2021年01月26日

教場



「おまえが何をやらかしたのかは知らない。だけど、風間教官から睨まれたら終わりだ。決して逃げられやしない。かならず見抜かれる」


 謹賀新年というにはだいぶ遅すぎますが、今年もえっちゃら初めて行きます。
 と言いたいけど、去年の振り返りできてないじゃん。怠惰にもほどがある。
 言い訳をすれば年末は死ぬほど忙しかった。コロナ? 緊急事態宣言? そんなの我が社には関係ない。絶対に休ませないから給料はもらえるよ。心は死ぬがな。
 まぁ、この辺は毎度のことなので別に構わないんだけど、問題はちょこちょこ僕の認識がまた変わってきたことですね。それはまたの機会に書くとして新年一発目だし、リハビリ的に行きましょうぜ。


■あらすじ
 警察学校初任科第九十八期短期課程に入校した生徒たちは、突如入院した担任に代わりに白髪の教官・風間公親やってくる。
 過酷な訓練と授業、厳格な規律に縛られた警察学校での日々に生徒たちの神経はすり減っていくが、僅かなミスや心の緩みすら風間はすぐに見抜いてしまう。
 だが、警察学校に集まった生徒たちも一癖も二癖もある生徒ばかりだった。


■感想
 今回はお正月ドラマでやってた『教場』。私は去年……というか、まず我が家は生粋の木村拓哉さんファンの家庭だ。僕? 僕に他人の区別ができるわけないじゃないですかぁ。これは冗談だけど、私は役者さん自体というよりもストーリーを重視するタイプなので誰のファンとかいうのはない。結果的にこの人が出てる作品好きだなぁってなるとファンになるって感じ。もたいまさこさんがそう。

 とまぁ、こんな感じで家族が大ファンだから一緒に教場を観た。去年のはもう時間が経ってるので細部怪しいけど、だいぶインパクト強く作られてるんだなと思った。すぐ退校届突きつける、とか。原作読むとそんなに突きつけてなかった。
 去年の段階で職場の人に原作を勧められてたんだけど、コロナもあって去年はほとんど本を読まなかったからな。去年の1月後半から俺の地獄は始まっていたよ。まぁ、自分で仕事抱え込んでいたのもあるけど。

 そして今年、再び教場ドラマは兄貴と観た。兄貴、木村さん大好きだからな。一緒に観ながら説明を求められるんだけど、僕も原作読んでませんよ俺も初見だってば、と話している間に疑問点が出てきて、なら原作買ってくるかと全巻買ったというだけの話だよ。前フリ終わり。

 うーん、ちょっと文体が取り戻せないな。
 口調というか書き方が今やってることに引っ張られているけど、どうか許していただきたい。

 では、ここからが感想へ。


第一話 職質
 警察官で助けられた経験を持つ宮坂定は小学校教諭の職を辞めて、警察官になるために警察学校へ来た。そこで恩人・平田巡査の息子と出会い、ミスをする彼を助けるために自分もできないフリをすることで庇っていた。
 しかし、担任が替わって風間になるとそれは見破られてしまい、それだけでなく「細かなことでも報告をしろ」とスパイの真似事のようなことをさせられることになる。

 どうしてもドラマから観たから比べてしまうが、宮坂のキャラはだいぶ違いますね。
 宮坂は風間のスパイをしつつも完全なる協力者ではないのだが、宮坂にその気はなくとも平田にとっては庇われるとか憐れまれることこそが最大の屈辱であり、宮坂を拘束して事件を起こすのだが、事が大きくなる前に風間が止める。
 しかし、事がどう収まったかは次の話になって、しかも過去形で語られることになるのがなんだかなーだったが。


第二話 牢問
 楠本は「おまえが犯した罪を知っている」と書かれた脅迫状を受け取って怯える沙織を慰め支えていた。しかし、脅迫状を書いていたのは楠本本人であり、それを風間にも見破られるが、楠本にも目的があってどうしても退くことはできなかった。
 しかし、教場当番で車のワックスがけをしようとした時に押されてリフトから落ちてしまう。
 挟まったままで痛みに耐えつつも、本心を話すまで助けくれない風間になにもかも白状させられることになる。

 たぶんこの話が一番好きかなと思うんだけど、これもドラマと比べるとなぜ風間は助けなかったかというところがここで明かされないのがなぁ。
 楠本としては犯人を追いつめて個人的な復讐をするはずだったんだけど、沙織はそれとは無関係の冤罪で、親友に裏切られたということでいろいろくるっていってしまった話。


第三話 蟻穴
 白バイ警官になることを目指す鳥羽には音で速度を測ることができるという特技がある。ある日、副教官により疑惑をかけられた稲辺を助けるための証言をすることができなかった。風間に毎日書いている日記に耳の調子が悪いことを悟られないよう誇張して書いたこと、そこで聞けるはずがない音を聞いたと書いてしまったがために稲辺を見たという証言ができなかったことを看破されてしまう。
 辞めてもらう、と宣告された後で稲辺に呼び出された鳥羽は中に蟻を入れたイヤープロテクターを瞬間接着剤で装着されてしまう。

 これは、痛い。ドラマだと2の話ですね。
 鳥羽の状態は無理もないと思うんだ。一度ついた嘘を貫き通すためにもがく姿は好感すら抱くよ。私は嘘をつく人間よりも嘘を貫かない人間の方が嫌いなんでね。バレなきゃいいし、騙すなら最後まで騙してくれ。途中で気づかされるなんて最悪だからさ。
 しっかし、私も友人が蟻の解剖をするような人間だったのでわりと身近すぎて痛かったなぁ……。


第四話 調達
 プロボクサーから警察官を目指す日下部は成績に悩んでいた。周りは自分よりも若く、社会人で妻子持ちの自分にはチャンスは少ないからだ。
 そこで樫村より成績――授業の内容を先輩から予め知っておくことで授業に対応できるように調達することを持ちかけられてそれを受け入れてしまう。だが、授業で完璧に火をおこす方法を答えたことによって小火騒ぎの犯人という汚名を着せられてしまうことになった。
 しかし、アリバイがあったのでお咎めはなかったのだが、樫村との模擬交番勤務にやってきた風間によって樫村に嵌められたことが明らかになる。

 こういうのはなぁ、信じちゃいけないんだよ。
 だって、そんな美味しい話があるんならお前が独り占めしないのはおかしいだろ、って……私の人嫌いがハンパなく分かる対応だなこりゃ。
 でもその程度かな、日下部は社会人ってこともあって失敗できないという追い詰まれ方も分かるからつらい。牛蒡って、一番言われたくなかっただろうに自分で思っちゃうなんてな。


第五話 異物
 由良は訓練でパトカーを運転する時に、車内に蜂が入り込んだことから動転して同期の安村――を庇った風間を引いてしまう。
 蜂が入れられていたことを安村のせいだと思っていた由良だが、風間から「惜しい人材」としてスズメバチの巣を駆除することで恐怖心を克服すること。交通技術コンクールで勝ち抜くための徹底した指導を受けることになる。

 これは、ドラマだと自殺未遂に発展したヤツかな?
 こっちの方がだいぶ後味もいいし、最後の安村との関係もいい感じです。
 一度蜂に刺されてアナフィラキシーを気にする由良は蜂から狙われないように坊主でいるよう務めているようなヤツだったが、あることが原因で由良が乗るパトカーに蜂が入り込むんだけど、ここは納得したな。
 そんでもって風間がマンツーマン指導というのは驚いた。ほら、すぐ退校届を出すイメージがあるけど、原作だとそんな頻繁に出してないから教官らしい風間と由良のアブラ虫退治はちょっとほっこりするという謎の現象が起こったくらいだ。


