2010年11月03日

夜の目覚め


 男と女はワカラナイ。
 ワカラナイからこそ、小説に書きたくなる。



 Amazonから魔法使いの夜を11/8に発送するとメールが着た。これは何の罠か私は誰かに呪われているのか……くそぅ、情報に踊るの好きでもちっとも信じることが出来ねぇ。
 疑心暗鬼の中でスタートするのは、もちろん短編集なのだぜ。
 今回はちょっと淡白になってしまったのですが、どうやら私はこの手の恋愛ものが許容範囲ではないようです。


・たんぽぽ
 小夜子はたんぽぽの種が舞う中、夫の友人であり最も会いたかった人である角倉に会いに行った。角倉の妻が小夜子の夫を迎えにいっている僅かな間、角倉と小夜子は繰り返した逢瀬の日々を思い出す。

 簡単に言ってしまえば、本気の恋をしたことのなかった女性がした恋の話。
 浮気云々とかではなく、病気という理由から結ばれない二人の最後はとても綺麗だと思った。

 でも、私がいいと思ったのは最後だけかな。結局、最後はプラトニックに憧れるのだろう。


・旅の続き
 結婚をすることになり、相手の両親に挨拶行く新幹線の中で、弓子は昔の想い人で連絡の取れなくなった三国を発見した。
 新幹線の中で三国のことを思い出しながら、彼女は三国に会いに行く為に席を立つ。

 死にたいという願望を持つ女性が本気で恋した男性と死のうとする話、なのかな?
 絵描きである三国のモデルとなることで知り合ったのだが、次第に本気になって一緒に死んでほしいという、なんて面倒な女性の話。

 私自身、超ポジティブなのか常にゲームの発売日を心待ちにしているせいなのか死にたいと思ったことはないのですが、一緒に死ぬ相手として選ばれたことが多々あるのでこういう人には近づきたくない。
 しかもだな、誰一人本気で死のうとする人はいないんだから、心配してどんなに親身になったって結局徒労に終わってしまうだから。

 でも、そうやって「死にたい」と言っていた人たちもこんな感じで生きているのかな、と思った作品。


・花の散りぎわ
 高校時代の転校生である士郎と同窓会で再会してから関係を持つことになった千景。身体だけを求める荒々しい関係ではなく、士郎が持つ特有のゆったりとした感覚が気にいっていた千景だが、その関係に不安を覚えてもいた。

 うむ、この手の話は苦手だなと確信した話。
 元々、男女間の関係も面倒だと思っている人間だからな私は。浮気を否定はしないが、複数の人に気を配ることはできないのだ。

 にしても、事実身体だけの関係でも直接的な言葉で表現するのを嫌う彼女はというか作者さんなのかもしれないが、おそらく経験値を多く稼いだ結果、心も身体も安らぎを求めているという感じでした。

 しかし、士郎という名はあの人が出てきてしまうので困った。


・雪の残り香
 雪の積もった外を見ながら響子は手紙を書く。七歳年下のテツに向けて書いた、思い出を思い出すための手紙。

 微妙に主人公の年齢が高いことに気づいた今回。
 だいたい、四十代〜五十代ってところかな。どうりで気持ちが分からないわけだ。私はいろんな意味でこの本を読む経験値が足りていない。レベル上げにいいスポットはありますか?

 記憶の中の出来事が景色や香りと結びついて思い出されることは多々あることですが、これは辛いな。

 病気と連なる別れは、唐突かゆるやかにしか訪れないんだもんな。


・時の轍
 綾乃には妹・芳美がいた。伊佐子は浮気相手との一泊旅行に綾乃のペンションを選び、そこで彼を待ちながら、姉妹と自分の過去を思い出す。

 なんと言えばいいか、今回は学生時代の火遊びなのか、それでも生むことを決意した話なのか。
 ……過去形の話が多く、肉体関係ものばかりで疲れてきたのは内緒だ。

 しかし、全て受け入れてくれた相手がいても浮気するんだなあ。みんなバイタリティに溢れすぎだろう。


・夜の目覚め
 癌で死を宣告された綾子おば。せめてもと還暦の誕生日を祝うことになり、美々子は綾子との浅からぬ因縁を思い出すことになる。

 これは母が亡くなった後、父が叔母とできていたという、そのシーンを見てしまった子どもの話。

 うぬ、うぬぬ。
 これは美々子中心で話は進むが、主人公は叔母だろう。
 好き合っていたが、あのシーンを見られてしまったからこそ結婚できなかった、そんな女性が最後の時へ向けて生きている話。

 こういうときの子どもって、嫌だろうが親のことを思って飲み込むべきなのか、断固拒否すべきか……難しいな。


 さて、今回の好きなシーンはなし。
 うむぅ、探したんだが全体的に悲恋でギャグ的な要素はなく、私自身があまり好きではなかったために選べなかった。申し訳ない。



夜の寝覚め (集英社文庫)

夜の寝覚め (集英社文庫)

  • 作者: 小池 真理子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2005/10/20
  • メディア: 文庫



posted by SuZuhara at 14:20| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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