2016年04月05日

冴えない彼女の育てかた Girls Side2



「これも一つの、家族の形だろう?」


 さて、そろそろGEアニメの感想でも書くかな。
 最後まで観たけど、結局あの絵には慣れなかった。合間に挟むこだわりを語られるスタッフトークも、そういうのは全部終わってから観るタイプなので途中観てもテンションがなかなか保てない。
 レンカがどうよりも、レンカの新神機がとんでもすぎてどうすればいいのか。もっとRで追加された捕食とか使った戦闘が見たかったのに、チート神機なだけだったからなー。
 友人がもうGEはとっくに見限ったと言っていたが、それが正しい選択なのか。ちょっと私には時間をくださいだよ。


■あらすじ
 英梨々の描いたキービジュアルにより、倫也たちのサークルは衝撃を受けていた。
 その衝撃に幼馴染ヒロインシナリオを描き上げることで乗り越えた倫也だったが、他のメンバーたちはその時自ら乗り越えるために行動していた。


■感想
 冴カノ最新刊は、倫也のいないところでの女子たちの話であるガールズサイド。
 読み終わったのが大分前なのでちょっと淡白になってしまうかもしれない。

 ざっくり分けて、今回の話は4つ。
・美知留と先輩の邂逅。
・紅坂朱音と町田園子の大人トーク。
・出海、同人即売会での出会い。
・加藤と英梨々の二人旅行。

 初めこそ、英梨々のキービジュに衝撃を受ける女性陣、加藤と出海、美知留の話から始まりますが、久々に見た加藤が美しすぎてやばい。

 美知留と先輩の話はなかなか面白くて、秋葉原と神保町が歩いていける距離だということを初めて知った。どっちも行ったことはないんだけどな的な話をしたら、週末につれて行ってもらいましたが、あそこはアキバズトリップそのままだったから感動したな。
 せっかくなんで、兄貴にダンボーのガチャをお土産に買ったのだが、秋葉原に行ってこれだけ?的な顔をされたのは解せぬ。

 閑話休題。
 正直、美知留も先輩もあまり好きではないのですが……先輩はエロに行かなければ好きなんだけど、美知留は完全にそっちろせんだから。
 前回で倫也のもとに先輩が行った理由ですね。先輩が美知留の行動のエロ的な問題点を指摘するのは失敗しましたが、クレバーにも先輩の連絡先をゲットして利用すると言った時はちょっと好きになりそうだった。
 結局、美知留の行動原理は倫也なんだよなー。いなくなってしまうヒロインより、傍にいてくれるヒロインがいいな……。

 大人トークは、結構込み入った事情でわくわくした。
 特に紅坂朱音の子どものころにハマったゲームのシリーズが衰退していくのはつらい。そんなのは分かりきっている。
 それを立て直すために無理な条件で仕事を受けていて、それを成功させるために先輩や英梨々を使い潰す。
 しかも、先輩はこれっきりだけれども、英梨々のことを話す気はないらしく、絵描きとしての才能を伸ばすためならばなんでもするというほど。それは町田氏にとっての先輩も同じなんだけれども……。
 私は、朱音さん嫌いじゃないんだよ。
 彼女の言う家族の形は有りだと思うし、何よりたった一つの物を満足する形で完成させられるなら使い潰されても構わない。そう思えてしまうのは飢えているからですかねー。

 出海の話は自分の絵に迷っていたところに伊織に強制参加させられたイベントで、隣のブースの人との出会い。
 お互い、兄に振り回されているという共通点から盛り上がり、そこで自分の迷った絵のコピー誌を見せて答えが分かるというもの。
 柏木エリに影響された絵ではないかと心配していたが、お隣さんは言う。
 影響されている。けれどもそれはその作品にであって、キャラクターを象徴する台詞に絶妙な表情で描けている。それはすごいことなんだ、と。
 その言葉で出海がスランプから脱出する話でした。
 明言はされていませんが、お隣さんは先輩の新シリーズのイラストをやっている方ですね。兄がその人のふりをしているとか、ややこしいことは次回以降のようです。

 加藤と英梨々の二人旅は正直胃が痛くなるほどの気まずさ画ありましたが、ちょっとずついつものペースに戻り、自分がヒロインの、倫也からのラブレターシナリオを読んだ時は関係は少しだけ戻っていた。
 完全に元通りなんてことはないけれど、二人の中は回復していった。
 ここで英梨々が食いつくように、倫也に対する加藤の気持ちは知りたくてたまらないが、加藤がはぐらかすので分かるのはいつになるのか……。

 最後に美知留たちのバンドの単独ライブで、はっきりと出会わなくとも新旧メンバーたちが揃う。
 倫也たちは新たなゲームを、そして先輩たちも至高のゲームを作るために動き出しているという感じの話でした。
 物語は進まないが細部が分かって良かった。けれども、今回文体が読みにくかったなー。個人的に()を多用される分が苦手なんですよね。
 私特有の巻数が増すと読めなくなる病気が出だしたのかもしれない。次を買うかはちょっと分からないです。

 では、今回はここらでお気に入りに。
 今回は加藤との仲直りを諦められず力技に出る英梨繰り返しのシーンを。仲直りするための旅行のはずだったが、英梨々の遠さを思い知って加藤が歩み寄れないと思ってしまった時、それを全力で英梨々は拒絶する。


 目に涙を溜めて、それどころか、ぼろぼろ零して。
 何度失敗しても、何度撥ね返されても、懲りずにぶつかってくる。
「ヤだ、ヤだ、やだぁぁぁぁ〜!」
「英梨々……」
 その諦めのなさこそが、恵が羨望して、そして絶望する強さだと未だ知らずに。


 羨望と絶望は分かる気がする。
 私も感情を出すことのできない人間だから、泥臭い行動をできるところ、そして感情のままに動けるところは憧れる。
 そして、それが自分の元に向かってきたのなら、絶望しかないよなー。





冴えない彼女の育てかた Girls Side2
丸戸 史明(著),深崎 暮人 (イラスト)
KADOKAWA/富士見書房 (2016/3/19)
ラベル:冴えカノ
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2016年03月19日

ソードアート・オンライン プログレッシブ 3



「強くなってよ。いつかわたしに……わたしみたいに怯えてる子に、大丈夫だって言えるくらいに」


 アーロと少年を観てきましたが、想像していたのと違った。けれども、ならどんなものを想像していたかと聞かれると思いだせないから不思議ー。
 面白いというよりも風景が綺麗すぎて感動した。水の描写ヤバイ。なのに、濁流に飲まれる前のパパの笑顔とかトラウマ必須。でも大丈夫、スポットが愛しくなるからすぐに忘れるよー!
 ……とまぁ、きちんと最後泣いたのに茶化して感想を書いてしまう自分の心理が謎ですなー。


■あらすじ
 アインクラッド第四層に辿り着いたキリトとアスナだが、そこはベータテスト時代とは違って水に満ちたステージとなっていた。
 いち早く造船クエストをこなして舟を手に入れた二人はダークエルフの城でキズメルと合流し、数日後にフォールンエルフが攻めてくることを伝える。
 共に迎え撃つことになったキリトたちだが、敵の数の多さから苦戦を強いられてしまう。


■感想
 買ったきり忘れていたSAOP3巻。
 アインクラッドが好きなのでこっちだけでも続けて買っていたのですが、不覚にも読むのを忘れてたよ。

 第四層は水の階層で町の様子とか見るとワンピースのウォーターセブンを思い出しましたが、私が基本的にお使いクエストは嫌いなので造船クエストとかうぐぐとなった。とりあえずストーリーが知れればいい、低レベルクリアでやりこむのは二週目派である私にはSAO無理ですね。きっとすぐ死ぬな。

 造船クエストからフォールンエルフの暗躍、そして中ボス戦くらいまではステージなどの説明で正直あまり面白くなかったのですが、中ボス戦が終わりクリスマスを越えてキズメルと合流したあたりから面白くなってくる。
 キリトさんはムカつくからクリスマスパーティに呼ぶのはやめようぜというハブられたことから、パーティに参加しなかったアスナと二人でダークエルフの城に向かい、キズメルと再会する。

 もうお約束の如く風呂のシーンを終えて、城主との謁見後に防衛戦となりますが、私があまり舟に詳しくないので戦闘がいまいち想像できなかった。
 しかも、今絶賛捻くれ中なのでなんでキリトさんばっかりレアアイテムドロップするんだと主人公補正に歯噛みしたくなる。くそ、アスナも隣にいてリアルラック高すぎだって!

 しかし、キリトさんたちがいてもほぼ二倍の戦力を持つ敵に苦戦して負けかけた時、キリトさんは城主に助けを求める。
 病に侵されているとされる城主からダークエルフに味方する理由を聞かれ、キズメルが好きだからと嘘偽りない気持ちを伝えると城主が立ち上がる。

 実は病というのは嘘であり、城主が戦場に出ることで味方にバフ効果だけでなく、本人も強いというチートっぷり。
 けれどもおいしいところはキリトさんが持っていく。キリトさんの剣は折れてしまうが、城主から二つ報酬を貰えると分かってうはうはしていると攻略組がとっととボス戦に行ってしまったという。
 キズメルたちからボスの情報、水に浮く方法がなければ生き残れないことを知った二人が慌ててレイドに駆けつけようとするとキズメルと城主が言う。
 今回はここをお気に入りに。


「こういう時、人族は≪水臭い≫と言うのだろう? 私も行くさ、もちろん」
「「えっ」」
 俺とアスナは、同時に驚きの声を漏らした。
 しかしその驚きは、二秒後に天地がひっくり返るほどの驚愕へと進化した。
「では、私も行きましょう」


 城主が来てくれてほとんどやってくれるというフロアボス戦はちょっとどうかと思うのですが、アインクラッドのことが分かってなかなか面白い巻でした。
 ただ、このまま代わり映えなく続いていくとなると厳しいかなとも感じた。アスナさんとも全然別れないからなー。……ま、いなければいないで寂しくなってしまうのでしょうが。





ソードアート・オンライン プログレッシブ 3
川原 礫(著),abec (イラスト)
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2014/12/10)
posted by SuZuhara at 22:58| Comment(0) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月21日

コロシアム 3



 デスゲームの結末、萩原と伊央の運命は?


 ちょいと雪国に行ってた。
 リアルなバレンタインで死にそうになったので人と会いたくなくてふらっと行ったんだけど、まさか雪かき要員としてスコップを握ることになるとは思わなかった。いやはや。
 そこで『ワールド・ウォーZ』を観たんだけど、走るゾンビとかいけない。私は菌の拡散より人間の脳を喰らうゾンビの方が好きだな。脳を喰らうことしか行動原理はなく、脳を喰われた人間も脳を求めてゾンビとなる。
 喰ったって戻るわけじゃないのにね、的な厄介さが好きだと深夜のテンションで語り明かした時間は久々に楽しかったなー。


■あらすじ
 二年一組最後の一人であるレアナンバー・羽留奈を確保した萩原たちだったが、どこにも行くことはできずに校庭の真ん中で過ごすことになる。
 武器持ちのプレイヤーを集めてセレクションでゴールを目指す渚たち、改造した武器で部室棟を守る咲季と運動部、武力を放棄しながらも流通を支配する流華。
 一時的に収まっていた学校だが、プレイヤー・伊奈川の襲撃により金剛を失った萩原たちは散り散りになりながらも対話による解決を求める萩原と戦いでボロボロになった伊央が再会する。


■感想
 本当は水曜日には読み終わっていたんですが、バレンタイン本当に面倒だとキレていたのですぐには感想が書けなかった。思い出したくないから書かないけど、これならまだ不味い料理の方がいいと思う出来事だったぜ。

 さて、続きを待ってたコロシアムもついに完結。
 表紙がものすごくいい。背中合わせで拒絶しているようでありながらも、武器として萩原は伊央を手放せないし、伊央も目を閉じて萩原に絶望しながらも離れられない感じが。全部私の勝手な解釈だがな!

 前回の続きで海に浮かぶハワイとして孤立した萩原たちは、なぜかヘチマを食べながら暮らしていた。
 ……びっくりだろ? 私もいきなりすぎて理解できなかった。なんかいろいろと前から家庭菜園のようなものが学校でされていたらしいけど、いきなりすぎて金剛さんのリボンはカンピョウとか言われてもついていけなかったのは内緒。
 そんなこんなでなんとか生きていた萩原たちだが、ラストワン――自分たちのクラスだけ生き残るを選択した生徒たちから羽留奈は常に狙われ、セレクションを選択した生徒からは羽留奈の無事を常に監視されると言う極限生活。
 だが、金剛といい感じになる萩原が許せぬ。
 金剛との雨の中でのダンスシーンで、自分を好きになると言うことがどういうことか語るところ好きです。
 だが、死亡フラグだよそれ!

 プレイヤー・伊奈川の襲撃により環奈が撃たれる。ちょっ、環奈と環奈のスイカを撃ったお前だけは許さないぞ!
 襲撃をなんとか回避するが、羽留奈と鳴美は渚に保護させることで逃がし、萩原と北村、金剛と環奈はセレクションにも武器放棄組にも受け入れられないために咲季に助けを求めて車椅子に座らされて拘束された武器――プレイヤー・前園で離脱を試みる。
 だが、伊奈川のせいで金剛が肝臓を撃たれてしまい死亡。
 環奈だけが重症のまま、金剛の墓の傍から離れず近づけば撃つ厄介なポイントになる。

 羽留奈は渚に丁重に保護されるが、鳴美は途中ではぐれて受け入れられずに流華の元へ。
 そこは武力こそ放棄したが、弾丸の数が全ての階級社会となっていた。
 弾丸の数で女を抱こうとする男とか危険は冒さず、身体で弾丸を買う女には吐き気がするな。そんなことをするなら潔く死にたい。
 鳴美も誘惑されるが、弾丸の宝庫である校庭に環奈がいることで近づけないという話を聞き、環奈の元へ自分が行って弾丸を持ってくる代わりに前金を貰うことに。

 金剛ほどではないにせよ自分のことを覚えていてくれるはずだと、環奈治療用のクレジットを持って走った鳴美は一発の銃声に倒れる。
 鳴美のおこぼれを貰おうとしていたショッピングモール組は助けることなく逃げて行った。

 一方、伊央は重症だったがなんとかワームの治療を受けて動きだしていた。
 前回までの感想を読み返すと私は緋香里をものすごい警戒していますが、萩原という同じ人を好きになったことから二人は信頼しあえる中になっていた。
 中立地帯である食堂が襲撃され、緋香里が撃たれるまでは。

 緋香里のために萩原たちを探していた伊央は流華ともう校庭には出てこないという要望を飲んで薬と弾丸を貰うが緋香里はもう間に合わず、クラスメイトたちは緋香里の死を伊央のせいだと責める。
 なのに、敵が攻め込んできたら伊央頼みで緋香里の死体も放置するクラスメイトにプッチンした伊央は他のクラスを襲撃して安全地帯を手に入れるが、そんなことをする自分はもう化け物なのだと気づいて緋香里を連れてクラスに戻ることに。

 緋香里が言っていたけれども、プレイヤーに選ばれる条件は自殺の経験があること。
 もう命を絶とう頭に銃を突きつけた時、そこで伊央は萩原と再会する。

 しかし、伊央が思っていたように萩原に会えば救われるなんてことはなく、対話のために戦ってほしいと言う萩原に伊央の心は壊れてしまう。
 萩原を拒絶しつつも萩原の武器として撃つことを決めた伊央とのこれからの関係はすごく好みですなー。
 触らないでっていいながら、萩原が先行しようとすると心配でたまらない感じが。乙女じゃないかよぅ。

 部活棟に攻め込んでいた雪村を排除するために戦線に参加した萩原たちだが、この咲季さんのプレイヤーである黒宮には本当にがっかりだ。
 同性の咲季さんを好きというのは構わない。咲季さんは彼女を利用するために身体の関係となったのも構わないさ。
 しかし、対価を得ておきながら武器のくせに戦闘で使えないとか有り得ないだろう。さっさと切り替えろ、だからどうでもいいところで死ぬんだ。

 逃げる雪村を追った先の校庭には環奈に見せかけた伊奈川の死体と、治療が遅く回復には至っていないが生きている環奈と死んだふりをして戻って来た鳴美がいた。
 雪村を排除し、咲季との交渉で羽留奈を取り戻せば対話の手段をくれるということで萩原は内通者と組んでセレクションを責めることに。
 しかし、鳴美と再会した伊央にやり直しの可能性を見てこれ以上連れて行くことはできず、環奈の調子を確認するが「わからない」。連れて行けば死ぬと一目で分かるのに、無理だと言わない環奈が愛しい。
 けれども、微妙に独占欲を感じる伊央の「最後まで萩原くんの銃」宣言で二人で攻め込むことに。

 しっかしなー、これが罠だった。
 羽留奈は既に内通者によって逃がされていて、萩原たちは羽留奈をさらった犯人として追われることに。
 ここで、萩原が銃弾で手と頭を怪我するんだけど、あんなに嫌ってます態度だった伊央が萩原に死を感じて取り乱すところ可愛い。感性が歪んでるんだよ私は。

 金剛の映像を使い、裏で掌握していた流華を捕まえた咲季は環奈のいる校庭に行く。
 北村と鳴美がいたために環奈は咲季たちを撃たず、そこで内通者と羽留奈とも合流してセレクションを完成させる。
 打った銃弾は零時に校庭に落とされる形で補給され、しかも流華たちは千発のうち四百は持っているので持久戦に持ち込むというものだった。

 咲季に裏切られた萩原は失意のまま伊央と向かい合い、傷だらけの中で心を通い合わせる。
 弾丸を二発残したがった伊央は最後には萩原と自殺するつもりだったが、一発しかないので屋上から飛び降りることに。そこには渚がいてまたドンパチになるのだが、「渚を撃ったら私と飛び降りて」という伊央の執着具合がすごいね。愛が怖いよ。

 校庭ではセレクションの中で翻弄されていた羽留奈が声をあげて対話の道を選ぶべきだったと告げるが、最大武力保持者がなにを言っても通じない。
 しかし、それに咲季も同意して萩原を裏切ったが対話する手段を与えると言う約束が発動する。

 本来であればその日は自由参加の水泳大会で、萩原の作った水着女子映像が殺伐とした学校に流れる。
 その映像の千人――学校の生徒全てが揃ったら素晴らしいという渚の言葉に、もう千人は無理でも俺たちは友達だから手を取れるはずだとたった三分だけ許されたロゴスを使用して萩原は呼びかける。
 伊央は戦うことをやめて、萩原はかつてのコロシアムで三十人の弾丸を集めることがゴール条件だったようにここでも千人の弾丸を集めようと呼びかける。

 校庭のセレクションに弾丸を渡そう。彼らはきっと撃たないと信じている。
 その言葉に応じたのは紗季でも流華でもなく、羽留奈だった。セレクションは校庭から動かずに弾丸を千発集まるまで管理する。
 ふーむ、この辺は萩原と羽留奈の関係を思うと胃が痛いね。羽留奈が萩原と別れる時に見せた感情は間違いなく恋だし、伊央は萩原に執着と依存しているところがあるし、再び手を握るのはいかんと思うと感動のシーンを台無しにするようなことを思っていた。

 その日から学校での争いは下火になる。
 殆どの生徒が引きこもっていたが、協力してくれる者もあらわれて弾丸は着実に集まっていた。
 萩原が見つけた弾丸を校庭に放ると伊央が持っていたワームが転がって千発集めたことで出口が開かれるという終わり。

 次は学校から市街地も含めたコロシアムですね、とか思ってないよ。
 毎回のことだけれども、土橋さんの作品は終わりが消化不良なところがあり、この学校がコロシアムになった理由とか、コロシアムの目的とかは語られない。
 むー、面白かったけど、そろそろいろんなゲームの黒幕が知りたい。七美ちゃんの人質ゲームでもいいのよ。

 では、ここでお気に入りへ。
 今回は最後に銃弾を渡すために萩原と伊央が校庭に来たところで、羽留奈が萩原に気づいて手を振ったところから。
 ルールで近づけないけれども手を振り返す萩原に伊央は言った。


「行こう」
 不意に手を引っ張られ、萩原はその場を離れた。
「校庭も探さないといけないから」
 伊央は萩原の手を握って校庭を歩く。


 なんの変哲もない文章なのに伊央の執着心とか独占欲が感じられて発狂しそうだった。
 ゴール迎えた後が怖いね。ま、伊央は確実に最強のプレイヤーなので返り討ちでしょうがね!




コロシアム 3
土橋真二郎 (著),白身魚 (イラスト)
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2016/2/10)
ラベル:土橋 真二郎
posted by SuZuhara at 11:03| Comment(0) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月05日

冴えない彼女の育てかた 9



「俺は英梨々を裏切って、そして英梨々に告白する――」


 かなり深刻なゲーム離れが起こっている。だって今、遊撃隊やってるけれどもまだ10話だし。時間が取れないとはいえ集中力がないな。
 うたわれるものの続編が1年後の9月というニュース話は嬉しかったけれども、やはり閃の軌跡とダブっちゃうので戦々恐々。トラウマになっているのかもしれんなあれ。
 そんなことをぼちぼち思う昨今、調子が悪いぜ。


■あらすじ
 波島伊織とその妹・出海を加えてサークルは新たに始動したはずだったが、英梨々の書いたイラストをきっかけにぎくしゃくしていた。
 イラスト担当として比べられることになり自分の絵柄を見失う出海、そして英梨々と仲直りできていない加藤にどう接していいか分からないまま、倫也は霞ヶ丘先輩のアドバイスに従って英梨々をモデルとしたキャラを使ったシナリオを書くことになる。


■感想
 ああ、私が英梨々が苦手な理由が分かった。
 この奇妙な一途さが、自分を見るようで嫌なんだな。

 さて、今回は冴カノ9巻。
 発売日に買ったけど読むのに時間がかかりましたなー。最近よく寝ちゃっているんですよね私が。休みがもらえてないんで、自衛のために寝るしかないんですよ。
 ま、そんなことはどうでもいい。今は加藤の話をしよう。

 前回の続きからで英梨々のイラストを見てサークルに激震が走ったところからですね。
 一見、普通であったサークルだがその衝撃は出海と加藤には激しく、出海はスランプに加藤は仲直りのきっかけを掴めなくなってしまっていた。
 新たに加入したプロデューサー伊織と加藤の中が前回のことから最悪で、めっちゃ喧嘩していて怖いんだがw ほら、前回の伊織による「倫也の彼女は黒い」という発言から、加藤さんは一ミリも許してらっしゃらなかったww

 加藤=黒い説が現実味を帯びてきた中、出海のギャルゲープレイとかあるけど、やっぱりああいうのって自分と似たキャラを好きになるのかな?
 出海は後輩キャラを好きになって主人公の幼馴染み、親戚キャラを嫌いになるんだけど、まあ案の定の展開だよw

 加藤が渦中の人のためにまとも路線がいなくなってしまったからか、美知留が倫也の相談に乗ってくれる。
 そして倫也は加藤が英梨々と喧嘩状態をつらいと感じていること、出海が英梨々の絵に引きずられて自分を見失いつつあることを知らされる。

 そこにやってきてくれたのは、霞ヶ丘先輩だった。
 ちょい前の巻で加藤が倫也を待っていたらすぐにやってきたのに、自分が待っている時は全然来ずに雨まで降ってきても待っているという一途さに自己嫌悪しながらw
 やばい、ちょっと先輩が可愛いと思ってしまったぜww

 いつの間にか美知留と繋がっていた先輩は倫也の危機を聞きつけやってきて、そして解決法を教えてくれる。
 サークルとしては英梨々を切れれば終わるが、そんなことをすれば英梨々が潰れる。ならばどうすればいいのか。

 それは、シナリオに使うこと。
 こんな面白いネタがあるならシナリオにしろ。直接はなせないのであれば、シナリオにして伝えろ。

 ああ、やばい先輩格好いい。
 今回のお気に入りはここなので後でまた書きますが、それはちょっと本当に憧れる。

 それから倫也はこれまでの――一巻から英梨々とのことをシナリオにして書き始める。加藤のことで絡んで来た時とか、倫也との間にずっとあった喧嘩の話をそのままつかった英梨々ルートである。
 それを書く前に倫也は英梨々と電話でこれまでの喧嘩状態だったこととかのお互いの気持ちを話し合っているんだが、ここ読んでいて本当に英梨々の奇妙な一途さが自分と被ることに気づく。……八年か、俺はもう友人のことを十年以上思ってるよ。

 そんなこんなで書き上げたシナリオを加藤が読み、出海と伊織が読む。みんなの感想が倫也はどんだけ英梨々が好きなんだで笑ったw
 その萌えとは程遠いリアルな感情に伊織は出海に萌えでコーティングすることを提案する。こてこての萌えで相手を引き込めと。

 イラスト買いというのは結構あるが、絵とシナリオが合わないのはこういう目的があったんだな。ちょっとタイトルが思い出せないんだが、とあるスパイゲームもこてこての萌え絵で、なのに内容結構グロくもあり厚いシナリオに引き込まれて最終的には私の中で現在も上位にある作品がある。
 あ、ジャケ買いじゃないよ。ネット上で勧められて買ったんだと思った。あなたは絶対好きだとか言われたらやらざるを得ないw

 出海は倫也のシナリオのリアルな泥臭さを隠すために自分の絵で飾ることを決意し、加藤も倫也がシナリオで書けなかった巡離と英梨々の仲直りのシーンのためにも仲直りに行ってくる言う。そして、関節キッスに再びやってきた倫也くん呼び。
 英梨々ヒロインと見せかけて加藤が持っていった――っ!

 いやー、今回は手放しに面白いと言うにはちょっと展開が辛かったですが、面白かったです。
 次はこの話の倫也がいないところでの女性陣の話になるので、この巻の評価は次を待ってからでしょうな。楽しみだ。加藤の気持ちと美知留と先輩の繋がりが知りたいぜ。

 では、今回のお気に入りへ。
 上でちょっと書きましたが、先輩がやってきて倫也に全ての問題を解決するためにシナリオを書けと伝えたシーンから。
 面白い話は人の心を動かす。そう言った先輩を見た時の倫也の気持ち。


 その瞳には、何かが宿っている。
 それは、かつて何度か見た、クリエーターモードの彼女。
 俺がドン引きし、恐れおののき、そして憧れた……
「そうすれば、あなたは自分の物語に相応しい絵を手に入れられる……自分の力でね」
 俺が、そうありたいと、ちょっとだけ願ってしまった、人間をやめた時の瞳。


 ここから英梨々と話をしてシナリオを書き上げていくシーンはぐっときたなー。
 特に倫也がシナリオで物語る英梨々の加藤への気持ちとか泣きそうだった。加藤の普通さに癒されて憧れて、そして自分への劣等感に潰されそうになる。
 自分を偽るのはいつだってつらいけれど、そこに自然体で嫌われもせずに好かれてもしないなんてことはないなんて人がいたことを考えると……英梨々が心を開くまでの時間の長さが感慨深い。
 しかし、最終巻を迎える時はちゃんと倫也たちが作る冴えない彼女の育て方(仮)はきちんとゲーム化していただかないとな、うん。





冴えない彼女の育てかた 9
丸戸 史明(著),深崎 暮人(イラスト)
KADOKAWA/富士見書房 (2015/11/20)
ラベル:冴えカノ
posted by SuZuhara at 22:25| ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月08日

無限の住人 刃獣異聞



「そいつが、もうそれ以外には何も出来ねェからだよ、お嬢ちゃん!」


 うたわれるもののアニメがまさかのエルルゥを出してくれるとは、深夜の歓喜がやばかったですな! ゲームには出なかったから完全に続編の方にしか出さないんだと思っていたよ。
 Fate/GOの三章もうはうはとプレイしましたが、この東出シナリオのズルさ。もう絶対にアステリオスを好きになるに決まってんじゃん。エウリュアレとセットでいてほしくなっちゃうじゃん。
 ま、一番は幕間後のタマモキャットであることが判明したがなw


■あらすじ
 両親の敵である逸刀流への復讐を誓う浅野凛はひょんなことから出会った万次を用心棒として仇討ちを図るが、逸刀流の一人との戦闘中に怪物が現れる。
 逸刀流に万次と凛、そして謎の怪物の三つ巴と発展しそうになるが、怪物の現れた場所から怪物サイド・無骸流と接触することに成功する。
 仇討ちに対して自分の気持ちを考えながらも凛は逸刀流当主が、そして怪物が現れるという宿屋に向かい、万次とともに怪物・イヌガミと戦うことになる。


■感想
 映画化が決定した漫画のノベライズ本です。
 私は失礼ながら原作は未読なんですが、大迫純一さんがノベライズを担当しているということで買っていた。
 ……映画化が決まったから早く読めって言われたんだけど、やめろよぅ、読んでない大迫さんの作品が無くなっちゃうじゃないかよぅ。

 さて、感想に行こう。
 浅野道場の一人娘であった凛は目の前で両親を逸刀流に殺されたことから復讐のために逸刀流を狙っていた。
 運悪く擦れ違った男たちの話に反応してしまったことから浅野の娘であることがバレて追いかけっこになっていたところに、顔面に傷がある隻眼の男・万次に出会う。

 万次のことは八尾比丘尼の婆さんから聞いていたらしく、そしてその強さを見込んで仇討ちの用心棒に雇うことになるという流れ。
 この段階では万次は奇怪な刀を持つ武士という印象でしたが、次の黒衣鯖人戦で認識は改められる。

 凛の両親を目の前で殺した時から凛に恋していたという黒衣は、これまでの二年間ずっと凛に恋文を送っていた。
 このシーンはかなり驚いたが、ラブレターww嫌がらせすぎるwとか茶化すことはできずに、二人の歌の詠み合いを見守ってましたな。
 どんな外見か見たくて読了後にググったのだが、凛の母さん剥製にされて肩にくっつけられているのな。リンダキューブを思い出したよ。

 死を究極の愛情表現と思っている節があり、凛を殺して自分も死ぬ、心中を提案すると歓喜するという変質者ですが、どうしてか嫌いになれない。むしろ、この異常愛好きだなどうしよう。
 黒衣は万次が後ろから来ていても凛から目を離したくないという徹底っぷりを見せてくれますが、それも肩骨が背面170度までいけるらしく、万次を容易く奇襲してしまう。

 黒衣との戦闘で万次への感想は、あれそんなに強くないんだろうかと言うものだった。タフだけど圧倒的に強いというタイプではなかった。
 逸刀流を七人も殺した輩を万次だと思われるが、万次が殺したのは凛を助けた一人のみ。この前から凛はおかしいと気づきますが、黒衣との戦闘に乱入した怪物によって黒衣は殺されてしまう。

 刀の整備からもう一人の逸刀流・凶戴斗と出会い、父の形見である刀を取り戻すが、この件から万次と凶が戦闘することになる。
 ここでも万次は結構やられるのだが、彼の強さは圧倒的な力ではなく、不死身ということだった。なんでも体内にいる虫がどんな傷も塞いでしまうのだという。間桐さんの虫より優秀な虫。

 ここでも怪物が乱入し、凶しか狙わなかったが凛が攻撃したことから敵と認識され、その場はなんとか逃れるも逸刀流への復讐に第三戦力がいることが分かる。
 怪物の移動する水路から尸良に辿り着き、協力はしないが怪物と話をしたい凛は次に狙う情報をヒントとしてもらうことに成功する。

 尸良たち無骸流については今回はあまり語られていないので、機会があったら漫画の方もよんでみたいな。

 阿片を使って薬塗れのドーピング怪物・イヌガミを使って。逸刀流当主が泊まる宿屋を襲撃するが、先に勘づいた凶が成り代わっており戦闘へ。
 万次たちも間に合い、凛は自分にも問いかけているなんのために戦うのかということを怪物に問うが、イヌガミに答えるだけの感情は残っていなかった。
 ただ逸刀流を殺す、それだけしか彼の頭にはない。

 当主の出現でどうなるかと思ったが、最後に決めてくれたのは万次だった。
 当主との邂逅も答えの出ないまま行動するんじゃなくて、そこで一度離れて自分の意志をきちんと固めているところを見るし凛は良い子ですね。黒衣が好きになるはずだw

 原作を知らないままで読みましたが、面白かったです。
 個人的に小説の地の文で「どどん」とかあるのは苦手なんですが、きっとこれは大迫さんが漫画の表現を再現しようとした結果なんだと思う。
 文章も大迫節というよりは作品に合わせてある様子でしたし、それでもああ大迫さんだなと思える文章ににやりとしてしまうのはきっと私だけじゃないはず。

 大迫さんの死を知ってもう随分経ちますが、未だに受け入れきれてないんですよね。ひょっこり新刊が出ていそうな、そんな気がする。
 けど、だからって大切に本をしまっていてはいけないな。ちゃんと読んでいかないと。

 では、この辺で今回のお気に入りと行きましょうか。
 仇討ちのためなら鬼とだって組むと言った凛に黒衣から奪った十字手裏剣を見せながらこいつも鬼だと万次は言う。


「うん、判った」
「よし」
「でも、それ嫌いだから」
「判った。こっそり隠れて使うわ」


 このシーンでの言いかけるような物言いと暖かい目。そして最後に茶化すように言って和らげる男性像が、大迫さんはすごく好きなんだろうなと思った。
 あとがきで原作のものすごいファンだと語っていますが、こういう器の大きい男性像が好きで私はゾアハンターを一気読みしたもんなーと思い出したので。





無限の住人 刃獣異聞
大迫 純一(著),沙村 広明(原作)
講談社 (2013/2/21)
posted by SuZuhara at 17:03| ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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