第六話 背水 
 卒業間近、都築は成績優秀だったが挫折を知らないが故に警察官にはなり得ないと風間から退校届を突きつけられる。警察学校で変わっていった宮坂たちの卒業文集を読んだ都築は自分の分も書いて提出するが、そこに書かれた内容について風間はある指摘をする。

 これは背水が効いている。
 ネタバレすると、都築は文集を提出する際に終わっていなかった職質コンテストや拳銃検定でトップを取ったと嘘を書いた。いや、嘘を本当にするための背水の陣で臨んだというわけ。
 そうやって自分を追い詰め、見事総代の座を勝ち取ったといういい話だなー。

 あとエピローグがあるが、これは次の生徒を迎えるってだけなので割愛。
 だいぶドラマとは違いましたね。どっちが好きかと言われると困るが、両方触れた方が保管ができるのにキャラが違っているところが多々あるから違和感がある。
 どっちかだけでも、両方でもお好みでって感じですね。

 さて、今回リハビリなのに結構書いたからお気に入りはなしで。
 実際、付箋を使わなかったんだよ。読書も久しぶりだったからこっちもリハビリですな。







教場
長岡 弘樹
小学館 (2013/6/19)
posted by SuZuhara at 17:33| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月15日

週刊モーニング 2020年 11/26 号



「うちらも許してやるか! 雨のこと」


 長い間自分を悩ませ続けているのが、ファンクラブ問題である。ここでもちょこちょこ書いているけど、大分、ずっと悩んでいる。
 ただメアド登録だけのものから会費払うものまでいろいろあるけど、正直今は配信メールを読むだけの気持ちすらないのでほぼ切ってしまった。残っているのは2つ。その2つともネット配信メインで、時間を指定されて拘束されることが苦手な僕には向いていない。Twitterでのファン交流推奨はぼっちな俺には苦痛でしかない。
 そんな気持ちで続けることは酷いことではないか、と後輩に相談したところ、「つべこべ悩む暇あったら辞めるのがNoと言える人間です」と言われたので、大抵のことにOKと請け負う自分には難しいことを知った今日この頃。 


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 さて、今日はちょっといつもと変わって週刊雑誌感想。
 実は初めてモーニングを買ったのだけど、ちょこっとその説明から。

 まず、Dモーニングという公式サイトから一部の作品は無料で読めるのだが、今回表紙の「あせとせっけん」を初め、毎週読ませていただいている。
 このサイトを知ったのも、あせとせっけんだったな。1巻無料とか頻繁に行なわれているから是非読んでみていただきたいのだが、一言で言うなら匂いフェチ男子と多汗女子のラブコメ。
 いや、もっとちゃんと説明すると処女なのに初っ端から許してしまう麻子さんのエロさとか、変態としか思えないのにイケメンだから許されるとかって麻子さんの弟・桂太並みに敵意を抱きかねないけどめっちゃいい人な名取さんの恋愛はエロいの苦手なのにがっつりハマるほど面白い。

 そんな二人が連載でついに結婚したので親のように喜んでしまったのですが、今回は初のモーニング表紙を飾り、引き出物として読者プレゼントまであるとかいう祭りだったので買ってみたというわけである。
 だって、11月26日号だし。いろいろめでたい号が俺の誕生日だから嬉しかったと言うだけである。以上前置き終わり。

 ――しかし、この表紙を俺は本屋では買えなかったw
 家族にも見せられんw いや、家族的にはあせとせっけんのコミックも危ないんだけどww

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 プレゼントページはこんな感じ。
 もうハガキ書いたから応募券はない。しかし、裏ページが新生・名取家ヒストリーなのに応募券切ったら最後のところが読めなくなったのはつらい。
 応募は11月27日までなので、ご希望の方は是非是非!

 あせとせっけん漫画本編は続いている結婚式準備なのですが、ブーケとか高いんだなぁ、と勉強になる。いや、一生縁はないだろうが。
 モーニングは料理モノが多い印象で『きのう何食べた?』はコミックで読んでいるのですが、最近始まった『焼いてるふたり』とか毎回読んでる。
 千尋さん可愛い。1話のスペアリブは作ってみたのですが、最近時間なくてあまり食べれないので休みができたらいろいろ作ってみたいのでコミックも買う予定。

 あと『ボールパークでつかまえて!』が結構好き。野球は好きでも、球場とか観戦自体に興味がなかったのでビールの売り子さんとかほとんど知らなかったんだけど、ルリコさんは格好いいなぁ。
 意外にも興味深く読んでしまったのは『マンガ サ道』というサウナの漫画。ドラマ化されたらしいけど、僕は観てないのでほとんど分かってないんだけど、ラブホで一人サウナというのは興味深かった。高校時代、同級生の女の子が「ライブの前には一人でラブホ入って汗流す。これ常識だから」と行ったことを思いだしたよ、万能だなぁラブホってw

 あとは『OL進化論』が31周年とか! 家族がコミックを買っているのだが、どこまで読んだか分かんなくなって大分読んでなかったんだけど、ジュンちゃんがスマホを持っている、だと……!? 時事モノでもあるからマスクトークとか時代を感じますな。でも、読むと面白いんだよなぁOL進化論。

 そんなこんなで初めて買ったモーニングは、Dモーニングでは読めない作品にも触れられて面白かったです。
 しっかし、ちゃんと雑誌を買ったのなんて何年ぶりだろうか。ネット配信は偉大で手軽だけど、やっぱり本が好きだと実感しましたな。

 では、今回も行くかお気に入り。
 『ボールパークでつかまえて!』より、雨で撤収命令が出たというルリコが濡れたまま歩き回っていることを心配したお客からの言葉に対して言った言葉を。


「1時間かけたメイク一瞬で死んだんでもうどうでもいいっス」


 ……か、かっけぇw ちなみに今回の最初の台詞もルリコさんだったりする。
 僕にはこういうのできないですが、この繋がりと交流が球場に足を運ぶファンの人たちは楽しんだろうね。




週刊モーニング 2020年 11/26 号
講談社 (2020/11/12)
posted by SuZuhara at 21:30| Comment(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月07日

BURN THE WITCH 1



「今のはちょっとカッコ良かったです」


 やーはー、もう言い訳のしようがないほど久しぶりですが生きてます。てか、この前でも生存報告している時点で終わってますね。
 近状報告をすると、私自体はなんともなく無事であります。ですが、ゲームにも本にも触れてなければ映画も観ておりません。社畜はつらいぜ、ガレリアまでは耐えてみせる。
 だからブログを書くことも出来なかったんだけど、ここで更新しないと年末の繁忙期と新年には試験官業務があるから時間作れなくなって本気で死んだと思われかねないと思い直した次第である。
 今日は漫画の感想から再開していきたいと思う。


■あらすじ
 ――ドラゴンは架空の存在などではなく、確かに存在する。
 ロンドンにおける死因の大半にドラゴンと呼ばれる“異形の存在"が関わっているとされるが、『表側』フロント・ロンドンの住人にはその存在すら見ることができないために、『裏側』リバース・ロンドンの住人たちによってドラゴンの保護と管理を行なう自然ドラゴン保護管理機関「ウイング・バインド」(通称WB)が存在する。
 そのウィッチ(魔女)/ウィザード(魔法使い)のみが、ドラゴンと直接接触する資格を持っており、保護官である新橋のえるとニニー・スパンコールは表側では普通に生活しつつも裏側ではウィッチとして生活していた。


■感想
 わあああ、なんで久々に書くのにこんなあらすじ難しいの。世界観の説明は少スペースじゃ無理な上に、いつもに失敗してんじゃんかよおおっ!
 ま、失敗はいつものことだから気にしてないがな。

 さて、説明なんか言わずもがなでしょうが、『BLEACH』の作者である久保帯人さんの最新作でBLEACHと世界観を共有するファンとしては嬉しい作品。
 かく言う私はですね、BLEACHはルキア救出前で止まっています。剣ちゃんが好きです。読まなかった理由は特にないんだが、なんか環境の変化でもあったのか、その辺りで私が一度ジャンプから離れてるんですよ。有名作品軒並み読んでなくて、きちんと帰ってきたのが最近の呪術廻戦やアクタージュからだったので機会があれば読みたいと思ってはいる。……アクタージュ、アクタージュはなぁ。

 今作を手に取った理由は単純にドラゴンだから。俺は、ドラゴンが好きだと何度でも言うとも。
 コミック1巻にしては厚く、他のジャンプ作品とは異なるオサレなカバー。アニメ映画も同時公開とは祭りじゃないかとテンション上がったのですが、都合がつかなくて映画には行けなかったのでアマプラで視聴しました。その辺はまた後で。

 僕は圧倒的にのえるちゃん派ですが、初っ端の制服で歩く姿ののえるちゃんは恋に落ちる勢い。バルゴ、もっとやれ。
 のえるちゃんが学校の先輩・バルゴに「パンツ見せてくれ」というちょっとアレな愛情表現をいなしながらも、電話ボックスから裏側へと向かうことで、なんとなーくこの世界を察する。
 私としては、本来秘密であろう(推測)裏側への移動をバルゴに見せる意味とか考えるが、特に裏側もドラゴンの存在も秘密でもなんでもなかったのでのえるちゃん的にここでは見られようとどうでも良かったのだろう。

 WBでは笛吹き隊(バイバース)で1等保護管なのえるちゃんと2等保護管のニニーちゃん……もうちゃんづけやめるけど、二人がドラゴンの収穫に関わる仕事をする。鼻のところにある木からブドウを収穫とかね。
 この、WBでの今回役割はあまり語られないので是非とも詳しく知りたいですな。笛吹き隊はドラゴンの保護と飼育らしい。

 そんな二人にとってはいつも通りの中、表側でバルゴが拾った犬・オスシちゃんの中からドラゴンが出てきてしまう。位置がのえるが電話ボックスで移動したところだったため、直通できるのえるたちが派遣される。

 そして、そこには人の負の感情を吸収して害を為すようになったダークドラゴンが「パンツミセテエー!」と叫んでいた。

 ここで真っ赤になってバルゴに怒るのえるちゃんのかわいさがヤバい。主任の着信音がドラゴンボールのあらすじとか、本当にこの子はたった数ページで心を奪ってくれるのかとw

 犬のオスシちゃん自体は既に死んでいて成りすましていたドラゴンだったのだが、成りすましは一匹じゃなかった。バルゴの幼馴染みのセルビーも、十年間成りすましていたドラゴンだったのだ。

 うわぁ、つれぇや。
 でもさ、バルゴも言うけれど、本物よりもセルビーやってる時間が長いってことは大切なのはお前なんじゃないかって思うんですよね。
 でも、和解はできずのえるたちに処理され、バルゴはドラゴンに噛まれたのでドラゴン憑きとしてWBで保護することにという感じで物語が始まる。うん、ここまでが読み切りですって。あとはちょっと巻きで行くな。

 次の短期連載はニニーがメインに。
 アイドルグループのリーダーらしいニニーの出勤風景から、バルゴとオスシちゃん、二人を保護というか起こす問題を対処するのえるとニニー。
 ある日、ドラゴンの違法飼育されているらしいという情報からドラゴン憑きのバルゴを連れて元凶探しに出るが、それはニニーのアイドルグループから脱退したメイシーだった。

 ここからは結構怒濤の展開で、魔陣隊長官インクスがどさくさ紛れにバルゴ殺しに来るがメイシーのドラゴンが童話竜(メルヒェンズ)シンデレラであり、ロンドン破壊を始めるので共闘。しかし、歯が立たずバルゴとメイシーだけでも守ろうとしたところでバルゴが笛吹き隊の笛から剣を出す。
 驚いている間に実は英雄の息子であるらしい主任が長距離射撃でシンデレラを倒し、メイシーもドラゴン憑きとして保護するよ、で終わる。

 な、怒濤の展開だ。疑問は解消されない。え、週刊連載なら待てるけど続きいつですかあっ!
 バルゴはちょっとまだ謎が多すぎてよく分からないんだけど、のえるとニニーのコンビは良いキャラなのでどんどんこの世界を教えてほしい。ここに浸りたい。

 のえるちゃんクリアカード欲しかったけど映画には行けなかったのでアマプレでアニメを観ましたが、内容というかアニメになった範囲は同じ、構成がちょっと違う。
 間髪入れずに観たおかげかイメージと違うと言うことはありませんでしたが、映画として観るとなると未完なのがつらいですね。序章だからどうにもモヤモヤするというか、原作買っても続きは読めないのでこの辺りは消化不良ですな。

 ま、僕はのえるちゃんがかわいいだけでオッケーですがw
 なんかめちゃくちゃドストライクなんですよね、のえるちゃん。僕は大抵のキャラが好きなんだけど、性癖に刺さるというか無条件に好き。アニメのラストは本当にオスシちゃんグッジョブだと思う。僕はオスシちゃんになりたい。

 では、ここらで今回のお気に入りへ。
 バルゴ抹殺命令がなくなってホッとするのえるちゃんにしようかと思っていたのですが、今回は一番初めの意味深ポエムを引用しておこう。


 見てほしいのは 完璧な姿
 愛してほしいのは ありのままの姿
 見て見ぬふりをしてほしいのは
 ふたつの間でふらつく姿


 さて、これは誰にかかっているのかな。
 おそらく誰にでもかかってくるんだろうけど、誰かを当てはめてもう一回読んだりすると実に楽しいので是非。

 しっかし、見て、愛して、見て見ぬふりをしてってことはさ、結局は全部見ろってことだからそれが許される存在ってのはなんとも羨ましいね。




BURN THE WITCH 1
久保 帯人
集英社 (2020/10/2)
posted by SuZuhara at 21:54| Comment(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月26日

2020年9月映画感想。



「……貴方のものですので。生きるも死ぬも、ふて腐れて寝るのも一緒です」


 やー、元気です生きてます。
 今月はちょいと急に犬の目が腫れてしまったりしたので、あたふたしてた。心配で使い物にならなく俺は本当に使えないのです。
 実は先月に大変光栄なお仕事をもらって、死んでもいいくらい幸せな目にあっていたはずなのに、僕の感情は全くと言っていいほど動かなかったんだな。こんなものか、と。
 それがわりとショックでなにも手がつかなかったりしてたんだけど、それでも締め切りはやってくるもので、全部終わらせたんで一日中映画観てきた。今日はその感想を。

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 ネタバレありの感想になるから一度畳むけど、ラインナップはこちら。

・映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者
・劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン
・TENET
・アダムスファミリー

 元々、TENETとアダムスファミリーは行く予定だったんだけど、時間が合ったのでしんちゃんと強烈に勧められていたヴァイオレットも観てきた。
 パンフは余程の理由がないと買わないのだが、アダムスファミリーはアダムスファミリーというだけで好きなので買った。でもまだちゃんと読めていない。ヴァイオレットの方は来場者特典小説。今回の冒頭台詞はここからとった。

 では、各々の感想をざくっと書いていくぜー。




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posted by SuZuhara at 22:22| Comment(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月29日

kotoba2020年夏号



「モンスターはリアルだ。ゴーストも。
 どちらも我々の内部に生きていて、ときどき人に一杯食わせるんだ」



 朝起きて窓を開けると、一夜にしてでかい蜘蛛が窓に蜘蛛の巣を張っていた。
 もうね、戦争だよ。俺の先制攻撃で巣を壊す。蜘蛛の巣は壊すと呪われるとかなんとか――うるせぇ知ったこっちゃねぇ!
 蜘蛛は様子を見ている。怖がる俺が撤退する。蜘蛛は再び巣を作り始める。俺の不意打ち、蜘蛛の巣は壊れた。を繰り返しているのですが、僕んち裏手が山なせいか結構虫に襲われる。そして私は虫が怖い。自分にないモノを持つモノ、できるモノは怖いんだ。あいつら足ありすぎじゃない?
 そんなこんな性格なので、僕にとって世界の大半は怖いものばかりだよ。



■概要
「情報」ではなく、「コトバ」を紙の本で残したい。そんな思いを実現すべく創刊された、集英社クオータリー『kotoba』2020年夏号、スティーヴン・キング特集。


■感想
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 まず、ふらっと入った本屋でこんな赤い装丁見たら手に取っていた。しかも、最近『書くことについて』読んだばっかりだったし、自分の中でタイムリーなスティーヴン・キング特集だったので購入。

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 こんな写真をあげといてなんだが、中身はほとんど文字である。
 著名人によるキングへの想いや解説が書かれていてなかなか興味深い。読んでいて面白かったのは、浦沢直樹さんと永井豪さんで、二人の漫画を読んでいる身としてはこういう話が聞けるとわくわくしてしまう。
 でも、中でも町村智浩さんの「キングと父になること」が一番印象に残っている。

 キングのアル中やヤク中については知っていたが、その葛藤の中に父親に捨てられたことが根幹にあるとは思わなかった。幸いなことに私は親に捨てられるという経験はしていない。だからこそ、物心つく前にいなくなかった存在がそこまで傷跡を残しているとは思っていなかった。
 キューブリックの『シャイニング』に大してキングが激怒したことは有名だが、その理由が原作改変だとか気に入らないとかふんわりとしか分かっていなかったんだ。
 ここに書かれた怒りが正しいかなんてキングにしか分からないだろうけど、『シャイニング』でジャックに父親としての自分を、ダニーに息子としての自分を重ねているというのはすごく説得力があった。
 だから、原作と違うジャックの印象や最後の言葉が削られたことについて怒ったんだろうな。

 あと、キングの未翻訳を含めた著作、映画化作品全解説はめちゃくちゃ嬉しい。俺、『図書館警察』が読みたいんだけど、売ってなかったんだよな……。
 著作は読んでいないですが、映画は結構見てますね俺。
 一番好きなのはダントツで『ミザリー』。怖いを通り越して、どう生き残るかを考えさせられる。相手の望む言葉や行動をしても、結局アニーの気分次第なのだからやっぱり人が一番怖い。でも、不思議と私はアニーをサイコパスとは思えないんだよなー。

 もちろん、知らない作品もいっぱいあって『キャリー2』なんかもあるんだね。『ペットセメタリー』のリメイクは楽しみにしています。

 キングについては半分くらいで、あとは連載コラムなどがあります。
 正直、興味のないものは読んでいませんが『水を運ぶ人からスタジオジブリ証言録〜』は面白かった。

 皆さんのキング好きが分かるマニアックな考察がされているのでそういうの好きな人にはお勧めだが、求められるキングに対する基礎知識のハードルは高い。私は映画を観てたのと、『小説作法』(新訳版『書くことについて』)を読んでいたからなんとかついて行けたが、みんな口々に原作読めと言ってくるから大分居づらかったぞw
 特に『小説作法』はみんな読んでいるのな。役立てることができることが著名人たる所以なのでしょうな。

 では、ここらで今回のお気に入りへ。
 解剖学者・養老孟司さんのインタビューにて最後にこんなことを言われている。


 まだキングを読んだことがない人が、私には羨ましい。なせなら、懐かしい恐怖と初めて出会う機会が、その人には残されているからです。


 ああ、こんなこと書かれたら読むっきゃないじゃん。近々探してきます。





kotoba2020年夏号
集英社 (2020/6/5)
posted by SuZuhara at 15:05| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする