察なんて誰も聞きたくなりだろうから省くが、ここから先の話、清澄との子ども――真っ赤な嵐が生まれてからの話。
 父がヒーローであると聞いて育った真っ赤な嵐は、自分の職業をヒーローとして警察官になろうと決める。けれども、清澄と母――玻璃の過去がその将来の邪魔になる。だから、息子に過去を告げるという流れ。

 さすがに最後の最後まで書いてしまうのはナンセンスなんで書かないが、清澄母は本当にいい人だなぁ。田丸や尾崎ももっと出てきて欲しかった。

 なんというか、読み終わった後は久々に充実した読了感があったな。読書が楽しかった。どうすれば良かったなんて言えないほど物語は始まった時から詰んでいて、それでも足掻いた結果紡がれた愛の話だったんでしょう。……まぁ、愛の件は僕には難しすぎるのですがね。
 うん、映画の方もDVD化したら観ような。このトリックのような書き方をどう表現するのか興味がある。

_20210606_110021 (1).JPG
 そういや、私が買った本には映画のカバーがしてありました。
 愛用しているブックカバーもさすがに十年以上使っているので大分ガタが来ているのですが、同じモノが手に入らないか必死に探していたりする。

 
 では、ここで今回のお気に入りへ。
 今回は清澄が学校を休んでいる玻璃を探しに家に行った時に清澄が思っていたことを。


 玻璃が信じてくれるなら、俺は変身でもできると思った。玻璃が信じるものに俺はなれると思った。ていうか、なりたかった。なりたいんだ。今もなりたい。ただそれだけだ。


 玻璃を鼓舞するために言ったヒーローという存在に清澄はなりたかった。玻璃のためだけになりたかった。
 ヒーローなんて大人になったらそんな言えない言葉をこんなにも誠実に求められるほど、人を好きになれるなんて。そんな相手は絶対に忘れられないし、本気で助けたいって思うよな。なにを犠牲にしたってさ。





砕け散るところを見せてあげる
竹宮 ゆゆこ
新潮社 (2016/5/28)
posted by SuZuhara at 13:11| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月30日

Cruella



「生まれつき最高で、最悪。ちょっと変なだけ」


 本当に月1更新がやっとな状況ですが、仕事の山場がやっと終わったぜ! やっとだ、やっと自由になれる。6月までという短い時間だけどな……。
 まぁ、これまでのようには追い詰められないのでぼちぼち遊んでいきます。ゲームしたいし、本も読みたいんだ。
 今まではものすごく更新とかしにくい状況だったんだけど、ちょこっと改善できそうな感じなのでえっちゃら遊ぼうな。その辺りの近状はまたいつか。今回は、今回も映画の感想ですが、早くもことイチ候補なんでBD、サントラも買う予定です。


■あらすじ
 白と黒の髪を持つ少女・エステラはとんでもなく破天荒で、その奔放さにいつも母を悩ませていた。住む場所を追われて母曰く「融資してもらう」と訪れた屋敷で行われていたファッションショーに魅入られるが、自分の行動が原因で母を死なせてしまうことになる。悲しみの中逃げた先の公園でコソ泥をしていたジャスパーとモーリスと出会い、親のいない者同士で組んで泥棒として生きていく。
 そんな中でもファッションへの情熱を捨てられなかったエステラは憧れの百貨店リバティロンドンに潜り込むことに成功するが、それは掃除係としての採用だった。どんなに提案してもファッションに関われないことに嫌気が差し、酒の勢いも合間って好き勝手にやったウィンドウディスプレイがロンドン一のカリスマデザイナー・バロネスの目に留まり、彼女のチームに引き抜かれることになる。
 バロネスの厳しい要望にエステラが見事に応えていき、自分の立場を確かなものにしていくが、バロネスが子どもの頃に失くした母の形見のペンダントをしていることに気づき、ファッション界での成功よりも母のペンダントを取り戻すことに執着していく。
 そして、エステラとしてではなくバロネスが嫌う自分よりも目立つ才能のある存在・クルエラを名乗り、その圧倒的な存在感を持ってバロネスのプライドを、社会的地位も失墜させていく。


■感想
 うわー、めちゃくちゃ面白かった。正直、舐めてましたね。クルエラというキャラクターをこんなにも魅力的に描けるなんて思ってもいなかった。

 クルエラと言えば『101匹わんちゃん』ですが、本作品に犬に対する残酷行為などは一切ありませんのでご安心を。むしろ、犬好きは必見。クルエラに興味がなくても可愛いわんこが観たいという理由だけで行っていい。後悔はさせないと請け負おう。バディとウインクという最高に賢いわんこたちが出てくるシーンも今か今かと待ってしまうぜ。

 さて、相も変わらずネタバレ満載で行きますので一回畳みます。



クルエラ オリジナル・サウンドトラック
WALT DISNEY RECORDS (2021/6/23)



続きを読む
posted by SuZuhara at 20:52| Comment(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月18日

ザ・スイッチ/FREAKY



 史上最悪の入れ替わり<女子高生⇔連続殺人鬼>


 おい待て、月1更新になってるw
 いやはや、なんつー体たらくだ。でも、5月終わりまでは俺死んでるから。基本死んでるから。
 しばらく好きな本が読めない生活をしていたり、やりたいゲームがなかったりで腐っていましたが、勧められてモンハンライズやってみた。
 しかし、正直これはいかんな。ゴッドイーターの操作に慣れすぎてすぐ納刀しちゃう。ガッテム。武器に操虫棍を選んだらめっちゃ驚かれましたが、ジャンプしたいのだよジャンプ、とちょこっとだけ進めました。
 けど、どうにもこれ以上は進められそうにないな。5月下旬には解放されるんで、早くいつも通りに戻りたいもんです。


■あらすじ
 父親を失ったことからアルコール中毒になった母と正論をぶつけてくる警察官の姉の間で板挟みになる主人公・ミリーは高校でもいじめられていた。親友のライラとジョシュのおかげでなんとかやっていけているが、内気な性格からはっきりモノも言えず、どこでも我慢を強いられる日々を送っていた。
 そんな中、同じ学校の生徒が惨殺される事件が起こる。アメフトの試合後、母の迎えを待っていたミリーはそこで連続殺人鬼ブッチャーと出会ってしまい、肩をナイフで刺されてしまう。
 駆けつけた姉のおかげでブッチャーは逃げ出すが、次の日目が覚めると知らない場所でミリーはブッチャーに、ブッチャーはミリーにと入れ替わっていたのだった。
 ミリーは指名手配されながらもなんとか学校に忍び込み、親友二人を説得してブッチャーを捕まえようとするのだが、再び入れ替わるためのタイムリミットが一日であると知り、ミリー=ブッチャーの殺人を阻止し身体を取り戻すために奔走することになる。


■感想
 公開するの超待ってた。てか、今年初映画にするって決めてたくらい待ってたんですよ僕はっ!
『ハッピーデスデー』のクリストファー・ランドン監督最新作、ポップでグロくてだけど笑えるなんて映画イケる全ての人に勧めたい映画。

 てか、キャスリン・ニュートンだよ楽しみだなぁって思ってたんだが、今作はヴィンス・ヴォーンが全部持っていく。私は今作で彼を初めて知ったのですが、速攻でFilmmarkでフォローに入れた。時間ができたら過去作漁るんだって思ったくらい。
 きちんとは観れていないのですが、この前までやっていた今作と似たような内容のドラマ『天国と地獄』でも高橋一生さんの女性としての演技には脱帽だったのに、ヴィンス・ヴォーンはめちゃくちゃすげー!って感動しっぱなしでしたね。

 さて、ざっくり内容。
 大方はあらすじで語ってますが、今作の入れ替わりの魅力はただ入れ替わっただけじゃない。お互いの男と女の身体についての言及だけでなく、身体に精神が引っ張られているというのが面白かった。

 ミリーはブッチャーのでかくて不潔な身体が嫌でしょうがないんだけど、ブッチャーの身体にはパワーがあって内気なミリーもいろいろなことを前向きに考えられるようになっていく。
 一方、ブッチャーの方はミリーになって今までの地味な服は着ずに姉のクローゼットから赤ジャケットを拝借。嫌がらせを受けていた女の子の印象はなくなり学校ではブッチャーに襲われたと言うこともあって注目を集めるが、ブッチャーの目的はあくまで殺人。
 この辺りの目的の理由とかは語られないので気にしない方がいい。ナイフの謎とか声についても語られないけど、ハッピーデスデーの時から分かっていることだ。続編を待とう。
 話を戻すが、ブッチャーはミリーの身体で殺人を続ける。――が、ミリーの身体はあまりに弱かった。今までのような力技では無理なので、何度も殴られながらも教師を殺すシーンはちょっと同情したくらい。殺すために頭を使い出したからやべぇなとは思ったが、そんな展開にはならない。

 ミリーの親友二人と和解するまでがすっごい面白い。
 いや、普通にブッチャーなんかが来たら逃げるし、二人のこと知ってるって言われても信じないよw
 二人は協力して武器を取りブッチャーを攻撃するがミリーは信じてもらうために攻撃はしない。盾を振り回したりちょっと押すだけ――なのだが、力強すぎて吹っ飛ばされるw
 でも、二人と和解するシーンはめっちゃいいです。人生で友達は一人できればいいと僕の好きな歌にあるのですが、ミリーはこんな友達二人もできて良かったよなぁ。
 黒人のライラ、ゲイのジョシュという親友は一風変わっていて、正直ホラー映画では序盤に死ぬキャラと言っても過言ではないのですが、二人はブッチャー=ミリーを守りながら最後までずっと一緒に居てくれるんだ。お前ら最高だな!

 しかし、ブッチャーの見た目だけでかなり大変な道中。
 ミリー=ブッチャーを見つけたと思ったら、向こうが悲鳴を上げて「殺人鬼よ!」なんて言ってきたら逃げるしかない。ブッチャーがこれをやっていると思うとかなり楽しいw

 そんな中、ミリーの想い人の男子・ブッカーがブッチャーの標的になってしまう。それを親友二人とブッチャーの腕力で阻止したミリーはブッチャーを捕縛することに成功する。あとは警察が保管しているドーラのナイフを奪ってブッチャーに刺せば入れ替わりが戻るって展開になるが、ここからが本当に面白かった。

 ライラは警察署でミリーの姉と対峙、ジョシュはミリー=ブッチャーを縄で縛ったのを監視する中、ミリーは車の中でブッカーといい感じになっていた。
 前にロッカーに入れた詞を贈ったのが自分であることをブッチャーになってから言えたミリー、ミリーだったらいいなと思っていたと告げるブッカー。
 二人は照れ臭そうに笑いながらキスをする――うん、ミリーはブッチャーのままな。俺、なんで男同士のキスシーン観て感動してんのwとか思ってしまった。
 いや、別に同性がだからどうたらって言うつもりはないんだ。それ以上にヴィンス・ヴォーンの乙女演技が突き抜けすぎていて女の子にしか見えてなかったんだよ。

 この後もいろいろあるが、ミリーはなんとか自分の身体を取り戻す。
 ブッチャーになっている間に母親と話せたことから母親とも向き合えるようになってめでたしめでたし、と終わることはない。ブッチャーはミリーだったのだ。ミリーの家も、家族についても知られている。
 ミリーは舞い戻ってきたブッチャーと対峙することになるが、もう強い身体はない。入れ替わりでミリーの弱さを知ったブッチャーは精神的にも的確に攻めてくる。しかし、ミリーだってブッチャーの弱点を知っている。
 このラストの伏線回収――本当にそれ伏線だったのかよwって思えることなんだけど、納得の結末で文句なしに面白かった。
 どこかで書いたけど、ブッチャーが殺人をする理由とかドーラのナイフから聞こえる声については語られないけれども、あくまで物語の焦点はミリーだからこれで良かったと思います。BD買おうな、楽しみだな。


DSC_4662.JPG

 上映時間遅くて観てからじゃ売店やってないから先に買っといたんだが、これは良判断だった。
 キャラクターについてやあの犬小屋作りについてとかも書かれているから、世界観に浸りたい人は是非。ま、変形サイズなのと縦横で表記変わるからちょっと読みにくいがファンアイテムとして買っといたほうがいいよ。

posted by SuZuhara at 22:29| Comment(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月08日

シン・エヴァンゲリオン劇場版



「どこにいても必ず迎えに行くから。待ってなよワンコくん」


 仕事の殺人スケジュール中にゲームちょこっと始めたら、案の定使い物にならなくなって初めて締め切り延長申請とかしてみた。
 え、いつもならなんだかんだで三日前には終わってんじゃん。と言われたが、まだゲーム終わってないのよ。ラスボスのダンジョン超楽しいのテンションで終わると思えなかった。
 おかげで昨日ギリギリまで作業して、朝になったらエヴァンゲリオン観に行ったよな今日でした。


_20210308_181050.JPG


 というわけで今回はその感想ですが、ネタバレになるので畳むよ。
 あと注意として僕はエヴァンゲリオンというコンテンツを正しく理解しているとは言い難い。難しい部分はスルーして楽しむ派なので考察とかにはならないのでご注意ください。
 まあ要するに、好きに言いたいこと言うだけになると思われる。

 

One Last Kiss
宇多田ヒカル
ERJ(2021.3.10)


 余談だが、やっとCDが発売するの本当に嬉しい。
 発送したって言うからたぶん明日以降聞きまくってると思われる。

続きを読む
posted by SuZuhara at 22:20| Comment(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月02日

ロード・エルメロイU世の冒険 1巻「神を喰らった男」



「審神者として、エルメロイU世が神の名を審らかにする」


 年末からまとまった休みなんてもらってなかったこともあり、ちょこっと休みをもらったので積み本を読むよ。撮りだめしたシンプソンズのシーズン31も観るよ。もうこれだけで僕は幸せなのだった。
 いやー、実際に小さめの音で音楽をかけて、犬の寝息を聞きながらの読書は良かった。携帯の呼び出しもログインもミッションも気にしないでいいのは素晴らしい。
 年始にはFGOで村正課金してしまったからな。簡単には辞められないのだ。


■あらすじ
 講義のためにシンガポールへ訪れたエルメロイU世はそこで内弟子のグレイに「教師をやめるつもりだ」という心内を告げる。その内容にグレイが驚く暇もなく、エルメロイ教室の生徒が海賊に捕らえられたというメッセージを受け取って救出へと向かう。
 しかし、乗り込んだ海賊のアジトで出会ったのは六本の幻手を持つエルゴという青年と海賊のコンサルトをやっているというエルメロイ教室の生徒・遠坂凛だった。
 凛が拾ったという記憶喪失の青年・エルゴに自分と近しいものを感じるグレイとエルゴに助言をしたことから「旅が終わるまで」という期間限定の教師と生徒となったことからエルゴに関わるとある三人の魔術師の実験に巻き込まれていく。


■感想
 発売日には買っていたけれども、やっぱり今まで読めてませんでした。いやー、凛が出るのは知っていたけど士郎もいるんですね。この時代のロンドン読みてぇ。ライネスもいて、凛と士郎は恋人じゃないまま来てるからルヴィアとの取り合い激化とか最高じゃないですか。エルメロイ教室の聴講生になりてぇ。

 あとがきに書かれたことを最初にあげておくと、この世界線――ルートはセイバー、凛、桜のどれでもないという。いずれ解体戦争に至る独自ルートなんだと。
 おおう、いいないいな。どれか明言すると未来が決定されてしまうけど、解体戦争は是非とも読みたいけどあるかもしれないぐらいのレベルがいい。結末を受け入れられるとは限らないから、それくらいの余白があるといい。

 さて、本編へ。
 始まりは海賊アジトへの強襲から。
 U世がいる時点でヤルグなる坊主がグレイであることは言わずもがな。遡ることちょいと前でU世とグレイがシンガポール料理を楽しんでいると、生徒が海賊に捕らわれているという手紙を受け取ってきたというわけ。

 まぁ、読み進めているとひしひしと感じるものがある。用意周到な結界、グレイの知らない体術、そして「――Anfang」の詠唱。
 ああ、これ凛だわ。誘拐とかない。これ、自分から首突っ込んでるわ。と僕らは一瞬で理解するでしょうな。彼女はそういう人だ。
 しかし、グレイは凛と面識がないからU世の制止の声にも止まらずに攻撃しかけるが、そこで本作のキーマンであるエルゴ青年の見えざる手・幻手によって絡め取られてしまうのだった。

 再開して話を聞けば案の定、凛は目当てのものをサルベージするために海賊たちに協力してギブアンドテイクでコンサルタントなることをしていた。後々になって分かるけど、この海賊には孤児が多く、そのこともあって凛は生きるためにサルベージ技術や果物の栽培などなどを教え込んだ。
 ここを指摘されての凛の返答は、ああこれは凛だわ、って嬉しくなるくらい凛だった。

 話が反れましたが、U世の前でエルゴと凛の模擬試合のようなものをやってU世が教師として敏腕っぷりを見せてくれる。観月法っていう瞑想は初めて知った。読んでからやってみたけど、僕には合わない。月を徐々に大きくするんじゃなく周りを小さくする想像しかできなかったんだ。月の大きさは常に最大。だから周りを最小化させようみたいな。……むぅ、俺の人間性が出ますね。

 ここで重要なのは、凛とグレイの会話でグレイとアーサー王が似ていること、凛とU世が聖杯戦争の参加者、グレイの成長が止まっていること、エルゴが教師を辞めようとしていたU世の期間限定の生徒になったこと。
 ゆっくり話を聞きたいところだが、アトラス院からエルゴを渡せと骨の巨人が現われる。
 ここでvs骨軍団が始まるわけだが、初戦はよう分からんままに終わる。
 グレイの抜錨前に敵の魔術師・ラティオがU世の首に剣を突きつけて交渉。グレイの宝具を懸念してだったが、最終的に乱入した鷹によってエルゴの頭がぴゅー。うん、ぴゅー。
 結果としてエルゴが頭半壊だったはずなのに、島が手の形に潰されたとか云々と言われたら、魔術ってすごいなぁと理解を放棄する。

 むしろですね、僕はアトラス院が苦手なんですよ。彼らが出てきた時点で半分ほど理解を放棄する。魔術協会とかは受け入れられるのに、不思議だね。
 ってわけで、細かく理解はできていませんのでざっくりと。

 曰く、エルゴとは神を喰らった男なのだという。
 アトラス院と彷徨海バルトアンデルス、そして――な三人の魔術師が太古の実験で作りあげた存在。
 エルゴが常にお腹が空いているのは、神を喰らったせいでそれ以外のものでは満たされない。ある意味神に近しい存在を内に秘めているグレイを見ると食べたくなってしまっていた。

 仕切り直しの第二戦はおもろいっすな!
 凛が率いる海賊たちとも協力して敵地へ向かえば、そこには凛が探していた沈没船。
 ラティオと骨の巨人・タンゲレとの戦闘はロンドミニアドすら囮りで、フラットのハッキング、凛のアベレージ・ワンとしての万能性を前面に出しての勝利。ああ、エルメロイ教室総動員な戦闘見たいな! 士郎が戦うのも是非見たい!!
 そして、ラティオからエルゴの記憶飽和――内にいる神の存在が大きくなればなる程自身を失う状態をどうにかするには「神を還すしかない」と助言をもらうが、ここで鷹さん乱入。なんと仙人だという。項羽も虞とも知り合いとか――今回は中国系で来るんですかね。U世が孔明だしでFGO的に見ると面白い。

 ほんとざっくりなんだけど、かつてエルゴで実験していた三人の魔術師はエルゴに対しての干渉する順番を決めていて、一番はラティオのクルドリスだったんだけど、助言が協定違反となり二番の仙人・ムシキに移ったと。
 ムシキは真っ白の炎ような人になってエルゴにグレイを喰わせようとするが、エルゴはそれに耐えてみせ、ラティオと組んで即席連合軍へ。
 アトラスの高速演算による未来視のような指示に従い、グレイはムシキに立ち向かうが相手が強すぎる。ゲームならこれ負け戦闘?って思う展開だが、これは耐久戦である。

 U世がエルゴに個人授業をする形で、エルゴの中にいる神を問う。
 エルゴの中にいたのは、斉天大聖孫行者。

 この辺りの詳しいことは一読じゃ分かり切れていない。エルゴはキーマンだから明かされきれていないし。凛が目立ちすぎるからエルゴ自身の印象があまりないのですが、次の舞台は東京だとか。
 しかも、最後に橙子さんから両義幹也宛の手紙が届くとことかめっちゃ気になる展開で終わる。
 定期的に出てくれるという信頼はあるのでワクテカ待機してます。そうなんだよ、DDDの続きとか魔法使いの夜も続き待ってるんですよ。やっと月姫がプレイできるのは朗報だけどもね。

 読み始めるとスラスラ読めちゃうので今回も楽しませていただきましたが、如何せん、魔術師たちの実験云々は明かされないこともあってむつかしいですね。物語が進めば舞台が難しくなっていくけども、前回までのハートレス並に匙を投げたくなる事情っぽくて困る。
 けど、エルメロイ教室に凛たちも加わってるし、今回は出番があまりなかったライネスとルヴィアたちがじゃんじゃん出てくれる時を楽しみに待っています。

 では、ここらで今回のお気に入りへ。
 今回は不覚にもムシキさんの格好いいと思ってしまったシーンを。
 ラティオの分割思考と高速思考による演算で散々苦しめられた後、ムシキはそれを全て簡単に受け止めた。


「つまりさ、計算に頼ってる段階で、致命的に遅いんだ。いちいち演算して行動に移してなんて手間を踏むくらいなら、最初から骨に考えさせておけよ。……で、時計塔の君主も見たよな。手を出したのはこいつら。なら、順番はご破算だ」


 俺らがボスだと思っていたのは中ボスで、しかもその後共闘してのボス戦みたいな感じでわっくわくして読んでましたが、今回は本当に「事件簿」ではなく「冒険」なんだな、と。
 相変わらずU世の解体は楽しいが、ミステリ的な要素が薄くなったとも感じた。どうなったとしても、これからどうなっていくのか楽しみにしてます。




ロード・エルメロイU世の冒険 1巻「神を喰らった男」
三田誠 イラスト・坂本みねぢ
TYPE-MOONBOOKS (2020/12/25 )
ラベル:TYPE-MOON
posted by SuZuhara at 21:56| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする